2010年07月22日

■みんなでよってたかってプロトコルを良くする会議

(これは、フィクションです。)


金ネックレス付き大黒「今日は、新しいプロトコルのチェックです。」

くりこ「いつものように『みんなでよってたかってプロトコルを良くする会議』ね。」

スナフキン「ザッツライト!」

こさめ「今回は、開発を予定しているのは、HORAI-OV001で、対象は『卵巣がん』で、パイロット試験です。」

ルパン三世「実はこの試験の前に、いわゆるフェーズ2を実施したけれど、効果が無いと判定されたものだ。」

ルーシー「そこで、用量を多くしたわけね。確か、前回の試験では1回60mgだった。今回は65mgで再チャレンジだというわけか。」



デーさん「効果が期待できるの?」

しまうま「今までのところ、乳がん、肺がん(小細胞肺がん:non-small cell lung cancer: NSCLC)に効果が確認できています。」(フィクションです。)

プリンセス・オーロラ「実は用量をあげただけではなく、選択基準も少し厳しくしています。前回は治験に入る前にシスプラチンでの治療や他の抗がん剤など、3レジメまで認めていたのですが、今回は治験に参加まえは、1レジメとしました。」

kaizer11「また、もうひとつ、PS(Performance Status:全身状態)も、前回はPS3まで認めていまたが、今回はPS2までとした。」

震電「海外では、アメリカとフランスで先に卵巣がんの効果が認められていて、投与量は70mgです。」(フィクションです。)

ふじおねえ「日本は何故、60mgだったの?」

ブライアン成田「フェーズ1で、最大投与量を検討したときに、65mgから好中球の低下が激しくなり、感染症で危篤状態までいった患者さんが出た。」



よっきゅん「海外では、その副作用は出なかったの?」

メタルナイト「いえ、やはり好中球の低下は100%発現しているけれど、遺伝子組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子 (G-CSF) の投与でコントロール可能という判断で、投与量は70になった。」

秘密研究員「じゃ、日本でも最大で70mgまで上げられるということ?」

それ行けドンドン「今回の65mgの試験の結果を見てからだけれど、可能性としてはある。」

ピクミン「今回は、その副作用(好中球の低下)に対する安全策はきっちりと講じられるの?」

くも「はいもちろん。好中球の低下がレベル2になったら、投与可能としました。前回はレベル3で投与開始でした。」

ひで「過去に好中球の低下があった患者さんには、治験薬の投与前からG-CSFの予防的投与も可能にしました。」

翡翠「また、安全策を万全にするため、投与から2週間は入院してもらうことにしました。」

やなか爺「過去の事例から、好中球の低下は投与から1週間以内に発生しているからね。」



ゆみぴー「プロトコルなどで、ほかに気になる点がありますか?」

やまちゃん「同意説明文書の中で、65mgの危険性は十分説明しているのかしら。」

なつき「ええ。さきほど説明したことは記載されています。」

みたらし大福「効果が出ない可能性もあることもきちんと記載されている。」

織姫「除外基準に『肝機能が低下している患者』とあるけれど、具体的な数字を記載したほうがいいんじゃないの?」

ヨコタテ「そうね。医師の判断だけだと低下レベルがバラバラになる。」

薬師寺「では、GOT(AST)、GPT(ALT) が基準上限値の3倍以上とします。」

のん「ケースカードの中にも、肝機能が除外基準にひっかからないか記載欄に注意書きしましょう。」

ぼつ「それはいいですね。」


パピヨン750「じゃ、あとは、効果が出ることを期待しているわ。」

港野陽子「がん患者さんにとっても、治療の選択支が増えるからね。」




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posted by ホーライ at 13:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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