2011年05月31日

治験責任医師を訪問する(その3)症例登録促進のためのプッシュ

アカギ「失礼致します。ホーライ製薬のアカギです。本日4時からアポを頂いておりましたが、よろしいでしょうか?」

築地先生「はい、どうぞ。」

アカギ「先生、その後、治験のほうはいかがでしょうか?」

築地先生「う〜〜ん、治験ね・・・・・・」

アカギ「はい。まだ、ご登録がないのですが、更年期障害の患者さんはいかがでしょうか?」

築地先生「うん、更年期障害はいるんだけどさ、ウォッシュアウトとか、プラセボがあるじゃないか。あれがネックになっているんだよね。」

アカギ「ええ。なるほど。初診の患者さんは毎月、何人ぐらいでしょうか?」

築地先生「20人ぐらいかな。」

アカギ「そういう初診の患者さんでしたら、ウォッシュアウトの必要がないので、いかがでしょうか?」

築地先生「う〜〜ん、でもね、治験をお願いするとなると、ある程度、私との信頼関係が必要なんだよね。でも、まぁ、初診の患者さんにも声をかけてみるよ。」

アカギ「はい。プラセボの使用にはやはり患者さんは抵抗感がありますでしょうか?」

築地先生「そうなんだよね。せっかく更年期障害の治療をしているのに、その薬を止めるというのがね、ネックなんだよ。」

アカギ「そうですね。ただ、今回の治験は2か月ですので、少しの間だけ、お願い致します、ということでいかがでしょうか?」

築地先生「う〜〜ん、そうだけどさ、『治験』という言葉にも拒否反応を出す人も多いんだよね。」

アカギ「はい、そういうことでしたら、治験について分かりやすく解説したDVDや冊子がございますので、今度、それをお持ちいたしますが。」

築地先生「あとね、実は他社からも治験を頼まれてさ。」

アカギ「あ、そうですか。更年期障害ですか?」

築地先生「そうなんだよね・・・・・・。」

アカギ「やはりパッチ剤ですか?」

築地先生「うんとね、そっちはクリーム剤」

アカギ「先生、当社の治験薬は他の病院では大変、効果があると患者さんから感想を頂いております。また、クリーム剤と違って、使い方が簡単です。」(自社の治験薬の特徴を強調する。)

築地先生「うん。知っている。」

アカギ「また、内服薬では胃が荒れる方にも好評を得ています。」

築地先生「そうだろうね。」

アカギ「是非、当社の治験薬をお願い致します。」

築地先生「まぁ、考えておくよ。」

アカギ「先生、院内に治験のポスターを貼ってみるというのはいかがでしょうか?」

築地先生「そうね、やらないよりはいいかもな。」

アカギ「でしたら、こちらが他院で使っているポスターなんですが、いかがでしょうか?」

築地先生「なるほどね。貼るだけ張ってみる?」

アカギ「分かりました。それでは、こちらを来月のIRBで審議してもらって、承認されましたら、貼りたいと思います。」

築地先生「え?こんなこともIRBの審議が必要なの?」

アカギ「はい、そうです。」


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GCP省令第32条:治験審査委員会の責務


 3) 被験者の募集手順(広告等)に関する資料。

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築地先生「じゃ、また、患者さんのスクリーニングをやっておくよ。」

アカギ「お願い致します。」





■明日へ続く


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posted by ホーライ at 20:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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