これまでのホーライ製薬のネット戦略の変遷です。
僕が初めてネットを通じて「治験」関係の情報を発信したのは、「医薬品ができるまで」(サイト版)というサイトをヤフーの「ジオサイト」内に立ち上げてからだ。(2000年6月17日)
今では、当時の「医薬品ができるまで」(サイト版)は残っていない。(掟破りなことをしてヤフーの逆鱗に触れ、丸ごと削除された。)
今ある「医薬品ができるまで」(サイト版)はこちら。
↓
http://iyakuhin.web.fc2.com/index.html
ヤフーの「ジオサイト」は無料でホームページを簡単に作れるサービスで、今もある。
↓
http://geocities.yahoo.co.jp/
このサービスを使うと、ホームページの知識が無くても、簡単に「それなり」のサイトが作れる。
僕の2000年当時は、自分が働いていた製薬会社が合併し、ひと段落して、ちょっと気が抜け、「何か、面白いことないかな?」と思っていた。
この合併の時に、僕は一方の会社の臨床開発部署の「合併隊長」みたいなことをやらされて、無茶苦茶、笑いたくなるぐらい、超多忙だった。
また、2000年当時の日本の治験環境は、「ICH-GCP」が導入され、「答申GCP」と「新GCP」が出て、日本国内の治験が空洞化していた。
この治験の国内空洞化は当然、当事者の間で問題視されていて、それをなんとか打破しようという試みが検討されていた。
その検討課題のひとつとして、「治験を一般市民に啓発する」というのがあった。
で、話は「ジオサイト」に戻りますが、「何か、面白いことないかな?」と思っていた僕は、「ヤフージャパン」という雑誌の中で、「あなたも簡単にホームページが作れます。簡単な質問に答えるだけで、すぐに自分のホームページが作れます」という記事が目に入ってきて、「へ〜!ちょっとやってみよう」となった。
その「簡単な質問」の中に「日記を付けますか?」というのがあり、「はい」を押していくと、日記機能つきのホームページができた。
そこで、日記をつけるといっても、何を書く? と悩んだ。
日記を長く続けるためには、それだけの知識や経験や体験、想いがないとだめだよな、と考え、それなりの知識があるのは、今、仕事をしている「治験」についてだなと思った。
その自分の思いと、当時の「治験を啓発していこう」という業界の流れから、「医薬品ができるまで」の諸々を徒然に書いていこう、と決定したわけだ。
この思い付きが、今に至っている。
今でこそ、僕(ホーライ)と言えば、「ホーライ製薬のシャチョー」と呼ばれることが多いけれど、実は僕自身としては「医薬品ができるまで」が原点だと思っている。
その思い付きから、そもそも新薬はどういう過程で誕生するのか、治験のステップは3つのステップから成り立っていますよ、とか、GCPという規則があってただの人体実験ではありませんよ、「ヌードマウス」なんていう動物がいるんですよ、とか、そんなこんなを書いていた。
当時は、個人のサイトはおろか、製薬会社や厚生労働省、総合機構。製薬協などの大きな治験関係者の中でも治験について説明しているサイトは無かった。
だから、治験のリンク集で有名な「治験ナビ」の管理者から、「まさか、個人で治験のサイトをやっている人がいるなんて思いませんでした」という書き込みを頂いた。
●「治験ナビ」」
↓
http://www.chikennavi.net/
さて、ホームページを持つと、アクセス数を増やしたくなるのが人情だ。
では、僕の場合、どうやってアクセス数を増やしたかというと、まずは「知り合い」にメールで、こんなサイトを作りましたと連絡する作戦に出た。
次にいろんなポータルサイトの「掲示板」に書き込みを行なった。
今は「掲示板」というと2チャンネルだけど、当時はいろんなポータルサイトに掲示板があった。
今でも、ヤフーには掲示板がある。
↓
http://messages.yahoo.co.jp/
こういう所で「病気」などのジャンルに自分のコメントを書いて、ついでに自分のサイトのURLを書き込んだ。
僕が好きだったのは実は「インフォシーク」の掲示板だった。
今はインフォシークには掲示板のサービスはない。
「インフォシーク」
↓
http://www.infoseek.co.jp/
ちなみに、ネットで注意しないといけないのは、急に「サービス」が終わることだ。
僕は無料でホームページを作るサイトを色んなところで作ったが、そのうちの多くがサービスが終了して、今はもう残骸すらない。
これが「無料」の痛いところだ。
「インフォシーク」や「ライコス」というポータルサイトを使って「新薬誕生」等を使って、薬に関する様々な情報を発信していた。
治験に限らずGMPのことや「薬草」のことなども。
それらも、全て、今はもうない。
ただし、運がいいと見つけることがある。
どういうことかというと、昔のネットのサイトを「ほとんど保存」しているサイトがあるのだ。
↓
http://archive.org/index.php
上記のサイトに僕の昔の僕の「医薬品ができるまで」のジオサイトのURLの http://www.geocities.co.jp/Technopolis/9874/ を入力すると当時のサイトの一部を見ることができる。
↓
http://web.archive.org/web/20010821014841/http://www.geocities.co.jp/Technopolis/9874/
おおお!上記に表示される「保存されていた」僕の「医薬品ができるまで」のサイトから、リンクも生きている!!
僕の一番最初の治験日記も読めるぞ!
これ(↓)が、僕が始めてインターネットに発言した記念すべき日記です^^;
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漢方薬には副作用がない?
民間療法の奥が深くなったものが漢方薬(何しろ中国3000年の歴史!)
漢方薬は、効果がマイルドで体質そのものを改善してくれるので、ファンも多いはず。
でも、やはり副作用は無いとはいえません。
効果の裏には必ず、副作用がつきものです。
現代では、薬の効果と副作用を確かめるために、治験(臨床試験)が必ず行われています。
治験のことは、後日、詳細にご説明します。
2000年06月21日 20時12分02秒
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別のサイトへのリンクも、一部、生きている!
これは知らなかったな。
絶対に、二度と見られないと思っていた「新薬誕生」のサイトまで見ることができる。
↓
http://web.archive.org/web/20020924050853/http://isweb40.infoseek.co.jp/family/horai01/
上記のサイトにある「モニターの1日」が、のちの「ホーライ製薬」の元になったアイデアだ。
げげげ〜〜!「新薬誕生」から、ライコスのサイトに作った「治験と私たち」も一部、見れる!
「悪魔の辞典(治験版)」も生きている。
↓
http://web.archive.org/web/20020925223006/http://isweb40.infoseek.co.jp/family/horai01/devil_dic/devil_dic.html
このサイトはもう二度と見られずに死ぬもんだとさえ、思っていたのに。
すごい技術があるものだ。
ついでに、もう1つ便利なサイトの紹介。
長いURLを短縮してくれるサイトです。
↓
http://tinyurl.com/
このサイトをどう使うかですが、たとえば下記のように長いURLがあったとしましょう。
http://www.amazon.co.jp/%E9%A2%A8%E3%81%AE%E6%AD%8C%E3%82%92%E8%81%B4%E3%81%91-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9D%91%E4%B8%8A-%E6%98%A5%E6%A8%B9/dp/4062748703/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1353659624&sr=8-1
上記のURLはアマゾンで村上春樹の「風の歌を聴け」を検索した結果です。
別にこのままでもいいのだけれど、「かっこ悪い」とか、下手するとメールで送った時に途中でURLが切れたりすることがあります。
そんな時に上記のサイトの真ん中にある空欄に上記のURLをコピペして、「MakeTinyURL!」をクリックします。
すると、「このWebページがページがクリップボードへアクセスすることを許可しますか?」と聞いてくるので(場合によっては聞かれない)、「アクセスを許可する」をクリックします。
すると、真ん中に「http://tinyurl.com/abuptkw」のような新しいURLが出ています。
これをそのままメール等で送ったり、facebookに使っても、それをクリックすると、ちゃんと、「風の歌を聴け」に飛んでくれます。
他にも似たようなサイトがあるので「長いURLを短縮する方法」で検索してみてください。
ネットの「無料」サイトは本当に気をつけないといけない。
フリーメールって、あるでしょ?
たとえば「ヤフーメール」とかね。
その昔、なんと! 「朝日新聞」も無料のフリーメールのサービスをやっていた。
もちろん、今はない。
インフォシークのメールもサービスをやめている。
このブログだって、いつ無くなるか分からないし、ミクシィだってfacebookだって分からない。
さて、その他にアクセス数を増やす方法としては、「既にアクセス数が多いサイトに相互リンク」のお願いをすることが、当時の定石だった。
ちなみに、僕はある病院に相互リンクのお願いをしたら、「個人がやっているサイトは認めていません」という連絡をもらったことがある。
他には、インフォシークのサイトに「プロフィール」というサービスがあって、誰でも簡単な日記が書けて、いろんな人と繋がれるという、ミニミクシィみたいなサービスがあった。
その中で、いろんな人と知り合って、そこから「医薬品ができるまで」にリンクを張って、「治験とは関係の無い一般市民」の人たちに治験のサイトを観てもらうという作戦を使った。
さらに、治験に全く興味が無い人にも僕の「医薬品ができるまで」にアクセスしてもらう方法も考えた。
その詳細は下記のサイトに書いてある。
↓
「治験でブログ、ブログで治験」
↓
http://www.geocities.jp/horai_blog/
結論を書くと、「治験と最も距離の遠いこと」を同じサイトに載せる、ということだ。
たとえば、「医薬品ができるまで」の中に「ブラームス」のページや「エンヤ」のページや「クリムト」のページを作った。
すると、「ブラームス」で検索して、僕の作ったページに来て、そこからホームページに行くと、なんと!「治験」のサイトでした、というもの。
ところで、ある時、僕はある事情により、「医薬品ができるまで」を閉鎖したことがある。
そのあたりのことは「津村ゆかり」さんのブログにも書いてある。
↓
http://ytsumura.cocolog-nifty.com/blog/2004/04/post_5.html
「医薬品ができるまで」を閉鎖したのが金曜日の深夜だったのだが、次の土曜日に、僕(ホーライ)のメール(horai_japan@hotmail.com)に多くの人から「残念です」というメールを頂いた。
その多くは「勉強になりました」というものだった。
でも、その頃はもう、ネットの世界でも「治験」に関する情報を発信しているサイトも増えていたし、「治験ナビ」もあるし、治験を勉強できるサイトはあるので、まぁ、やめてもいいなと思っていた。
ところが、ある女性からもらったメールが僕の気持ちを変えた。
そのメールにはこんなことが書いてあった。
「ショックです! 昨日、部長に叱られたあとに、いつも見に行っている「医薬品ができるまで」が閉鎖されていて、ダブルのショックでした。私は落ち込むといつもホーライさんのサイトを観に行って、心の支えにしてました」
これは、嬉しいことこの上ないのだが、それよりも、僕自身は「誰かの心の支え」になるために書いているつもりではなかったけれど、そういう読み方をしてくださっている人もいるんだと思った。
だから、金曜日の夜、閉鎖したけれど、2日後の日曜日に復活させた。
それ以来、「どんなことがあっても、たとえ、更新してなくても、閉鎖や削除は絶対にしない」と自分で決めた。
さて、ここから言えるのは、「あなたが思っている以上に、あなたは誰かの心の支えになっている」ということ。
「あなたは(特にCRCは)、あなたが思っている以上に、患者から頼りにされている」ということを再認識したほうがいい。
ところで、僕のサイトの変遷にもどりますが、一般市民の皆さんむけに書いていた「医薬品ができるまで」だけど、そのうちに、どんどん、「今の日本の治験の問題」を取り上げるようになった。
このあたりから、一部の治験関係者に知られるようになった。
また、学生から「新薬開発の仕事につくにはどうしたらいいのですか?」とか、はたまた「●●大学の大学院を受験するつもりですが、新薬開発職に希望するのに有利ですか?」なんてメールもやってきた。
さらには、「●●という抗がん剤は本当に効きますか?」というメールも多かった。
当時、いかに、その手の情報が無かったかが分かる。
今では、もう、その手の情報に溢れていて(玉石混合だけど)、さすがに、この手のメールは無くなった。
さらに、興味をひくために、当時、流行だった新聞の全面を使った「治験広告」(本当は「広告」ではなく「キャンペーン」というのだけれど)のデジタル写真を集めて「コンクール」や、「製薬会社のホームページ」の人気投票などもやった。
また、「医薬品ができるまで」のサイトに簡単な「アクセス解析」を使ってみたところ、当局関係者も頻繁に見に来ていることが分かったので、それを意識して書いたりもした。
その後、僕自身もモニターから監査になり教育担当者やSOP担当者に変わっていったので、自ずと「治験日記」にもその影響が色濃く出てきた。
そこで、思い切って、「新人モニター」と「モニターの教育」に特化したサイトを作ってみた。
それが、「モニターへの道」だ。
↓
http://monitorhenomichi.web.fc2.com/index.html
この「ある分野に特化する」というのは「ヤフー」のサイト登録に登録されやすかったり、アクセス数を増やす手段としても効果がある。
最近、あるモニターから、こんな話を聞いた。
「僕がモニターになりたてのころ、治験の申請や契約書を作る時に正しいかどうかチェックするためにパソコンのウインドを2つ開けて、ひとつには「モニターへの道」を表示させ、もうひとつに治験関係の書類を表示させ、両者を比較しながら、資料を作成していました」と。
この「モニターへの道」は僕自身にも便利で、メールで「モニターの勉強方法を教えてください」とか「モニターの教育方法で困っています」という問い合わせがあると、このサイトを見てください」と「モニターへの道」を紹介するだけで済む。
また、ブログ等である特定のテーマについて不連続に書いていたものを、まとめて保存する際にも「モニターへの道」は役立っている。
ここまでが、僕のインターネットを使った治験啓発作戦の前半です。
長くなったので、続きは明日へ。
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