2012年05月19日

臨床研究・治験活性化5か年計画2012に対する意見(1)

今週は「『臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)』に関する意見の募集について寄せられた御意見について」ということで、治験の活性化5ヶ年計画に対するパブリックコメントうについて見ていきます。
   ↓
臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)」に関する意見の募集について寄せられた御意見について


そもそもこれは、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012案に関する意見の募集について」によせられたパブリックコメントです。。


さてさて、どんな意見が寄せられたでしょうか?

●●●【 意見1 】●●●

『概ね欧米諸国等に劣らない治験実施体制が整備されたものと考える』と記載されてますが、根拠はありますでしょうか。

●●●●●●●●●●●●●
   ↓
これに対する回答は以下のとおりです。
   ↓
●●●【 回答1 】●●●

「『新たな治験活性化5ヵ年計画の中間見直しに関する検討会』報告」(平成22年1月19日)には、治験にかかるコストに関しては、全体として欧米と比べて依然として高いと指摘されているものの、スピードに関しては、全体として欧米と比較して遜色ないレベルとなっているとされており、また、質に関しては、大きな問題は見られないとされています。

●●●●●●●●●●●●●


ちょっと苦しい回答かな。

CRCやローカルDMなどの体制(人数も質も)はまだまだ欧米諸国に負けていますよね。

そもそも新薬の製造販売承認申請を審査する当局(総合機構&厚生労働省)の人数がまだまだFDAの10分の1ですからね。

被験者の集積率でいうと、まだまだ、アジアではダントツでビリです。


「昔の日本に比べれば・・・・・・」というところでしょうか。





●●●【 意見2 】●●●

・臨床試験に関しては「補償」の問題についても研究者に委ねられているが、被験者保護の観点から考えれば国からの補助も考慮すべきである。

・IRB、および倫理審査委員会は機能不全となっており、やはりIRBに対する教育の強化は必要だと感じている。

・エビデンスに繋がる質の高いデータを求める事は必要不可欠であるが、参加する患者さんがあって初めて成り立つ「臨床試験や治験」である。被験者保護の観点から、医療機関が組織として、どのように責任を果たしていくのかを是非、明確にしていただきたい。

・本当に必要な臨床試験に対するサポート体制がまったく構築されていない。

・治験、および臨床試験を実施する医療機関における組織としての責任が明確でない。

●●●●●●●●●●●●●


上記の意見2で私も同感なのは・・・・

★被験者保護の観点から考えれば国からの補助も考慮すべき

★IRBに対する教育の強化

★医療機関が組織として、どのように責任を果たしていくのか

★医療機関における組織としての責任が明確でない

   ↓
これに対する回答は以下のとおりです。
   ↓
●●●【 回答2 】●●●

貴重な御意見をありがとうございます。

計画には、「臨床研究における被験者への補償の在り方について検討」や「倫理審査委員会の質の向上等」について記載しており、今後、計画に基づき、取り組んでいきます。
 


また、臨床研究・治験を医療機関が組織として取り組むことは重要と考えており、臨床研究中核病院の整備にあたっては、以下の機能を求めています。

@ 出口戦略を見据えた適切な臨床研究計画を企画・立案し、ICH-GCPに準拠して臨床研究を実施できること。

A 倫理性、科学性、安全性、信頼性の観点から適切かつ透明性の高い倫理審査ができること。

B ICH-GCPに準拠したデータの信頼性保証を行うことができること。

C シーズに関して知的財産の管理や技術移転ができること。

D 質の高い多施設共同臨床研究(医師主導治験を含む)を企画・立案し、他の医療機関と共同で実施できること。
また中核病院として、他の医療機関に対し、臨床研究の実施に必要な支援を行えること。

E 関係者への教育、国民・患者への普及、啓発、広報を行えること。

F 上記@〜Eの実施に必要となる体制を病院管理者等のもと病院全体で確保できること


●●●●●●●●●●●●●

IRBが機能不全に陥っているという意見は、結構、前からありました。

新薬の早期開発やマイクロドーズの導入等により、治験の難易度が高くなって、IRB委員がそれについていってない、という現状もあります。

今後はIRB委員への教育も重要視されることでしょう。





また、「臨床研究中核病院」について言及されています。
   ↓
<治験中核病院>

●独立行政法人国立がん研究センター中央病院

●独立行政法人国立循環器病研究センター

●独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

●独立行政法人国立国際医療研究センター

●独立行政法人国立成育医療研究センター

●千葉大学医学部附属病院

●大分大学医学部附属病院

●北里大学医学部

●慶應義塾大学医学部

●国立病院機構本部



****上記の施設に期待されていること****

中核病院

中核病院は、高度に専門的な知識や経験が要求される等、実施に困難を伴う治験等を計画・実施できる専門部門及びスタッフを有し、基盤が整備された病院をいいます。

次に掲げる機能及び体制の強化が求められます。

・医師主導治験を含む臨床研究が円滑に実施され、他機関との共同研究を主導できるよう、研究計画の立案・統計解析、データマネジメント等を行うことができること。

・他の共同研究を行う医療機関に対して、治験等に関するコンサルティング機能を提供できること。

・治験手続等が円滑に実施されるよう、治験事務等の効率化を図っていること。

**********************

どうですかね?

中核病院はうまく機能しているのでしょうか?

絶対に不可欠なのは「治験に対して情熱を持った人」が中核病院にいるかどうかですね。

それと、是非、治験の中核病院における被験者集積状況や治験手続きの効率化が進んでいるか、治験の依頼から契約の締結までの期間を公表して欲しいですね。

どこかのアンケートで見た記憶なのですが、治験中核病院のほうが治験依頼の手続きに時間がかかっている、という事態もあるそうです。


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posted by ホーライ at 12:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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