安定性試験ガイドラインの改定について
医薬審発第0603001号
平成15年6月3日
厚生労働省医薬局審査管理課長
http://www.pmda.go.jp/ich/q/q1ar2_03_6_3.pdf
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2.2.6. 測定時期
長期保存試験における測定時期は、製剤の安定性の特性を十分に把握できるように、1年以上の有効期間を設定する製剤については、通常、1 年目は3 カ月毎、2 年目は6 カ月毎、その後は有効期間を通じて1 年毎とする。
また、加速試験にあっては試験開始時と終了時を含めて、6 カ月の試験につき3 回以上(例えば、0、3、6 カ月)行うことが望ましい。
開発時の経験に基づいて、加速試験の結果に品質の明確な変化が示されることが予想される場合には、測定終了時において検体数を増やして試験を行うか、又は試験計画に4 番目の測定時点を加えることにより、増強した試験を行う。
加速試験において、品質の明確な変化が示されたために中間的な条件での試験が必要になった場合には、試験開始時と終了時を含めて、12 カ月の試験につき4 回以上(例えば、0、6、9、12 カ月)行うことが望ましい。
妥当であれば、マトリキシング法やブラケッティング法等、測定時点を減らす減数試験、あるいはある要因の組み合わせの製剤については全く試験を行わない減数試験を適用することができる。
2.2.7. 保存条件
一般に、製剤の安定性は、熱安定性、必要であれば、湿度に対する安定性、また溶媒の損失の可能性について試験できる保存条件において評価されるべきである。
保存条件及び試験期間は、貯蔵、流通及びそれに続く使用を十分考慮にいれたものとする。
溶解又は希釈後の製剤の安定性についても、調製方法、保存条件並びに溶解又は希釈後の使用期間についての表示のための情報を提供するために必要に応じて実施する。
この試験は試験開始時と最終時点において正式な安定性試験の一部として、基準ロットの製剤について溶解又は希釈後に使用期間まで行う。申請前に有効期間までの長期保存試験成績が得られていない場合は、12 カ月又はデータの得られる最終時点で行う。一般的に、この試験はコミットメントロットについて繰り返す必要はない。
長期保存試験は、申請時において、試験の途中であっても、3 ロット以上の基準ロットの12 カ月以上の期間の試験成績をもって承認申請して差し支えないが、申請される有効期間を保証する十分な期間継続する。
承認申請後引き続き実施した成績は、行政当局の求めに応じて提出する。
加速試験成績又は必要に応じて中間的な保存条件で試験された成績は、輸送中に起こりうる貯蔵方法からの短期的な逸脱の影響を評価するために利用される。
製剤の長期保存試験の保存条件、加速試験の保存条件及び必要な場合の中間的試験の保存条件の詳細は、下記に示す。
後続の項に該当しない製剤は、一般的な製剤として取り扱う。
根拠があれば、他の保存条件を採用することができる。
25℃±2℃/60%RH±5%RH で長期保存試験を行い、加速試験において、6 カ月の試験のいずれかの時点で、「明確な品質の変化」が認められた場合、中間的な条件で追加の試験を実施し、「明確な品質の変化」の基準に対して評価しなければならない。
承認申請時には、中間的な条件で実施された12 カ月の試験より、6 カ月以上の試験成績を提出する。
一般に、製剤に関する「明確な品質の変化」とは、次に掲げる場合である。
1.試験開始時から含量が5%以上変化した場合、生物学的又は免疫学的方法を用いる時は、力価が判定基準から逸脱した場合
2.特定の分解生成物が判定基準を超えた場合
3.外観、物理的項目及び機能性試験が判定基準から逸脱した場合(例えば、色、相分離、再懸濁性、ケーキング、硬度、1 回当りの投与量)、しかし、加速試験条件下では、物理的特性の変化(例えば、坐剤の軟化、クリームの融解)が予想されることもある。
さらに、剤型により必要に応じて
4.pH が判定基準を逸脱した場合
5.溶出試験(12 投与単位)で判定基準を逸脱した場合
(次週へ続く。多分。)