実際の製薬会社がこのような考えでやっている、というものではありません。
あくまでもフィクションです。
みっちーK「今日は、会社のライフサイクルプランと今後の開発戦略を検討します。」
かずさ2号「わが社の昨年度の収支決算はお手元の資料のとおりです。」
さら「ふ〜〜ん、なるほど。うちの会社は上位3品目が売り上げ全体の7割を占めているんだ。」
フロリス「そうね。『抗がん剤』と『高脂血症改善薬』と『アルツハイマー治療薬』だね。」
黒丸「そうです。でも、これら3品目の特許が切れるのがいずれも2015年です。」
ちゃちゃ「わが社の『2010年問題』は2015年になるわけか。」
ヨネヤマ「そこで、まずは、これら既存製品のライフサイクルスパンを延長する検討をします。」
ハレ〜「基本的には、いずれも効能の拡大、あるいは剤型追加していき、他社の追随に備えます。」
BECK「抗がん剤については、今は『胃がん』と『大腸がん』の効能しかありませんが、現在、『乳がん』と『肺がん』の効能を追加する治験を実施中です。」
ぽちりん「期待はできそう?」
MT「そうですね。いずれも今までにない機序で薬理効果を出すので、既存の治療薬で効果が確認できないがん患者さんには効果が出そうです。」
カッコ亀井「現在、『乳がん』も『肺がん』はフェーズ2の途中ですが、効果が出たのは乳がんでは26人中8人、肺がんでは38人中10人というところ。」
ぷか「これらはいずれも今後も開発を続ける予定です。今の予定では治験の終了が2012年12月で、承認申請は2013年3月。承認される見込みは2014年の3月。」
JOYママ「この抗がん剤ですが、さらに効能を追加するかどうかが、今回の会議のテーマです。」
十条「ほかのがんでも効果が期待できるの?」
オチケン「in vitroでは卵巣がんと膵臓がんに効果が出ています。」(フィクションです。)
るみ子の酒「でも、臨床の現場では、既存の抗がん剤はどれも、これらにはまだまだ十分な治療効果が出ていないのが現状。」
社長秘書「当社の抗がん剤も治験をやってみないと正直なところ、『分からない』、です。」
大黒「非臨床で効果が期待できるなら、臨床試験を実施すべきじゃない?」
くりこ「はい、それもそうなのですが、当社の予算も限界があるので、優先度をつけないといけないのです。」