2012年05月12日

糖尿病とは?

今週は「糖尿病」について学びます。

今後も、ときどき、こんなふうにある疾患について学んでいきます。


何故か?

スーパーモニターやスーパーCRCになるには、浅くてもいいので、幅広い疾患の知識が必要だからです。

何故か?

何故ならば、どんな疾患を対象としたプロトコルであったとしても、有害事象としては、なんでもありえるからです。

たとえば、「更年期障害」を対象とした治験を担当したとしても、患者さんがいつ「子宮がん」になるかわかりませんし、「糖尿病」になってしまうかもしれません。

たとえば、「高血圧」を対象としたプロトコルだとしても、患者さんが突然、「緑内障」になってしまう可能性もありますし、「肺炎」なってしまう可能性だってあります。

だから、有害事象の対応がいつでもできるように、幅広い知識を持っておいたほうがモニターもCRCもやりやすいわけです。

それに、いつでも、どんな疾患の治験でも担当できるぞ!とスタンバイしておくのが賢いモニターでありCRCです。


とまぁ、そんなこんなで、今週は「糖尿病」についての勉強会です。

1週間を使って「糖尿病」を学んでいきましょう。




糖尿病(とうにょうびょう、Diabetes Mellitus: DM)は、血糖値(血液中のグルコース(ブドウ糖)濃度)が病的に高い状態をさす病名である。

ひとことに血糖値が高いと言っても、無症状の状態から、著しいのどの渇き・大量の尿を排泄する状態、さらには意識障害、昏睡に至るまで様々であるが、これらをすべてまとめて、血糖値やヘモグロビンA1c値が一定の基準を超えている場合を糖尿病という。

糖尿病は高血糖そのものによる症状を起こすこともあるほか、長期にわたると血中の高濃度のグルコースがそのアルデヒド基の反応性の高さのため血管内皮のタンパク質と結合し、体中の微小血管が徐々に破壊されていき、目、腎臓を含む体中の様々な臓器に重大な傷害(糖尿病性神経障害・糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症の微小血管障害)を及ぼす可能性があり、糖尿病治療の主な目的はそれら合併症を防ぐことにある。

なお、腎臓での再吸収障害のため尿糖の出る腎性糖尿は別の疾患である。

1674年、イギリスの臨床医学者トーマス・ウィリスはヨーロッパで当時奇病とされていた多尿症の研究をしていた。

ウィリスは尿に含まれる成分を何としても知りたいと考え、患者の尿を舐めてみたところ、甘かったことが本病確認のきっかけとされている。




う〜〜〜ん、よく患者の尿を舐めたものだよね。

科学者の探究心の凄いこと。





血液中のブドウ糖濃度(血糖値、血糖)は、様々なホルモン(インスリン、グルカゴン、コルチゾールなど)の働きによって正常では常に一定範囲内に調節されている。

ホルモンの中で血糖値を下げるのはインスリンだけだ。



いろいろな理由によってこの調節機構が破綻すると、血液中の糖分が異常に増加し、糖尿病になる。

糖尿病は大きく1型と2型にわけられるが、これはこの調節機構の破綻の様式の違いを表している。

1型糖尿病では膵臓のβ細胞が何らかの理由によって破壊されることで、血糖値を調節するホルモンの一つであるインスリンが枯渇してしまい、高血糖、糖尿病へと至る。


一方2型糖尿病では、血中にインスリンは存在するのだが肥満などを原因としてインスリンの働きが悪くなるか、あるいは自己免疫的に破壊された訳ではないが膵臓のβ細胞からのインスリン分泌量が減少し、結果として血糖値の調整がうまくいかず糖尿病となる。

その他にも、妊娠糖尿病をはじめとして発症機序の違いに基づくいくつかの病名があって、これらをひとまとめにしている糖尿病は病名というより症候群と言ったほうが適切である。



「糖尿病」の名称は、血糖が高まる結果、尿中に糖が排出されることに由来する。

しかし尿中に糖が排出されること自体は大きな問題ではない。



1型糖尿病の場合、放置すると容易に急激な高血糖と生命の危険も伴う意識障害を来す糖尿病性ケトアシドーシスを引き起こしかねないため、インスリン注射などの積極的な治療により強力に血糖値を下げることが基本的な治療目標となる。

一方2型糖尿病においては1型ほど血糖値が上昇することは通常ないが、治療せず長期に放置すると糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などの糖尿病慢性期合併症の起こる頻度が多くなるため、生活習慣の是正、経口血糖降下薬やインスリン注射により血糖値をある程度下げることによってこのような合併症を引き起こすことを防ぐことが治療目標である。

長期的に落ち着いている1型糖尿病においては、やはり治療目標は2型と同様のものになる。

妊娠糖尿病においては、妊婦の高血糖を原因として胎児奇形や妊産婦合併症の頻度が高くなる理由となるので、それを防ぐために血糖値を下げる治療をするのである。



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posted by ホーライ at 06:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 疾患の勉強 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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