2011年05月24日

新入社員に治験の体制を紹介する(2)

新入社員A「監査は誰がやるの?」

大黒「監査部門の人たち。この人たちは治験の実施部門から独立してないといけないのよ。」(GCP省令第2条解説7)

新入社員A「どういうことですか?」

くりこ「たとえば、モニター業務と監査業務を兼務してはいけない。統計解析・DM部門の人が監査をやってはいけない、とかね。」



新入社員A「監査はひとりでもいいのですか?」

スナフキン「もちろん。もし忙しいなら、CROに業務を委託する場合もある。」

新入社員A「監査を行う時のポイントは?」

こさめ「枝葉末節にこだわることなく、治験のデータの信頼性を確保し、倫理的に治験が行われたかを検証する。」

新入社員A「どうだったら『倫理的に治験が行われたか』を確認できるのですか?」

ルパン三世「たとえば、監査担当者が治験実施医療機関に出向き、創薬ボランティアの同意書を確認する。」

ルーシー「きちんと同意を取ってから、治験薬が投薬されているか、という観点でチェックする。」



新入社員A「データの信頼性は?」

デーさん「これまた治験実施医療機関に出向き、CRFとカルテのSDVを行ったりする。あとは、治験依頼者によっては総括報告書のチェックをやることもある。」


新入社員A「監査もSDVするのですか?それはモニターがやっているから不要では? モニターのSDVと監査のチェックは何が違うのですか?」

しまうま「もちろん、モニターがSDVを実施しているので、CRFのデータの信頼性は確保されているんだけれど、それを再度、抜き取りでチェックをして、モニタリングそのものが適切に行われていたかどうかを確認するのよ。」

新入社員A「抜き取り、ってどういうことですか?」

プリンセス・オーロラ「たとえば、20施設で400症例の治験だったとするでしょ。その中から特に症例数が多い施設を選び、その施設をOn-site Auditする。」

kaizer11「400症例だったら、20症例位を抜き取って確認する。どの程度を抜き取って監査をするのかは、治験依頼者ごとに決めればいい。」

震電「√n +1 症例を抜き取る、とかね。√400は20だから、21症例を抜き取るというように。」



新入社員A「監査担当者になる人はどんな人がなれるんですか?」

「監査担当者の要件は、治験依頼者ごとに決める。でも、ぶっちゃけ、バランス感覚の高い人がいいわね。」

新入社員A「バランス感覚って?」

ふじおねえ「厳しすぎず、末節にこだわらず、さりとて、ザルにならないように品質保証できる人がいいな。」

ブライアン成田「あとはね、監査結果を社内で情報共有するといいよ。」

新入社員A「と言うと?」

よっきゅん「たとえば、P001の治験を監査したら、●●という事項でGCP違反が発生していることが分かった。それを社内の他のプロジェクトの人たちにも注意喚起すれば、他のプロジェクトで、同じGCP違反が発生することを防げるよね。」



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posted by ホーライ at 05:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 製薬会社の組織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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