2012年12月20日

経口血糖降下薬:フェーズ2

今週は「『経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン』について」です。
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http://www.pmda.go.jp/regulatory/file/guideline/new_drug/keikou-kettoukoukayaku-rinjyu-hyouka-guideline.pdf


今日はフェーズ2から始めます。
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第2相試験は、2型糖尿病患者を対象として、治験薬の有効性、安全性、用法・用量、血糖降下作用の用量反応関係などを検討することを目的とする臨床試験である。

第2相試験は通常、患者を対象に有効性と安全性を探索する前期第2相試験と第3相試験の用法・用量を決定する後期第2相試験に分けられる。

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話は「血糖降下薬」から離れますが、上記の「前期第2相試験」と「後期第2相試験」という名前を聞いたことが無い、という人が若い人には多いかもしれませんね。

最近「フェーズ2」って「探索試験」という呼び名をよく使いますからね。

昔はよくこの「前期」「後期」という言葉を使いました。

ついでに、「前期第2相試験」を「フェーズ2a」、「後期第2相試験」を「フェーズ2b」と呼ぶこともあります。


さて、前期第2相試験では、初めて「糖尿病」の患者に治験薬を投与することになります。

対象は「2型糖尿病患者で、進行した合併症がなく、状態が安定した成人を対象とする。」となります。

プライマリーエンドポイントは「HbA1c」です。

それ以外としては下記のように記載されています。
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(4) 評価項目

HbA1c、FPG、食事負荷後血糖(AUC、2時間値など)、1,5-AG、グリコアルブミンなどがあげられるが、治験薬の特性、投与期間などを考慮し、適当と思われるものを選択する。

場合によっては75gOGTTも評価項目になりうる。

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治験期間(投与期間)は下記のように長くなります。
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(5) 期間

投与開始前のデータを収集する目的と、できるだけ安定した血糖コントロール 状態で治療期に移行するために、適切な観察期間をおく必要がある。

投与期間は治験薬の特性、評価項目などにより有効性の探索的な検討ができる期間を設定する(例:評価項目が食事負荷後の血糖AUCであれば2週間程度、グリコアルブミンであれば1ヶ月程度、HbA1cであれば3ヶ月程度など)。

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投与期間(観察期間)が長くなるのは「HbA1c」が、そもそも「過去1〜2か月」の血糖値を示すからですね。

それと特徴的なのが「適切な観察期間をおく必要がある」です。

これは安定した血糖値を測定するためです。

ベースの「血糖値」がしっかりしていないと、治験薬の効果が「あやふや」になるからですね。

「対照薬」は「プラセボ」です。




さて、「後期第2相試験」です。

この試験の目的は方法は、他の分野の治験薬と同様です。

フェーズ3に使用する治験薬の投与量を決めるためにドーズをふって「至適用量」を決めることです。


治験期間は次のように規定されています。
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HbA1cを主要評価項目とする場合、原則として投与期間は尐なくとも12週間は必要である。また、適切な観察期間を設定する。

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最低でも12週間(3か月)ですね。

また、観察期間も含めるとトータルで4か月ぐらいになります。



糖尿病は「食事療法」や「運動療法」が基本になりますので、これらが治験期間中、一定にするのが難しそう。
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(6) 試験計画

原則、無作為化二重盲検群間比較試験とする。

食事療法・運動療法の大きな変更は治験薬の評価に多大な影響をおよぼす可能性があるため、試験期間を通じて出来るだけ食事療法・運動療法の内容及び遵守状況が一定になるよう留意する。

また、被験薬の用量として、3群以上を設定することが望ましい。

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さて、明日はフェーズ3ですが、これが実に、「経口血糖降下薬の臨床評価ガイドライン」の最大の特徴が出てきます。


●ハードボイルド・ワンダーランド日記
http://hard-wonder.seesaa.net/
posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨床評価ガイドライン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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