2013年04月11日

データモニタリング委員会に関するガイドラインの意見募集の結果(4)

●今日のテーマとも関連しますが、「データモニタリング委員会に関するガイドラインについて」(薬食審査発0404第1号:平成25年4月4日:厚生労働省医薬食品局審査管理課長)が正式に出されましたので、下記のページにリンクを張っておきました。

このブログは毎週、土日に作成して、自動投稿していますので、上記の最新のガイドラインを反映していませんので、ご了承ください。
    ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/detamonitoring


●さらにGCPガイダンスの改正がありました。

「「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」のガイダンスについて」の一部改正等について」(薬食審査発0404第4号:平成25年4月4日:厚生労働省医薬食品局審査管理課長)について下記のページにリンクを張ってきました。

https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/home


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

今週は「データモニタリング委員会に関するガイドラインの意見募集の結果について」を見ていきます。

ガイドラインの案と意見の結果のリンクは下記のページに張ってあります。


●データモニタリング委員会に関するガイドラインの意見募集の結果について
(データモニタリング委員会に関するガイドラインに対するパブリックコメントの結果)
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/detamonitoring



今日もまた、独断と偏見で選んだ気になるパブリックコメントとその回答を見ていきましょう。


■■■■■■■■■■■

【意見】

DMC委員を治験依頼者から任命する場合、疾患領域にってはDMC委員が偏る傾向があり、利益相反をしっかり管理することが重要と考えます。

その判断基準の概要等は、厚生労働省で作成されると大変効力があるのではないでしょうか。

また、DMC委員だけでなく、治験責任医師においても利益相反の規定について検討すべきではないでしょうか。



【回答】

御意見をありがとうございます。

なお、GCP運用ガイダンスに記載しているとおり、企業との連携による利益相反に係る資料については、必要に応じてIRBが治験責任医師等に提出を求めることは可能です。

■■■■■■■■■■■


いつから「利益相反」という言葉が使われ始めたのか知りませんが、大事なことですよね。

「利益相反」ってそもそも何?

ネットで検索してみると・・・・・

ウィキペディアでは・・・

利益相反とは、利益相反行為 (りえきそうはんこうい)とは、ある行為により、一方の利益になると同時に、他方への不利益になる行為である。

わかりやすく言うと、依頼者からの業務依頼があった場合、中立の立場で仕事を行わなければならない者が、自己や第三者の利益を図り、依頼者の利益を損なう行為のことである。例2がこれに近い。

例1. 例えば、行為者Aがある会社Bの社員(役員、従業員)でありながら、Bの競争相手である会社Cと関係を持ち、何らかの形で、AとCとが利益を得ると共に、Bが不利益を被るようなこととなる行為を言う。

例2. 家の強度試験を行う民間検査会社の株主が、住宅メーカーである場合などがある。この場合、検査会社と住宅メーカーとでは直接は利益が一致していない。しかし、上下関係があるため、チェックが甘くなる場合がある。結果として、試験結果が甘く付けられ、住宅を購入した人が不利益を被る恐れがある。



う〜〜〜〜ん、分かったような、分からないような。

治験で言うと具体的に言うと何?


他にも、こんな説明がネット上にあります。


利益相反(Conflict of Interest:COI)について

利益相反とは、外部との経済的な利益関係により公的研究で必要とされる「公正」かつ「適正」な判断が損なわれる、または損なわれるのではないかと第三者から懸念が表明されかねない事態のことを言います。

利益相反は程度の差こそあれ必ず存在するものです。利益相反があること事態が問題なのではなく、それにより研究の倫理性および科学性が揺るがないことが大切です。
 
そのため、利益相反に関しても個人で管理するのではなく、第三者が研究の倫理性および科学性を審査し担保する体制が必要です。

(北里大学のサイトより。)


治験の結果が第三者から(一般市民の方から)、「その医師は、製薬会社から、多額の研究費を貰っている。その医師は製薬会社の都合のよいようにデータを作ったり(捏造したり)、解釈を強引に捻じ曲げていないか?」と言われませんか?ということですね。





ところで、話が跳びますが、製薬協は「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」に関連して、医師会ともめていましたね(と言うか、押し切られましたね)。

特に意見はありません。

そういう事実があったということで・・・・・・。


あ! 穿った見方ですが、このパブリックコメントは「やらせ」はないですよね?

どこかの電力会社が地域での討論会に自社の社員を多数送り込み、都合のいい質疑応答をしていたというニュースがありました。

このパブリックコメントはないですよね? (なんだか、最近、疑心暗鬼になりつつありますが。)






■■■■■■■■■■■

【意見】

日本人だけのDMC委員会の設置は、DMC委員の人数は日本では限定されてしまうために非常に危険で、全体のDMC委員会の意見と乖離するおそれがあります。

また、治験依頼者と複数のDMCの間の情報伝達やコミュニケーションが複雑になり、意思決定に時間を要し、対応が遅れる危険性があります。

さらに、盲検解除情報を知りえる関係者が増え、情報漏えいの機会の増えることが危惧されます。

本来、DMC 委員は必要とされる専門性を有しているはずで、特定の地域での安全性に懸念があればそれらも含めて評価できる体制を構築しておくことが重要です。

全体のDMC委員会で、日本人被験者の安全性、有効性を検討し、また別途日本人でのDMC委員会を設置する場合には、全体のDMC委員会と同時期に開催し、同時に意見交換を行わなければならないと考えます。



【回答】

御意見をありがとうございます。

国際共同治験では各地域で事前に得られている情報に応じた、DMCによる適切な安全性モニタリングを可能とするべきであるとの主旨ですが、御意見を踏まえて一部記載を修正しました。

■■■■■■■■■■■


う〜〜〜ん。国際共同治験の時代ですね。

世界各地のDMCや治験全体をマネジメントできる日本人の人材も育成していきましょうね。




■■■■■■■■■■■

【意見】

「治験依頼者は中間データ及び中間解析に基づく比較結果の漏洩を防ぐため、適切な方策を講じるべきである。」というあいまいな記載ではなく、「治験に係る文書又は記録について」にある標準業務手順書、効果安全性評価委員会の設置に関する記録に記載するとされてはいかがでしょうか。



【回答】

いわゆる必須文書はあくまで必要な情報が適切に記録されるために作成する書類の参考例として示したものであり、あくまで適切に漏洩防止策が講じられればその方法は問いません。

■■■■■■■■■■■


うん。

僕が外資系で働いていたとき、DMCの中だけでキーを解除し、中間解析をやる治験を同僚がやっていましたが、「適切な方策」を社内のSOPで規定していました。




明日へ続く。




●最新の医療ニュースのまとめ
http://medical-news.seesaa.net/

●iPS細胞と再生医療ニュースのまとめ
http://horai-science.seesaa.net/

●治験と臨床試験のニュースのまとめ
http://chiken-adventure.seesaa.net/

●製薬会社のニュースのまとめ
http://horai-biz.seesaa.net/

●最新の科学のニュースのまとめ
http://horai-sciencenews.seesaa.net/

●ホーライ製薬は下記
http://horaiseiyaku.seesaa.net/

●医薬品ができるまで」は下記
http://chiken-imod.seesaa.net/

●ハードボイルド・ワンダーランド日記
http://hard-wonder.seesaa.net/



●日刊及び週刊のGCPメルマガのまとめ(ブログ版)
http://horai-gcp.seesaa.net/

●日刊及び週刊のGCPメルマガのまとめ(サイト版)
https://sites.google.com/site/horaimalemaga/

●GCPの解説(ワンポイントアドバイス)ブログ版
http://gcp-explain.seesaa.net/

●GCPの解説(ワンポイントアドバイス)サイト版
https://sites.google.com/site/gcpnokaisetsu/

●GCPの問題集(ブログ版)
http://horai-gcp-test.seesaa.net/

●GCPの問題集(サイト版)
https://sites.google.com/site/monitorcrcgcpmondai/

●モニターに必要な知識、CRCに必要な知識、医学知識、薬学知識、カルテ用語 (ブログ版)
http://cra-hilevel.seesaa.net/

●治験の略語集、治験に使われる言葉の解説(サイト版)
https://sites.google.com/site/chikenryakugo/

●お勧めのビジネス書(ランキングあり)
https://sites.google.com/site/osusumebzbook2/

posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | データモニタリング委員会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック