2012年01月18日

モニターの平凡な1週間(3)★治験責任医師の突然の交代

Tクリニックの田中先生とのアポは13時からなので、ホテルはチェックアウトの10時のギリギリまで、会社のメールをチェックしたり、明日の静岡のH医大にいく準備もしていた。

10時を過ぎたら、マクドナルドでランチを食べながら、ここでもe-ラーニングをしつつ、教育研修部から来ている「GCPメルマガ」と「英語のメルマガ」「業界ニュースのメルマガ」を集中的に読んだ。

その業界ニュースのメルマガによるとアメリカでのHORAI−Z001のNDA申請(新薬の製造販売申請をFDAに行うこと。)が半年早まったということだ。

これは嬉しいニュースだ。

勇気が湧いてくる。

ついでに、来年のボーナスは上がるかなと胸算用もちょっぴりしてみた。

そんな思いを胸に秘めながら、昨日のモニレポをPCのメモ帳に書いておく。

みっちーK「あぁ〜あ。頭が痛いな。田中先生の転勤は痛い。今度の先生も少しは治験のことを知っているといいのだけれど。


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みっちーK「こんにちは、田中先生。ホーライ製薬のみっちーKです。」

田中先生「や、こんちわ。今日がアポだったけ?」

みっちーK「はい。13時から頂いています。」

田中先生「うん。そっか。」

みっちーK「先生、後任の治験責任医師の先生は決まりましたでしょうか?」

田中先生「うん。僕の後任は鈴木先生にお願いしょうと思って。」

みっちーK「鈴木先生というのは?」

田中先生「鈴木先生は僕と入れ替わりにくる先生だよ。」

みっちーK「あの・・・・鈴木先生は治験の経験はどうでしょう?」

田中先生「うん。鈴木先生は北大でいくつかの治験を経験しているよ。」

みっちーK「肺塞栓の治験はどうでしょう?」

田中先生「う〜〜ん、そこまでは分からないけれど、この分野ではベテランの先生なので心配ないよ。」


(いくら臨床の経験が豊富でも治験となると、また、話が違うのよね、と胸の中では思ったのだが、もちろん、それは口にしないだけの配慮はある。)


みっちーK「分かりました。では、治験事務局に行って、治験責任医師の交代をスムーズにできるように根回ししておきます。」

田中先生「あぁ、頼むよ。」




******************

みっちーKはTクリニックの治験事務局を訪問した。

みっちーK「こんにちわ、ホーライ製薬のみっちーKと申します。」

治験事務局員「はい。何の御用で?」

みっちーK「実は第一外科の田中先生が3月で転勤するためにその後任に北大から来る鈴木先生が田中先生の後任の治験責任医師になる予定です。」

治験事務局員「あ、うちのクリニックでは3年以上、当院で働かないと治験責任医師になれないんですよ。」

みっちーK「え!?そうなんですか? じゃ、鈴木先生は治験責任医師になれないのですか?」

治験事務局員「はい。当院の内規で、そう決まっています。」

みっちーK「そこをなんとかして、是非、鈴木先生を治験責任医師にする方法はありませんか?」

治験事務局員「無理です。どこの治験依頼者からもそういう依頼がきますが、全て、断っています。」

(なにもそこまで頑なにならなくてもいいのに、と胸の中でぶつくさ言ったが、もちろん口に出さない。)

みっちーK「他に方法はありますか?」

治験事務局員「そうですね。鈴木先生を治験分担医師にするなら、それは問題ありません。」

みっちーK「え?そうなんですか?!」

治験事務局員「だから、田中先生のあとがまは当院で3年以上勤務している佐藤先生に治験責任医師をやってもらい、今度来る鈴木先生を治験分担医師にするのはどうですか?」

そういう方法もある。

治験責任医師が治験慣れしていなくても、治験分担医師が治験慣れしていれば、心配いらない。

こうなったら、何が何でも鈴木先生にプッシュするしかない。


治験事務局員「で、治験責任医師の交代の手続きは3月のIRBに申請してくださいね。」

みっちーK「はい。分かりました。申請試料の提出の締め切りはいつですか?」

治験事務局員「2月の第三水曜日までにお願いします。この場合、申請資料は今の治験責任医師の田中先生に作成してもらい、提出してください。ただ、同意説明文書の申請は後任の佐藤先生の名前で申請してもいいですよ。」

みっちーK「分かりました。その線でいきますので、スムーズな審議をお願いします。」




治験事務局員「あ!そうそう。知っていたら教えて欲しいことがあるのよ。」

みっちーK「何ですか?」

治験事務局員「去年の10月にGCPの運用通知が改定されましたよね?」

みっちーK「はい。そうです。」

治験事務局員「その中で、こんなことが書かれているじゃない。」
    ↓
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「治験に係る検体等の検査機関において、検査が適切に実施されて、治験に係るデータが信頼できることを保証するため、治験依頼者又は自ら治験を実施する者は、当該検査機関における精度管理等を確認することとした。

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みっちーK「ええ。そう規定されました。」

治験事務局員「これって、具体的には病院側はどうしたらいいの?知っている?」

みっちーK「ああ、それですね。その件についていろんな病院から質問されます。こんなふうに考えたらどうでしょう?製薬協の「治験119」に書かれています。
    ↓
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ご質問の内容はGCP第4条第1項運用通知4として改正されたものですが、治験依頼者又は自ら治験を実施する者が確認すべき当該検査機関における精度管理等の具体的な内容及び項目等については規定されておりません。

ICH GCPでは、8. ESSENTIAL DOCUMENTSとしての8.2.12及び8.3.7に「To document competence of facility to perform required test(s) , and support reliability of results」(必要な検査設備の適格性と検査成績の信頼性を裏付ける)を目的とした文書が掲げられており、ここにはcertification(証明書)、accreditation(合格証)、established quality control and/or external quality assessment(確立された品質管理及び/又は外部機関による品質評価)、other validation (where required)(その他の検証(必要な場合))が例示されています。

従いまして、検査設備の適格性と検査成績の信頼性を裏付けることのできる文書及び記録等を準備しておいていただき、治験依頼者又は自ら治験を実施する者に提供又は閲覧等に供していただければと考えます。

*********************




治験事務局員「う〜〜ん。具体的に言うと、どうなるの?」

みっちーK「たとえば検査機器のバリデーションやキャリブレーション方法をSOP化して、それを実施する。あるいはメンテナンスの記録を残す。検査機器のメーカーに精度管理の方法を聞いてみる、というのではどうでしょうか? あるいは、ちょっと大事になりますが、ISO9001の認証を取得したり、精度管理の国際規格であるISO/IEC 17025(JIS Q 17025)を取得する、という方法もあります。」

治験事務局員「なるほどね。」

みっちーK「あとはSRLのように臨床検査の受託を行っている会社がどういうふうに検査の精度管理をやっているか、聴いてみるのもいいと思います。」

治験事務局員「そうね。ありがとう!」

みっちーK「いいえ。どういたしまして。」


というように、モニターはGCPの運用方法まで知っておく必要があるので、普段から情報収集に努める必要がある。






*******************

やれやれ。こうなったら、鈴木先生に集中攻撃だ。


まったく次から次へと問題が発生するもんだ。

今夜中に千歳空港まで行って、最終の飛行機で東京に戻って、明日の静岡のH医大の訪問の準備をしないと。」

自宅に就いたのは午前零時近くだ。

明日はH医大でSDVを3例、実施する予定。

SDVは朝の9時から夕方の16時までに5症例のSDVを実施しないといけない。

その5症例の過去のモニレポをもう一度、見直して、予習をしておく。

電子辞典の電池も交換しておかないと。

今はSDVにはこの電子辞典が欠かせない。
   ↓




みっちーKは目覚ましを6時に合せ、深夜2時までモニレポの予習や社内のe-メールの処理をして、最後に出張報告書を書いて、寝た。

みっちーKが最後にチェックしたメールはデーモン部長からのメールで「B病院はうまくいったのか?」というメールだったが、これは明日返信することにして、このメールは見なかったことにしようっと。








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posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | モニターの仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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