2012年05月29日

臨床研究・治験活性化5か年計画2012に対する意見(7)

今週は先週に引き続き「『臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)』に関する意見の募集について寄せられた御意見について」ということで、治験の活性化5ヶ年計画に対するパブリックコメントうについて見ていきます。
   ↓
臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)」に関する意見の募集について寄せられた御意見について


そもそもこれは、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012案に関する意見の募集について」によせられたパブリックコメントです。。


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国民・患者への普及啓発に関するコメント   ★★★=コメントです。


★★★治験を活性化させるためには、例えばPMDAのサイトに患者が検索しやすい語句「例えば卵巣がん、胃がんなど」で現在進行形の治験を探せるようなWEBデータベースを作る必要があるのではないか。

企業が患者会に未承認の薬品についてプロモーションできないこともあり、患者会が患者に情報を届けたくても入手する手段はデータベースしかないが、既存のものはがん種の語句などが極めて難しい。

患者目線のデータベースを作り、それを患者会にリンクするなどの取り組みが必要。



★★★企業に対して治験参加のためのボランティア休暇制度の普及を推進していく等、治験に参加しやすい社会体制を構築するための活動を加えてはどうか。

一定規模以上の企業における健康診断は治験とリンクさせるなど治験とのリンクを制度化してはどうか。

  ↓(回答)

貴重な御意見をありがとうございます。

計画には、「より多くの国民に臨床研究・治験に参加してもらうため、臨床研究・治験に参加する患者にとってメリットがある診療体制についての検討を行う。」と記載しており、今後、計画に基づき、取り組んでいきます。



★★★高額アルバイトで検索すると、治験が出てくる状況を打破すべき方法はないだろうか。

  ↑

(ホーライコメント⇒)これ、ユニークなコメントですよね^^

まぁ、私は、「高額アルバイト」で別に悪いとは思いませんけれどね。



★★★「臨床研究(試験)ポータルサイト」は一般の患者には使いづらい。

国民・患者が求めている情報を調査するだけではなく、「患者会との意見交換の場を設ける」など、患者の視点を積極的に取り入れる具体的な仕組みを明記する。



★★★国民への普及啓発活動については、被験者保護に関する法制度の整備、臨床研究・治験に関する登録と情報公開の徹底、啓発活動に関するガイドラインの策定などが、必須の条件であることを明記するべきである。

  ↓(回答)

貴重な御意見をありがとうございます。

国民への普及啓発活動は臨床研究・治験を進めていくうえで、重要と考えております。

効果的な普及啓発活動については、計画の中で「国、医療機関、治験依頼者等の治験に携わる関係者は、臨床研究・治験の意義に関する普及啓発については、国民・患者の視点からよりわかりやすい内容とし積極的に取り組む。」と記載しており、今後、計画に基づき、取り組んでいきます。


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・・・・・・・ということで「治験の啓発、理解促進」です。

私はこのブログ等で昔から訴えているのですが「治験届」の公開化が早急に望まれることだと思います。

治験の情報は全て総合機構に集まるのですから、それらをデータベース化して公表するのが一番、早いと思うのですが。

少なくともこの件で7年前に総合機構に直接、僕が電話した時、電話に出た方の話では「まだ未承認の治験薬について総合機構がそういう情報を一般の人に向けて公表することはできない」とやさしく諭してくれました。^^;






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治験コストの適正化に関するコメント   ★★★=コメントです。

★★★出来高払い方式採用を一層推進してほしい。


(ホーライコメント⇒)僕がモニターをやってたころは国立大学病院や国立病院などでは治験の研究費については、「前納制」でしかもひとりも被験者の登録が無くても一切、返金しないという殿様商売をしていましたからね。

ひどいもんでした。



★★★生活保護受給者も協力費は収入とみなさず、簡素に治験に参加できる試みが必要と考える。

生活保護受給者医療費の取扱について、国内で統一した指針を検討してほしい。

  ↓(回答)

・生活保護制度は、法律上、対象者の利用し得る資産・能力その他あらゆるものを活用することとしております。

このため、治験の協力に対する謝金についても最低限度の生活の維持のために活用していただく必要があり、他の収入との均衡を考慮すると、治験業務の推進のために生活保護の運用を変えることは不適当だと考えます。

・生活保護法において、生活保護の医療扶助の診療方針及び診療報酬は、原則として国民健康保険の例によるものとしています。(保険外併用療養費の支給に係るものは除く)



★★★保険外併用療養費の適用範囲について、医療機関ごとに依頼者に求める負担範囲が大きくことなり、苦慮している。

統一的な見解を示してほしい。もしくは各施設の医事課担当者を集めて、勉強会を行うなどしてほしい。

  ↓(回答)

貴重な御意見をありがとうございます。

計画には、「保険外併用療養費の適用範囲について、個々の治験依頼者、医療機関によって考え方の違いがあるとの指摘を踏まえ、治験における保険外併用療養費の適用範囲について更なる周知を図る」と記載しており、今後、計画に基づき、取り組んでいきます。


(ホーライコメント⇒)はい、ご存じのとおり、未だに「殿様商売」を押し付ける医療機関があるわけですね。

そういう医療機関には治験を依頼しない、という勇気も持ちましょうね。



★★★国内で実施する治験に対して国からのコスト面での支援もしくは優遇措置を行って欲しい。

  ↓(回答)

企業治験については、「1.9年間の活性化計画を踏まえた更なる飛躍と自立」に記載している通り、これまで整備してきた体制や人材を活用することとし、今後は医師主導治験について、研究費の助成や実施体制整備を行っていきたいと考えています。


(ホーライコメント⇒)キーワードは「自立」です。経済的にも精神的にも自立です。お上に依存する体質から早く脱却しましょうね。、




★★★治験資料の電子化を推進し、医療機関、依頼者の作業の合理化を図る。

例として安全性情報の提供や治験薬概要書、CRFの見本等の変更がある場合、責任医師に試験毎に設けたネット上のサイトにアクセスしてもらい、承認あるいは非承認(理由記載)の確認を行う(各資料の確認期限が近づくと自動的に確認依頼メールが配信される)。

その結果を基に、IRBへはネットを介して必要書類を自動提出したり、依頼者においてはモニタリング報告書として、もしくはその一部として利用できるようにする。


(ホーライコメント⇒)この(↑)アイデアは素晴らしいですね。

是非、民間主導で進めていきましょう。




★★★医師主導治験や、高度医療評価制度下の適応拡大の臨床試験(特に第V相比較試験)において、企業からの薬剤無償(または研究費としての)提供が得られないと比較試験は成り立たない。公的届出に基づく上記事例では保険適応を認めるよう制度改革を中期目標とすべきである。

  ↓(回答)

貴重な御意見をありがとうございます。

計画には、「既に承認されている複数の医薬品・医療機器を用いた臨床研究で、効果の比較や、組合せによる治療効果の検討を行う無作為化比較試験等における現行制度の課題について整理を行う。」と記載しており、今後、計画に基づき、医師主導治験等を推進していきます。


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・・・・・・・ということです。

治験のコスト高は日本の人件費高によるものだと思いますが、それでも無駄なことを省いていけば、モニターひとりあたりの担当施設数や担当被験者数が増えてきて、結果としてコストの低下が望めると思いますので、まずは、無駄を省いていきましょう。





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posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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