2012年09月28日

治験・臨床試験の活性化、厚生労働省の取組み

今週は「第8回(平成24年度第1回)臨床研究・治験活性化に関する検討会」の資料を見ていきましょう。
     ↓
「第8回(平成24年度第1回)臨床研究・治験活性化に関する検討会」



今日は「厚生労働省における臨床研究・治験活性化への取組み」です。
    ↓
「厚生労働省における臨床研究・治験活性化への取組み」


上記をご覧頂くと分かるのですが、パワーポイントで作成されているので、ベタ打ちしてみます。




■□■ 以下引用 ■□■


●厚生労働省における臨床研究・治験活性化への取組み(厚生労働省医政局・研究開発振興課)

●臨床研究・治験の推進について(1)

(1)臨床研究・治験の推進のための取組みについて

平成24年3月30日、「臨床研究・治験活性化に関する検討会」において、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」(文部科学省・厚生労働省)が策定された。

検討会では、日本がリーダーシップを発揮できる国際共同臨床研究体制の確立やICH-GCP水準の臨床研究の実施などについて議論が行われ、平成24年度予算案においても関連する事業に必要な経費を計上している。


(2)臨床研究・治験活性化に係る施設整備等

(「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」より抜粋)

○ 早期・探索的臨床試験拠点の整備(平成23年度〜)

日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出を目的に、世界に先駆けてヒトに初めて新規薬物・機器を投与・使用する臨床試験の拠点を整備する。


○ 臨床研究中核病院の整備(平成24年度〜)

我が国で実施される臨床研究の質を薬事承認申請データとして活用可能な水準まで向上させることを目的として、早期・探索的臨床試験や市販後の大規模臨床研究等も含めた国際水準(ICH-GCPやISO14155:2011準拠)の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担うとともに、他の医療機関に対する支援機能も有する病院を整備する。


○ 日本主導型グローバル臨床研究体制の整備(平成24年度〜)

国内の医療機関と海外の医療機関が共同で臨床研究を実施する体制を我が国が主導して構築し、かつ円滑に運営することを目的として、グローバル臨床研究を企画・立案するとともに、研究を実施する医療機関に対し、研究開始から終了までの過程を支援する体制等を整備する。


■□■□■□■□■□■


上記のポイントは・・・・

●早期・探索的臨床試験拠点を整備する

●臨床研究中核病院を整備する

●日本主導型グローバル臨床研究体制を整備する

以上の3点に集約される。

●●●早期・探索的臨床試験拠点●●●

●早期・探索的臨床試験拠点整備事業

「世界に先駆けて臨床試験を実施し、日本発の革新的な医薬品・医療機器を創出する」

◎ヒトに初めての臨床試験を可能とするインフラを整備

(重点分野の例)

・がん
・神経・精神疾患
・脳心血管領域

●国立がん研究センター
(医薬品/がん分野)

●大阪大学医学部附属病院
(医薬品/脳・心血管分野)

●国立循環器病研究センター
(医療機器/脳・心血管分野)

●東京大学医学部附属病院
(医薬品/精神・神経分野)

●慶應義塾大学病院
(医薬品/免疫難病分野)



●●●臨床研究中核病院●●●

さらに、「臨床研究中核病院を平成23年度から3年間で15か所程度創設する」とのこと。

○ 我が国で実施される臨床研究の質を薬事承認申請データとして活用可能な水準まで向上させることを目的として、国際水準(ICH-GCP準拠)の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う臨床研究中核病院(仮称)を5か所(平成24年度)整備する(体制整備に必要な人件費、設備整備費等を支援する)。

※ 社会保障・税一体改革成案において、臨床研究中核病院を平成23年度から3年間で15か所程度創設することを明記。


○ 臨床研究中核病院で実施する、大学等発シーズ(開発を引き受ける企業がまだ決まっていないもの)を用いた国際水準の臨床研究や、患者数の少ない小児・難病等の医師主導治験、医療の質向上(治療ガイドラインの作成等)に資するエビデンス創出のための臨床研究を支援する。

●大学等の研究機関の臨床試験・・・課題:研究を支援するインフラがないため国際水準を満たせず、臨床研究で得られた成果を有効活用できない。

●医師主導治験・・・課題:小児疾患や難病など、患者数が少なく企業が開発し難い治験を実施できていない

●有望な成果が出れば、企業治験へのスムーズな移行と薬事承認申請データとしての利用が可能

現在、決まっているのは・・・・・

● 北海道大学病院

●千葉大学医学部附属病院

●名古屋大学医学部附属病院

●京都大学医学部附属病院

●九州大学病院



●●●治験中核病院●●●

ちなみにさ、「治験中核病院」というのもあって、紛らわしいよね。

治験中核病院は下記の病院。


「治験中核病院」

●独立行政法人国立がん研究センター中央病院

●独立行政法人国立循環器病研究センター

●独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

●独立行政法人国立国際医療研究センター

●独立行政法人国立成育医療研究センター

●千葉大学医学部附属病院

●大分大学医学部附属病院

●北里大学医学部

●慶應義塾大学医学部

●国立病院機構本部





●●●日本主導型グローバル臨床研究拠点●●●

そいでもって、さらに「日本主導型グローバル臨床研究拠点」というのがあります。

●日本主導のグローバル臨床研究拠点の整備(平成24年度より開始)

●現在のグローバル臨床研究→ 欧米のニーズに応じた疾患が中心

●今後のグローバル臨床研究→ 日本・アジアに特有な疾患のエビデンス確立へ

●グローバル臨床研究における日本のリーダーシップ〜 メンバーからリーダーへ〜

●臨床研究成果の世界的権威のある医学系雑誌への論文発表→ 診療ガイドラインの根拠

●学校法人北里研究所北里大学病院

●公益財団法人先端医療振興財団





う〜〜む、それぞれの拠点病院で何をやるのかよく分からないのですが、丹念に資料を読むと書かれています。

分かりやすい表にしてもらえると助かるんだけどね。


一体、誰が、これだけの「拠点」をコントロール、あるいはマネジメントするんだろう?

僕には絶対にできないね。(誰も、おまえにやれ、とは言わない。)


ちなみに、●「厚生労働省における臨床研究・治験活性化への取組み」の2ページの右下にこっそり書かれているのが下記のこと。

◎医師主導治験を実施する場合

以下の費用を補助

・治験薬の製造(GMP対応)
・プロトコール作成
・データ管理業務
・治験相談費用  等


へ〜〜!「治験薬の製造」についても補助がでるんだ。

さらに同じページに「●整備費(クルマ)と研究費(ガソリン)を連動し開発促進」とある。

こういう比喩は単純だけど、分かりやすくて、結構、効果的なんだよね、プレゼンの時には。





■□■ 以下引用 ■□■


臨床研究・治験の推進について(2)

(3)その他

○ 特定領域治験等連携基盤の整備(小児ネットワーク)(平成22年度〜)

○ 臨床研究(試験)情報検索(国立保健医療科学院)(平成19年度〜)

○ 倫理審査委員会報告システム(平成22年度〜)


■□■□■□■□■□■


「小児の治験や臨床試験」って、なかなか進まない。

いろんな理由があるんだろうけれど。(例えば、製薬会社は成人で新薬の承認を取れば、とりあえず、それでしばらくは「潤う」。で、小児の治験では、なかなか親の同意が得られない、とかね。)

そんな中、「小児ネットワーク」は重要です。


●●●小児治験ネットワーク●●●

●国立成育医療研究センターを中心に

●特定の疾患や患者集団における複数の医療機関の連携が必要な治験等において、

○治験依頼者との連絡、窓口機能の一元化

○中央治験審査委員会(IRB)機能

○実施中の治験等の進捗管理等の機能を果たす病院を整備









■□■ 以下引用 ■□■

●●●臨床研究登録情報検索ポータルサイト●●●

●近年、臨床研究情報の登録・公開が世界的に求められている。

現在日本では・・・

*大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)

*財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)

*日本医師会治験促進センター(JMACCT)

・・・の3機関があり、それぞれ臨床研究、企業治験、医師主導治験を中心に登録。

●国立保健医療科学院臨床研究登録情報検索ポータルサイト

3機関を横串に検索

●わかりやすく結果を閲覧


■□■□■□■□■□■



本当にさ、いろんな所で臨床研究やら治験の登録サイトがあって、研究者も患者も、どこを見たらいいのか、さっぱり分からない。

それを丁寧に解説しているサイトもない。

今後は「国立保健医療科学院臨床研究登録情報検索ポータルサイト」に期待したいです。
   ↓
http://rctportal.niph.go.jp/

ただね、言えることは、どれも「患者さん向け」ではないということ。

患者はいつでも「置いてけぼり」です。




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posted by ホーライ at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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