●「ミルタザピン」について
シェリング・プラウと明治製菓は、抗うつ薬「ミルタザピン」を新発売した。
1物2名称として、シェリング・プラウから「レメロン錠15mg」、明治製菓から「リフレックス錠15mg」の商品名で販売される。
ミルタザピンは、オランダのオルガノン(現:シェリング・プラウ⇒MSD)が創製し、シェリング・プラウと明治製菓が共同開発したノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬。
SSRIやSNRIに続き、10年ぶりに新作用機序を持つ抗うつ薬が発売される。
NaSSA(ナッサ、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)という新規作用メカニズムを持ち、効果発現の早さや睡眠障害に対する優れた効果などを特長とする。
うつ病の標準的治療薬となっているSSRI、SNRIなどと同様に広く臨床使用されることが見込まれており、両社によるピーク時売り上げ予想は合わせて259億円。
SSRIデプロメールを1999年から販売している明治製菓では、「うつ病・うつ状態に加え強迫性障害や社会不安障害の適応も持つデプロメールは、プライマリ・ケア医から精神科専門医まで幅広く処方されている。
一方、リフレックスはうつ病・うつ状態の不眠や不安の症状を早期に改善する特長があり、精神科専門医のファーストチョイスに育成することを目指す」と話している。
1日1回就寝前に経口投与する。
脳内の2つの神経伝達物質、ノルアドレナリンとセロトニンの遊離量を増やし、神経の働きをよする。
ノルアドレナリンの増加は「意欲」を高め、セロトニンの増加は不安感をやわらげ「気分」を楽にするといわれている。
従来の抗うつ薬とは区別され、その特徴的な作用メカニズムから、「ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant)」と呼ばれている。
通称はNaSSAです。
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以下、PMDAのサイトより
◆◆◆ 臨床成績 ◆◆◆
1. プラセボ対照比較試験
うつ病患者を対象とした6週間の無作為化二重盲検比較試験を実施した。
すべての本剤投与群で初期用量は15mg/日とし、30mg/日群及び45mg/日群は2週目に30mgへ強制増量、45mg/日群は3週目に45mgへ強制増量し、各群共に増量後は用量を維持した。
本剤15mg/日群及び30mg/日群の、投与終了(中止)時のHAM-D合計スコア(17項目)の投与開始前からの変化量(LOCF)はプラセボ群に比較して有意に大きかった。
なお、本剤45mg/日群での効果は、30mg/日群を上回るものではなかった。
2.フルボキサミン対照比較試験
うつ病患者を対象とした6週間の無作為化二重盲検比較試験において、本剤投与群(15〜45mg/日)の投与終了(中止)時におけるHAM-D合計スコア(17項目)の投与開始前からの変化量(LOCF)は−13.8±7.3(n=95)であった。
一方フルボキサミンマレイン酸塩群(50〜150mg/日)では−11.7±8.1(n=98)であり、変化量の差とその95%信頼区間は−2.20(−4.35〜−0.04)であった(p=0.0462)。
3. 長期投与試験
うつ病患者を対象とした52週間投与(15〜45mg/日)により、HAM-D合計スコア(17項目)は、投与開始前の10.2±6.5(n=107)から投与開始6週では、6.9±5.1となった(OC)。
投与6週後以降、投与52週後(4.0±5.2)まで7未満で安定して推移し、本剤の長期投与での効果が確認された。
また、本剤30mg/日から45mg/日への増量により改善した症例も認められた。
●HAM-Dについて
ハミルトンうつ病評価尺度(Hamilton's Rating Scale for Depression;HAM-D)は、うつ病と診断された患者の重症度を測定する目的で1960年にMax Hamiltonによって開発されたものです。
その有用性の高さから臨床研究および臨床実践の場で広く活用されている代表的なうつ病評価尺度ですが、問題点も多く指摘されています。
重症度評価について具体的指示が充分ではないことで、各医師の臨床的な直感に負うところが大きく客観性に欠け、HAM-Dのトータルスコアにおける信頼性に対する疑問が指摘されています。(HAM-Dでは、各項目の重症度を0−2の3段階あるいは0−4の5段階で評価します。)
これらの問題点を解消するために、Hamilton自身による見解に加え、評価法の解説テキストの出版や、アンカーポイントの設定、あるいは構造化面接が公表されています。
ハミルトンうつ病評価尺度
http://www13.atpages.jp/seisinsoma/hamilton.cgi
●●●NaSSAの特徴は?
NaSSAのSSRIやSNRIとの決定的な違いは、神経伝達物質受容体に対する親和性の高さである。
既存のSSRIやSNRIは各神経伝達物質受容体に対しての親和性が低く、モノアミン再取り込みポンプの阻害によりその薬理作用を発現させていた。
ミルタザピンは、シナプス前α2-自己受容体とヘテロ受容体に対してアンタゴニストとして作用し、ノルアドレナリンとセロトニン(5-HT)の神経伝達を増強する。
また、5-HT2受容体と5-HT3受容体を遮断する作用があるため、抗うつ作用に関連する5-HT1A受容体のみを特異的に活性化することによって抗うつ効果を発揮する。
このため、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSA:Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant) と呼ばれる。
ミルタザピンは、日本で初めてプラセボ対照比較試験においてプラセボに対する優越性を検証した抗うつ薬である。
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