今週は「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」のガイダンスについて」(平成24年12月28日:薬食審査発1228第7号)を見ています。
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http://www.jmacct.med.or.jp/plan/files/gcp121228_1.pdf
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薬事法施行規則の変更案とGCP省令の改正案に対するパブリックコメントとそれに対する回答です。
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これを読むといくつかの問題点が解決されます。
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●薬事法施行規則等の一部を改正する省令(案)に関する意見募集の結果について 厚生労働省医薬食品局審査管理課 平成25年1月15日
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http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000095750
今回のガイダンスで「治験薬取扱い手順書」は「医療機関の長」ではなく「医療機関」に提出すればよくなった。(ガイダンスのPDFの49頁目。紙に表示されている頁数で言うと43頁目。
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1 治験依頼者は、実施医療機関における治験薬の取扱い及び保管、管理並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書を定め、これを実施医療機関に交付すること。交付先は、実施医療機関の指示に従うことで差し支えない。
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今までは「医療機関の長」だったのが、医療機関の指示に従うということで、まぁ、通常は薬剤部の「治験薬管理者」に提出ですよね。
ところでGCP省令の第39条には次のように記載されている。
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(治験薬の管理)
第39条 治験薬管理者(治験薬を管理する者をいう。)は、第16条第6項又は第26条の2第6項の手順書に従って治験薬を適切に管理しなければならない。
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ね?
「治験薬管理者」とは「治験薬を管理する者」なのですね。
でも、ガイダンスの該当箇所のすぐ下にはこう記載されている。
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1 実施医療機関における治験薬の管理責任は、実施医療機関の長が負うこと。
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あら?
治験薬の管理責任は相変わらず「実施医療機関の長」なんですね。
いったい、どっちなの? という感じです。
こういうことをやると、「責任が不明瞭」になる。
もちろん、文字通りとれば治験薬の管理責任は「医療機関の長」なのですが、実際に、それができるの?
「建前」ではなく、現実問題として。
「医療機関の長」ができることと言ったら、「問題があった時に頭を下げる」ということだけだ。(企業の不祥事とか学校の「いじめ」問題の時にTVでよく見るよね。)
実施医療機関における治験薬の管理責任も「治験薬管理者(治験薬を管理する者をいう。)」にしたほうが、責任が一元化して明確になっていい。
日本は責任を不明確にする傾向にある。
「稟議書」がその代表だ。
あれだけたくさんの人が「押印」していたら、「じゃ、最終責任は誰にあるの?」と思う。
あるいは「連帯責任は無責任」という言葉もあるぐらいだ。
たとえば、モニターが「モニタリング報告書」を作成する。
それをリーダーが確認して、押印する。
そして、それをQCに渡し、QC担当者も確認する。
でも、監査が確認したら、「モニタリング報告書」にミスや問題があったら、それは誰の責任?
もちろん、それは「モニター」の責任なのだ。
治験に限らず、病院内で行われていることの最終責任は「全て」医療機関の長なんだろうけれど、実務の責任は誰なのかを明確にしておくほうがいいと思います、はい。
「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」のガイダンスについて」(平成24年12月28日:薬食審査発1228第7号)
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http://www.jmacct.med.or.jp/plan/files/gcp121228_1.pdf
2013年01月17日
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