2013年02月26日

遺伝子検査のサンプルって、どんな時に採取していいの?

●今週は「ゲノム薬理学を利用した治験について」と「ゲノム薬理学における用語集について」についてです。

「ゲノム薬理学を利用した治験について」(厚生労働省医薬食品局審査管理課長:薬食審査発第0930007号:平成20年9月30日)
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https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/genomu-yao-li-xuewo-li-yongshita-zhi-yannitsuite


この通知は「Q&A」形式になっています。

通知の前文にもこう記載されています。
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今般、ゲノム薬理学を利用する治験の実施に当たり照会が多い事項につき、Q&Aとして別添のとおりとりまとめたので、本Q&Aを踏まえ、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」(平成16年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号。以下「ゲノム倫理指針」という。)も参考にして、ゲノム薬理学を利用した治験が科学的、倫理的に適正に実施されるよう貴管下関係企業等に周知方よろしくお願いする。

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さて、中身をみていきましょう。



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Q1

治験において、以下のような治験薬の評価(薬物動態、有効性、安全性等)に係るゲノム・遺伝子解析を実施するための試料について被験者から提供を受けることは可能か。

(1)治験実施時にゲノム・遺伝子解析の対象や実施時期が具体的に特定されているもの。

(2)治験実施時にゲノム・遺伝子解析の対象や実施時期が具体的に特定されておらず、将来的に当該治験薬の評価に係る解析を実施しようとしているもの。


   ↓

(答え)

いずれの場合でも、当該治験薬の評価に係るゲノム・遺伝子解析を実施するための試料について、被験者から提供を受けることは可能である。

この場合、被験者に対しては、上記の目的で解析を予定していることや、その時点で想定される解析対象遺伝子の範囲等をわかりやすく文書で説明し、ゲノム・遺伝子解析の実施に関しての同意を文書で得ておくことが必要である。

ゲノム・遺伝子解析の実施に関しての同意については、治験の実施に関する同意の中又は別に取得することのいずれも可能であるが、治験の目的を十分考慮した上で、適切な方法を選択する。

なお、当該同意の範囲内であれば、解析時に改めて被験者の同意を得る必要はない。

また、提供を受けた試料は適切な匿名化を行うことが必要である。

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上記のように「将来、遺伝子検査します」という場合もありうるということです。

その場合は、その旨を同意書に記載しておけば、将来、実際に検査(分析)する場合、被験者の同意は不要ということ。

また「適切な匿名化」が必須です。

このことは「ゲノム薬理学における用語集について」でも特に詳細にわたって記載しています。
   ↓
●ゲノム薬理学における用語集について(厚生労働省医薬食品局審査管理課長:薬食審査発第 0109013 号、厚生労働省医薬食品局安全対策課長:薬 食 安 発第 0109002 号、)
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/ichgaidorain-genomu-yao-li-deng


上記の通知の「2.3 ゲノムデータ及び試料のコード化分類」にいくつかのパターンを紹介しています。
   ↓
 (抜粋)
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2.3.1 識別可能なデータ及び試料(Identified Data and Samples)

識別可能なデータ及び試料には、氏名あるいは識別番号(例えば、社会保障番号(social security number)、国民保険番号(national insurance number))といった個人識別情報が付与される。

このような試料や関連データからは被験者を直接特定できるため、被験者からの要求に応じて試料を廃棄、または結果を本人に開示することができる。



2.3.2 コード化されたデータ及び試料(Coded Data and Samples)

コード化されたデータ及び試料には、少なくとも1つの固有のコードが付与されるが、個人識別情報は一切付与されない。



2.3.2.1 シングルコード化されたデータ及び試料(Single Coded Data and Samples)

シングルコード化されたデータ及び試料には1つの固有のコードが付与されるが、個人識別情報は一切付与されない。そのデータや試料からは、1つのコードキーを用いることで被験者個人の特定が可能である。



2.3.2.2 ダブルコード化されたデータ及び試料(Double-Coded Data and Samples)

ダブルコード化されるデータ及び試料には、最初に1つの固有のコードが付与されるが、個人識別情報は一切付与されない。

次に、そのデータ及び試料には2番目のコードが付与される。
2番目のコードは、2つ目のコードキーを介して最初のコードと連結される。




2.3.3 連結不可能匿名化されたデータ及び試料(Anonymised Data and Samples)

連結不可能匿名化されたデータ及び試料とは、最初にシングルコード化またはダブルコード化された後、被験者の識別情報と固有のコードとの間の連結が削除されたものである。

一度連結が削除されると、データ及び試料からコードキーを介して被験者個人を特定することが不可能となる。



2.3.4 非連結匿名データ及び試料(Anonymous Data and Samples)

非連結匿名データ及び試料には最初の収集段階から、個人識別情報が付与されることもなければ、コードキーが作成されることもない。従ってゲノムデータ及び試料から被験者個人が特定される可能性はない。


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上記のように、何種類かの匿名化(コード化)が紹介されています。

治験依頼者が適切な方法を決定する必要があります。





さて、「ゲノム薬理学を利用した治験について」に戻りましょう。
   ↓
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Q2

治験において、当該治験薬の評価とは関係ない、疾患関連遺伝子の探索等を目的としたゲノム・遺伝子解析を実施するための試料について、被験者から提供を受けることは可能か。




(答え)

治験薬の評価とは関係ないゲノム・遺伝子解析を実施するための試料について、被験者から提供を受けることは可能である。

この場合、Q1と同様に、被験者に対しては、上記の目的で解析を予定していることや、その時点で想定される解析対象遺伝子の範囲等をわかりやすく文書で説明し、ゲノム・遺伝子解析の実施に関しての同意を文書で得ておくことが必要である。

同意に関しては、治験の実施に関する同意とは別に取得する。

また、提供を受けた試料は適切な匿名化を行うことが必要である。

なお、解析自体は当該治験薬に係るものではなく、当該解析の実施は治験の枠組みではないことから、ゲノム倫理指針の遵守が求められる。


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「治験薬の評価とは関係ないゲノム・遺伝子解析を実施するための試料について、被験者から提供を受けることは可能である。」なのですね。


上記に出てくる「ゲノム倫理指針」は下記にあります。

(ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針  平成13年3月29日 (平成16年12月28日全部改正) (平成17年6月29日一部改正) (平成20年12月1日一部改正)文部科学省、厚生労働省、経済産業省)
  ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/genomu-lun-li-zhi-zhen




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