2011年12月25日

新薬が誕生する瞬間(1)★ダイナマイトな新薬開発

澤田「ね、ニトログリセリンって聞くと、何を思い出す?」

てぃん「それは、もちろん、火薬、ダイナマイト。」

澤田「狭心症のときに舌下錠という連想もあるよね。」

てぃん「うん。ニトログリセリンのテープ剤っていうのもある。」

澤田「狭心症は、心臓の血管の狭窄などが原因で血流が低下して心筋が酸素不足となり、心臓部や胸部に痛みが起こる発作だね。」

てぃん「ニトログリセリンは血管拡張作用があるため、こうした症状に効果がある。」

澤田「そもそもニトログリセリンは爆発性の高い油状の液体だ。」

てぃん「そのニトログリセリンを珪藻土に染み込ませたのがA・ノーベルさんだ。ダイナマイトの誕生だ。」

澤田「当時のダイナマイト工場で、あることが噂になった。」

てぃん「何?何?」

澤田「狭心症の持病を持つ労働者が、仕事をせずに自宅で静養しているときには発作を起こすのに、工場で働いている平日には発作を起こさないということ。」

てぃん「なるほど。」

澤田「この噂を知った医者たちが、ニトログリセリンが狭心症の治療に有効であることを証明した。1870年代の終わりのことだ。」

てぃん「うんうん。」

澤田「ちなみにノーベルは晩年に狭心症を患い、自分自身がニトログリセリンの恩恵をうけたとのことだよ。」

てぃん「でも、このように早期から薬として使われてニトログリセリンだけれど、作用はずっと不明だったのが意外ね。」

澤田「ニトログリセリンの作用機序の解明の糸口は約100年後の1970年代後半なってようやく見つかった。」

てぃん「ニトログリセリンをはじめとする硝酸系血管拡張作用を研究していたバージニア大学のF・ムラドは、体内でニトログリセリンから一酸化窒素が発生することを見つけました。」

澤田「そうだね。この一酸化窒素が血管平滑筋細胞内してのグアニル酸シクラーゼという酵素を活性化して、サイクリックGMPの生成を促進し、このことが血管拡張につながったのね。」

てぃん「ところが、当時の研究者たちは窒素原子1個と酸素原子1個からなるこの単純な物質が体内で生理作用を持つなど、夢にも思わなかったらしい。」

澤田「1980年代初頭にニューヨーク州立大学のファーチゴットらは、血管内皮細胞から分泌されて血管平滑筋を弛緩させる因子の存在に気付いた。」

てぃん「そして1986年にファーチゴットとカリフォルニア大学(UCLA)のL・イグナロらが、内皮由来弛緩因子と一酸化窒素が同一の物である可能性を示唆したけれど、そこまで。」

澤田「さらに、その翌年にイギリスのウェルカム研究所のS・モンカダら、少し遅れてイグナロらが、内皮由来因子=一酸化窒素であることを解明したんだ。」

てぃん「ということで、結局、1998年にはファーチゴット、イグナロ、ムラドの三人はノーベル賞を受賞した。」

澤田「ちなみに、バイアグラはサイクリックGMPを分解するホスホジエステラーゼを阻害するってわけだ。それで某所の血管が拡張する。」

てぃん「ダイナマイト!」(意味不明)







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posted by ホーライ at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 新薬の開発という仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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