2013年02月15日

CROに全てお任せあれ!

■今週は「GCP改正、その後」です。

●CROに全てお任せあれ!


GCPが改正され、治験依頼者は「治験届」と「重篤な副作用情報」の当局への報告以外の治験業務を「全て」CROに委託できるようになりました。

もちろん治験に限らず「非臨床試験」も外部に委託が可能です。

ということは、「新薬になりそうな種」さえあれば(ついでに資金も)、誰でも「治験依頼者」、「新薬開発会社」になれるということです。

こういう背景から新薬開発系のベンチャー企業が育つといいですね。

たとえば最も可能性が高いのは「大学発」「研究所発」のベンチャー企業。

でも、これが結構、難しい。

今後は新薬開発ベンチャーに対するコンサルティングを専門とする会社が増えてくることでしょう。

ARO (Academic Research Organization)ですね。

現在、アメリカの新薬のうち3割は大学から生まれると言われています。

大学(アカデミア)の有する多くの専門性や特徴を活用し、治験を収益事業として行う組織がARO。

一部の大学では、民間企業(臨床試験受託機関あるいはSMO)との業務提携を行っているところもあります。

まぁ、難しいのですが、とりあえず「法的」には「緩和」されたわけですので、もっと、もっと、日本でも大学からの新薬が生まれることを願ってやみません。



さらに、大企業であっても治験業務の「全て」をCROに委託できるのはいいことですが、果たして、それだけの業務をこなせる(量的にも質的にも)CROがどれだけあるか、でしょうね。

ちなみに「電話」と「パソコン」と「人間」さえいれば成り立つのがCROです。

製薬会社は研究所や製造設備や配送や色々と必要ですが、CROは突き詰めれば「人間」だけです。(本当はどの業種でもそうですが。)

CROは「人間」が商品です。(単純な頭数だけではないですが。)

コンサルティング会社とCROぐらいでしょうね、こんな商売は。

だからこそ、CROは人材教育に力を入れています。(はず。)




「画期的な新薬の種」が大学で発見された場合に、その研究者がベンチャーを立ち上げるか、それともその「種」を大企業に売り込むか、研究者は判断が難しいところです。

「ノウハウ」があるのはもちろん製薬会社です。

でも、製薬会社には製薬会社の「都合」があります(いろんな意味で)。

必ずしも、その「種」を開発してくれるとは限りません。

採用されたとしてもプライオリティが一番下、ということもあります。


中規模クラスの製薬会社ならば、新薬開発をCROに「丸投げ」もあるでしょうね。(治験の企画・立案、プロトコルの作成、総括報告書の作成、さらに監査やプロジェクトマネジメント等も含めて)

「丸投げ」を受けられるCROですと、さらに「治験国内管理人」(*)の仕事も可能でしょう。


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*治験国内管理人について

GCP省令第15条

(治験国内管理人)

第15条 本邦内に住所を有しない治験の依頼をしようとする者は、治験薬による保健衛生上の危害の発生又は拡大の防止に必要な措置を採らせるため、治験の依頼をしようとする者に代わって治験の依頼を行うことができる者を、本邦内に住所を有する者(外国法人で本邦内に事務所を有するものの当該事務所の代表者を含む。)のうちから選任し、この者(以下「治験国内管理人」という。)に治験の依頼に係る手続を行わせなければならない。


(ガイダンス)

1 本邦内に住所を有しない治験の依頼をしようとする者に選任された治験国内管理人は、治験の依頼の基準に従い、本邦内における治験の依頼に係る一切の手続を行うとともに、厚生労働大臣に治験の計画の届出等を行うこと。


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あとは「費用対効果」です。

でも、製薬会社も人数がいなければ背に腹は代えられずCROに委託することになる。

それに応えないといけないのがCRO業界です。(僕にとっては他人事ではないのですが^^;)


少子化が進む中、いかに優秀な人材を確保するか?

そして、いかに優秀な人材を育てるか?

これは全業種にとって死活問題です。

だからこそ、「教育担当者」の責任が問われるわけで(まさに、これこそ僕にとっては他人事ではないのですが^^;)。


GCPが改正されると教育担当者の質が問われるという「風が吹けば桶屋が儲かる」的状況です。


モニター教育を含め製薬業界の全ての人材教育のご用命は下記までどうぞ^^v
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あれ? 

今日は何がテーマだったけ?


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posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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