2007年02月10日

社内の治験活性化を考える


ヨ−イチ 「シャチョーがさ、社内の治験活性化を考えて欲しいってさ。」

まひな「う〜〜ん、どういう意味かしら? 社内での治験活性化って。」

トトロ「じゃ、まず活性化の定義をしていこう。」

ゆーり「国内の話なら、まず治験届の数が増えるとか、日本オリジンの新薬なら必ず国内で最初の開発を始めるとか、じゃない?」

みかん「それとドラッグ・ラッグの解消のために、海外で標準治療薬として使われている薬の開発を日本でもすぐにやるとか。」


港野陽子「定量的なことで言うならCRCの数を増やす、モニターの数を増やす、治験実施が可能な病院を増やす。」

パピヨン750「治験期間(創薬ボランティアの登録期間)を今の半分に短縮する。」

ぼつ「治験中の話だけでなく、申請後のことも含めるならば審議時間を半分に短縮する。」

のん「それでいて、今よりも治験の質が向上し、安全性を確保し、さらに『本来なら効くはずの薬』がきちんと評価できる治験を行う。」

薬師寺「まぁ、そんなところかしらね。じゃ、これらを社内の問題として考えると、どなるのかな? 風邪予防、ヨーシ!」



ヨコタテ「当社で開発した薬は海外で治験を先発するのではなく、まずは日本で先行させる。あるいは海外と同時開発」

織姫「そうなると、海外で治験を先行した時に比べて、市場への上梓が2年近く遅れる可能性があるわ。これをカバーしないといけないわね。」

みたらし大福「どこでその差が出るんだろう?」

なつき「まずは圧倒的に創薬ボランティアの募集が遅い。」

やまちゃん「それを改善するには? どうしたら早めることができるかしら?」

ゆみぴー「対象疾患の患者パネルを持っている病院に集中してやるのが一番、効率がいいわね。」

やなか爺「じゃ、当社の場合、これからフェーズ2に進むことが決まり次第、その疾患領域の患者パネルを持っている病院を調査することにしよう。」

翡翠「もし、そういう患者パネルを持っている病院が全く無い、あるいは不足しているなら、新たに患者パネルを作ってくれそうな病院を探す必要もあるわね。」



ひで「社内のイントラネットにも、当社が今まで治験を依頼した医療機関のデータベースを設置したほうがいいな。」

くも「そうだね。どの病院がCRCを確保しているかとか、目標症例数の何%を達成したか・・・など等の情報を入れておきましょう。」

ピクミン「治験を開始する前に必ず『治験届』を当局に提出していて、そこには全国のどの病院のどの医師に治験を依頼するかの一覧表があるから、それを使わない手はないわね。」

ドンドン「うむ。その情報を当社のホームページも載せよう。もちろん事前に医療機関の承諾は必要だけど。」

秘密研究員「そういう情報が公開されていたら患者さんも自分でどこの近い病院が自分の疾患の治験をやっているかを探せて便利だ。」

メタルナイト「患者にも治験に参加するかどうかの選択権はあるし、自分の治療について最先端の治療を受ける権利がある。」

よっきゅん「もっと、そういう情報がオープンになればいいけれど。」

ブライアン成田「日本の患者さんのひとり一人は国内においてもドラッグ・ラグがあるわけだ。治験の情報を教えてもらえる患者と教えてもらえさえしない患者とね。格差がある。」

ふじおねえ「治験や臨床試験の情報としては今、大きいのは次の3つのサイトよ。」





・「開発中の新薬」(http://www.okusuri.org/chikeninfo/html/shinyaku.htm):製薬協のサイト内にある。

・「臨床試験情報」(http://www.clinicaltrials.jp/user/cte_main.jsp):(財)日本医薬情報センターが提供している

・「臨床試験ポータルサイト」(http://clinicaltrials-dev.ifpma.org/):国際製薬団体連合会(IFPMA)が運営している





震電「でも、この3つのサイトでも、どこの病院で治験や臨床試験をやっているか肝心な情報が調べられない。」

kaizer11「だから、患者同士がインターネットでそういう情報を交換し合っているわけだ。」

プリンセス・オーロラ「日本は医療情報の発展途上国だと思うわざるを得ないわね。」



しまうま「話しをもとに戻して、治験の活性化の(ここでの)定義の『審議時間を半分に短縮する』はどうしたらいいと思う?」

デーさん「単純な話しが、総合機構のひとを増やす。」

ルーシー「でも、それでは他力本願だから、自分たちでもできる『審議時間を半分に短縮する』方法を考えましょう。」

ルパン三世「逆にどうなったら、審議時間が長くなる?」

こさめ「疑義事項が多いとき。その答えに窮するとき。治験をやり直したり、さらなる情報を求めて追加の試験をやらざるを得ないとき。」

スナフキン「て、ことは、きっちりとしたデータで品質の高い申請資料なら、審議もスムーズに行くね。」

くりこ「我々が審議時間を左右できるとしたら、その点だわ。」

大黒「日頃のモニタリングによって、製造販売承認申請後の時間も左右されるということ。」

社長秘書「そういうことよね。ネ!シャチョー!」(はい、そう思います。深く同意します。 by ホーライ)


*この物語はフィクションです。




架空の製薬会社「ホーライ製薬」

臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」


ラベル:治験活性化
posted by ホーライ at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック