●糖尿病の治療は病因、または重症度(進行度)によって異なる。2型糖尿病初期において最も重要なのは食事療法と運動療法である。
●食事療法、運動療法でコントロールがつかない場合は経口血糖降下薬、インスリンといった薬物を使用する。
●治療効果判定は血糖値に準ずるパラメータで行うこととなっている。治療する目的は糖尿病の各種合併症を防ぐということである。
初期糖尿病の治療で重要なのが、食事療法と運動療法である。
高血糖ストレスによるインスリン分泌細胞の疲弊、死滅が進行する前に開始することが望ましい。
耐糖能異常の段階から生活習慣の修正や体脂肪減量を行うことが糖尿病患者の発生を防ぐために推奨されている。
体脂肪の中でも内臓脂肪の減量が重要とされ、インスリン抵抗性を解除し、高血糖状態からインスリン分泌低下の悪循環を和らげることができる。
これは糖尿病の進行がどの段階でもいえることである。
糖尿病の診断がつく前、いわゆる境界型糖尿病の段階から行うべき治療である。
特にIGTといわれる境界型糖尿病では大血管障害のリスクが高いため積極的な治療が必要と考えられており、ビグアナイド薬やαグルコシダーゼ阻害剤(以下αGI薬と表記)といった経口血糖降下薬も生活習慣の改善には劣るが効果があるといわれている。
これらの内服は食事、運動の改善が不可能な患者にも一定の効果はあるもの糖尿病の進行を必ずしもくいとめられるわけではなく、治療方法もガイドライン化されていない。
●インスリン療法の適応
▼インスリン依存状態であるとき
▼糖尿病性昏睡(糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、乳酸アシドーシス)であるとき
▼重症の肝障害、腎障害を合併する時
▼重症感染症、外傷、中等度以上の外科手術(全身麻酔施行例など)のとき
▼糖尿病合併妊娠(妊娠糖尿病で食事療法だけでは良好な血糖コントロールが得られない場合も含む)
▼中心静脈栄養時の血糖コントロール
●インスリン療法
インスリン療法としては強化インスリン療法とその他の治療法に分けられる。
まずはインスリンの適応があるかどうかを判断する。
インスリンの適応があると判断したら、患者の状態を把握し、インスリン強化療法を行うのか、それともその他の治療法を行うのかを判断する。
インスリン療法の基本は健常者にみられる血中インスリンの変動パターンをインスリン注射によって模倣することである。
健常者のインスリン分泌は基礎インスリン分泌と、食事後のブドウ糖やアミノ酸刺激による追加インスリン分泌からなっている。
これをもっともよく再現できるのは強化インスリン療法であるが、手技が煩雑であるのがネックである。
今後の糖尿病管理も強化インスリン療法を行うのなら、患者教育なども行い導入する価値はあるが、手術や処置で一時的に経口血糖降下薬を用いられないという場合、生活スタイルから強化インスリン療法を行うのが不可能な場合はその他の療法が選択される。
●強化インスリン療法
強化インスリン療法とは、インスリンの頻回注射、または持続皮下インスリン注入(CSII)に血糖自己測定(SMBG)を併用し、医師の指示に従い、患者自身がインスリン注射量を決められた範囲で調節しながら、良好な血糖コントロールを目指す方法である。
基本的には食事をしている患者では、各食前、就寝前の一日四回血糖を測定し、各食前に速効型インスリン(R)を就寝前に中間型インスリン(N)の一日四回を皮下注にて始める。
オーソドックスなやり方としては各回3〜4単位程度、一日12〜16単位から始める。
朝食前のRは昼食前の血糖を下げ、昼食前のRは夕食前の血糖を下げ、夕食前のRは就寝前の血糖を下げ、就寝前のNは朝食前の血糖を下げると考えると分かりやすい。
量を調節する場合は2単位程度までの変更にとどめた方が安全である。
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