2011年07月23日

サンプリングSDV始まる

(フィクションです。)

ゆみぴー「・・・・・・と言う事で、当社は今度から『サンプリングSDV』を実施することに致しました。」

やまちゃん「『サンプリングSDV』ってどうやるの?決まったやり方があるの?」

ゆみぴー「いえ、決まったやるかたがあるわけではありません。それぞれ治験依頼者が考えてやることになります。」

やまちゃん「なるほど。で、うちはどうするの?」

ゆみぴー「まずその施設の1例目のCRFは全ての項目をSDVを行います。」

やまちゃん「ふ〜ん、1例目は通常のSDVなのね?それで?」

ゆみぴー「その1例目のSDVで重大な不整合が無かったら、2例目からは『有害事象』と『有効性の評価』についてだけはSDVでチェックし、患者背景などはスキップします。」

やまちゃん「有害事象というのは分かりやすいけれど、有効性の評価って、CRFのどこを見るの?」

ゆみぴー「それは、各治験ごとに決めます。」

やまちゃん「なるほど。で、もし1例目のCRFで重大な不整合があったらどうするの? それと、『重大な不整合』って何?どんな場合を言うの?」

ゆみぴー「重大な不整合というは、クライテリア(選択基準、除外基準)のところと同意取得日、有害事象、有効性の評価です。」

やまちゃん「うん。で、1例目でそれらの項目で不整合があったら?」

ゆみぴー「2例目で、もう一度、全ての項目をSDVでチェックします。それで問題が無かったら、3例目のCRFからは有害事象と有効性の評価だけはSDVでチェックし、あと1例おきにクライテリアもチェックします。」

やまちゃん「じゃ、2例目でも重大な不整合があったら?」

ゆみぴー「そうしたら残りのCRFは全てSDVでチェックします。つまり、通常のSDVを実施します。」





やまちゃん「なるほど。で、これはSOPで規定するの?」

ゆみぴー「はい。SDVのSOPで今、説明したことを明文化します。」

やまちゃん「と言う事は、どんな疾患でも全て、このサンプリングSDVでやるってこと?」

ゆみぴー「基本はそうですが、プロジェクトリーダーの判断で、通常のSDVで全CRFをチェックするというのであれば、それは認めます。」

やまちゃん「ふ〜〜ん。で、このサンプリングSDVで当局に対してはどう説明するの?」

ゆみぴー「特に、何も説明しません。」

やまちゃん「当社ではこういうやり方でサンプリングSDVを実施していますって、説明しないの?」

ゆみぴー「はい、しません。」

やまちゃん「でも、こういうサンプリングSDVでデータの信頼性が確保できたと言えるの?」

ゆみぴー「当社での考えでは確保できたということになります。」

やまちゃん「でも、心配ない?これで本当にデータの信頼性が確保できたかどうかってことが。」

ゆみぴー「その分、治験の始めに、しっかりと治験責任医師、治験分担医師、CRCの方たちにCRFの記載方法をしっかりと説明しますし、クライテリア違反をしないように厳重に注意しますから。」




やまちゃん「今の日本の治験の状況では無理じゃないの?」

ゆみぴー「では、どういう状況になったら大丈夫だと思います?」

やまちゃん「当分は、通常の全てのCRFに対して全てSDVを実施し、これならサンプリングSDVをやっても問題ないと判断できたらいいとは思うけれど・・・・・。」

ゆみぴー「はい。その通りです。当社のここ3年間の全ての治験のCRF,2000例のSDVの結果を再評価してみて、その上で、サンプリングSDVで問題無いと判断しました。」

やまちゃん「誰がそう判断したの?」

ゆみぴー「臨床事業部の各部長と統計解析部の部長、事業本部長です。」

やまちゃん「了解。じゃ、次の治験からやるってことでいいのね?」

ゆみぴー「はい。お願いします。」




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posted by ホーライ at 07:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の効率化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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