2013年04月05日

治験の進め方のポイント(5)

今週からしばらくは「治験の進め方のポイント」です。

もうすぐ新人のモニターが誕生しますからね。

今週からは新米モニター向けGCPセミナーです。


●治験の進め方のポイント(5)


プロトコルおよびCRFの内容を治験責任医師に十分に説明した後、これらの内容に合意頂けるか確認します。

プロトコルを遵守した治験の実施について責任医師と合意が得られるかを確認しましょう(特に遵守することが困難であると予測される項目については十分に行う)。

合意が得られた場合は、プロトコルまたはそれに代わる文書2部に責任医師と依頼者がそれぞれ記名・捺印または署名し、各自日付けを記入します(1部は責任医師保管用、1部は依頼者保管用とする)。

場合によっては合意が得られない場合もあります。

そんな時は、何故、合意が得られないのか、どこが合意できないのかを確認します。

治験実施計画書を改訂することにより合意が得られるか確認してみましょう。


治験実施計画書の改訂により対応可能である場合、治験依頼者と協議した上で改訂を行うことになります。

改訂しても合意が得られない場合、または改訂できない内容である場合、責任医師に十分説明の上、治験の依頼を中止せざるを得ません(残念ながら)。


治験責任医師の合意が得られない場合の対応で注意すべき点はどこでしょう?

治験責任医師に合意が得られない理由を聞き、その場では当該施設での実施の可否の即答を避けることが大切です。

例えば、「ある特定の検査が出来ない」といわれた場合は、出来ない理由や医師がどうしたいのかということを聞き、少しでも治験実施の可能性を探ります。

そして、このことを正しく依頼者に伝え相談します。

理由が治験薬の評価や臨床検査に関する項目であればプロトコルの変更は難しいです。

しかし、薬効評価に影響のない箇所等、プロトコルの根幹に関わらない範囲であれば施設ごとのプロトコルを作成することも可能です。





治験実施計画書の合意にあたり、「プロトコルに代わる文書とはどういったものでしょうか?」という質問を受けることがあります。

これは、合意して頂いたことを証明する文書です。

多くの場合はSOPに様式があります。

施設によっては、施設SOPの様式でのプロトコルに代わる文書(合意書)が必要になり、その場合、施設様式、依頼者様式の2部を用意することとなります。

なお、依頼者によっては、プロトコルそのものに記名・捺印または署名を頂く場合があります。



さて、治験実施計画書の合意が得られたら、治験責任医師に、被験者から治験への参加の同意を得るために用いる同意文書及びその他の説明文書の作成を依頼します。

ただ、この依頼は、責任医師が作成に要する時間を考慮して、責任医師選定時に行うことが多いでしょう(治験実施計画書の合意を前提として。)


同意・説明文書に記載すべき項目は以下のとおりです。
   ↓
https://sites.google.com/site/gcpgaidansu/79-di51ic



治験責任医師等は、前条第1項の説明を行うときは、次に掲げる事項を記載した説明文書を交付しなければならない。

1) 当該治験が試験を目的とするものである旨

2) 治験の目的

3) 治験責任医師の氏名、職名及び連絡先

4) 治験の方法

5) 予測される治験薬による被験者の心身の健康に対する利益(当該利益が見込まれない場合はその旨)及び予測される被験者に対する不利益

6) 他の治療方法に関する事項

7) 治験に参加する期間

8) 治験の参加を何時でも取りやめることができる旨

9) 治験に参加しないこと、又は参加を取りやめることにより被験者が不利益な取扱いを受けない旨

10) 被験者の秘密が保全されることを条件に、モニター、監査担当者及び治験審査委員会等が原資料を閲覧できる旨

11) 被験者に係る秘密が保全される旨

12) 健康被害が発生した場合における実施医療機関の連絡先

13) 健康被害が発生した場合に必要な治療が行われる旨

14) 健康被害の補償に関する事項

15) 当該治験の適否等について調査審議を行う治験審査委員会の種類、各治験審査委員会において調査審議を行う事項その他当該治験に係る治験審査委員会に関する事項

16) 当該治験に係る必要な事項


上記はGCP省令で規定されているものですが、より詳しい項目はGCPガイダンスをご参照ください。
   ↓
https://sites.google.com/site/gcpgaidansu/79-di51ic





上記の内容に「IRBの種類、審議事項、その他当該治験に係るIRBに関する事項」が加えられる必要がある。(省令第51条第1項第15号および省令第51条第1項解説3参照)

IRBの手順書等を確認することができ、併せてこれらを施設のホームページに公表している場合は当該ホームページのアドレスを、公表していない場合は事務所で一般閲覧に供している旨を記載する必要がある。

また、IRBの手順書を確認したい場合は申し出て欲しい旨を記載すること。(省令第51条第1項解説4参照)



これらの記載内容は、各医療機関共通部分が多いため、ほとんどの場合、依頼者が同意・説明文書(案)を用意しています。


この案(施設で同意・説明文書に関する規定が定められている場合は、その様式に合わせたもの)を責任医師に提供し、同意・説明文書の作成に協力することが多いですね。




また、被験者負担軽減費の金額および保険外併用療養費の期間等(制度としては治験薬投与期間中であるが、医療機関により観察期から求められることがある)については、責任医師、治験事務局および医事課等と協議して決定します。

事前に治験依頼者のの方針を確認しておきましょう。

なお、説明文書は治験事務局でIRB開催前にチェックが入り、修正指示が出されることもあります。

施設の規定で同意文書と説明文書が別に規定されている場合、一体化した文書または一式の文書にすることが望ましい(省令第51条第1項解説6)旨を治験事務局に伝えて、形式について協議します。


(来週へ続く)




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