2012年10月05日

治験の効率化・サンプリングSDV・人材育成

今週は「第8回(平成24年度第1回)臨床研究・治験活性化に関する検討会」の資料を見ていきましょう。
     ↓
「第8回(平成24年度第1回)臨床研究・治験活性化に関する検討会」


今日も「臨床研究・治験活性化5か年計画2012 アクションプラン(案)」を見ます。
    ↓
「臨床研究・治験活性化5か年計画2012 アクションプラン(案)」




次は「(2)治験手続の効率化(主に企業主導治験)」です。


■□■ 以下引用 ■□■

<短期的に目指すこと>

(治験等の効率化に関する報告書の徹底)

・国は関係機関と協力し、学会、研修会等において、周知を図る。

・治験実施医療機関、SMO、治験依頼者等は、「治験等の効率化に関する報告書」の内容を理解し、実行するよう努める。

・国は、これまで治験中核病院・拠点医療機関・橋渡しネットワーク拠点を対象に実施してきた「治験中核病院・拠点医療機関等基盤整備状況調査」について、治験等の効率化に関する報告書にて提言されている事項のうち、特に重要と思われる事項を追加し、その結果を厚生労働省のウェブサイトで公表する。

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「治験等の効率化に関する報告書」
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www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/110630b.pdf


そうですよね、医療機関も治験依頼者もみんな、無駄なことはしたくないはず。

臆病にならずに、大胆に進めていきましょう。

これもいいですよね。
  ↓
「国は、これまで治験中核病院・拠点医療機関・橋渡しネットワーク拠点を対象に実施してきた「治験中核病院・拠点医療機関等基盤整備状況調査」について、治験等の効率化に関する報告書にて提言されている事項のうち、特に重要と思われる事項を追加し、その結果を厚生労働省のウェブサイトで公表する。」

いいアイデアはどんどん追加し、その結果を公表していってください。





■□■ 以下引用 ■□■

・国は、厚生労働科学研究費補助金による研究班等を設置し、以下の内容について検討を行う。調査結果は、厚生労働省のウェブサイト等により周知を図る。

1.IRB審査資料の電子化推進及び問題点に関すること。

2.電子化されたIRB資料の治験依頼者と医療機関の授受に関すること。

3.電子媒体のIRB審査資料のセキュリティに関すること。

4.サンプリングSDV等を活用したモニタリング業務の実施状況について、情報収集を行い、効率化について、モデルとなる治験実施医療機関を指定し、研究を実施し検討する。

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上記のうち、私が最も興味を持ったのが最後の「サンプリングSDV」です。

論議を呼びそう。

治験依頼者側の反応として最も考えられるのが、「サンプリングSDVを果たして、当局(総合機構)は受け入れるのか?」という言葉。

別に受け入れてもらう必要は無いと僕は思うのですが。

いちいち、お上にお伺いを立てないと先に進まないという体質は改善してゆくべきです。


監査は通常、サンプリングで「品質保証」していますが、治験で監査が初めて行われた時、そのサンプリングという手法を当局から受け入れてもらったのでしょうか?

治験依頼者は、「私たちは、この方法(サンプリングSDV)でデータの信頼性を確認しています」と胸を張って言ってしまえばいいと思うのですが。(別に胸を張る必要はないのですが。)


ただ、「本当にサンプリングで大丈夫か?」 という「自分たち(治験依頼者)」の不安をまず払拭する必要はあると思います。

参考になる資料
  ↓
●SDVの効率化検討
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/sdv.html

●サンプリングSDVへの挑戦
http://www.moni2.org/moni2/PDF/20100522-komiyama.pdf






■□■ 以下引用 ■□■

・特に近年、国際共同治験が増加しているが、治験実施医療機関・治験依頼者ともに負担が大きいとの意見が多いため、効率的に取り組んでいる事例について、臨床研究・治験活性化協議会等で情報共有し、厚生労働省のウェブサイト等で公表する。

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いらぬ作業はお互いのためになりませんからね。

ちなみに「治験実施医療機関・治験依頼者ともに負担」というところが泣けます。

特に「治験依頼者も」というところ。

治験依頼者も会社の方針として国際共同治験を実施することになったのはいいけれど、担当者は・・・・ですね。

国際共同治験は、何故、どこが、負担になるのかをじっくり考えてみましょう。

いちど、FDAにかけあいますか?(誰が?)





■□■ 以下引用 ■□■

(治験ネットワーク事務局機能の強化)

・治験ネットワークは「治験等の効率化に関する報告書」に基づき、必要とされる機能や効果的な契約形態、運用手順等について整備し、必要な人員や人件費の確保に取り組む。

また、契約の一元化については、治験ネットワーク事務局が傘下の実施医療機関の契約窓口として機能することがGCP省令上は可能であり、必要に応じて、各ネットワークで検討を行う。

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契約の一元化、助かります。

是非!!



以下、僕が興味を持ったところだけ抜粋。


●治験ネットワークに参加する医療機関は、少なくともネットワークを通じて依頼された治験においては共同IRB等を積極的に活用し、重複審査をさけるよう努める。


●国は、医師主導治験の運用状況を確認し、平成24年度中に予定されている薬事法施行規則及びGCP省令の一部改正がなされた後、周知を行うとともに、更なる医師主導治験の活性化を図る。


■□■ ホーライの独り言 ■□■

「医師主導治験」ですが、医師主導の治験が可能になった頃に比べれば、はるかに状況は良くなっています。(特に医師主導治験の治験届第1号の頃に比べたら飛躍的に改善されています。)

別に過去と比べて良くなっているから、もうこれ以上、良くならなくてもいいということではありません。

ここまで来るには関係者の相当なご苦労があったはず。

頭が下がります。

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●厚生労働省、各職能団体等によるCRC等養成研修について、適切な見直しを行いつつ、引き続き実施する。


●国は、厚生労働科学研究費補助金により、研究班を設置し、初級者CRC、上級者CRCについて、どのような人材が求められているのかを明確化した上で、標準的なカリキュラムを検討・作成し、研修を実施する。


●国は、厚生労働科学研究費補助金による研究班等を設置し、医師主導の多施設共同治験において重要な役割を担う治験調整医師や、国際社会において我が国が臨床研究・治験をリードできる研究者に求められる知識や能力について明らかにし、それらを育成できるe-learning等の教育プログラムを作成する。
その際には、倫理面の教育も併せて行う。

●関係学会において、臨床研究・治験に関する認定医制度等の導入について検討する。



■□■ ホーライの独り言 ■□■

どんなに素晴らしいシステムがあっても、しょせん、最後は「人間」です。

だからこそ、「教育」が必要。

その中でも「情熱」を持っている人材を育成することが必須です。

「教育」でそんな人(情熱を持っている人)を育てられるのか? という反論もありますが、企業の中ではやっています。

「マインドの醸成」です。

情熱を持たせるための画一的なカリキュラムは一般化できないのですが、ただ言えることは「教える人が情熱を持っている」ことが必須です。

「情熱」を持っていない人が「おまえは情熱を持てよ」と言ったところで、誰も聞きはしませんからね。


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・・・・・・と言うことで、今週は主に「臨床研究・治験活性化5か年計画2012 アクションプラン(案)」を見てきました。

今後に、絶対に期待しましょう。


もし、時間が有ったら「治験中核病院・拠点医療機関等 治験・臨床研究基盤整備状況調査結果要約」も読んでおくといいですよ。
   ↓
「治験中核病院・拠点医療機関等 治験・臨床研究基盤整備状況調査結果要約」

これまでの努力が果たして実を結んできたのかどうかが窺いしれます。


さ、今日も頑張ろう!




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●塚田 淳彦 (ホーライ) facebook
http://www.facebook.com/atsuhiko.tsukada



posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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