2012年04月07日

治験推進に向けた欧州製薬団体連合会 (EFPIA)の取り組み

今週は「平成23年度 治験推進地域連絡会議」で発表された資料を「つまみ食い」したいと思います。

本当は、この話題は「医薬品ができるまで」でやる予定だったのですが、言いたいことが多くなりそうなので、「ホーライ製薬」のこちらで話題にしたいと思います。

ということで、まずは「欧州製薬団体連合会(EFPIA)」の方が発表した資料から見ていきましょう。
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治験推進に向けた欧州製薬団体連合会 (EFPIA)の取り組み


この発表の中で興味を引くのは、「日本の治験環境の変化と現状」の中の「第25回日本臨床薬理学会ランチョンセミナー、2004年9月」で発表された項目です。
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治験依頼者として今後の姿勢

●モニタリングの重要性の認識とモニターの資質の確保

●依頼者と医療機関の対等のパートナーシップの醸成

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上記のうち「モニタリングの重要性の認識とモニターの資質の確保」は、まぁ、当然ながら分かるのですが、興味深いのは「依頼者と医療機関の対等のパートナーシップの醸成」ですね。

実際の説明を聞いた訳ではないので、僕の解釈が間違っているかもしれませんが、それまでは治験依頼者と治験実施医療機関との間にヒエラルキーがあり、どちらかと言えば、治験依頼者<治験実施医療機関 というように、治験依頼者が病院に対して「腰が引けている」ということがあったのかもしれませんね。

さらにモニターと治験責任医師との間でも同様にヒエラレルキーがあり、モニター<治験責任医師、という構図がありました。(僕もモニターをやっていた時代、それは感じました。)

僕がフランス系の外資製薬会社に勤めていた頃、フランス本社の「新人モニター向け研修資料」としてビデオを観たことがあります。

そのビデオの中で、症例登録が進んでいない治験責任医師に対してモニターが発破をかける場面がありました。

欧米では「契約社会」なので、契約したからには、治験責任医師は治験を促進してもらわないと困る、とモニターが治験責任医師に言い放つのでした。

そのビデオを観たとき(今から15年ほど前)、「そんなことを日本の治験責任医師に言ったら、出入り禁止になるな」と僕は思ったものでした。



今でも、本来なら医療機関側で作成すべき資料をモニターが肩代わりになって作成していることが多いですよね。

上記のスライドの9ページに「当該業務を、依頼者側が「ほぼ」または「すべて」サポートしている施設の比率」という調査結果が載っていますが、以前ほどではありませんが、やっぱり今でも「肩代わり」している業務が多いことが分かります。

たとえば、こんな資料(↓)をモニターが(治験依頼者側が)作っています。

●同意文書

●治験参加カード

●症例ファイル

●ワークシート

●併用禁止薬・同種同効薬リスト


以前、「医薬品ができるまで」の中の「治験業界は確実に変わりつつある」でも紹介しましたが、病院側も意識が変わってきているようです。

本来、医療機関側(あるいは治験責任医師)が作成する資料は、医療機関(あるいは治験責任医師)で作成して頂くと嬉しい限りです。

お互いに良いパートナーシップでやっていきましょうね。


さて、上記のスライドで面白いのは「治験中核病院」や「治験拠点病院」における「統一書式」の採用率が、一般の医療機関よりも低いということ。(スライドの7ページ)。

さらに「治験申請手続きに要する時間の推移」(8ページ)でも、「治験中核病院」や「治験拠点病院」の平均日数が普通の病院よりもかかるということ。(スライドの8ページ)

なんかさ、笑っちゃいけないんだけれど、つい、笑っちゃう。

是非、「治験中核病院」や「治験拠点病院」はそれなりの成果を出して頂きたいと思います。(本当は色々と頑張っているのは分かっていますが。)

とまぁ、スライドの中で色々と考察されていますが、最終的にはこんなことになっています。
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●●● 日本の治験環境の現状のまとめ ●●●

現状でも適切な医療機関を選定する事により、日本においても、ほぼ欧米並みのスピードとコストで治験を実施することは可能である

●全国治験活性化3カ年計画および新たな治験活性化5カ年計画の取り組み(EDCの普及、統一書式の利用、治験薬直送の受け入れ等)が定着しつつある

●治験実施施設をある程度集約すると、日本の総合的な治験実施のパフォーマンス(スピード、コスト、質)は国際的な競争力を有するのではないか

→ モニタリングの効率化、症例集積への課題

→ 治験ネットワ−ク・中央治験審査委員会に対する期待


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上記の中で、一番の課題は「モニタリングの効率化、症例集積への課題」ですね。

モニタリングの効率で言うならば、「サンプリングSDV」や「セントラルSDV」の実施や「リモートSDV(モニタリング)」、「EDC」の普及でしょうか。

そして「症例集積率を上げるための個々の医療機関(治験責任医師)の努力」が不可欠です。

そのためには「治験ネットワーク」が「あたかも1つの施設」のように働いて、患者さんの紹介制度を活発化させることも必要になると思います。




最後に「EFPIA」としてまとめが紹介されています。


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まとめ

●日本の治験環境は確実に改善して来たが、治験効率には改善の余地がある

●「治験等の効率化に関する報告書」で取り上げられている提言の早期実現化は急務である。
特に症例集積性の改善に向けて、治験ネットワークが機能することで治験効率が飛躍的に改善する可能性があり期待する

●EFPIAは治験の国際化に対応しながら、今後も日本での治験効率の改善に取り組んで行きます


EFPIAは治験の現場を応援します!!

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私たちも『自信』と『勇気』をもって、治験の効率化に向かっていきましょう。

特に「サンプリングSDV」をやるには治験依頼者の「勇気」が必要だと思います。

「サンプリングSDV」をやって、あとで「総合機構の人に何か言われたら(クレームがついたら、あるいはデータの不整合が見つかったら)困る」ということですよね。

治験実施医療機関側で「しっかり」CRFを正確に、完全に作成されるようになる必要もあるのですが。



ところで、僕は以前、EFPIAの研修会で講演をしたことがあるのですが、受講生の皆さんは真剣にかつ活発に研修に参加していたことが記憶に残っています。

特に他社のモニターの人と意見を交わすことで、新たな視点が得られることが、こういう研修ではできるのでいいですよね。

こういう研修はEFPIAに限らず製薬協やCRO協会でも行っていますが、若い人の成長を期待したいものです。


EFPIAの皆様、期待しています!!


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posted by ホーライ at 11:19| Comment(1) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「治験推進に向けた欧州製薬団体連合会 (EFPIA)の取り組み」等を拝見していて、15年以上の保管依頼対象物の原資料データが、電子カルテ上から「永続的に」、「必要時に取り出せる」欧州の環境がうらやましく感じます。何故海外ベンダーの作成された電子カルテではそのようなことが可能なのでしょうか。
Posted by irbshowa at 2012年04月09日 12:30
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