2012年10月06日

組織力をアップさせる方法

今週は「組織の活性化方法」です。

組織の活性化は、何も企業だけの話ではなく、公共機関でも学校でも病院でも、あるいは一時的な「タスクフォースチーム」でも必要。

「治験の活性化」は「組織の活性化」にかかっています(本当か? 本当です!)


組織を活性化させるには次の6項目を考える必要があります。


●(1)そもそも「組織力」とは何によって左右されるかを考える

●(2)組織の目標達成方法を考える

●(3)メンバーの能力を引き出す

●(4)メンバーのモチベーションをあげる

●(5)チームワークを強化する

●(6)マネジメントを考える


ということで、今日は●(1)「そもそも「組織力」とは何によって左右されるかを考える」 です。




● 組織の力にはさまざまな要素が絡んでくる。

どのような組織構造を持っているか、組織風土がどうか、人事・評価制度、企業理念はどうかといったことが、組織の力に大きな影響を与えてくる。

ただ、企業の存在理由が「社会に対してモノやサービスの付加価値をもたらし、しっかりと利益をあげ、存続していくこと」であるならば、組織の力を構成する要素も、この企業の存在理由を直接支えるものであるはずだ。

すなわち・・・・・

(1)組織はまず、「変化する顧客ニーズ」を見極め、「自社が他社に対して優位性をもって何を提供できるのか」を常に理解し、それに合わせて自らを変化させていかなければならない。

(2)次に、それにもとづき迅速にモノやニーズやサービスを世の中に送り出し、適切な利益を上げなければならない。

これら上記の2つのポイントこそが、組織の力を定義する際に重要な要素となる。

素早くニーズを見極める、そして、そのニーズを満たす。

そのニーズを満たす組織になっているかを見つめ直す。

よって、組織の力とは「組織が自ら変革し、結果を出していく力」に他ならないといえる。


●「組織力=遂行能力×戦略能力」であるとここでは定義する。

組織は何かを(仕事を)遂行する能力と、これからの戦略を考える能力が必要だ。

そして、遂行能力には次の2つのレベルがある。

*第一段階・・・着実に業務をやり遂げ改善していく「業務を完遂する段階」

*第二段階・・・継続的に結果を出し続けていくために人が育ち、組織の至るところで「期待を超える」動きが沸き起こってくる段階

ここで僕たちが目指すのは、もちろん「第二段階」だ。


この第二段階に達する前に、当然ながら第一段階ができているかをチェックする必要がある。

できていますか?

第一段階を満たしているなら、果敢に第二段階を目指そう。

そのためには「モチベーションアップ」と「人材育成」と「マネジメント」が必要だ。(これらは後述。)



●【強い組織と弱い組織の分かれ目】

強い組織と弱い組織の違いはどこから生まれてくるのだろうか?

組織は人の集まりだ。

よって「遂行能力」も「戦略能力」も結局のところ、その担い手は、その組織に属する人に他ならない。

「遂行能力」と「戦略能力」、その掛け算である「組織力」を左右するのも、やはり人である。

結局、「組織力」の差は、その組織に属する一人ひとりの小さな行動様式の違いから生まれるのだ。



全体にとっては小さく見える個々人のレベルでの差異が組織全体で積みあがっていくことにより、根本的な「組織力」の差となって現れてくる。

優れた人が組織内に存在し、彼ら/彼女らがお互いに連携をとりながら組織をリードしていけるかどうかが「組織力」の分かれ目となってしまう。

その優れた人たちは物事をやり遂げ、期待を超える働きをし、そしてまわりの人を育て巻き込んでいくことによって、組織の「遂行能力」を支えていく。

そして常に理屈(ロジック)のレンズを通して物事を理解し、顧客の声に耳を傾けることにより、組織の「戦略能力」を支えている。



強い組織を作る方法 組織の活性化のポイント(4)

【リーダーの役割】

(1)チームを率いるリーダーは経営と現場をつなぎ、組織とそこに属するメンバーがWin-Winの関係を創り出せるか否かの鍵をにぎる最重要人物である。

(2)最強の組織力をつくり、支えていく原動力はリーダーにこそあり、強い組織と弱い組織を分ける分岐点は、組織に属するリーダーの能力に大きく依存している

(3)リーダーは結果を出していく「遂行能力」と、環境の変化に合わせ進むべき方向性を正しく把握・修正していく「戦略能力」という2つの組織の能力を向上させることが必要。リーダーがその組織の「遂行能力」と「戦略能力」を支えていかなければ、強い「組織力」をつくりあげていくことはできない。

(4)中間管理職(リーダー、マネジャー)は上にも下にも横にも影響を与えらえる組織の要である

1)戦略と現場の両方に関われる

・戦略能力と遂行能力の両方に深く関わっている

2)様々な経験・ネットワークを活かすことができる

・新しいアイディアを生み出し、正しい判断を下しながら実践していける

3)資源配分の最適化を図れる

4)次世代のリーダーを育てられる

・ リーダーは自らのやり方・考え方を次の若い世代に伝承し、遂行能力や戦略能力を彼ら・彼女らに埋め込んでいける最も重要な立場にいる。

(5)リーダーに求められるものは「やり遂げること」と「人を育てること」である

そのためになにより注意しなければならないのは、自分自身が成長し、魅力あるリーダーであり続けることである。

(6)「やり遂げる」ために不可欠なポイント

1)ワンランク上で考え、ワンランク下で手足を動かす

2)「聴く力」を鍛える

3)自分の言葉で伝えぬく

4)自らを厳しい環境に立たせる(コミットメントを持つ)

5)「先を読む力」をつける





【遂行能力の高め方】

実際に業務を完遂していくためには、リーダーはそれを明確なプロセスとして行っていかなければならない。

そのプロセスはまさに、戦略を具体的なオペレーションへと落とし込み、実際にメンバーを動かしていく手順である。

(1)完遂のためのステップ

リーダーが業務を完遂するプロセスには、おおよそ次の5つのステップがある。

1)目的を深く理解する

2)確実に伝える

3)具体的な目標・活動に落とし込む

4)遂行させる

5)完了を見届ける


1)目的を深く理解する

● 「何を行うか」よりも「なぜ、それを行うのか」「どのような結果を出せば目的を達成したことになるのか」をしっかり理解することが重要



2)確実に伝える

●「自らの言葉で伝えぬく」を実践する

●メンバーの意見を聞き、共有し、納得させることがメンバーを確実に動かすことにもつながり、使命感を持って物事に当たらせることにつながる。

突然「会社の決定です」と伝えられるのと決定に至る「背景」を説明した上で伝えるのとではその後のチームのコミットメントが大きく異なる。

実は、確実に伝えられたかどうかは、その後の結果を大きく左右することになる。

背景をきっちり説明し、メンバーの質問に答えることで、部下(後輩)に「信頼とコミットメント」が生まれる。その結果、自発的に協力するメンバーが生まれる。

そして、自発的な協力は「期待を超える」成果を出すことに繋がる。



3) 具体的な目標・活動に落とし込む

●具体的な目標・活動に落とし込むステップは、達成すべき目的をチームの誰がいつまでに何をどうやるかといった項目にかみ砕き具体的なワークプランへと翻訳する作業である。

そのためには、自らのチームの強み・弱みを知っていることが必要。

●やり遂げるという職責を負っているリーダーとしては、最悪のケースを想定して、自己責任のもと、対応策を準備しておくことも重要。

最後は自分がひと肌脱ぐといういった気概は常に持っておくべきだ。



4)遂行させる

●「遂行させる」段階においては、決してメンバーに仕事を丸投げせず、絶えずチームメンバーの間を歩き回り、会話をし、メンバーがどんな状況に置かれているかを常に把握する必要がある。

それと同時に「仕事のスピードと質へのこだわり」も求めていく。

目標を高く設定し、メンバーにも多少の無理をさせる。

そして、それを支援しつつ成功させる。

それがメンバーの自信にもつながっていく。

一流の仕事の質を求め、一流の仕事を達成することへの爽快感を味わうことが、メンバーの資質を高めていくことになる。



5) 完了を見届ける

●「完了を見届ける」ステップは、たとえて言うと「描いた龍に眼を入れる」ステップであり、これがきちんと行われてはじめてひとつの業務が完了する。

● 完了したことを見届けずに、別のことへと進んでいくと、すべてが中途半端になる。

●この完了を見届けるということは、メンバーに対してフィードバックをする、また感謝の意を表す絶好の場であることを忘れてはいけない。


完遂のために必要な心得をしっかり理解し、この5つのステップを着実に実践していける「完遂力」を持ったリーダーがチームを率いてこそ、現場におけるやり遂げる力が発揮される。

このようなチームが組織内に多く存在することによって、結果として組織の「遂行能力」そのものが高まり、「組織力」の構成要素のひとつである「遂行能力」の第一段階「完遂する組織」が達成される。



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posted by ホーライ at 05:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 組織の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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