2014年08月02日

国が行う医療分野の研究開発成果の実用化のための審査体制の整備等

先週からの続きで、今週は当初の予定から急きょ、変更して国が考えている下記の2つを見ます。


●医療分野研究開発推進計画(案)
    ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/suisin_dai2/siryou2.pdf


●健康・医療戦略について(閣議決定)
    ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/ketteisiryou/dai2/siryou1.pdf


所謂「日本版NIH」の続きです。(所々、割愛していますので、是非、ご自分でも一読ください。)


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今日は「健康・医療戦略について(閣議決定)」を見ます。
    ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/ketteisiryou/dai2/siryou1.pdf



4)国が行う医療分野の研究開発成果の実用化のための審査体制の整備等

医療分野の研究開発の成果である新たな医薬品、医療機器等の実用化が迅速かつ安全に図られるよう、医薬品、医療機器等の製造販売業者が最新の知見に基づき作成する添付文書の届出義務の創設、医療機器の登録認証機関による認証範囲の拡大(医療機器の製造販売業・製造業については、医薬品等と章を区分して規定。)、再生医療等製品の条件及び期限付承認制度の創設等を内容とする「薬事法等の一部を改正する法律」が成立した。

この新たなスキームを適切に運用するとともに、医薬品、医療機器等の承認のための審査など医薬品、医療機器等の実用化のために必要な手続の迅速かつ的確な実施を可能とする審査体制の整備を推進する。

また、医療分野の研究開発の成果の実用化に際し、その品質、有効性及び安全性を科学的知見に基づき適正かつ迅速に予測、評価及び判断することに関する科学の振興に必要な体制の整備、人材の確保、養成及び資質の向上を図る。


○ PMDAの体制強化等

・ 研究成果を効率的に薬事承認に繋げられるように、大学、研究機関、医療機関、企業等とPMDAとの連携を強化するため、薬事戦略相談制度の拡充や優先的な治験相談制度の必要な運用改善を行う。

・ 実用化へ向けた支援として、薬事戦略相談等に関するPMDAの体制強化と、PMDAと連携した有望シーズの出口戦略の策定・助言、企業への情報提供・マッチング等、企業連携・連携支援機能を強化する。

・ PMDAへの新薬等申請に当たって、申請添付資料について、英語資料の受け入れ範囲の更なる拡大について検討する。




5)その他国が行う必要な施策等

我が国発の医薬品、医療機器等及び医療技術の開発を実現し、我が国のみならず諸外国の医療の向上への貢献を推進するとともに、医療分野の研究開発ポテンシャルの向上のために関係するあらゆる分野における人材の育成・確保を図る。

また、我が国の医療分野の国際競争力を高めるに当たっては、知的財産教育の充実、知的財産管理専門家の育成や活用など、知的財産に関する戦略的な取組を促進する。

○ 国際的視点に基づく取組

・ 研究開発テーマの設定に当たっては、国際的な視点からも十分に検討する。

個別の分野に関する専門家に加え、国際的思考のできる人材を育成し、活用する。

課題の選考に当たっては、国内外の当該専門領域の科学者の意見を十分に聴取するよう努める。

また、国際協力の推進は不可欠であり、質の高い臨床研究や治験、研究ネットワークの構築等の国際共同研究を実施するための支援体制の強化を図る。

相手国の実情とニーズに適した医療サービスの提供や制度整備等への協力を通じ、真に相手国の医療の発展に寄与する持続的な事業展開を意識した日本の産業競争力強化を図る。

地球規模課題としての保健医療(グローバルヘルス)を日本外交の重要課題と位置付け、日本の知見等を総動員し、世界の全ての人が基本的保健医療サービスを負担可能な費用で享受すること(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC))ができるよう努める。



○ 人材育成

・ 基礎から臨床研究及び治験まで精通し、かつ、世界をリードする学術的な実績があり、強力な指導力を発揮できる人材を育成する。

生物統計家などの専門人材及びレギュラトリーサイエンスの専門家の育成・確保等を推進する。

革新的な医薬品、医療機器等及び医療技術をより早く医療現場に届けるため分野横断的な研究を推進し、イノベーションの創出を行い得る人材を育成する。

また、国民全体の健康や病気に関する理解力(リテラシー)の底上げにも努める。


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2014年08月01日

「健康・医療戦略について(閣議決定)」

今週は当初の予定から急きょ、変更して国が考えている下記の2つを見ます。


●医療分野研究開発推進計画(案)
    ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/suisin_dai2/siryou2.pdf


●健康・医療戦略について(閣議決定)
    ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/ketteisiryou/dai2/siryou1.pdf


所謂「日本版NIH」の続きです。(所々、割愛していますので、是非、ご自分でも一読ください。)


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今日は「健康・医療戦略について(閣議決定)」を見ます。
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http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/ketteisiryou/dai2/siryou1.pdf


第186回通常国会において、政府は2014年2月12日に「健康・医療戦略推進法案」及び「独立行政法人日本医療研究開発機構法案」を閣議決定、同日国会に提出した。

衆議院及び参議院における法案審議の過程では、特に医療分野の研究開発に関する諸情勢等に鑑み、「健康・医療戦略推進法案」において、「政府は、法律の施行後の3年以内に、臨床研究において中核的な役割を担う医療機関における臨床研究の環境の整備の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」ことが附則第2条第1項に加えられるとともに、研究不正防止に関するノウハウの蓄積及び専門的な人材の育成、医療分野の研究開発の重要性に対する国民の理解の深化等についても、適切な措置を講ずべきとの観点から附帯決議がなされた上で、推進法及び機構法は2014年5月23日に成立した。



2.各論

(1)世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発等に関する施策

基礎的な研究開発から実用化のための研究開発までの一貫した研究開発を推進し、その成果の円滑な実用化により、世界最高水準の医療の提供に資する。

これにより、医薬品、医療機器等及び医療技術関連分野における産業競争力の向上を目指すとともに、医療の国際連携や国際貢献を進める。

医療分野の研究開発等については、本戦略に加え、推進法第18条に基づき、本戦略に即して、施策の基本的な方針や政府が集中的かつ計画的に講ずべき施策等を定めた医療分野研究開発推進計画(以下「推進計画」という。)を作成し、これに基づき医療分野の研究開発を推進するものとする。


1)国が行う医療分野の研究開発の推進

世界最高水準の医療の提供に必要な医療分野の研究開発を推進するとともに、その成果の円滑な実用化を図るため、医療分野の研究開発に関し、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「機構」という。)と大学、研究機関等との連携のもと、基礎的な研究開発から実用化のための研究開発までの一貫した研究開発を推進する。




○ 「循環型研究開発」の推進とオープンイノベーションの実現

・ 基礎研究を強化し、画期的なシーズが常に生み出されることが、医療分野の研究開発を持続的に進めるためには必要である。

このため、基礎研究の成果を臨床現場につなぐ方向に加え、臨床現場で見出した課題を基礎研究に戻す「循環型研究開発」を推進するとともに、知的財産を確保しつつオープンイノベーションを実現する取組を図る。

研究機関における研究開発の成果の移転のための体制の整備、研究開発の成果に係る情報の提供等を行う。

・ 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と国立医薬品食品衛生研究所や、大学、研究機関、医療機関、企業等との連携を強化し、薬事戦略相談制度の拡充、審査ガイドラインの整備、審査員の専門的知識の向上等を通じて、研究開発におけるレギュラトリーサイエンスを普及・充実させる。



○ 医薬品、医療機器等及び医療技術開発の新たな仕組みの構築

・ 国内の研究機関に埋もれている有望なシーズをくみ上げるシステムを構築し、それを実用化に結び付けるため、最終的なビジネスとしての発展を視野に入れつつ、基礎から臨床研究(医療における疾病の治療方法等の改善、疾病原因等の理解及び患者の生活の質の向上を目的として実施される人を対象とする医学系研究であって医薬品医療機器等法第2条第17項(薬事法等の一部を改正する法律の施行の日前までは薬事法第2条第16項)に規定する「治験」を除くものをいう。以下同じ。)及び治験、実用化までの一貫した研究開発の推進、さらに、臨床現場における検証と新たな課題を抽出できる体制を整備する。

・ 我が国における革新的医薬品、医療機器の開発を進めるため、薬価制度等におけるイノベーションの適切な評価を図る。




○ 世界最先端の医療の実現に向けた取組

・ 再生医療、ゲノム医療の実現に向けた取組を推進するとともに、我が国の高度な科学技術を活用した各疾患の病態解明及びこれに基づく遺伝子治療等の新たな治療法の確立、ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)及び革新的医薬品、医療機器等の開発等、将来の医薬品、医療機器等及び医療技術の実現に向けて期待の高い、新たな画期的シーズの育成に取り組む。

将来の市場規模の拡大が期待されるバイオ医薬品、次世代型計測分析評価技術・機器・システム開発の強化を図る。

ゲノム情報の取扱については、今後社会に及ぼす影響が大きいことから、倫理面での具体的対応や法的規制の必要性も含め、検討を進める。



○ 新たな医療分野の研究開発の推進体制

・ 国が行う医療分野の研究開発を推進するため、機構に医薬品、医療機器等及び医療技術に係る医療分野の研究開発業務に関し、国が戦略的に行う研究費等の配分機能等を集約し、一体的な資金配分を行うとともに、各省それぞれが実施してきた医療分野の研究開発について、プロクラムディレクター(PD)の目利き機能を生かした基礎から実用化まで一貫した研究マネジメントのもと、知的財産の専門家による知的財産管理などの研究支援等も含め、基礎から実用化まで切れ目ない研究支援を一体的に行うこととする。

(注)独立行政法人日本医療研究開発機構は、「独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律」(平成26年法律第67号)の規定により、2015年4月1日に「国立研究開発法人日本医療研究開発機構」に名称が変更される。




2)国が行う医療分野の研究開発の環境の整備

医療分野の研究開発の環境の整備については、医療機器の登録認証機関による認証制度の高度管理医療機器への拡大、再生医療等製品の医薬品及び医療機器とは異なる特性を踏まえた承認制度の創設等を内容とする「薬事法等の一部を改正する法律」や、再生医療等の安全性の確保等を図るため再生医療等を提供する医療機関の基準、細胞を培養、加工する施設の基準等を新たに規定した「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(平成25年法律第85号)及び国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う病院を臨床研究中核病院として位置付けた「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(平成26年法律第83号)が成立するなど、必要な取組がなされてきている。

引き続き、世界最高水準の医療の提供に必要な医療分野の研究開発の円滑かつ効果的な実施に必要となる臨床研究及び治験の実施体制、データベース、ICT等の環境整備を推進する。




○ 臨床研究及び治験実施環境の抜本的向上

・ 革新的医療技術創出拠点プロジェクトにおいて推進している橋渡し研究支援拠点、早期・探索的臨床試験拠点、臨床研究中核病院及び日本主導型グローバル臨床研究拠点(以下「革新的医療技術創出拠点」という。)並びに国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター)といった拠点を総合的に活用し、それらを中心としたARO(Academic Research Organization)機能の構築による臨床研究及び治験を推進する。

臨床研究及び治験を進めるため、各施設が連携して症例の集約化を図るとともに、今後も、これらの資源を有効に活用しつつ、更なる機能の向上を図り、国際水準の質の高い臨床研究や治験が確実に実施される仕組みを構築する。

また、日本発の革新的医薬品、医療機器等及び医療技術の開発等に必要となる質の高い臨床研究や治験を推進するため、医療法上に位置付けられた国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う臨床研究中核病院の要件について速やかに検討を進め、その実現を図る。




○ 研究基盤の整備

・ ライフサイエンスに関するデータベース、全国規模の難病データベース、ビッグデータベース、良質な試料の収集・保存等をはじめとする情報・試料の可能な限り広い共有を目指す。

また、各省が個々に推進してきたデータベースの連携を推進する。患者由来の試料などの研究基盤の整備を行い、放射光施設、スーパーコンピュータなどの既存の大規模先端研究基盤や先端的な計測分析機器等を備えた小規模施設との連携を取りつつ、科学技術共通の基盤施設をより使いやすくし、医療分野の研究開発の更なる促進に活用する。

独立行政法人医薬基盤研究所から機構への創薬支援業務等に関する業務の移管、特に創薬支援ネットワークの本部機能の円滑な移行に向け万全を期す。

また、医療機器の開発を進めるため、大学、研究開発法人、その他の研究機関及び企業等から成るネットワークを構築する。



○ ICTに関する取組

・ 効率的な臨床研究及び治験の実施に向けた症例集積数を向上させるための技術及び、国民の医療情報などの各種データの柔軟な形での統合を可能とする技術の実装、医療情報の扱い等に関する条件を法改正の必要性も含め検討、整備等を行う。

また、健康医療情報のICT化に関しては、研究開発においても有効に活用するため、ICTによるビッグデータの活用を含む実践的なデータベース機能の整備等を行う。

医療の包括的なICT化に関する研究開発を推進するとともに、当該医療情報を扱うシステム間における相互運用性を確保するための取組を行う。



(次週へ続く。多分)


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