2014年04月02日

iPS細胞の培地で注意すること

今週は「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」を見ます。
 
「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」について
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http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/biologics/120907-4.pdf

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さて、いよいよ、詳細に入ります。
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2 目的とする細胞・組織以外の原材料及び製造関連物質並びに製造関連事項目的とする細胞・組織以外の原材料及び製造関連物質並びに製造関連事項を明らかにし、その適格性を示すとともに、必要に応じて規格を設定し、適切な品質管理を行うことが必要である。

生物由来製品又は特定生物由来製品を原材料として使用する場合は、その使用量を必要最小限とし、「生物由来原料基準」(平成15 年厚生労働省告示第210 号)をはじめとする関連法令及び通知を遵守すること。特に、ウイルス不活化及び除去に関する情報を十分に評価する必要があるほか、遡及調査等を確保する方策についても明らかにすること。

なお、この項に記載された技術要件は、iPS(様)細胞作製の原材料となるヒト体細胞からiPS(様)細胞への初期化や脱分化及びiPS(様)細胞から最終製品に至る分化誘導過程において該当する場合に留意されるべき事項である。

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細胞を培養するので、培地が必要になってきますよね。

で、その培地に加えるものは全て明らかにしておきます。

また、それらの規格も必要に応じて設定します。
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(1) 細胞の培養を行う場合

@ 培地、添加成分(血清、成長因子及び抗生物質等)及び細胞の処理に用いる試薬等のすべての成分等についてその適格性を明らかにし、必要に応じて規格を設定すること。

各成分等の適格性の判定及び規格の設定に当たっては、最終製品の適用経路等を考慮すること。


A 培地成分については、以下の点に留意すること。

ア 培地に使用する成分及び水は、可能な範囲で医薬品又は医薬品原料に相当する基準で品質管理されている生物学的純度の高い品質のものを使用すること。

イ 培地に使用する成分は主成分のみでなく使用するすべての成分について明らかにし、選択理由及び必要に応じて品質管理法等を明確にすること。

ただし、培地の構成成分が周知のもので、市販品等が一般的に使用されているDMEM、MCDB、HAM、RPMI のような培地は1 つのものと考えてよい。

ウ すべての成分を含有した培地の最終品については、無菌性及び目的とした培養に適していることを判定するための性能試験を実施する必要がある。

その他、工程管理上必要と思われる試験項目を規格として設定し、適切な品質管理を行う必要がある。

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培地に使う「水」も医薬品原料に相当する基準ということですから、たとえば日局(日本薬局方)の「精製水」を滅菌したもの等が該当するんでしょうね。

そして、「すべての成分を含有した培地の最終品について」は「無菌性及び目的とした培養に適していることを判定するための性能試験を実施する必要がある」です。



「血清」はいろいろと問題(特に感染症の可能性)があるため、できるだけ培地に使わないように言われています。
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B 異種血清及び異種もしくは同種の血清に由来する成分については、細胞活性化又は増殖等の加工に必須でなければ使用しないこと。

特に繰り返して使用する可能性のある製品では可能な限り使用を避けるよう検討すること。

血清等の使用が避けられない場合には、以下の点を考慮し、血清等からの細菌、真菌、ウイルス及び異常プリオン等の混入・伝播を防止するとともに、最終製品から可能な限り除去するよう処理方法等を検討すること。


ア 血清等の由来を明確にすること。

イ 牛海綿状脳症発生地域からの血清を極力避ける等感染症リスクの低減に努めること。

ウ 由来動物種に特異的なウイルスやマイコプラズマに関する適切な否定試験を行い、ウイルス等に汚染されていないことを確認した上で使用すること。

エ 細胞の活性化、増殖に影響を与えない範囲で細菌、真菌及びウイルス等に対する適切な不活化処理及び除去処理を行う。

例えば、潜在的なウイルス混入の危険性を避けるために、必要に応じて加熱処理、フィルター処理、放射線処理又は紫外線処理等を組み合わせて行うこと。

オ 培養細胞でのウイルス感染のモニター、患者レベルでのウイルス性疾患の発症に対するモニター及び異種血清成分に対する抗体産生等の調査のために、使用した血清の一部を保管すること。

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こんなものもあります。
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G フィーダー細胞として異種動物由来の細胞を用いる場合には、異種動物由来の感染症のリスクの観点から安全性を確保すること。

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「フィーダー細胞」って、何でしょう?

気になる方はたとえば、こちら。
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https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/keyword/22.html




posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | iPS細胞関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月01日

iPS細胞の加工、製造、原材料

今週は「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」を見ます。
 
「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」について
   ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/biologics/120907-4.pdf

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次に「加工」の定義を見てみましょう。

普通の医薬品の場合、加工というと、「製剤化」を連想しますが・・・・・・・。
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3 「細胞・組織の加工」とは、疾患の治療や組織の修復又は再建を目的として、細胞・組織の人為的な増殖・分化、細胞の株化、細胞の活性化等を目的とした薬剤処理、生物学的特性改変、非細胞成分との組み合わせ又は遺伝子工学的改変等を施すことをいう。

組織の分離、組織の細切、細胞の分離、特定細胞の単離、抗生物質による処理、洗浄、ガンマ線等による滅菌、冷凍、解凍等は加工とみなさない。

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なるほど、「組織の分離」や「組織の細切」等は「加工とみなさない」ですね。


ちなみに「組織の分離」や「組織の細切」は「製造」の一部と見なされます。
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4 「製造」とは、加工に加え、組織の分離、組織の細切、細胞の分離、特定細胞の単離、抗生物質による処理、洗浄、ガンマ線等による滅菌、冷凍、解凍等、当該細胞・組織の本来の性質を改変しない操作を含む行為で、最終製品であるヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等を出荷するまでに行う行為をいう。

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次に「製造工程の確立」の重要性が次のように記載されています。
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第2章 製造方法

製造方法について、下記の事項に留意し、必要な情報を明らかにすること。

これらの情報等は、最終製品の品質や安全性等の確保に資するとともに、品質の恒常性を製造方法面から保証するために重要なものである。

しかし、品質・安全性等の確保や品質恒常性保証は、製造方法全体で相互補完的方策により達成され、その方策が合理的で合目的性に叶うことが最も肝要である。

したがって、最終製品や中間製品における品質試験や管理あるいは製造過程における管理において、品質・安全性等の確保や品質恒常性保証という目的が達成されるのであれば、その科学的妥当性を明示した上で下記の措置や情報の一部を省略しても差し支えない。

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iPS細胞のような「化学物質でない」ものは「製造方法」が全て!という気がします。


で、「原材料」については次の記載があります。
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第1 原材料及び製造関連物質

1 iPS(様)細胞作製の原材料となるヒト体細胞

(1) 生物学的構造・機能の特徴と選択理

原材料として用いられる体細胞について、その生物学的構造・機能の特徴を、例えば、形態学的特徴、増殖特性、生化学的指標、免疫学的指標、特徴的産生物質、その他適切な遺伝型又は表現型の指標から適宜選択して示し、当該体細胞を原材料として選択した理由を説明すること。

なお、治験開始前には、試験的検体を用いた検討によっても良い。

これらの検討結果から患者の細胞に適用する際に選択すべき重要細胞特性指標を明らかにしておくこと。

検討に際しては、検体の量的制限や技術的限界もあり、可能な範囲で考慮すれば良い。

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原材料とする「体細胞」の特定が大事みたいですね。

「当該体細胞を原材料として選択した理由を説明すること」とあります。

ちなみに下記のような資料もネット上にはあります。

「他家由来iPS細胞ストックの開発について」
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http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/info/report/yakujisenryaku_forum2013/file/shiryo04.pdf





その他に注意すべき点としては「生体由来」ですので、原材料からの感染が無いようにします。
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患者、製造従事者及び医療従事者の安全性を確保する観点等から、採取した体細胞を介して感染する可能性がある各種感染症を考慮して感染症に関する検査項目を定め、その妥当性を明らかにすること。

特にB型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、成人T細胞白血病(HTLV)に留意すること。

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細胞や組織を取り扱う医療機関も、どこだっていいというわけにはいきません。
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(4) 細胞・組織の採取・保存・運搬

@ 採取者及び採取医療機関等の適格性

細胞・組織の採取者及び採取医療機関等に求めるべき技術的要件について、明らかにすること。


F 運搬方法

採取した細胞・組織やiPS(様)細胞作製原料となる体細胞を運搬する必要がある場合には、運搬容器、運搬手順(温度管理等を含む。)を定め、その妥当性について明らかにすること。

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