2014年09月23日

臨床研究についても特定療養費制度の適用となるよう制度的整合性をとっていただきたい

●「臨床研究に関する倫理指針」の改正案に関する意見募集の結果について

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495080030&Mode=2


いつものとおり気になる点だけピックアップしています。

是非、全文を読まれることをお勧めします。

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臨床研究についても特定療養費制度の適用となるよう制度的整合性をとっていただきたい。

今回の改正で、「介入を伴う臨床研究」は保険診療外の医療行為を含むことを明記したことと同じです。

倫理委員会では、「介入を伴う臨床研究は治験と異なるので、特定療養費制度の対象外」との認識になります。

すると、介入を伴う臨床研究の医療行為すべて保険診療外の扱いとなってしまい、結果的に通常の治験よりも実施が困難な事態となります。






一定の要件を満たす医療技術については、高度医療評価制度が活用できることとしています。

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指針概要内にある、「介入」の定義の(ア)は「通常の診療を超えた医療行為を研究として実施するもの」とされているが、何をもって「通常の診療」とみなすのか、その基準を、具体的に明示してください。






QA等で対応を検討させていただきます。

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健康な人に医薬品や未承認の製剤を投与する試験は、「介入」の定義のうち「ア」の、「通常の診療を超えた医療行為を研究として実施するもの」には該当しないのではないでしょうか。

「医療行為」とはいえないようなこうした研究を「介入を伴う研究」として実施してよいのかどうか、実施してよいならその根拠とともに、示していただきたいと思います。






個別に具体的な検討が必要と考えています。

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生活習慣病の治療成績向上には行動科学的なアプローチや健康教育が不可欠である。

禁煙指導、血糖自己測定、食事療法の遵守度などを向上させるのに最適な患者教育プログラムを開発し、従来の方法との差異を検証するためには対象群をランダム化、割付を行った研究を計画することがある。

米国であれば、研究倫理審査と研究対象者への同意説明が必要とされる臨床研究とみなされるが、日本の現状は施設毎に異なっている印象がある。

薬物投与、手術などの介入ではないが、明らかに「介入研究」に相当するが、これは臨床研究に関する倫理指針で規定するところの「臨床研究」とみなされるのか。

医療施設以外で医師・看護師が同等の教育・行動科学的な介入研究をする場合には、臨床研究に関する倫理指針の対象となるのか。医療施設以外で医療専門職でない研究者が(心理学者・教育学者など)同様の研究を実施する場合にはどうか。






医学研究を対象としており、禁煙指導、血糖自己測定、食事療法の遵守度は該当すると考えられます。

ただし、医療施設外での行動科学研究は通常指針の対象外と考えるところです。

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臨床研究における「観察研究」の意味合いが不明確である。

疫学研究指針に揃えて、介入研究と観察研究に分けられているが、臨床研究の場合、ヒト試料から材料を調製し研究に供する場合があり「観察研究」が必ずしも適切な表現ではないと思われる。介入研究より被験者のリスクの低い研究カテゴリーを設けることには同意する。






名称については、引き続き、適切なものがあれば今後の検討といたします。

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「疫学研究に関する倫理指針」との一本化が検討されるとのことなので期待していますが、少なくとも今回の改正では、改正指針の位置づけが現行指針とあまり変わっていない(依然「疫学研究を含まない」とされている)のは大変残念に思います。

改正案に述べられているような、疫学研究は「集団としてのデータを取り扱うもの」、臨床研究は「被験者毎に個別のデータを扱うもの」という定義は、おそらく世界に通用しません。

疫学は、疾病等において原因と結果を関連づけるための科学であり、・でのべた「類型による分類」(臨床研究>臨床試験>治験)とは無関係で、「目的による分類」の1カテゴリーです。「類型による分類」による臨床研究と、「目的による分類」による疫学研究は、お互いに無関係(独立)なので、それぞれに指針を作ろうとすると、重複する部分が生じるため混乱を招きます。

少なくとも人を対象とする疫学研究に関しては、すべて本指針に含むことができますので、混乱を避けるため、ぜひ一本化して欲しいと思います。






次の改正に向け検討課題とさせていただきます。

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観察研究」で用いる「試料等」の説明(注1)の中で、「検査結果等」の意味するところが不明確である。

脳波や心電図といった生理学的検査データ(診断結果ではなく数値)や、CTやMRIデータ(診断結果ではなく画像情報そのもの)、患者報告アウトカム(PRO)、精神科面接等の対人医療サービスで扱われる会話の記録、ビデオ映像等が含まれるのか明記いただきたい。

今後は、わが国においても「検査結果」(血圧、血糖値といった中間代理指標)ではなく、患者報告アウトカムを重視する臨床研究が盛んに実施されることは言を待たない。米国FDAはすでに患者報告アウトカム研究について業界向け指針を公開している。






含まれます。

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現行指針では、「臨床研究機関が小規模であること等により当該臨床研究機関内に倫理審査委員会を設置できない場合」に外部機関への審査委託を可能としていたが、今般見直しでは、この条件の解除についての議論の形跡が不明確なまま、外部への審査委託を可能とする改正が行われている。

この点は、治験についてのGCP省令でも約二年にわたり議論され、審査の通りやすい委員会に審査が流れるという「IRBショッピング」への懸念を払拭できないまま条件が解除されたが、臨床研究においては、治験のような当局による計画の事前調査が無いだけに、この懸念はさらに強い。

このような改正にあたっては、自施設以外での研究実施の適切性も審査できるような、質の保証された委員会の認定制を法令により設けるべきであり、今般見直し案のような、質の保証されない教育・研修の努力義務では極めて不十分である。

倫理審査委員会の設置者が年1回厚生労働省等に報告するとの定めを実効性のあるものに変える必要がある。






倫理審査委員会については、厚労省等が報告を受け、さらに実地調査等を行うことが出来る内容としており、倫理審査委員会に対するチェック機能を高め、質的な向上を図るものです。

教育研修については、行政が強制するものではなく、当面、質的な向上が現場で図られるよう自発的なご協力をお願いするものです。

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改正案において、倫理審査委員会を設置する学術団体として「医療関係者により構成された学術団体」とされているところを、「医療関係者“等”により構成された学術団体」と表記するなどとし、福祉用具領域における侵襲のない介入研究に関する倫理審査を、日本生活支援工学会、日本リハビリテーション工学協会、ライフサポート学会など、福祉工学、リハビリテーション工学、医用工学などの専門を主体とした学会に今後設置される倫理審査委員会で審査可能とするように配慮願いたい。






医学研究であることを踏まえ、医療関係者により構成されるものとしています。

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「基本的な考え方」のE倫理審査委員会及び、「第3 倫理審査委員会ついて」は、現行GCP省令の求める設立要件などの要件と100%整合性をとるべきではないか?

共同設置は現行のGCP省令で削除されています。

臨床研究と治験を分離して考えるのではなく、今度の指針改正で行政対応を含めて医療機関側(倫理委員会事務局)の労力提供が過大になります。

意図的に指針の倫理委員会の要件と省令GCPのIRBを同一視して、倫理委員会の統合や、能率的な試験環境が国内に整備できるように、誘導するべきではあると思う。






GCPにおけるIRBとは規定が異なるが、GCPと本指針の双方の規定を満たすものであれば、治験と臨床研究を一つの委員会で審査することは可能です。

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ちなみに、GCP省令の第27条のガイダンスには次の文章があります。(ホーライ)
    ↓
1 実施医療機関の長は、次の(1)から(8)に掲げる治験審査委員会より、治験ごとに適切な治験審査委員会を選択し、調査審議の依頼を行うこと。

(1)実施医療機関の長が設置した治験審査委員会(複数の医療機関の長が共同で設置したもの及び他の医療機関の長が設置したものを含む。)(第1号)

上の文章中に「複数の医療機関の長が共同で設置したもの」とありますので、上記の質問文の「「共同設置」は現行のGCP省令で削除されています」とありますが、事実上は認めれていると思います。

(ホーライ)

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2014年09月20日

「臨床研究に関する倫理指針」の改正案に関する意見募集の結果について

●「臨床研究に関する倫理指針」の改正案に関する意見募集の結果について

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495080030&Mode=2


いつものとおり気になる点だけピックアップしています。

是非、全文を読まれることをお勧めします。


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臨床研究を規定する記載は

1 通常の診療を超えた医療行為を研究として実施するもの・・・

2 医療保険との関係においては、未承認、適応外の使用法の医薬品、医療機器を用いた臨床研究・・・

3 人を対象とした健康に関する科学研究(臨床研究)

などがあるが、ここで言う臨床研究とは何かを正確に且つ明快に規定してもらわないと混乱の元となる恐れがある。

とくに侵襲性を有する介入を伴う研究ではその影響は大きいものと推定される。

学会誌等に発表されている症例報告などはまさにこの範囲に含まれるのではないか。






症例報告の取扱いについては引き続き検討を行います。

また、本指針は「研究」として実施するものを対象としています


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現在私どもは健康食品の臨床試験に補償保険をかけて実施しておりますが、「介入を伴う臨床研究」の中には、健康(特保)食品の臨床試験も入ると考えてよいでしょうか。






健康食品の臨床研究は、疫学研究に関する倫理指針に該当します。

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「研究」と「診療・医療」の境界を明記し、研究の意味合いが少しでもあれば、患者に対する説明責任、同意を得ること、IRBに必ずかけることなど、当然行うべきことを明確に書くべきです。

「診療」と称して「研究」を行い、失敗して説明を求められて説明をせず、訴訟に発展するケースなど過去には不幸な教訓は十分すぎるほど蓄積しています。






今後の検討課題とさせていただきます。QAでも対応させていただきます。


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市販製品のEBMなどを目的としたGCP及びPMS制度に係わらない委託研究などの臨床研究は、本指針の対象なるのでしょうか?

企業からの委託により実施される臨床研究との関係を明確にして頂きたい。






本指針の対象となります。

薬事法上の規則等で規定のない臨床研究は本指針の対象となります。

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指針ではまず「研究」の定義を書くべきです。

介入研究と観察研究など臨床研究の多様な形態に言及する前に、そもそも「研究」とは何なのかを示さないと、本指針の適用範囲がわからなくなります。

言い換えれば、倫理審査を行うべき対象もわからなくなってしまいます。「ベルモント・レポート」や「CIOMS国際倫理指針」にならって、「研究」とは何か、審査しなければならないのはどのような行為なのか、はっきり示す必要があります。






今後の検討課題とさせていただきます。

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ベルモント・レポート
   ↓
http://homepage3.nifty.com/cont/28-3/p559-68.html


ベルモント・レポート
   ↓
http://www.med.kyushu-u.ac.jp/recnet_fukuoka/houki-rinri/report.html


CIOMS国際倫理指針
   ↓
http://www.med.kyushu-u.ac.jp/recnet_fukuoka/houki-rinri/cioms.html


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現行指針では明記されていなかった「症例報告」の取り扱いを明らかにするべきです。

症例報告は臨床研究の最もシンプルな形態です。

臨床研究である以上、倫理審査の対象とするべきです。

現場ではすでに症例報告の倫理審査を必ず行う方向で動こうとしておりますので、症例報告の扱いについて今回の改正で是非明記していただきたいと存じます。






症例報告の取扱いについては引き続き検討を行います。

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観察研究は臨床研究倫理指針と疫学研究倫理指針に分けらますが、研究によってはどちらの倫理指針に該当するか判断に窮することがあります。

倫理審査委員は指針に沿って検討をするため、審査の質を上げるためにはその範囲をもう少し(具体例を示すなど)明確にする必要があると思われます。






どちらの指針にあたるかは現場の判断によりますが、いずれの指針でも同様の要件となるよう今回の改正を行っています。

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第1 基本的な考え方

(2)通常の診療の範囲内であって、ランダム化、割付け等を行わない医療行為における記録、結果、診療に用いた検体等を利用する研究は、介入を伴う研究ではなく観察研究とする。

この場合は臨床研究倫理指針に該当すると思いますが、(1)Aの説明では、同意書が不要のデータとして取り扱う場合は疫学研






どちらの指針にあたるかは現場の判断によりますが、いずれの指針でも同様の要件となるよう今回の改正を行っています。

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「代理母」「病気腎移植」については、「臨床研究」として実施すべき、という国の見解がそれぞれ示されていますが、「臨床研究に関する倫理指針」の見直しでは、これらの実施について改正後の指針で十分なのかどうか、話し合われていません。

改正後の指針に準拠すれば実施してよいことになってしまうのか、十分検討していないので差し控えるべきなのか、改正指針公表時に示してください。






個々の研究の倫理的妥当性は個別に倫理審査等により判断されるものです。


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定義をより明確にしておくべきである。

例えば、日常診療の採血量を超えることが無いが、(余剰血液を用いて)研究のために日常行わない検査項目を追加して行う場合は介入というのか?






御指摘の事例は観察研究と解されます。

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「通常の診療を超えた医療行為」が意味するものが不明確である。

特に精神科領域では、「認知行動療法」「長時間暴露療法」「対人関係療法」など様々な新規治療法が開発されています。

「通常の診療を越えた」の定義を、「我が国において有効性と安全性が検証されていない」と考えるのであれば、より明瞭になるかと思います。

臨床研究の中では医薬品・医療機器による介入以外にも、看護ケア、生活指導、栄養指導、食事療法、代替療法、理学療法、作業療法、地域保健サービス、国際保健サービスなど、さまざまな介入の評価が行われています。

運用にあたっては、具体例を示すなどの混乱を未然に防ぐ手立てが必要だと思われます。






本指針での介入研究の定義では、「通常の診療を超えた医療行為を研究として実施するもの」としており、研究でないものは含みません。

「我が国において有効性と安全性が検討されていない」ものをすべて研究と定義するものではありません。

同時に、医学研究として研究を目的として行うものを本指針の対象としており、看護ケア等による医学的に介入を行う研究も対象となります。


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あたりまえですが、僕(ホーライ)の知らない臨床の現場がなんとくなく想像できることができるQ&Aです。



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2014年09月19日

組織としての管理責任に対する研究機関への措置

先週と今週は「文部科学省」が出した次のガイドラインを見ます。


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン
   ↓
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/08/__icsFiles/afieldfile/2014/08/26/1351568_02_1.pdf


平成26年8月26日

文部科学大臣決定


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインを次のとおり決定し、これを公表する。

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2 組織としての管理責任に対する研究機関への措置

研究活動における不正行為を事前に防止するとともに、不正行為の疑いのある事案が発覚した場合に適切に対応することにより、公正な研究活動を推進することが重要である。

本ガイドラインでは、研究機関が責任を持って不正行為の防止に関わることで、不正行為が起こりにくい環境がつくられるよう対応の強化を図ることを基本としており、組織としての責任体制を明確化して研究活動における不正行為に適切に対応するための規程や体制の整備を求めている。


これを踏まえ、文部科学省及び配分機関は、組織として研究機関の管理責任が果たされるよう、以下の措置を講じる。

なお、措置の実施に当たっては、あらかじめ研究機関からの弁明の機会を設けるものとする。



(1)組織としての責任体制の確保

@ 管理条件の付与

文部科学省は、以下に掲げる場合において、研究機関に対し、体制整備等の不備について改善事項及びその履行期限を示した管理条件を付す。

また、文部科学省は、管理条件の履行状況について毎年度確認を行う。

(ア)「第5節 2 履行状況調査の実施」で掲げた研究機関に対する履行状況調査の結果、体制整備等に不備があることが確認された場合

(イ)研究活動における特定不正行為が確認された研究機関において、体制整備等に改善を求める必要があることが確認された場合



A 間接経費の削減

文部科学省が管理条件の履行状況について行う確認の結果において、管理条件の履行が認められないと文部科学省が判断した場合、競争的資金の配分機関は、その研究機関に対する競争的資金における翌年度以降の間接経費措置額を一定割合削減する。

間接経費措置額の削減割合については、文部科学省による確認の結果に応じて、段階的に引き上げ、その上限を間接経費措置額の15%とする。

間接経費措置額の削減割合の基準については、文部科学省が別に定めることとする。



B 配分の停止

間接経費を上限まで削減する措置を講ずることを決定した後も、文部科学省が管理条件の履行が認められないと判断した場合は、競争的資金の配分機関は、その研究機関に対する翌年度以降の競争的資金の配分を停止する。



なお、上記@からBまでの措置の解除は、以下によるものとする。

・@の措置は、研究機関において管理条件を着実に履行していると文部科学省が判断した時点で、文部科学省が解除する。

・Aの措置は、研究機関において管理条件を着実に履行している、又は管理条件の履行に進展があると文部科学省が判断した場合、配分機関がその翌年度に解除する。

・Bの措置は、研究機関において管理条件を着実に履行している、又は管理条件の履行に進展があると文部科学省が判断した時点で、配分機関が解除する。


(2)迅速な調査の確保

競争的資金の配分機関は、当該競争的資金の配分により行われた研究活動において特定不正行為の疑いがある事案が発覚したにもかかわらず、正当な理由なく研究機関による調査が遅れた場合は、当該競争的資金における翌年度以降の1か年度の間接経費措置額を一定割合削減する。

間接経費措置額の削減割合については、上限を間接経費措置額の10%とし、配分機関が個別に定めるものとする。



<<配分機関が実施する事項>>

○組織としての管理責任に対する研究機関への措置を講じることができるよう、配分機関の規程等を整備すること、及び配分機関が講じる措置の内容について、競争的資金の公募要領や委託契約書(付属資料を含む。)等に記載し、研究機関がそれをあらかじめ承知して応募又は契約するように取り計らうこと



3 措置内容の公表

文部科学省及び配分機関等は、上記1及び2に掲げる措置を決定したときは、これを速やかに公表する。






第5節 文部科学省による調査と支援


1 研究活動における不正行為への継続的な対応

文部科学省は、有識者による検討の場を設け、本ガイドラインの実施等に関してフォローアップするとともに、必要に応じて本ガイドラインの見直し等を行う。



2 履行状況調査の実施

文部科学省は、各研究機関における本ガイドラインを踏まえた体制整備の状況等を適切に把握するため、研究機関に対し定期的に履行状況調査を実施し、その結果を公表する。

履行状況調査は、書面、面接若しくは現地調査又はその組合せにより行う。

履行状況調査の結果、体制整備等に不備があることが確認された場合、当該研究機関に対し管理条件を付すなどにより指導・助言を行う。



3 研究倫理教育に関するプログラムの開発推進

文部科学省は、日本学術会議や配分機関と連携し、研究倫理教育に関する標準的なプログラムや教材の作成を推進する。

研究現場の実情や研究活動の多様性、研究分野の特性等も踏まえつつ、実効性の高い研究倫理教育に関するプログラムとするために支援を行い内容の改善を図る。




4 研究機関における調査体制への支援

特定不正行為の疑いが生じた場合には、まず研究機関において調査を行うことになるが、当該研究機関だけでは十分な対応が困難な場合も考えられる。

このため、文部科学省は、研究機関において十分な調査を行える体制にないと判断する場合は、研究機関に対し適時助言を行うとともに、日本学術会議や配分機関と連携し、専門家の選定・派遣を行うなど調査を適切かつ円滑に進めるために必要な支援を行う。



以上


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2014年09月18日

調査結果の公表

先週と今週は「文部科学省」が出した次のガイドラインを見ます。


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン
   ↓
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/08/__icsFiles/afieldfile/2014/08/26/1351568_02_1.pdf


平成26年8月26日

文部科学大臣決定


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインを次のとおり決定し、これを公表する。

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(6)調査結果の公表

@ 調査機関は、特定不正行為が行われたとの認定があった場合は、速やかに調査結果を公表する。


A 調査機関は、特定不正行為が行われなかったとの認定があった場合は、原則として調査結果を公表しない。

ただし、調査事案が外部に漏えいしていた場合及び論文等に故意によるものでない誤りがあった場合は、調査結果を公表する。悪意に基づく告発の認定があったときは、調査結果を公表する。


B 上記@、Aの公表する調査結果の内容(項目等)は、調査機関の定めるところによる。



(7)告発者及び被告発者に対する措置

@ 特定不正行為が行われたとの認定があった場合、特定不正行為への関与が認定された者及び関与したとまでは認定されないが、特定不正行為が認定された論文等の内容について責任を負う者として認定された著者(以下「被認定者」という。)の所属する機関は、被認定者に対し、内部規程に基づき適切な処置をとるとともに、特定不正行為と認定された論文等の取下げを勧告するものとする。

A 告発が悪意に基づくものと認定された場合、告発者の所属する機関は、当該者に対し、内部規程に基づき適切な処置を行う。







第4節 特定不正行為及び管理責任に対する措置

1 特定不正行為に対する研究者、研究機関への措置

前節の特定不正行為について、配分機関等は、調査機関から本調査の実施の決定その他の報告を受けた場合は、以下のとおり、その事案に係る配分機関等が、当該調査機関に対して当該事案の速やかな全容解明を要請し、当該調査機関から提出される調査結果等を踏まえ、関係機関に対して必要な改善を求める。

配分機関等は、前節の対象とする研究活動における特定不正行為を確認した場合は、研究者及び研究機関に以下の措置を講じる。



@ 配分機関等は、調査機関から本調査の実施の決定その他の報告を受けた場合は、当該調査機関における調査が適切に実施されるよう、必要に応じて指示を行うとともに、速やかにその事案の全容を解明し、調査を完了させるよう要請する。


A 配分機関等は、調査の過程であっても、調査機関から特定不正行為の一部が認定された旨の報告があった場合は、必要に応じ、被認定者が関わる競争的資金等について、採択又は交付決定の保留、交付停止、関係機関に対する執行停止の指示等を行う。


B 配分機関等は、調査機関から特定不正行為を認定した調査結果が提出され、それを確認した場合は、当該調査結果の内容を踏まえ、以下の措置を講じるものとする。



(ア)措置の対象となる研究者

・特定不正行為があったと認定された研究に係る論文等において、特定不正行為に関与したと認定された著者(共著者を含む。以下同じ。)

・特定不正行為があったと認定された研究に係る論文等の著者ではないが、当該特定不正行為に関与したと認定された者

・特定不正行為に関与したとは認定されないものの、特定不正行為があったと認定された研究に係る論文等の内容について責任を負う者として認定された著者



(イ)特定不正行為に係る競争的資金等の返還等

特定不正行為が確認された研究活動に係る競争的資金等において、配分機関は、上記(ア)の措置の対象となる研究者及び研究機関に対し、事案に応じて、交付決定の取消し等を行い、また、当該競争的資金等の配分の一部又は全部の返還を求める。

なお、運営費交付金や私学助成等の基盤的経費は、特定の研究活動又は研究者ではなく、研究機関を対象に措置されるものであり、その管理は研究機関に委ねられている。

このため、基盤的経費の措置により行われた研究活動における特定不正行為に関し、研究費の返還に関する取扱いは、本ガイドラインでは一律に対応を定めておらず、研究機関において適切な対応が求められる。



(ウ)競争的資金等への申請及び参加資格の制限

配分機関等は、上記(ア)の措置の対象となる研究者に対し、事案に応じて、競争的資金等への申請及び参加資格を制限する。

競争的資金の配分により行われた研究活動における特定不正行為については、「競争的資金の適正な執行に関する指針」(平成17 年9月9日競争的資金に関する関係府省連絡会申し合わせ。以下「指針」という。)に基づき措置を講じるとともにその他の競争的資金等への申請及び参加資格も指針に準じて制限する。

また、その他の研究活動における特定不正行為(競争的資金の配分により行われた研究活動に係るものを除く。)についても、同様に、競争的資金等への申請及び参加資格を指針に準じて制限する。



<<配分機関等が実施する事項>>

○調査機関から本調査の実施の決定その他の報告を受けた場合は、関係機関に対して必要な指示等を行うこと

○特定不正行為に対する研究者、研究機関への措置を講じることができるよう、配分機関等の規程等を整備すること、及び配分機関等が講じる措置の内容や措置の対象となる研究者の範囲について、競争的資金等の公募要領や委託契約書(付属資料を含む。)等に記載し、研究者及び研究機関がそれをあらかじめ承知して応募又は契約するように取り計らうこと


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2014年09月17日

特定不正行為の疑惑への説明責任

先週と今週は「文部科学省」が出した次のガイドラインを見ます。


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン
   ↓
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/08/__icsFiles/afieldfile/2014/08/26/1351568_02_1.pdf


平成26年8月26日

文部科学大臣決定


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインを次のとおり決定し、これを公表する。

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4−3 認定

(1)認定

@ 調査機関は、本調査の開始後、調査委員会が調査した内容をまとめるまでの期間の目安(例えば、目安として150日以内)を当該調査機関の規程にあらかじめ定めておく。


A 調査委員会は、上記@の期間を目安として調査した内容をまとめ、特定不正行為が行われたか否か、特定不正行為と認定された場合はその内容、特定不正行為に関与した者とその関与の度合い、特定不正行為と認定された研究活動に係る論文等の各著者の当該論文等及び当該研究活動における役割を認定する。


B 特定不正行為が行われなかったと認定される場合であって、調査を通じて告発が悪意に基づくものであることが判明したときは、調査委員会は、併せてその旨の認定を行うものとする。

この認定を行うに当たっては、告発者に弁明の機会を与えなければならない。


C 上記A又はBについて認定を終了したときは、調査委員会は直ちにその設置者たる調査機関に報告する。





(2)特定不正行為の疑惑への説明責任

調査委員会の調査において、被告発者が告発された事案に係る研究活動に関する疑惑を晴らそうとする場合には、自己の責任において、当該研究活動が科学的に適正な方法と手続にのっとって行われたこと、論文等もそれに基づいて適切な表現で書かれたものであることを、科学的根拠を示して説明しなければならない。




(3)特定不正行為か否かの認定

@ 調査委員会は、上記(2)により被告発者が行う説明を受けるとともに、調査によって得られた、物的・科学的証拠、証言、被告発者の自認等の諸証拠を総合的に判断して、特定不正行為か否かの認定を行う。証拠の証明力は、調査委員会の判断に委ねられるが、被告発者の研究体制、データチェックのなされ方など様々な点から客観的不正行為事実及び故意性等を判断することが重要である。なお、被告発者の自認を唯一の証拠として特定不正行為と認定することはできない。


A 特定不正行為に関する証拠が提出された場合には、被告発者の説明及びその他の証拠によって、特定不正行為であるとの疑いが覆されないときは、特定不正行為と認定される。

また、被告発者が生データや実験・観察ノート、実験試料・試薬等の不存在など、本来存在するべき基本的な要素の不足により、特定不正行為であるとの疑いを覆すに足る証拠を示せないときも同様とする。

ただし、被告発者が善良な管理者の注意義務を履行していたにもかかわらず、その責によらない理由(例えば災害など)により、上記の基本的な要素を十分に示すことができなくなった場合等正当な理由があると認められる場合はこの限りではない。

また、生データや実験・観察ノート、実験試料・試薬等の不存在などが、各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間や被告発者が所属する、又は告発に係る研究活動を行っていたときに所属していた研究機関が定める保存期間を超えることによるものである場合についても同様とする。


B 上記(2)の説明責任の程度及び上記Aの本来存在するべき基本的要素については、研究分野の特性に応じ、調査委員会の判断に委ねられる。



(4)調査結果の通知及び報告

@ 調査機関は、調査結果(認定を含む。以下同じ。)を速やかに告発者及び被告発者(被告発者以外で特定不正行為に関与したと認定された者を含む。以下同じ。)に通知する。

被告発者が調査機関以外の機関に所属している場合は、その所属機関にも当該調査結果を通知する。

A 上記@に加えて、調査機関は、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に当該調査結果を報告する※ 7。


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※ 7調査結果を配分機関等及び文部科学省に報告する際、その報告書に盛り込むべき事項を「参考資料2」に示す。

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B 悪意に基づく告発との認定があった場合、調査機関は告発者の所属機関にも通知する。





(5)不服申立て

@ 特定不正行為と認定された被告発者は、あらかじめ調査機関が定めた期間内に、調査機関に不服申立てをすることができる。

ただし、その期間内であっても、同一理由による不服申立てを繰り返すことはできない。


A 告発が悪意に基づくものと認定された告発者(被告発者の不服申立ての審査の段階で悪意に基づく告発と認定された者を含む。

この場合の認定については、上記(1)Bを準用する。)は、その認定について、上記@の例により不服申立てをすることができる。



B 不服申立ての審査は調査委員会が行う。

その際、不服申立ての趣旨が新たに専門性を要する判断が必要となるものである場合には、調査機関は、調査委員の交代若しくは追加、又は調査委員会に代えて他の者に審査をさせる。

ただし、調査機関が当該不服申立てについて調査委員会の構成の変更等を必要とする相当の理由がないと認めるときは、この限りでない。



C 特定不正行為があったと認定された場合に係る被告発者による不服申立てについて、調査委員会(上記Bの調査委員会に代わる者を含む。以下「(5)不服申立て」において同じ。)は、不服申立ての趣旨、理由等を勘案し、その事案の再調査を行うか否かを速やかに決定する。

当該事案の再調査を行うまでもなく、不服申立てを却下すべきものと決定した場合には、直ちに調査機関に報告し、調査機関は被告発者に当該決定を通知する。

このとき、当該不服申立てが当該事案の引き延ばしや認定に伴う各措置の先送りを主な目的とすると調査委員会が判断するときは、調査機関は以後の不服申立てを受け付けないことができる。


上記@の不服申立てについて、再調査を行う決定を行った場合には、調査委員会は被告発者に対し、先の調査結果を覆すに足る資料の提出等、当該事案の速やかな解決に向けて、再調査に協力することを求める。

その協力が得られない場合には、再調査を行わず、審査を打ち切ることができる。

その場合には直ちに調査機関に報告し、調査機関は被告発者に当該決定を通知する。



D 調査機関は、被告発者から特定不正行為の認定に係る不服申立てがあったときは、告発者に通知する。

加えて、調査機関は、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に報告する。

不服申立ての却下及び再調査開始の決定をしたときも同様とする。



E 調査委員会が再調査を開始した場合は、当該調査委員会を置く調査機関の規程にあらかじめ定める期間(例えば、目安として50日)内に、先の調査結果を覆すか否かを決定し、その結果を直ちに調査機関に報告し、調査機関は当該結果を被告発者、被告発者が所属する機関及び告発者に通知する。

加えて、調査機関は、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に報告する。



F 上記Aの悪意に基づく告発と認定された告発者から不服申立てがあった場合、調査機関は、告発者が所属する機関及び被告発者に通知する。

加えて、調査機関は、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に報告する。



G 上記Aの不服申立てについては、調査委員会は当該調査委員会を置く調査機関の規程にあらかじめ定める期間(例えば、目安として30日)内に再調査を行い、その結果を直ちに調査機関に報告するものとする。

調査機関は、当該結果を告発者、告発者が所属する機関及び被告発者に通知する。加えて、調査機関は、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に報告する。



posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究活動における不正行為 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする