ドンドン「次のアジェンダに移ります。次は、HORAI-Z999です。では説明を。」
ピクミン「はい。HORAI-Z999は、昨年7月から片頭痛に対してフェーズ3を実施していましたが、結果的には対照薬に対して非劣性が証明できませんでした。」
ドンドン「残念だったね。」
ピクミン「当初の予定では今年の3月には製造販売承認申請(NDA)の予定でしたが、先日の結果を受けて断念しました。」
ドンドン「水の泡になった費用はどれくらいなの?」
ピクミン「非臨床のシーズの探索から考えると10億円程度です。開発に関わった人の累計は200人でした。」
ドンドン「それで、今日の発表は?」
ピクミン「はい。さきほども言ったようにフェーズ3で対照薬との非劣性が証明できなかったのですが、その時の解析では片頭痛のタイプを規定していませんでした。」
ドンドン「片頭痛のタイプって?」
ピクミン「片頭痛には前兆を伴うAタイプと前兆を伴わないBタイプがあります。」
ドンドン「うんうん。」
ピクミン「これまでの片頭痛はこの二つのタイプを区別せずに開発されてきました。」(フィクションです。)
ドンドン「そうなの?」
ピクミン「そこで、先のHORAI-Z999のフェーズ3の結果をAタイプとBタイプに分けて層別解析をした結果、Aタイプには効果的だという傾向がみられました。」
ドンドン「傾向が見られた、ということは、「ハッキリとは言えないけれど」という枕詞つき?」
ピクミン「ええ、そうです。先のフェーズ3ではタイプを区別せずに症例を集めていましたので、確定的には言えません。」
ドンドン「すると、今回の提案というのは?」
ピクミン「はい。もう一度、HORAI-Z999のフェーズ3をやり直す、ということです。」(結構、こういうことはある。)
ドンドン「つまり片頭痛のタイプAの患者さんだけを登録してやり直す、ということ?」
ピクミン「そういうことです。」
ドンドン「成功の確率は?」
ピクミン「まぁ、五分五分ですね。」
ドンドン「必要な経費は?」
ピクミン「試算したところ2億円程度です。」
ドンドン「フェーズ3だけでいいの?」
ピクミン「ええ。プラセボ対象のフェーズ2の結果は先の結果を利用できます。」
ドンドン「で、このHORAI-Z999の売り上げ予想は?」
ピクミン「国内で患者数840万人とも言われる片頭痛市場に対して、初年度で10億円(投与患者数は4万人)、ピーク時で180億円(60万人)の売り上げを見込んでいます。」
ドンドン「了解。では、このHORAI-Z999の開発を再開することに賛成の方は?・・・・はい。では満場一致で開発の再開を了承します。」
ピクミン「ありがとうございました。」
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