2014年04月09日

臨床研究実施者にとって一番大切なもの

今週は「「平成25年度臨床研究に関する倫理指針適合性調査」の結果報告」を見ます。

厚生労働省の「治験のホームページ」
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/

 
「臨床研究に関する倫理指針 適合性調査書面調査(臨床研究機関用)」について
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/140401_02.pdf

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組織の代表者と臨床研究を実施する責任者のやるべきことがチェックされています。

組織の代表者の責務の中で、僕が一番重要だと思うのは「安全管理措置に関する手順等」です。
    ↓
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2.2 組織の代表者等の責務

2.2.1 責務の履行に係る文書の有無

有 → 該当文書No. (複数の文書に係る場合は複数No.をご記入下さい。)
無 → 作成予定有(時期: 頃) 作成予定無


2.2.2 記載されている内容 (該当文書「有」の場合)

●個人情報の保護[第2 の4(1)]

●安全管理措置に関する手順等[第 2 の4(2)]

●苦情・問い合わせに関する対応[第 2 の4(3)]

●手数料の徴収等に関する手順等[第 2 の4(4)]

●業務の委任に関する文書等 [第2 の4(1)B]


「研究者等の責務」では、「健康被害の補償の措置に関する記載」が一番大事ですよね。

    ↓
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2.3 研究者等の責務

2.3.1 責務の履行に係る文書の有無

有 → 該当文書No. (複数の文書に係る場合は複数No.をご記入下さい。)

無 → 作成予定有(時期: 頃) 作成予定無


2.3.2 記載されている内容 (該当文書「有」の場合)

●被験者の生命、健康、プライバシー及び尊厳を守ることについての記載 [第2 の1(1)]

●科学的原則に基づき研究を行うことについての記載 [第2 の1(2)]

●インフォームド・コンセントの取得に関する記載 [第2 の1(3)]

●健康被害の補償の措置に関する記載 [第2 の1(4)]

●環境への配慮、動物実験時の配慮に関する記載 [第2 の1(5)]

●必要な知識、教育の受講についての記載 [第2 の1(6)]

●個人情報保護についての記載 [第2 の1(7)]





「研究責任者の責務」では、以下の3項目が大事だと思います。

●研究実施・継続についての研究機関の長の許可に関する記載

●重篤な有害事象及び不具合等の対応に関する記載

●年 1 回の研究実施状況、有害事象・不具合等の発生状況の報告に関する記載

    ↓
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2.4 研究責任者の責務

2.4.1 責務の履行に係る文書の有無

有 → 該当文書No. (複数の文書に係る場合は複数No.をご記入下さい。)

無 → 作成予定有(時期: 頃) 作成予定無



2.4.2 記載されている内容 (該当文書「有」の場合)

●研究計画書への記載事項に関する記載 [第2 の2(1)(4)]
(インフォームド・コンセントの手続き、研究実施計画及び作業内容を含む)

●安全性の十分な確保に関する記載 [第2 の2(2)]

●研究実施・継続についての研究機関の長の許可に関する記載 [第2 の2(3)]

●研究登録に関する記載 [第2 の2(5)]

●研究責任者の専門的知識及び臨床経験に関する要件の記載 [第2 の2(6)]

●臨床研究の適正性及び信頼性の確保に関する記載 [第2 の2(7)]

●重篤な有害事象及び不具合等の対応に関する記載 [第2 の2(8)、(10)]

●年 1 回の研究実施状況、有害事象・不具合等の発生状況の報告に関する記載 [第2 の2(9)]

●研究中の情報収集と研究継続の判断に関する記載 [第2 の2(11)]

●個人情報の保護体制に関する記載 [第2 の2(12)]

●研究終了後に最善の医療を提供することに関する記載 [第2 の2(13)]

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2014年04月08日

臨床試験における医療機関の長の役割は?

今週は「「平成25年度臨床研究に関する倫理指針適合性調査」の結果報告」を見ます。
厚生労働省の「治験のホームページ」
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/
 
「臨床研究に関する倫理指針 適合性調査書面調査(臨床研究機関用)」について
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/140401_02.pdf
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書面調査(臨床研究機関用)の当局のチェックリストも見ることができますよ。
   ↓
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1. 研究実施体制について保有するSOP・マニュアル・様式等の名称

・ 貴機関が保有する研究実施体制に関する文書名と提供の可否をご回答下さい。

・ 提供「可」にチェックした文書については本調査票とともにご提出をお願い致します。(実地調査時の閲覧・ヒアリングに要する時間を節約するため、可能な限りのご提供をお願い致します。)

・ 提供「否(閲覧のみ)」にチェックされた文書については、実地調査時に閲覧資料としてご用意下さい。(文書中に閲覧不可の部分がある場合には、黒塗等のブラインド処理をお願い致します。)

文書 No.1 文書名:
提供の可否 可 否(閲覧のみ) 備考:

文書 No.2 文書名:
提供の可否 可 否(閲覧のみ) 備考:

文書 No.3 文書名:
提供の可否 可 否(閲覧のみ) 備考:

文書 No.4 文書名:
提供の可否 可 否(閲覧のみ) 備考:

文書 No.5 文書名:
提供の可否 可 否(閲覧のみ



以下の文書・項目がチェックされますよん♪

院長先生の責任を明確にしておきましょう。
   ↓
2.1 臨床研究機関の長の責務
2.1.1 責務の履行に係る文書の有無
有 → 該当文書No. (複数の文書に係る場合は複数No.をご記入下さい。)
無 → 作成予定有(時期: 頃) 作成予定無

有(時期: 頃) 作成予定無
2.1.2 記載されている内容 (該当文書「有」の場合)

●倫理的配慮の周知徹底 [第2 の3(1)]

●被験者の健康被害等に対する補償等の確保 [第2 の3(2)]

●研究者等の臨床研究の業務に関する手順書の作成 [第2 の3(3)]

●重篤な有害事象及び不具合の対応

●研究者等が実施すべき事項に関する手順書の作成 [第2 の3(3)]

●研究機関の長の対応に関する手順等 [第2 の3(8)]

●臨床研究計画の審査、研究機関の長の許可に関する手順等

●臨床研究計画の審査に関する手順等 [第2 の3(4)]

●他の倫理審査委員会への審査依頼に関する手順等 [第2 の3(5)][第2 の2(3)<細則>3]

●倫理審査委員会への付議に関する手順等 [第2 の3(6)]

●研究機関の長による許可に関する手順等 [第2 の3(7)]

●厚生労働大臣への報告に関する手順等 [第2 の3(9)]

●予期しない重篤な有害事象・不具合の発生時の報告に関する手順等 [第2 の3(9)@]

●本指針の重大な逸脱の報告に関する手順等 [第2 の3(9)A]

●自己点検の実施に関する手順等(チェックシート等も含む) [第2 の3(10)]

●厚生労働大臣等の調査への協力に関する記載 [第2 の3(11)]

●研究者等の教育に関する記載 [第2 の3(12)]

●臨床研究計画の公開に関する手順等 [第2 の3(13)]
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臨床試験を実施されている施設の方は、上記のSOP・項目があるか、常に自己点検しましょうね。





 
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2014年04月05日

平成25年度臨床研究に関する倫理指針適合性調査」の結果報告

今週は「「平成25年度臨床研究に関する倫理指針適合性調査」の結果報告」を見ます。

 
厚生労働省の「治験のホームページ」
   ↓

 
「平成25 年度臨床研究に関する倫理指針 適合性調査総括報告書概要」について
   ↓

 
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面白いですよ。

でも、他山の石としないで、是非、自分の組織を見直してみましょうね。
  ↓
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1. 目的

臨床研究における被験者の尊厳と人権を守り、研究の円滑化を図ることを目的として、平成15年に「臨床研究に関する倫理指針」が定められ、平成20年に大幅改正された。

臨床研究機関や倫理審査委員会における手続き等が「臨床研究に関する倫理指針(平成20年7月31日全部改正)」(以下、倫理指針という)に適合していることの確認のための調査及び調査を実施した機関に対する倫理指針の周知、啓発等を行うことにより、倫理的な臨床研究の実施の確保に寄与することを目的とする。


2. 調査実施機関
「平成25年度臨床研究倫理指針適合性調査業務」に基づき、厚生労働省が独立行政法人医薬基盤研究所に委託して実施したものである。

 

3. 調査対象機関

今年度の調査対象として、厚生労働省平成25年度臨床研究中核病院整備事業で採択された1施設、平成19年度治験拠点病院活性化事業で採択された治験拠点医療機関5施設(内3施設は23年度以降も継続)及び平成24年度に臨床研究に関する倫理指針において、不適合事案があった1施設を選定した。


表1 調査対象機関の概要
調査対象機関    所在都道府県    病床数

 1          大阪府      800床規模

 2          岩手県     1200床規模

 3          東京都     1000床規模

 4          山口県     700床規模

 5          愛知県     700床規模

 6          宮崎県     600床規模

 7          東京都     1400床規模

 
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全部で7施設に調査に行ったんですね。
それらの施設に対して「臨床研究倫理指針適合性調査」をしたわけです。

 

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(2)調査内容

 
各医療機関の臨床研究担当者に別添1〜3について記載を求め、「臨床研究に関する倫理指針」に適合する運用が行われているかを確認した。

 
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5. 調査結果

1)書面および実地調査結果

 
別添1〜3の各項目について、「臨床研究に関する倫理指針」に適合する運用が行われているかどうかについて、書面調査及び実地調査を行った結果を以下に示す。


A : 十分である B : やや不十分なところがある C : 不十分である - : 該当せず・経験なし

「表1」

 施設名⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒ 1 2 3 4 5 6 7
 文書の整備状況       
 臨床研究機関の長の責務
 組織の代表者等の責務 B A A A
 研究者等の責務 A A A A A
 研究責任者の責務 A A A A A A
 インフォームドコンセント A A A A A A
 試料等の保存及び他の機関等の試料等の利用 A A A B
 利益相反の評価 B A A A A
 運用状況       
 健康被害の補償に対する対応 B A A A A
 臨床研究計画の審査・実施許可 A A A A A
 有害事象報告の受理 A A A A AA
 厚生労働大臣等への報告 A - - --  
 自己点検 B C B A B A
 研究者等の教育 A C A A A A
 臨床研究計画の登録 A B B A A
 個人情報保護 A B A A A A A
 試料等の保存等に関する対応状況B B B A A B
 臨床研究を指導・管理・支援する体制 B A A A B A
文書等の保管状況A A A A A A
 倫理審査委員会・文書整備状況       
 倫理審査委員会手順書等の記載内容 B A A A A A
 運用状況       
 委員の構成 A A A A A
 審査対象資料 A A A A
 審査内容 A A
 迅速審査の経験 A - A A B
 倫理審査委員会の情報公表 A A A A A
 倫理審査委員の教育 B C B A B B
 厚生労働大臣等への報告A  A A A A A A
 調査対象研究・文書整備状況       
 臨床研究計画書 A A A A A A
 説明文書・同意書 A A A A A A
 その他資料
 試料等の保存等に関する資料 B B A - - A
 運用状況       
 研究実施体制(モニタリング、DM、統計家等) B A C C
 インフォームドコンセントの取得状況 A A A A A
 重篤な有害事象・不具合の発生状況 - A A -
 研究に係る情報収集 A A A A A A A
 研究機関の長への報告 A B A A A
 研究計画及び研究成果の登録及び公開 A A A A
 健康被害の補償 - - - A A A
 試料等の保存等・個人情報の管理 B B A A



ざっくりと見ると「資料の保管」状況がよくないようですね。
この件は「ディオバン」事件の時にも指摘されています。

臨床研究の事務局が治験と同じ部署(治験事務局)と同じ部署ではかなり良い結果が出ています。
やっぱり、専門部署に一括にしたほうがいいですよね。(担当者は大変だとは思いますが。)
   ↓
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2)調査結果の概要
●今回の調査において顕著であったことは、臨床研究の事務局が治験と同じ部署である施設はかなり良い整備状況にあったが、総務等の事務方部署に事務局があるケースでは、整備が遅れる傾向にあったことである。

 
●調査対象となった7機関については、試験業務と倫理委員会の手順書は用意されていた。

但し、その作成時期は、今回の調査に備えて急遽作成されたものもあり、整備状況についてはかなり施設間差が認められた。

 
多くの場合、倫理委員会は臨床研究倫理指針以前から機能しており、試験業務の手順書の整備が遅れている施設でも倫理委員会の手順書・規定は古くから存在し、それにより臨床研究の各種業務が管理されていた。


●試験業務の手順書の内容については、倫理指針が求める各項を必ずしも網羅していなかったが、付随する規定文書、申請書式、試験実施計画書の雛形において、補完している例が多かった。

 
●全ての機関で自己点検が実施されていた。その多くは、医療機関の長への年次報告であったが、一施設では、監査の体制まで構築していた。

 
●研究者等の教育体制について、各施設とも指針に沿って教育制度を採り入れ、受講を研究実施の要件にするなど受講の促進に取り組んでいた。

 
しかしながら、倫理審査委員への教育については、実施しているものの明確な教育計画が立てられている機関は少なかった。

 
●一施設では、倫理委員会の開催直前に短時間の教育時間を設け、倫理審査委員の教育を行っていたことは特筆すべきことであった。

 
●試料等の保存について、手順書への項目立てにも差があり、いずれの施設も全体としての統一的な保管方法を定めず、病理部の規定に基づく程度の対応であった。

 
●健康被害の補償措置について、施設として包括契約を保険会社と締結している施設が1ヶ所あったが、各施設とも手順書においてその必要性が示されているものの、契約状況の文書を倫理委員会への資料とするなどその保険契約の有無についての確認方法は様々であった。

●倫理審査委員会の年1回の厚生労働大臣への報告について、すべての機関が対応していた。


●複数の施設において、試験実施計画書の改訂時に適切に倫理委員会へ審議申請・審議がなされないまま、試験が継続されていた事例が認められた。

 
これらは、研究責任者が変更手続きを失念していたことによるものであるが、各研究責任者が行う、年1度の施設の長への臨床試験実施状況報告においてもそれらは把握できず、進捗管理体制に何らかの手立てが必要と考えられた。

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倫理審査委員への教育については、必要性は感じるが、明確な教育計画が無い、と言う点が問題です。
そんな中にあって!!

「一施設では、倫理委員会の開催直前に短時間の教育時間を設け、倫理審査委員の教育を行っていたことは特筆すべきことであった。」
   
    ↑
これ、いいですよね。導入は簡単そうなので、是非、全国の倫理委員の教育に活用して頂ければと思います。

 
「監査」部門を持っている施設もあるんですね。(その施設に転職しようかな^^;)

 
「健康被害」の補償処置は少し、十分ではない、印象を受けます。

それと、治験で言うところの「IRBの継続審査」が臨床研究は弱いですね。こわい、こわい。
「今回の調査に備えて急遽作成されたものもあり」・・・・これまた、こわい、こわい。

 
でも、まぁ、それなりに、というのが当局の感想のようです。
   ↓
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6. まとめ
厚生労働省から指定された各地区の計7施設について、「臨床研究に関する倫理指針(平成20年7月31日全部改正)」への適合性を調査した。

その結果、今回の調査に備えて体制を見直し、各種文書を整備する等急遽対応がとられた施設もあったが、調査時点においては概ね指針に沿った体制整備と運用がなされており、今後は適切な運営が期待されると思われた。

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2014年04月04日

iPS細胞の治験

今週は「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」を見ます。
 
「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」について
   ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/biologics/120907-4.pdf

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最終製品については何に注意したらいいのでしょうか?
  ↓
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2 最終製品の品質管理法

最終製品について、以下に示す一般的な品質管理項目及び試験を参考として、必要で適切な規格及び試験方法を設定し、その根拠を明らかにすること。

ロットを構成しない製品を製造する場合は個別製品ごとに、ロットを構成する製品を製造する場合には、通常、各個別製品ではなく各ロットが品質管理の対象となるので、これを踏まえてそれぞれ適切な規格、試験方法を設定すること。


(1) 細胞数並びに生存率

得られた細胞の数と生存率は、最終製品又は必要に応じて適切な製造工程の製品で測定すること。なお、治験開始時においては、少数の試験的検体での実測値を踏まえた暫定的な規格を設定することでも良い。



(2) 確認試験

目的とする細胞・組織の形態学的特徴、生化学的指標、免疫学的指標、特徴的産生物質その他適切な遺伝型あるいは表現型のうち、重要細胞特性指標を選択して、目的とする細胞であることを確認すること。



(3) 細胞の純度試験

目的細胞以外の未分化細胞、異常増殖細胞、形質転換細胞の有無や混入細胞の有無等の細胞の純度について、目的とする細胞・組織の由来、培養条件等の製造工程、中間製品の品質管理等を勘案し、必要に応じて試験項目、試験方法及び判定基準を示すこと。

なお、治験開始においては、少数の試験的検体での実測値を踏まえた暫定的な規格を設定することでも良い。



(4) 細胞由来の目的外生理活性物質に関する試験

細胞由来の各種目的外生理活性物質のうち、製品中での存在量如何で患者に安全性上の重大な影響を及ぼす可能性が明らかに想定される場合には、適切な許容量限度試験を設定すること。

なお、治験開始においては、少数の試験的検体での実測値を踏まえた暫定的な規格を設定することでも良い。



(5) 製造工程由来不純物試験

原材料に存在するか又は製造過程で非細胞成分、培地成分(フィーダー細胞を含む)、資材、試薬等に由来し、製品中に混入物、残留物、又は新たな生成物、分解物等として存在する可能性があるもので、かつ、品質及び安全性の面からみて望ましくない物質等(例えば、ウシ胎児血清由来のアルブミン、抗生物質等)については、当該物質の除去に関するプロセス評価や当該物質に対する工程内管理試験の結果を考慮してその存在を否定するか、又は適切な試験を設定して存在許容量を規定すること。

試験対象物質の選定及び規格値の設定に当たっては、設定の妥当性について明らかにすること。

なお、治験開始時においては、少数の試験的検体での実測値を踏まえた暫定的な規格を設定することでも良い。

・・・・・など等

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以下、生物由来の製品特有の試験・規格が続きます。

たとえば、

(7) エンドトキシン試験

(8) ウイルス試験

(9) 効能試験

(10) 力価試験

(11) 力学的適合性試験

・・・・・・・・というように。




さて、話はいっきに飛びます!^^;
    ↓
第7章 臨床試験 です。
    ↓
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第7章 臨床試験

ヒトiPS(様)細胞加工医薬品等の臨床試験を開始するに当たって支障となる品質及び安全性上の問題が存在するか否かの段階における安全性については、臨床上の有用性を勘案して評価されるものであり、ヒトiPS(様)細胞加工医薬品等について予定されている国内の臨床試験計画について以下の項目を踏まえて評価すること。


その際、明らかに想定される製品のリスクを現在の学問・技術を駆使して排除し、その科学的妥当性を明らかにした上で、なお残る「未知のリスク」と、重篤で生命を脅かす疾患、身体の機能を著しく損なう疾患、身体の機能や形態を一定程度損なうことによりQOL を著しく損なう疾患などに罹患し、従来の治療法では限界があり、克服できない患者が「新たな治療機会を失うことにより被るかもしれないリスク」とのリスクの大小を勘案し、かつ、これらすべての情報を開示した上で患者の自己決定権に委ねるという視点を持つこと、すなわち、リスク・期待されるベネフィットの情報を開示した上で臨床試験に入るかどうかの意思決定は患者が行うという視点を入れて評価することが望まれる。


1 対象疾患

2 対象とする被験者及び除外すべき被験者の考え方

3 ヒトiPS(様)細胞加工医薬品等及び併用薬の適用を含めた被験者に対して行われる治療内容(注:投与・移植した細胞の機能を維持・向上・発揮させるために併用する薬剤が想定される場合、当該薬剤の作用をin vitro あるいはin vivo で検証すること)。

4 既存の治療法との比較を踏まえた臨床試験実施の妥当性

5 現在得られている情報から想定される製品並びに患者のリスク及びベネフィットを含め、被験者への説明事項の案


なお、臨床試験は、適切な試験デザイン及びエンドポイントを設定して実施する必要があり、目的とする細胞・組織の由来、対象疾患及び適用方法等を踏まえて適切に計画すること。

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さて、今週はiPS細胞を利用した「医薬品」の品質及び安全性の確保に関する指針をざっくりと(思いっきり、ざっくりと)見てきました。

出てくる単語が分からないとか、一体、何を言っているのか、想像すらできない、ということもあると思います。

でも、それで、とりあえずは、いいのです。

大事なことは、ここから学んでいくということ。

誰だって、最初は素人です。

今回の指針に興味を持って、ひとりでも多くのiPS細胞の治験のエキスパートが出てくること願っています。(他力本願だけどさ。)

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2014年04月03日

ね、「ウイロイド」って何?

今週は「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」を見ます。
 
「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」について
   ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/biologics/120907-4.pdf

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「非細胞成分と組み合わせる場合」の注意点もあります。
  ↓
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@ 細胞以外の原材料の品質及び安全性について

細胞とともに最終製品の一部を構成する非細胞の原材料(マトリックス、医療材料、スキャフォールド、支持膜、ファイバー及びビーズ等)がある場合には、その品質及び安全性に関する知見について明らかにすること。

当該原材料の種類と特性、最終製品における形態・機能及び想定される臨床適応の観点から見た品質、安全性及び有効性評価との関連を勘案して、適切な情報を提供すること。

生体吸収性材料を用いる場合には、分解生成物に関して必要な試験を実施すること。

なお、必要な試験等については、平成15 年2 月13 日付け医薬審発第0213001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「医療用具の製造(輸入)承認申請に必要な生物学的試験の基本的考え方について」等を参照し、試験結果及び当該原材料を用することの妥当性を示すこと。

文献からの知見、情報を合理的に活用すること。

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「細胞に遺伝子工学的改変を加える場合」の注意点です。
  ↓
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細胞に遺伝子を導入する場合は、次に掲げる事項に関する詳細を示すこと。

@ 目的遺伝子の構造、由来、入手方法、クローニング方法並びにセル・バンクの調製方法、管理方法及び更新方法等に関する情報

A 導入遺伝子の性質

B 目的遺伝子産物の構造、生物活性及び性質

C 遺伝子導入構成体を作製するために必要なすべての原材料、性質及び手順(遺伝子導入法並びに遺伝子導入用ベクターの由来、性質及び入手方法等)

D 遺伝子導入構成体の構造や特性

E ベクターや遺伝子導入構成体を作製するための細胞やウイルスのバンク化及びバンクの管理方法

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「クローニング」とは生物学用語で、クローン(同じ遺伝子型をもつ生物の集団)を作製すること。

これから転じて分子生物学的文脈においては、ある特定の遺伝子を増やす、つまり遺伝子を単離することを意味する。



「セル・バンク」とは、均一な組成の内容物をそれぞれに含む相当数の容器を集めた状態で、一定の条件下で保存しているものである。個々の容器には、単一の細胞プールから分注された細胞が含まれている。
  ↓
http://www.pmda.go.jp/ich/q/q5d_00_7_14.pdf


「ベクター」とはラテン語の運び屋 (vehere) に由来し、遺伝子組換え技術に用いられる、組換えDNAを増幅・維持・導入させる核酸分子。 挿入するDNA断片の大きさや挿入の目的によって、それを挿入するために様々な特徴を付加された媒体がベクターとして使い分けられる。また、単なるライブラリーをつくるためのベクターや、ひとまずクローニングするためのベクター、挿入したDNA断片からタンパク質を翻訳させる発現ベクターなどがある。



さらに、指針の中に次のような文言があります。
  ↓
「ウイルス」及び「ウイロイド」に対して遺伝子工学的改変を加える場合には、別途手続きが必要となるので留意すること。


ね、「ウイロイド」って何? という感じです。

「ウイロイド」とは塩基数が200〜400程度と短い環状の一本鎖RNAのみで構成され、維管束植物に対して感染性を持つもの。

分子内で塩基対を形成し、多くは生体内で棒状の構造をとると考えられる。

ウイルスは蛋白質でできた殻で覆われているがウイロイドにはそれがなく、またプラスミドのようにそのゲノム上にタンパク質をコードすることもない。

複製はローリングサークルと呼ばれる様式で行われ、核内あるいは葉緑体内で複製される。

この過程では、それぞれの単位がタンデムに連なった状態に複製されるが、これを切断する過程がリボザイムによって触媒されるウイロイドも知られる。

このようなことから、ウイロイドをRNA生物の生きた化石と見なし、ウイロイド様のものから生物が進化したとする説がある (reviewed in Symons 1997; Pelchat et al. 2003)。

あるいはまた、RNAの切れ端が自己複製機能を有するようになったものがウイロイドであるとする説もある。

世界で最初に発見されたウイロイドは、セオドール・ディーナーによって1971年に記述されたジャガイモやせいもウイロイド (Potato spindle tuber viroid) である。



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