2012年05月22日

臨床研究・治験活性化5か年計画2012に対する意見(2)

今週は「『臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)』に関する意見の募集について寄せられた御意見について」ということで、治験の活性化5ヶ年計画に対するパブリックコメントうについて見ていきます。
   ↓
臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)」に関する意見の募集について寄せられた御意見について


そもそもこれは、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012案に関する意見の募集について」によせられたパブリックコメントです。。




●●●【 意見3 】●●●

★★★「治験依頼者や治験ネットワーク事務局は、医師に治験を実施するインセンティブを持たせる工夫について検討を行う」とあるが、これまでも各関係者は考えてきたことである。

国が大胆な発想、例えば国立大学や国立病院機構の医師であれば、治験の実施数に応じて昇進のためのポイントとなるとか、治験の実施数を賞与に反映させるなどを提案、実行しないと何も変わらないのではないか。

国が実施すれば、その他の医療機関も同じように対応するのではないか。


★★★「治験に協力する開業医へのインセンティブについても検討を行う」のインセンティブについて具体的な方策に踏み込んでもらいたい。

●●●●●●●●●●●●●

う〜〜〜ん、そうですね。まさに!!

「医師に治験を実施するインセンティブを持たせる工夫について検討を行う」というのは10年以上前からいろんな立場の人がいろんなところで言っていますが、まったく改善の余地なし。

だから、これはもう諦めましょう。

民間がそれなりの工夫をしたほうが速いんじゃないの? という感じです。

私立病院から、さっさとやってしまいましょう。

国に頼っている時代ではありませんから。

   ↓
これに対する回答は以下のとおりです。
   ↓
●●●【 回答3 】●●●

貴重な御意見をありがとうございます。

今後、アクションプランを策定する際の参考にさせていただきます。

●●●●●●●●●●●●●

ね?

当たり障りのないお役人言葉でお茶を濁しています。

このままでは、多分、あと10年たっても現状は変わってないですよ。

「医師に治験を実施するインセンティブを持たせる工夫」については聖マリアンナ大学とか東海大学あたりから着手してはいかがでしょうか?

(慶應大学でもいいけど。)






●●●【 意見4 】●●●

現5カ年計画の実施により期待される治験・臨床研究の姿として、以下が提示された。

@ 治験・臨床研究のコスト、スピード、質が米国等諸外国並に改善されている。

A 国際共同治験の実施数がアジア周辺国と同等以上の水準まで向上している。

B 質の高い最先端の医療の提供を確保し、国民が安心して治験・臨床研究に参加することができる体制が確保されている。

がん患者の希望に繋がる重要な施策であることから上記の確実な実現に向けた取り組みを強く要望する。

●●●●●●●●●●●●●


この(↑)最後のご意見が切実で、キモです。

がん患者にとっては「5ヶ年」なんて待ってられませんからね。

治験の活性化1秒計画、でもいいぐらいです。



がん患者さんだけではなく、こんな病気の人からのご意見もあります。
   ↓
●●●【 意見5 】●●●

「日本発のシーズによるイノベーションの進展、実用化」についての意見です。

私たちの患う「遠位型ミオパチー」は進行性の重篤な筋疾患です。

治療法は全くなく、国内患者数は数百名と推測される非常にまれな疾患です。

2009年5月、日本の研究グループにより、世界で初めて動物実験において治療効果(シアル酸補充療法)が示され、世界中の患者、家族が驚喜しました。

しかし一方、既存の制度や取組のみでは、日本発の希少疾病薬実用化には、費用をはじめ大きな壁が立ちはだかります。

この基礎研究の成果から実用化の間、いわゆる「死の谷」を乗り越えるためには、公的資金等の支援が必要不可欠です。

まさに「日本発のシーズによるイノベーションの進展、実用化」にあたるケースであり、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」が非常に有効な手立てとなると考えます。

逆にいえば有効でないならば、資源は限られている以上、日本発の希少疾病薬実用化の道が閉ざされるに近いと言えるかもしれません。

希少疾病薬開発は製薬業界全体の中でも大きな潮流となりつつありますが、本計画により日本発の希少疾病薬実用化のモデルケースをつくることが可能であり、遠位型ミオパチー治療薬はそれに最も近い位置にあるものとして存在します。

●●●●●●●●●●●●●



まだ、当分、「日本発のシーズによるイノベーション」は期待できませんので、日本で見つかったシーズをアメリカで開花させる方法を模索したほうが速いと思います。

こんなニュースを覚えていないですか?
  ↓
★「iPS細胞使い米で治験 東大・京大申請へ 」

★「【政策】新薬開発「日本は無力」 中村祐輔・東大医研教授兼内閣官房医療イノベーション推進室長 室長を辞任し米シカゴ大学に移籍」


患者さんにとっては治験が日本で実施されようがアメリカで実施されようが関係ありませんからね。

とにかく1秒でも早く手に入れたい、苦しみから逃れたいわけです。

アメリカで治験を実施し、新薬として承認されたら、公知申請で日本に導入するのが一番早いと思います。

「公知申請とは」
  ↓
公知申請



週刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

日刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

医薬品ができるまで(治験に関する話題)




posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 組織の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。