2012年09月12日

国際共同治験に関する一般的な留意事項

●今週は「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)」について」(事務連絡:平成24年9月5日)についてです。


●「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)」について」(事務連絡:平成24年9月5日)が出ました。
    ↓
「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)」について」


なお、参考になる資料としては以下の通知もあります。
    ↓
●「国際共同治験に関する基本的考え方について」(薬食審査発第0928010号:平成19年9月28日)
    ↓
「国際共同治験に関する基本的考え方について」



さらにICHのE5の「外国で実施された医薬品の臨床試験データの取扱いについて」等もご一緒にお読みください。
    ↓
「外国で実施された医薬品の臨床試験データの取扱いについて」

「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針」に関するQ&Aについて

「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針」に関するQ&Aについて(その2)」




★★★ 以下引用 ★★★

●2.国際共同治験に関する一般的な留意事項

★5) 医薬品開発の国際化が進む中で、日本における臨床開発戦略及び臨床試験計画を立案する上で留意すべき点は何か。
     ↓
     ↓
医薬品の臨床開発計画を立案する上で重要なことは、長期的かつ全体的な開発計画を立案するとともに、開発期間中においても、適宜、その時点までに得られているデータを適切かつ十分に評価し、臨床開発の進め方や次相以降の臨床試験計画の効率化や最適化を図ることであり、早期から継続的に臨床開発計画等についてPMDAと相談することが推奨される。

医薬品開発の国際化が進展する中では、国際共同開発の可能性を考慮することが多いと思われるが、開発戦略の如何に関わらず、常に関係する海外担当部署と必要な連携や協力を保ちながら、医薬品開発を進めることが望ましい。

海外担当部署との連携あるいは協力とは、海外との共同治験の実施だけを指すものではなく、国内又は海外で単独で実施する臨床試験であっても、その試験計画立案への関与、試験計画・有効性あるいは安全性情報等の適時共有、定期的な薬事連絡等あらゆる連携や協力を含むものである。


すなわち、医薬品開発の早期から常に海外関連部署との連携を保ちながら、関係者がある医薬品に関する最新のデータや情報を正確に理解し共有した上で開発計画を検討し立案するが、開発計画の効率化や最適化につながるものと考えられる。

日本での承認に向けたより適切な開発計画を立案するためにも、開発早期の探索的な段階から日本人患者でのデータを集積していくことが望ましい。


現時点において日本で又は日本を含めて実施されている主な臨床開発戦略としては、国内単独で臨床試験を実施する開発、海外臨床試験結果を外挿するブリッジングによる開発、検証試験を含めた臨床試験を海外と共同で実施する国際共同開発の3つがあり、国際共同開発には欧米等と連携して実施する世界規模の国際共同開発及び日中韓等の東アジア地域を中心として実施する東アジア国際共同開発があると考えられる。

これらの開発方法の特徴を十分に考慮し、開発中の医薬品の性質やその時点で得られているデータ等から、次相として最も適している臨床試験計画を策定することが重要である。

★★★★★★★★★★★★





●「開発戦略の如何に関わらず、常に関係する海外担当部署と必要な連携や協力を保ちながら、医薬品開発を進めることが望ましい。」

う〜〜ん、総合機構の方から、社内の関連部署との連携についてのご提案まであるとは思いませんでした。

サービスがいいですね。

と言うか、こんなことを当局から言われてしまうことを恥ずかく思いましょう。





★★★ 以下引用 ★★★

★6) 国際共同治験の結果を評価する際に留意すべき点は何か。
     ↓
     ↓
日本人を対象に国内で実施される臨床試験の結果の評価と同様の手順で、患者背景の確認、有効性評価、安全性評価を行うことが原則である。

評価の際には、全集団の評価に加えて日本人集団のみの評価を行った上で、全集団との間の一貫性について検討することが必要となるが、日本人集団が試験における部分集団であり必ずしも試験目的を達成するのに十分な症例数が組み入れられていない可能性、組み入れられた集団間に結果として差異が生じている可能性等に留意することが重要である。

したがって、日本人集団の結果の評価に際しては、日本人症例数を踏まえ、点推定値のみならずその精度(標準偏差等)にも着目する必要がある。

また、日本人集団における主要評価項目の評価だけではなく、副次評価項目についても、主要評価項目の結果や全集団の結果と同様の結果が示されているか確認すべきである。

また、安全性についても同様に、全集団と日本人集団との間で著しく異なった傾向が認められていないか確認すべきである。

全集団と日本人集団との間で結果に差異が認められた場合には、要因毎の部分集団解析結果等も参考に差異が生じた原因について十分に考察し、当該国際共同治験の結果を日本人の有効性及び安全性の根拠とすることが可能であるのか慎重に評価する必要がある。

なお、これらの評価結果及び考察については、申請時にCTDに適切に記載すべきである。




★7) 海外在住日本人を対象として、海外で実施された試験結果を評価する上で、留意すべき点は何か。
     ↓
     ↓
海外で実施された試験結果を適切に評価するためには、まずは、ICH E5ガイドラインで述べられているような民族的要因(内因性及び外因性)について考慮することが重要である。

その上で、開発初期に日本人での薬物動態を評価する試験は、通常健康成人で実施されることが多く、医療環境よりも、遺伝的要因等の内因性民族的要因が結果を評価する上で重要であり、食事等の生活環境等の外因性民族的要因の違いによる影響を考慮する必要があるものの、多くの場合、海外在住日本人を対象として海外の治験施設で実施された結果から日本人の薬物動態を評価することは可能である。

一方で、有効性及び安全性を評価する試験では、内因性民族的要因のみならず、診断方法や標準治療等の医療環境、教育、文化等の社会的要因等の外因性民族的要因を考慮する必要がある。

したがって、日本人における有効性及び安全性については、日本の医療環境下で確認すべきであり、日本在住の日本人が適切に組み入れられた臨床試験(国際共同治験又は国内単独での臨床試験)の結果に基づき評価することが適切である。


★★★★★★★★★★★★

上の「海外在住日本人を対象として、海外で実施された試験結果を日本人のデータとして使う」という戦略は考えがちですね。

何故、そんなことをやるのか?

日本人のデータなんだから、日本でやれば? と思いますよね、普通は。

でも、日本で治験をやると色々とうるさいので、アメリカに住んでいる日本人(人種的に)を治験に組み込んだほうが速く治験が進む、という悲しい現実があるわけです。

そのあたりも釘が刺されています。
   ↓
「日本人における有効性及び安全性については、日本の医療環境下で確認すべき」

ホントかね?

日本から治験が逃げるので、言っているのでは? なんて勘繰りたくなりますよね。

まぁ、「事務連絡」のほうが正論を述べているだけですけれど。




★★★ 以下引用 ★★★

★8) 異なった民族での薬物動態を比較する上で一般的に留意すべき点は何か。
     ↓
     ↓
一般に、異なった民族間での薬物動態を比較する際には、内因性民族的要因以外の要因による変動を低減するため、測定方法等も含め同一プロトコル(別試験での実施も含む。)で収集した薬物動態結果に基づき比較することが望ましい。

また、代謝酵素やトランスポーターにおける遺伝的変異が、開発中の医薬品の薬物動態に影響を及ぼすと考えられる場合には、その遺伝的変異の各民族における発現率等も考慮し、治験において遺伝子検査を実施し、各遺伝型での集計なども行った上で、評価することが重要である。

独立して実施された複数の薬物動態試験結果を比較して、各民族での薬物動態の類似性や差異を考察する場合には、内因性民族的要因のみならず、外因性民族的要因についても考慮に入れないと、結果の解釈を誤るおそれがある事例が最近明らかとなっており(平成22年度厚生労働科学研究費補助金・行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(日中韓大臣声明に基づく医薬品の民族差に関する国際共同臨床研究)川合班報告書)、試験方法、対象被験者、定量法(バリデーションの有無、定量限界等を含む)、測定時点、投与条件、投与薬物の用量や製剤、試験結果の標準偏差の大きさ(はずれ値の存在の有無等を含む)、実施時期等における各測定方法間の差異を精査し、差異がある場合には、その差異が評価に影響を及ぼす可能性及び程度について、十分な検討を行った上で試験間の比較を行う必要がある(製剤が異なる場合には製剤間での生物学的同等性の有無等も含む)。

同一プロトコルで収集した日本人と他の民族での薬物動態試験結果が存在しない場合には、その後に実施する治験計画を工夫することなどにより、遅くとも検証的な国際共同治験を実施する前までには、少なくとも投与後の数点において、同一プロトコルによる薬物動態特性から適切と考えられる指標(例:Cmax、トラフ値等)のデータを、検証試験に組み入れることを予定している主要な民族で入手できるよう計画することが望ましい。

★★★★★★★★★★★★


上記に平成22年度厚生労働科学研究費補助金・行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(日中韓大臣声明に基づく医薬品の民族差に関する国際共同臨床研究)川合班報告書というのがありますね。

で、それって、どこにあるの?

グーグルで検索しろ、ってこと?

相変わらず「殿様商売」だな。

顧客満足度調査をしたらどうだろう?

リンクを貼っておいて欲しいな。




週刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

日刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

医薬品ができるまで(治験に関する話題)

●塚田 淳彦 (ホーライ) facebook
http://www.facebook.com/atsuhiko.tsukada

posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際共同治験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック