「第5回 臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会」のページをご覧ください。
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http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000055533.html
●臨床研究の在り方に関する論点整理(案)
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http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000055544.pdf
●これまでのご意見を踏まえた臨床研究に関する現状の整理と今後の検討課題(案)(PDF:308KB)
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http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000055545.pdf
●検討会委員からの主なご意見(まとめ)
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http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000055547.pdf
●研究代表者提出資料
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http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000055543.pdf
特に最後の「研究代表者提出資料」は必見です。
アメリカでの臨床研究に関する手続き等の情報が満載です。
たとえば、「IND(Investigational New Drug」」(日本の治験届のようなもの)とか、「データの信頼性確保」(監査は必須ではない)とか「IRB委員の利益相反に関する規定も」とか。
ふ〜〜ん、そうなんだ、IRBの委員にもCOIを当てはめるんだ!と思いました。
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さて、今週のテーマです。
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「医薬品の臨床試験及び製造販売承認申請のための非臨床安全性試験の実施についてのガイダンス」について
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http://www.pmda.go.jp/ich/m/step5_m3r2_10_02_19.pdf
普段、治験に係わっていらっしゃる方って、「非臨床試験」について、ちょっと距離を置いていません?(僕だけかな?)
でも、「治験薬概要書」を見ると、「非臨床試験」のデータが満載。
これは、やっぱり、「食わず嫌い」ではいられません。
たまには、強制的に、「非臨床試験」に関連するガイドラインを見ていきましょう!
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医薬品の臨床試験及び製造販売承認申請のための非臨床安全性試験の実施についてのガイダンス
薬食審査発0219第4号 平成22年2月19日 厚生労働省医薬食品局審査管理課長
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http://www.pmda.go.jp/ich/m/step5_m3r2_10_02_19.pdf
医薬品の臨床試験及び製造販売承認申請のための非臨床安全性試験の実施についてのガイダンス
1. 緒言
1.1 ガイダンスの目的
本文書の目的は、ヒト臨床試験の範囲と期間に応じて、また、製造販売承認を得るために推奨される医薬品の非臨床安全性試験についての国際的な基準を勧告し、そのハーモナイゼーションを促進することである。
各種非臨床安全性試験のガイダンスのハーモナイゼーションによって、現在の要求事項が明らかにされ、実質的な相違が各地域間に存在する可能性が減少すると期待される。
このガイダンスは、臨床試験の実施時期を適正化し、3R(使用動物数の削減/苦痛の軽減/代替法の利用)の原則に従って動物の使用を抑え、医薬品開発のための資源の有効利用に資するであろう。
本ガイダンスでは論じていないが、安全性評価のための新しいインビトロ代替法の利用について考慮すべきである。
これらの代替法は、バリデーションが完了し、全てのICH規制当局によって認められれば、現在の標準試験法の代わりに利用可能である。
本ガイダンスによって、医薬品の安全で倫理にかなった開発が促進され、新医薬品を一層早く利用できるようになるであろう。
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3Rの原則
Replacement(代替):「できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること」
…意識・感覚のない低位の動物種、in vitro(試験管内実験)への代替、重複実験の排除
Reduction(削減):「できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること」
…使用動物数の削減、科学的に必要な最少の動物数使用
Refinement(改善):「できる限り動物に苦痛を与えないこと」
…苦痛軽減、安楽死措置、飼育環境改善など
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1.3 ガイダンスの適用範囲
医薬品の製造販売承認のための非臨床安全性評価には、通常、薬理試験、一般毒性試験、トキシコキネティクス及び非臨床薬物動態試験、生殖発生毒性試験、遺伝毒性試験がある。
懸念すべき特別な理由がある場合や長期間の使用を目的とした医薬品の場合には、がん原性の評価も含まれる。
その他、光毒性試験、免疫毒性試験、幼若動物を用いる毒性試験、及び薬物乱用に関する非臨床試験は、個々の事例に応じて実施すべきである。
本ガイダンスでは非臨床安全性試験の必要性や実施される臨床試験との関係が示されている。
本文書は、医薬品開発において通常起こり得る状況に適用されるものであり、医薬品開発のための一般的な指針としてみなされるべきである。
非臨床安全性試験及び臨床試験の計画やデザインは、科学的かつ倫理的に適切なものでなくてはならない。
1.4 一般原則
医薬品の開発プロセスは、動物及びヒトから得られた有効性及び安全性情報の評価を行いながら、段階的に進めるものである。
非臨床安全性評価の主たる目的は、標的臓器、用量依存性、暴露との関係、及び適切な場合には回復性についての毒性の特徴を明らかにすることである。
これらの情報は、初めてヒトを対象とした治験を行う際の安全な初回投与量と用量範囲を推定する上で、また臨床で有害作用をモニターするためのパラメータを明らかにするために用いられる。
臨床開発の開始時までに行なわれる非臨床安全性試験は、通常限られたものであるが、臨床試験の条件下で現れる可能性のある有害作用を十分に明らかにするものでなくてはならない。
臨床試験を実施するのは、医薬品の有効性及び安全性を明らかにするためであり、最初は比較的低い全身暴露量で少数の被験者を対象として行われる。
引き続き実施される臨床試験では、通常、投与期間が延長され、対象患者数も増加する。
臨床試験の拡大は、先行する臨床試験で十分な安全性が実証されていることに加えて、臨床開発の進行と並行して実施される非臨床安全性試験からの追加情報に基づいて行われるべきである。
臨床又は非臨床試験でみられた重篤な有害所見は、臨床試験の継続に影響することがある。
臨床的意義を包括的に捉えた上で、これらの有害所見を評価し、追加の非臨床試験ないし臨床試験の必要性やデザインを決定すべきである。
1.5 一般毒性試験のための高用量選択
一般的に、毒性試験においては、最大耐量(MTD)までの用量を用いることにより、臨床的に意味のある影響として、どのような作用が生ずる可能性があるかを十分に明らかにすることができる。
全ての毒性試験でMTDを求める必要はない。
また、MTDと同等に適切な限界量としては、十分に高倍数の全身暴露量が得られる用量、暴露の飽和が起こる用量、又は投与可能な最大用量(MFD)がある。
これらの限界量(詳細は下記及び図1を参照)を設けることで、臨床での安全性予測に有用でない(高)用量を動物に投与することを避けることができる。
生殖発生毒性試験やがん原性試験のデザインにおいては、すでに限界量や限界暴露量が推奨されており、この考えと一致するものである(3、4)。
急性、亜急性及び慢性毒性試験での投与量の限界量は、以下で述べるものを除く全ての場合で、げっ歯類及び非げっ歯類ともに1000 mg/kg/日が適切であると考えられる。
1000 mg/kg/日の投与量での平均暴露量が臨床における暴露量の10倍未満で、かつ、臨床用量が1 g/日を超えるような場合は、毒性試験の投与量は10倍の暴露量、2000 mg/kg/日あるいはMFDのうちより低い用量を限界量とすべきである。
2000 mg/kg/日の投与量での暴露量が臨床における暴露量に達しないような稀な状況では、MFDまでのより高い用量を考慮すべきである。
一般的に、臨床における暴露量に対して50倍の暴露量(通常、母薬物の、あるいはプロドラッグでは薬理活性物質のAUCの群平均値(注1)に基づく)に達する投与量は、いかなる動物種を用いた急性及び反復投与毒性試験においても、最高用量として認められる。
限界量として50倍の暴露量を用いる場合、米国における第V相試験を実施するためには、通常、少なくとも1種の動物種で用量制限毒性を明らかにする必要がある。
そうでない場合には、1000 mg/kgの限界量、MFDあるいはMTDのうち最も低い投与量を用いる1種における1ヶ月以上の毒性試験が推奨される。
しかしながら、このような試験は、より短期間投与の試験において50倍の暴露量に達する投与量よりも高い用量で用量制限毒性が示される場合には、個々の事例に応じて不要とされることもある。
●MTD= Maximum Tolerated Dose 最大耐量
●MFD =Maximum Feasible Dose 投与可能な最大用量
遺伝毒性の指標が一般毒性試験に組み込まれる場合には、適切な最高用量はMFD、MTDあるいは1000 mg/kg/日の限界量に基づいて設定されるべきである。