2012年11月13日

治験におけるリーダーの「重要性」と「たいへんだよね」と「真のリーダーとは」

CRCの方々に関しては僕はよく分からないので、今日はモニターのリーダーの話です。

モニターは基本、「一匹狼」です。

あるいは「一人店長」です。

つまり、モニターは自分が担当している3施設とか10施設の治験の責任を持って行動しています。

自分の担当施設の治験の手続きから、治験の進捗管理、モニタリング、SDV、など等を全て、ひとりで「責任」を持って遂行します。

そういうモニターを3人とか10人などをマネジメントするのがリーダーです。


臨床開発のモニターをマネジメントするリーダーには会社から「指示」が出ます。

「2012年12月までにフェーズ2を終了させること」のように。

すると、リーダーは計画を立てます。

12月までに300例を集めるのだから、6月までに150例。ということは、毎月25例、と。計算、合ってる?

で、施設の数は30。

ベテランモニターの山田君には10施設。

中堅モニターの田中さんには5施設。

残りの15施設は5人の若手モニター5人で、3施設ずつだね。などと。


この7人のモニターを束ねているリーダー権田和良は、こういう計画を立て、それをメンバーに伝えます。

すると、ベテランモニターの山田君からは「おれ、多すぎね?」とか「え、私には5施設は無理です」と田中さんに泣かれたり、でも、「はい!頑張ります!」と若手は言ってくれるし。

こういう諸々の文句は序の口。

本当に臨床開発のリーダーの大変さは、治験が動き始めてから。



まず、症例が計画的に「絶対に」集まらない。

毎月、月末に「予定」と「実績」を確認する。

その「差」をどう埋めるかを、各モニターと相談する。

これが、大変なのだ。

最初に書いたけれど、モニターは「1匹狼」。

この1匹狼の自尊心とプライドを傷づけないように、「使命」と「目標」を伝え、達成しなければならない。


モニターチームのリーダーはオーケストラの指揮者のようだ。

それぞれの楽器の演奏方法は違うけれど、「1匹狼」の各演奏者は、バイオリンも、トランペットも、ホルンもひとつの同じ曲(治験)を弾く。

一流の指揮者を一流の指揮者たらしめているのは、最後列のもっとも役割の小さな楽器(トライアングルのような)をして、オーケストラ全体のできを素晴らしいものにするよう演奏させる能力にある。


リーダーにカリスマ性はいらない。

リーダーの本質は「行動」にある。

リーダーはチームの「使命」(新薬を世の中に出す)を考え抜き、それを目に見える形で「目標」(6月までに150例登録)にする。

優れたリーダーは部下の失敗に最終的な責任を持ち、メンバーを誉め、激励し、前進させ、誇りに思う。


リーダーはメンバーの「ちから」と「ビジョン」を創造する。

そして、最後に、「信頼」だ。

メンバーから信頼されない限り、目標を達成することはできない。

信頼関係は一夜にして成らないが、信頼を失うのは一瞬だ。

そのためにも、リーダーは「真摯」に仕事とメンバーと向き合う必要がある。


治験が成功するも失敗するもリーダーである「あなた」にかかっている。


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