2012年04月19日

ヒトに対する投与量を増やすプロセス

今日は、ヒトに投与する量はどうやって増やしていくのか?ということです。
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用量漸増の計画法

用量漸増は,薬物用量−反応曲線,曝露−反応曲線及び用量−毒性曲線等の傾きの度合いなどから非臨床試験により同定されたリスク要因を慎重に考慮し進めるべきである.

用量漸増幅は,非臨床試験で認められた用量−毒性曲線と用量−作用曲線のうち,より傾きが急なものを根拠として採用すべきである.

すなわち,曲線の傾きが急であればあるほど,用量の増加はより低くすべきである.

次の用量レベルを選択するには,主作用発現及び副作用発現を何らかの方法で評価することが求められる.


すでにマイクロドーズ試験等でヒトでの被験薬の濃度,薬理作用及び安全性についての情報がある場合には,それらを参照すべきである.

通常,初回投与量は非常に低用量であるため,何ら薬理反応を示さないことが予想される.

何ら臨床症状・所見が観察されない場合の次の用量に対する事前注意事項は前のステップの場合と同じである.

ヒトにおける情報がない場合での用量漸増幅の設定は不確実性を含んでおり,前のコホートから得られた薬物動態(PK)/薬力学(PD)及び安全性の情報をもとに,投与量,用量漸増手法を見直すこともありうる.

このような場合のために,治験実施計画書に投与量変更の可能性とその手順を記載しておくべきである.


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ということで、まずは単回投与で、徐々に治験薬の投与量を増やしていきます。

私が経験した臨床薬理試験(フェーズ1)は、「更年期障害」の治療薬と「骨粗鬆症」の治療薬でした。

どちらも、もともと体内にあったホルモンを製剤したものだったので、全くの新規化合物ほどではありませんでしたが、やっぱり不安でした。

フェーズ1の場合は、本当に慎重に創薬ボランティアの観察が必要です。
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有害事象/副作用の観察とモニタリング

試験デザインは,有害事象/副作用を十分に観察できるものとすべきである.

また,起こりうる副作用を特定するために,被験薬の作用機序,非臨床安全性試験による知見及び予想される反応の全てを利用すべきである.

治験に関わる医療従事者は,これら予想される反応,あるいは当該反応以外の重篤な有害事象/副作用を見出すためのトレーニングを受ける必要がある.

ヒトにおいて予想される有害事象/副作用がある場合には,治験実施計画書にそれらに対する処置を予め記すべきである.

また,それらに対応可能な治療薬,対応可能な医療従事者及び医療機関についても明確にしておく必要がある.

抗悪性腫瘍薬の場合には、利用可能な支持療法、対処療法についても明確にしておく必要がある。

観察期間の長さ及び観察事項については,薬物動態(PK),薬力学(PD)及び安全性試験に基づいてその正当性を示さなければならない.

長期間にわたる生理学的変化や回復性の悪い毒性が見込まれる場合は,特に注意して設定する必要がある.

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ネットで「治験 モニター」という言葉を検索すると、「おいしいアルバイト」ということで、フェーズ1の体験談が数多くヒットしますが、安易すぎます。

ホテルみたいなところで、マンガを読みながら、1週間で50万円です!とかね。

もちろん、フェーズ1の創薬ボランティアのご協力無しで治験は進まないのですが、慎重に参加してほしいと思います。

僕自身も「抗菌剤」のフェーズ1に参加したことがありますが、下痢が発生して、辛かったです。

ただ、新薬の開発を進めるのが仕事の私たちは、本当に創薬ボランティアの安全性を十分に検討していきましょう。






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posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の課題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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