●参考:「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン」
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http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/171101-b.pdf
ゆーり「抗がん剤の開発だけど、第2相臨床試験では、第T相試験より決定された用法・用量に従って、対象とする癌腫における治験薬の臨床的意義のある治療効果、及び安全性を評価することになります。」
トトロ「第U相試験における臨床的意義のある治療効果とは、通常、一定の規準で評価される腫瘍縮小効果を指します。」
ゆーり「対象となる患者さんは?」
トトロ「まず、当たり前だけど、組織診又は細胞診により悪性腫瘍であることが確認されていることね。」
ゆーり「その上で、従来の標準的治療法ではもはや無効となってしまった患者さんね。」
トトロ「有効な既存の抗悪性腫瘍薬が無い癌腫、又はそれに相当すると考えられる癌腫(既存の抗悪性腫瘍薬の有効率が低く、適切な併用療法もないもの)では、初回治療例を対象として治験を行う。」
ゆーり「その他にも特に注意を有するのは、生理機能(造血器、心臓、肺、肝、腎等)が十分保持されていること。ただし、PS3、4の症例は除外する。」
トトロ「PSとは?」
ゆーり「PSとは以下のものです。」
PS(performance status パフォーマンス ステータス)
全身一般状態の程度を、下記の0〜4の5段階で評価する指標。
0: 社会活動ができ、制限を受けることなく発病前と同等にふるまえる。
1: 肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や坐業はできる。
2: 歩行や身の回りのことはできるが、軽労働はできない。日中50%以上起居できる。
3: 身の回りのある程度のことはできるが、日中50%以上就床している。
4: 歩行や身の回りのある程度のこともできず、終日就床を必要とする。
ゆーり「抗腫瘍効果と副作用が観察できるよう、十分な期間(少なくとも2ヵ月以上)の生存が期待できること。」
トトロ「もし、プライマリーエンドポイントが腫瘍縮小効果である場合は、薬剤の腫瘍縮小効果を定量的に測定するために、客観的に測定可能な病変を有する患者さんを選ぶ必要がある。」
ゆーり「ところで、フェーズ2では、どういう癌種に投与できるの?」
トトロ「第T相試験で効果が認められた腫瘍、既存の抗悪性腫瘍薬との類似点やヒトがん細胞及びそれに由来する培養株等を用いた非臨床薬効薬理試験の結果等に基づいて、効果が期待できると考えられる癌腫を対象に試験を行う。」
ゆーり「統計解析はどうするの?」
トトロ「明確に規定された対象患者で有効率を推定し、算出された推定値の精度(信頼区間等)を頑健性のある方法で算出する。」
ゆーり「また、腫瘍縮小効果を評価する際には、治験薬の投与の有無によらない全適格例、又は適切な場合には治験薬の投与を受けた適格症例を対象とし、奏効率(割合)を算出すること。」
トトロ「抗がん剤の治療に関する評価?」
ゆーり「それは、RECIST(Response Evaluation Criteria In Solid Tumors)による効果判定規準等を標準とします。」
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http://www.jcog.jp/doctor/tool/C_150_0010.pdf
トトロ「個々の症例の効果判定は、原則として判定委員会のような当該施設以外の組織の確認を受けることが望ましい、とされている。」
ゆーり「GCPで言う『効果安全性評価委員会』(独立データモニタリング委員会)ね。」
トトロ「で、その効果判定規準とは?」
ゆーり「次のようになります。」
●完全奏効(complete response; CR):すべての標的病変の消失。
●部分奏効(partial response; PR):ベースライン長径和と比較して標的病変の最長径の和が30% 以上減少。
●進行(progressive disease; PD):治療開始以降に記録された最小の最長径の和と比較して標的病変の最長径の和が20% 以上増加。
●安定(stable disease; SD):PR とするには腫瘍の縮小が不十分で,かつPD とするには治療開始以降の最小の最長径の和に比して腫瘍の増大が不十分。
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