2011年05月10日

製薬会社の戦略を練る★既存製品のライフサイクルスパン延長を試みる・・・(フィクションです。)

くも「では、次のテーマですが、『アルツハイマー治療薬』のライフサイクルの延長の検討です。」

ひで「この『アルツハイマー治療薬』は現在錠剤で1日3回の服用ですが、今回、剤型追加を検討しています。」

翡翠「どんな剤型にするの?」

やなか爺「はい。『アルツハイマー治療薬』はどちらかというとご年配の方が服用されることが多いので、大きな錠剤を飲むのは大変なので、まず、『口腔崩壊剤』にします。」

ゆみぴー「口腔崩壊剤というと?」

やまちゃん「はい。くちの中で含んだだけで簡単に溶ける剤型です。ただし、そのときでも、胃に流す必要があるので、水を飲むことには変わりありませんが、従来の錠剤に比べれば、飛躍的に飲みやすくなります。」

なつき「なるほど。これまた『それなり』に市場価値が上がるというわけね。」

みたらし大福「ええ。そうです。この口腔崩壊剤を作るときの製剤技術も当社独自の方法を使うことになり、自社の技術開発にも寄与します。」

織姫「さらにアルツハイマーの方は薬を飲むこと自体を忘れることも多いというアンケート結果もありましたので、パッチ剤(貼付剤)を今、検討しています。」

ヨコタテ「え?当社でパッチ剤が作れるの?」

薬師寺「いえ。できません。ですので、このパッチ剤については共同開発、という形をとります。今、D社と共同で開発中です。」

のん「我が社の『アルツハイマー治療薬』は皮膚吸収できるの?」

ぼつ「ええ。これは既に非臨床試験でも確認しています。」

パピヨン750「さらに、徐放性も検討中で、2日に1回の張り替えで同じ効果が出ることも確認しています。」

港野陽子「2日に1回、というのはどうだろう?むしろ、張替えを忘れるんじゃないかな?コンプライアンスが低下するかも。」

みかん「1日1回にするか、2日に1回とするかは今後も検討します。ただ、いずれにしても、パッチ剤の良さは自分で張らなくても家族の方が張ってあげれば、それで済む、という点がメリットにあげられます。」




ゆーり「それと、現在の『アルツハイマー治療薬』は低度、中程度のアルツハイマーにしか効果を取得していなくて、高度のアルツハイマーには適応が取れていません。そこで、高度のアルツハイマーに対する治験を今年の6月から開始します。」(フィクションです。)

トトロ「高度でも効果が期待できるの?」

まひな「実際に臨床で使われている医師の方へのアンケートで、高度でもある程度の効果が期待できる、というものが多く、今回の治験ではそれを立証しようということ。」

ヨ−イチ「じゃ、現在の『アルツハイマー治療薬』のライフサイクル戦略として、口腔崩壊錠を追加、パッチ剤を追加、さらに効能を追加、ということね?」

フラワー「はい。そのとおりです。」


まきろん「新規の『アルツハイマー治療薬』の開発はどうなっているの?」

Atsu-4「残念ながら、今のところ、目ぼしい成果は得られていません。その中にあって、X社が新規機序の『アルツハイマー治療薬』を開発中なので、そこと共同開発を行うことにしました。」

百年の孤独「X社って?聞いたことがない名前だけど・・・・・・。」

かぐや姫「X社はベルギーのベンチャー企業です。当社の独自のリサーチでは、現在、世界で『アルツハイマー治療薬』は8社が開発中ですが、最も効果が高いと予想されるのがX社のものです。」

カルシファー「X社を買収するの?」

博多小町「いえ。そこまでのリスクはとりません。今回は、あくまでも共同開発です。今のところ。」

さくら「買収する資金も不足しているしね。」

小桑院「その新規の『アルツハイマー治療薬』の開発予定は?」

バカボン「現在は、まだ非臨床試験なので、フェーズ1から当社が担当することにしました。今年の8月から開始します。」

有馬街道「どこでフィーズ1をやるの?」

べのした「アメリカでやりますが、その時、日本人も一緒に行います。」

捨て猫「フェーズ2はアメリカと日本で同時開発します。」

りんご姫「ヨーロッパは?」

モニ太郎「そこまでの予算がないので、リスクが高すぎます。なので、フェーズ2である程度、効果が期待できそうなら、フェーズ3からヨーロッパも一緒に実施します。」

パチョレック池上「予算、予算、予算か・・・しょうがないね。無い袖は振れない。」


posted by ホーライ at 21:35| Comment(0) | TrackBack(0) | プロジェクト会議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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