2011年08月09日

降圧剤の治験の用量反応試験

かぐや姫「降圧剤の治験で、用量反応試験はどうなの?」

カルシファー「降圧薬の降圧作用及びその他の作用についての用量反応関係を、ランダム化した固定用量を用いた用量反応試験により、詳しく検討する必要があるわ。」

かぐや姫「もちろん、用量反応関係を見るわけね。」

カルシファー「これらの試験においては、用量群を増やすことにより、より適切な評価が可能となる。」

かぐや姫「うん。これは他の治験にも言える。」

カルシファー「できれば、プラセボに加え少なくとも3用量の試験が必要である。」

かぐや姫「と言うことは、全部で4群か。」

カルシファー「通常、これらの試験には、ランダム化した固定用量の並行群間比較が用いられるが、プラセボを対照薬とした漸増試験法が用いられることもある。」

かぐや姫「漸増試験も可能か。」

カルシファー「これらの用量反応試験により、用量反応曲線の重要な部分、すなわち、最小有効用量、用量反応曲線の急峻な部分を明らかにするわけ。」

かぐや姫「そうね。」

カルシファー「さらに、増量してもそれ以上の効果がないか又は増量効果が小さくなる時の用量(最大有効用量)を明らかにすることが必要よ。」

かぐや姫「了解。」





●標準治療法との比較

かぐや姫「フェーズ3は?」

カルシファー「もちろん、新薬を現在用いられている標準的治療法と比較する試験の必要性は高いわよ。」

かぐや姫「ですよね。」

カルシファー「降圧効果を評価するためには、これらの試験において分析感度を確かめるためプラセボ群を置くか、あるいは終了期にプラセボを対照としたランダム化治療中止の時期を設ける必要があるわ。」

かぐや姫「へ〜〜!終了期にプラセボを置くのか・・・・・・。これは降圧剤の治験の特徴ね。」

カルシファー「短期間の試験においては、3群(被験薬群、実対照薬群及びプラセボ群)の比較試験は、その薬剤の有効性を示すのみならず、標準治療との比較をも可能にするので、特に有用よ。」



●長期試験

カルシファー「長期試験は長期の安全性評価に必要であるよ(後述)。」

かぐや姫「うん。納得する。」

カルシファー「その際に実対照薬を用いることにより、被験薬の長期効果の特徴をより明確にすることができる。」

かぐや姫「そうなんだ。実薬を対照とした長期試験も重要か。」

カルシファー「この場合には、分析感度の確認及び治療中止の影響を評価するために、治療期の終了時にプラセボを対照としたランダム化治療中止試験を行うことが望ましいわ。」

かぐや姫「ここでも、終了時にプラセボを置くのね。」

カルシファー「実対照薬を用いる長期試験で分析感度を検証するためのもう一つの方法は、被験者を最初に3群(被験薬群、実対照薬群及びプラセボ群)に分け、プラセボは短期間(例えば1ヶ月)に限るという方法よ。」

かぐや姫「なるほど、なるほど。」

カルシファー「長期の非盲検試験においても、引き続きプラセボを対照としたランダム化治療中止試験を行うことにより、長期の有効性を示すことができるわよ。」




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posted by ホーライ at 19:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 降圧剤の治験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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