2013年04月24日

治験責任医師の要件/ 治験実施医療機関の要件

今週も引き続き、治験の進め方のポイント、モニタリングの基礎です。(第3週目)


●治験中のモニタリングについて(1)


治験実施医療機関の要件維持の確認

下記2点が治験期間を通して継続していることを確認する。

・医療機関および責任医師が治験を適切に実施するのに求められる要件を満たしていること。

・検査室や必要な装置およびスタッフを含む設備が、治験を安全かつ適正に実施するのに十分であること。



次のことにも注意しましょう!

医療機関の要件が維持されているか

@開催されたIRBが要件(省令第27〜34条)を満たしていること。

A当該治験が安全にかつ科学的に実施されていること。

B治験責任医師、分担医師、薬剤師、CRC等当該治験スタッフが変更がないこと(変更があったら、適切な処置を講じる)。

C治験薬管理者が治験薬の性質およびプロトコルを理解し、当該治験薬の適切な保管、管理および調剤等を実施していること。

D記録等の保存を適切に行なっていること。


上記の項目は、施設SOPや治験事務局、CRC、薬剤部等より確認することができる。

・施設SOPは度々改訂が行われることがあるため、施設SOPが改訂された際に、通知していただくよう予め依頼し、改訂されたら改訂版を入手して、医療機関選定時に確認した要件等に変わりがないこと、改訂版に沿って治験が実施されていることを確認する。

なお、施設SOP(写)の提供を拒否された場合は、閲覧確認でもやむを得ないが、モニタリング報告書にはその旨記載する。

・治験責任医師、分担医師、治験事務局やCRCに対し、治験を行なうための基準要件に関わる変更(職名変更等)が行われた際には、モニターに連絡して頂くように事前にお願いしておく。



医療機関の長は、人事異動等による責任医師等の変更がある場合には依頼者に事前に連絡する旨規定はされていますが(省令第36条第1・2項解説)、モニターは受け身の姿勢ではなく積極的に、該当事項発生の有無を調査する必要がありますね。

IRB委員に変更があった場合、変更後のIRBがIRB構成要件に合致するかを確認すること。(継続審査時)

IRB委員の変更については、治験審査委員会の設置者が保存する記録 1)委員名簿及び、治験の継続に関する医療機関の長の指示、決定に関する文書に添付されている治験審査委員会の治験の継続に関する通知文書の写しに委員の名前が記載されているので、それを見ることによって委員の変更の有無を確認することができます。




治験責任医師の要件

@治験を適切に行うことが出来る十分な教育および訓練を受け、かつ十分な臨床経験を有すること。

A治験実施計画書、治験薬概要書及び治験薬の適切な使用方法に十分精通していること。

B当該治験を実施に際し、GCP及び治験実施計画書を遵守できること。

C依頼者によるモニタリング及び監査並びにIRB及び規制当局による調査(原資料等の直接閲覧を含む)を受け入れる意思があること。

D治験を行うのに必要な時間的余裕を有すること。

E目標症例数(適格な被験者)を合意した治験期間に実施できること。

F分担医師及び協力者等の適格なスタッフを確保できること。





要件が維持されていることについて、いつ、どのように確認するのでしょうか?

適宜、CRCや治験事務局、その他MR、医療機関の人事担当者に訪問や電話等にて確認します。

直接責任医師に聞くことはあまりありません(無いこともないですが)。



また、3月末や年末には、組織の編成、転勤・出向・退職等の人事異動等、医療機関内で様々な変化が生じることが多く、病院の人事担当者等に医師の職名変更の有無を確認する必要があります。

またIRB委員についても同様に確認する必要があります。

IRB委員の異動については、指名記録やIRB出欠リストにより知り得ることがあるので、しっかり内容確認を行なうことが必要です。

その他、院内検査を実施している場合、検査機器や試薬の変更によって、院内基準値が変更される場合があるので検査科への確認が必要です。

いずれにしても、日頃から医療機関や医師の変化を敏感に感じ取れるように心がけ、気付いた時にはすぐに確認し、必要に応じて手続きを実施します。

そして、その経緯を含め全てをモニタリング報告書に残すことが必要です。




治験責任医師の「時間的余裕」はどのように確認するのでしょうか?

責任医師には、教授や准教授、診療科部長等、職位の高い先生が就くことが多く、診療や手術、講義等の通常業務で大変忙しいのが現状です。

そのため、面会のためにいかに時間を割いていただくか、あるいはいかに空いている時間をモニターがかぎつけるかがポイントとなります。

例えば、外来の診療時間および外勤を確認する等、医師のスケジュールをチェックしておくことが必要となります。

稀なケースですが、施設によっては、履歴書に責任医師の診療時間や診療日数を記載する欄があることもあります。

その他、他の治験を何件されているか、その件数も判断基準として考えられます。

どうしてもアポイントが取れない場合は、上司、リーダー等に相談し、対策を考える必要があります。




治験責任医師、分担医師、薬剤師、CRC等当該治験スタッフが人事異動等により変更になった場合どのようにすればよいでしょうか?

責任医師が変更になった場合には、責任医師との治験に関する合意、治験審査委員会の審議、および契約を行う。

分担医師または他のスタッフが変更になった場合には、協力者リストの更新及び医療機関の長の了承が必要。

また、治験分担医師についてはIRBでの審議が必要。


明日へ続く。




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