2012年05月03日

日本の治験環境の台所事情

こんなものがあります。
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■臨床医学分野 科学技術・研究開発の国際比較(2011年版)
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臨床医学分野 科学技術・研究開発の国際比較(2011年版)

科学技術振興機構 研究開発戦略センター (JST/CRDS)が出したものです。

ちょっと、中身を見てみましょう。

・・・・という話を前回は「医薬品ができるまで(治験に関する話題)」でやったのですが、話が長くなりそうなので、今回は「ホーライ製薬」で見ていきたいと思います。


繰り返しますが、「臨床医学分野 科学技術・研究開発の国際比較(2011年版)」の「エグゼクティブサマリー」にはこんなことが記載されています。


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臨床医学に関しては、ライフサイエンスの基礎研究、橋渡し研究、および臨床研究の推進や、臨床研究の基盤整備、治験環境の充実などを通じて、医薬品開発や医療機器開発におけるイノベーションの創出に向けた集中投資が行われてきた。

一方で、日本では臨床研究に係る制度や研究体制等、様々な側面に課題が存在する。

そのため、より迅速かつ効率的に臨床研究を進めるための仕組みづくりが急務であるとして、政策立案や行政の場において様々な取組みが模索されているところである。

基礎研究の成果を実用化につなげていく推進力は依然として欧米に劣る面もあり、複数の分野において臨床研究の振興、産学・医工連携の推進、人材育成、制度改革、グローバル化あるいは海外展開への対応、その他の研究開発基盤整備等への取り組みが課題となっている。


「医薬品開発」分野は、まず創薬に関しては、研究開発、バイオ産業の育成、臨床開発環境の整備等、イノベーション創出に向けた積極的な取組みが各国で行われている。

また人材のボーダレス化をはじめとする研究開発の国際化が、先進国に限らず新興国でも加速している。

欧米では主要なブロックバスター品が次々と特許切れを迎えているが、産学官の効果的な連携により基礎研究の成果を速やかに実用化につなげていく仕組みは依然として機能している。

一方、日本は基礎研究では欧米と比肩しうるものの、応用研究や臨床開発を支える基盤の整備が未だ十分とは言えない状況にある。


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そうですよね。

あなたも実感していることでしょう。「様々な側面の課題」に。

このことは、僕が働き始めた30年前から言われていることですが、いっこうに改善の兆しがみえません。

関係者は「本気モード」でやっているのでしょうか?

特に脅威はこれです(↓)。


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東アジア地域では韓国が主要な治験国となっている。

日本での取り組みもここ数年で急増しているが、1 施設あたりの症例数の少なさや高額な治験コストといった課題も残る。

マイクロドーズ臨床試験、早期探索的臨床試験に関しては、欧米が主導している。

2009 年には日米欧の三極による医薬品規制調和国際会議で早期探索的臨床試験の実施要件を含む非臨床試験ガイダンス(ICH-M3)の改訂が合意され、2009 年から2010 年にかけて日米欧の国内で規制化された。

この分野で日本は、技術力は高いものの実施の面で欧米に遅れている。

「再生医療」分野では、日本は細胞治療の研究水準が高

特にiPS 細胞の創出に見られるように幹細胞生物学等の基礎研究や、少数例ではあるが臨床研究で国際的にも高い競争力を有している。

しかし開発研究は弱く、産業化へ向けた企業への技術移転が限定的となっている。

これに対し米国では基礎から実用化までの学際的な取組みが活発に行われている。


欧米企業は次の薬剤開発として抗体およびタンパク質製剤の開発を競っている。

日本は欧米と比較するとこの分野での研究開発は遅れている。

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未だに「欧米」に遅れていることは、先刻承知のことですが、アジア地域においても韓国などに遅れをとっています。

日本国内が関係者の間で「利権争い」に明け暮れている間に世界は5万年光年も先を行っています。

いいのでしょうか?

もちろん、よくありません。

日本に住んでいる患者さんが、最新の治療を受けるためにアメリカに行った、なんていう話がざらに聞こえてきますからね。


ひょっとしたら、今後は最新の治療を受けるために、患者さんが、中国や韓国に行く、なんていうことも起こり得るかもしれません。
  ↓
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中国は、国際的な研究開発拠点となるべく国家中長期科学技術発展計画に基づく政府主導での人材教育や環境整備の推進、基礎研究への投資が積極的に行われている。

医薬品市場の急速な伸長もあり、国内の医薬研究・産業基盤は着実に力を増大している。

またアジアに多い疾病の研究のために中国に基礎・開発研究所を開設する欧米製薬企業も多く、今後、創薬にかかわる基礎開発研究基盤が急速に充実することは必至と見られている。

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■■■ 医薬品ができるまで(治験に関する話題) ■■■
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医薬品ができるまで(治験に関する話題)


■■■ モニターへの道(一人前のモニターになる方法、モニターの教育方法) ■■■
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「臨床開発モニター、治験モニターへの道」(優秀なモニターになる方法、モニターの教育方法)



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posted by ホーライ at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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