2011年08月10日

降圧剤の治験で安全性の評価

かぐや姫「高血圧の薬は慢性的に使うわけだけど、この点に注意することはある?」

カルシファー「ICH E1においては、長期に使用される薬剤の場合には、通常約1,500例のデータベース(6ヶ月間について300例ないし600例、1年間について100例)があれば十分であるとされているわね。」
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『致命的でない疾患に対し長期間の投与が想定される新医薬品の治験段階において安全性を評価するために必要な症例数と投与期間について』
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http://www.pmda.go.jp/ich/e/e1_95_5_24.pdf


かぐや姫「そうか。いわゆる『長期投与試験』を実施する必要があるわけね。6か月投与で300症例、1年投与で100症例が必要になると。」

カルシファー「降圧剤の治験の場合、通常の安全性の評価に加え、血圧の過度な低下(低血圧)、起立時の変化(起立性低血圧)及びリバウンド現象についての注意が必要よ。」


かぐや姫「うん。ホーライ社長も降圧剤を飲んでいるけれど、『立ちくらみ』が増えたと言ってた。」(←これは実話です。)

カルシファー「薬剤の作用の特徴あるいは観察された事項にもよるけれど、心調律や心伝導系への作用、冠血流スチール現象、心血管系の危険因子に及ぼす影響(血糖値及び脂質レベル等)も見ることも重要ね。」

かぐや姫「なるほど。そりゃそうだわね。高血圧の薬だからね。」

カルシファー「さらに、心臓、腎臓等の主要臓器に及ぼす影響を検討することも重要よ。」



●他の降圧薬との併用療法

かぐや姫「ほかの降圧剤との併用療法についても検討したいんだけど。」

カルシファー「高血圧の治療にはしばしば併用療法が用いられるので、新薬の併用療法についても、その効果と安全性を調べることは重要よね。」

かぐや姫「そうそう。結構、併用されるからね。」

カルシファー「併用療法についての情報は、要因試験(後述)、並びに長期及び短期の臨床試験における併用使用により得ることが可能よ。」

かぐや姫「上乗せ試験は?」

カルシファー「ある降圧薬により血圧を適切にコントロールできない患者を対象とした試験により、当該薬剤に被験薬を上乗せした際の情報を得ることができるわね。」

かぐや姫「そうなのよ。」

カルシファー「適切な反応を得るために、被験薬に他の薬剤を上乗せする試験も有用なことがあるから、検討しておいて。」




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posted by ホーライ at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 降圧剤の治験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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