2014年04月30日

医療分野の研究開発に関する専門調査会報告書のポイント

●医療分野の研究開発に関する専門調査会報告書のポイント

今週は『日本版NIH(その4)』です。

詳細は下記のサイトをご覧ください。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/



上記のページの平成26年 3月31日 「第6回 健康・医療戦略参与会合」を見ます。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai6/gijisidai.html

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今週も、資料のコピペだけですので、上記にある資料を自分で読む! という方はスキップしてくださいね。

さて、いきますか。



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●医療分野の研究開発に関する専門調査会報告書のポイント
    ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai6/siryou3.pdf

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<<<< 考え方 >>>>


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1.医学研究の新しい展開

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・iPS細胞、ゲノム解析等の医療に関する新たな知見や技術開発。

・医療分野の研究開発はヒトを対象とし、実用化を重視

・まだ病気でない状態からの対応の重要性

・社会との協働、倫理の遵守、透明性の確保など、社会の中の研究


●基礎研究から医療における評価までの循環

(1)基礎的な研究

生命や病気の仕組みを明らかにす

     ↓

(2)臨床への橋渡し

有効性、安全性の試験

法律やガイドラインの研究

ヒトでの臨床試験、治験など

     ↓

(3)医療現場での利用

少数例での検討研究

多数の患者での検証 臨床現場での工夫と研究



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2.課題;新しい展開に対応していない

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・基礎研究:研究成果の展開に関するマネジメントが不十分

・臨床研究:データ管理、知財、倫理等の研究支援体制と研究費が不十分 ←データの信頼性もね。

・企業:規模が小さい、ベンチャー企業が不足

・国:縦割りの研究支援  ←これが、一番のネックですよね。■■■■■





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3.課題解決のための観点

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1.基礎研究成果を実用化に繋ぐ体制の構築

(1)臨床研究・治験実施環境の抜本的向上

(2)「循環型研究開発」の推進とオープンイノベーションの実現

2.医薬品・医療機器開発の新たな仕組みの構築

基礎から臨床研究、実用化までの一貫した取組  ←「死の谷」を作らないでくださいね。■■■■■

3.エビデンスに基づく医療の実現に向けた取組

4.ICTに関する取組

5.世界最先端の医療の実現に向けた取組

(1)再生医療の実現

(2)ゲノム医療の実現

(3)その他の先進的な研究開発への取組

6.国際的視点に基づく取組

(1)国際的視野でのテーマ設定

(2)国際協力・展開及び国際貢献(欧米、アジア等)

(3)規制の国際整合等

7.人材育成   ←大事、大事!■■■■■

8.公正な研究を行う仕組み及び倫理・法令・指針遵守のための環境整備

9.研究基盤の整備

10.知財のマネジメントへの取組




<<<<< 実行方策 >>>>>

●4.新たな医療分野の研究開発体制

1.新たに独立行政法人「日本医療研究開発機構」を創設

2.基礎研究から実用化へ一貫して繋ぐプロジェクトの実施

→ 各省連携プロジェクト等

3.共通基盤の整備・利活用

4.臨床研究中核病院の医療法上の位置づけ  ←是非、頑張って欲しいです。■■■■■

・国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う病院を臨床研究中核病院として承認する。

・質の高い臨床研究を推進し、次世代のより良質な医療の提供を可能にする。

5.フォローアップ(詳細は来週!■■■■■)



<<<<< 将来像・目標 >>>>>

・これまで治らなかったがんが治るようになる

・認知症やうつ病の予防が可能になる  ←「うつ病」の予防を期待!■■■■■

・再生医療により、視力や脊髄損傷が回復するようになる

・個人の遺伝情報に基づいた適切な治療法や予防法が提供される

・感染症の新たな治療薬やワクチンが開発される

・日本発の画期的な治療薬が作られ、一番優れた治療薬が日本で一番早く使えるようになる ←是非、是非!■■■■■

・日本の技術を生かした画期的な医療機器を開発される

・医療機器の輸出額が倍増する(⇒医療分野の貿易赤字が解消される)



【期待される将来像】

1.世界をリードする医療を提供

→ 健康寿命の延伸

2.医薬品・医療機器分野における産業競争力の向上

→ 経済成長に貢献

3.医療技術や産業競争力を活かした国際連携

→ 地球規模の課題への取組、国際貢献



【各省連携プロジェクトによる成果目標例】

●2015年までに

・がんを早期に発見するためのマーカーを5種類同定。

・PETによってアルツハイマー病を発症前に発見する診断法の確立。

・加齢黄斑変性、角膜疾患、膝半月板損傷、骨・軟骨再建に関するiPSのヒトでの臨床研究開始。



●2020年までに

・10種類以上のがん治療薬の治験開始

・認知症、うつ病の治療薬の治験開始

・感染症の新たな迅速診断法の開発

・国内医療機器市場を3.2兆円へ拡大

・再生医療市場の拡大(2012年90億円→950億円)


上記のように目標があると、国民も、「税金の無駄遣いしてないよね?」とか「お!頑張ってるじゃん!」とかなるのでいいと思います。

研究者も目標があったほうがいいのは言うまでもありません。


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2014年04月29日

オールジャパンでの医療機器開発

今週は『日本版NIH(その4)』です。

久々ですね、日本版NIH(とは呼ばないそうですが。)

詳細は下記のサイトをご覧ください。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/



上記のページの平成26年 3月31日 「第6回 健康・医療戦略参与会合」を見ます。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai6/gijisidai.html

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今週も、資料のコピペだけですので、上記にある資料を自分で読む! という方はスキップしてくださいね。

さて、いきますか。


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2.オールジャパンでの医療機器開発 平成26年度新独法対象経費 112億円

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文科省、厚労省、経産省の連携体制による、世界最先端で医療ニーズに応える医療機器開発とその支援体制の整備

がん、認知症等の克服に必要な我が国発の優れた医療機器について、医療ニーズを確実に踏まえて、日本の強みとなるものづくり技術も活かしながら、開発・実用化を推進し、研究開発から実用化につなげる体制整備を進める。

これにより、世界最先端の医療が受けられる社会を目指す。


【2015年度までの達成目標】

○医療機器開発・実用化促進のためのガイドラインを新たに10本策定

○国内医療機器市場規模の拡大 2.7兆円



【2020年頃までの達成目標】

○医療機器の輸出額を倍増(平成23年約5千億円→約1兆円)

○5種類以上の革新的医療機器の実用化

○国内医療機器市場規模の拡大 3.2兆円






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3.革新的医療技術創出拠点プロジェクト 平成26年度 新独法対象経費 121億円

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●文部科学省と厚生労働省の連携(期待したい!!!)

・文科省及び厚労省が一体となって新たな事業を創設することにより、両省の強みを生かしながら、アカデミア等における画期的な基礎研究成果を一気通貫に実用化に繋ぐ体制を構築するとともに、各開発段階のシーズについて国際水準の質の高い臨床研究・治験を実施・支援する体制の整備もおこなう。

・拠点組織や研究費を大幅に拡充・強化し、革新的な医薬品・医療機器が持続的にかつより多く創出される体制を構築する。


【2015年度までの達成目標】

・医師主導治験届出数 20件(年間)

・FIH試験※(企業治験含む)25件(年間)


【2020年頃までの達成目標】

・医師主導治験届出数 40件(年間)

・FIH試験※ (企業治験含む)40件(年間)


※ FIH(First in Human)試験:ヒトに初めて新規薬物・機器等を投与・使用する臨床試験


【関連指標】

・臨床研究・医師主導治験の増加(期待したい!!!!)

・我が国発の革新的な医薬品・医療機器の増加


●文部科学省

・基礎段階から実用化までシーズを育成

橋渡し研究加速ネットワークプログラム(H26: 65億円)
   ↓
http://www.tr.mext.go.jp/


●厚生労働省

・国際水準の臨床研究・治験の実施環境の整備

臨床研究中核病院整備事業等※ (H26: 56億円)(H25補正:14億円)

※ 臨床研究中核病院/早期・探索的臨床試験拠点/日本主導型グローバル臨床研究拠点の整備


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 <臨床研究中核病院>

●東北大学病院

●群馬大学医学部附属病院

●国立成育医療研究センター

●国立病院機構 名古屋医療センター

●岡山大学病院

●北海道大学病院

●千葉大学医学部附属病院

●名古屋大学医学部附属病院

●京都大学医学部附属病院

●九州大学病院


 <早期・探索的臨床試験拠点>

●国立がん研究センター東病院 (医薬品/がん分野)

●大阪大学医学部附属病院 (医薬品/脳・心血管分野)

●国立循環器病研究センター (医療機器/脳・心血管分野)

●東京大学医学部附属病院 (医薬品/精神・神経分野)

●慶應義塾大学病院 (医薬品/免疫難病分野)



 <日本主導型グローバル臨床研究拠点>

●学校法人北里研究所 北里大学病院

●公益財団法人 先端医療振興財団


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●上記の文部科学省と厚生労働省の事業の一体化
   ↓
革新的医療技術創出拠点

シーズを育成し、国際水準の臨床研究・治験を実施

○PD、PO、サポート機関等の推進体制及び事業運営委員会、拠点調査等の運営を一元化

○人件費、設備維持費等の拠点経費及び研究費を統合し、拠点の組織・機能を一元化

○一気通貫に実用化に繋ぐ体制を整備するとともに、国際水準の質の高い臨床研究・治験を実施・支援する体制も整備

○基礎段階から実用化させるまでに必要な専門人材を大幅拡充し、シーズ育成能力を大幅拡充




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4.再生医療の実現化ハイウェイ構想 平成26年度 新独法対象経費 151億円(平成25年度補正 4億円)

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●文部科学省、厚生労働省、経済産業省の連携による、いち早い再生医療・創薬の実現


『文部科学省、厚生労働省、経済産業省の連携』←これが一番大事ですよね。


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2014年04月26日

今週は『日本版NIH(その4)』です。

●今週は『日本版NIH(その4)』です。

●医学研究の新しい展開について

今週は『日本版NIH(その4)』です。

久々ですね、日本版NIH(とは呼ばないそうですが。)

詳細は下記のサイトをご覧ください。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/



上記のページの平成26年 3月31日 「第6回 健康・医療戦略参与会合」を見ます。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai6/gijisidai.html

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今週も、資料のコピペだけですので、上記にある資料を自分で読む! という方はスキップしてくださいね。

さて、いきますか。


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●平成26年度 医療分野の研究開発関連予算のポイント

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai6/siryou2.pdf

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新独法対象経費(26年度決定):1,215億円(文570、厚476、経169)[ 調整費 ] 175億円(科学技術イノベーション創造推進費(500億円)のうち35%(175億円)を医療分野の研究開発関連の調整費として充当。)


予算が約1200億円ですね。


アメリカのNIHはどうでしょうか?

その歴史も含めて見てみましょう。
   ↓
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1870年代、移民増加により様々な伝染病がもたらされていた。

1887年、ニューヨーク州スターテン島の病院に作られた衛生研究室で、コレラ菌を分離したのが始まりである。

以後、ありふれた風邪から、稀な遺伝病など、様々な病気・障害の原因・診断法・治療法・予防法を研究する。

また、その知識を普及させることで、人類の健康状態を改善させる。ノーベル賞受賞者は100人を超える。

自前で研究するだけでなく、世界中の研究機関に対する助成もする。

年間の予算額は250億米ドルから300億米ドルで、その8割以上が2,800余りの大学と研究機関、5万人以上の研究者に、助成金や奨学金として配分されている。

ヒトゲノム計画の解読結果にもとづいて癌やパーキンソン病、アルツハイマー病の診断や治療法の確立をすすめるほか、2001年に合衆国が炭疽菌攻撃を受けてからはバイオテロの予防も行う。

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米国のNIHの予算は2,500,000,000,000円(1ドル=100円として)〜3,000,000,000,000円ですから2.5兆円〜3兆円ですね。

繰り返しますが、日本のNIH(とは言わないらしいですが)の予算は約1200億円ですから10分の1ぐらいです。



さて、日本版NIHを引き続きみていきましょう。

●主な取組

*健康・医療戦略推進本部の下で各省が連携し、医療分野の研究開発を政府一体で推進

・医薬品・医療機器開発への取組

  ・医薬品創出の基盤強化 254億円<新独法198億円、インハウス55億円>

  ・オールジャパンでの医療機器開発 112億円<新独法>


・臨床研究・治験への取組

  ・革新的医療技術創出拠点プロジェクト 121億円<新独法>


・世界最先端の医療の実現に向けた取組

  ・再生医療の実現化ハイウェイ構想 151億円<新独法>

  ・疾病克服に向けたゲノム医療実現化プロジェクト 70億円<新独法55億円、インハウス16億円>


・疾病領域ごとの取組

  ・ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト 172億円<新独法>

  ・脳とこころの健康大国実現プロジェクト 71億円<新独法>

  ・新興・再興感染症制御プロジェクト 53億円<新独法36億円、インハウス17億円>

  ・難病克服プロジェクト 93億円<新独法>



●(参考)25補正予算における主な取組

*医療分野の研究開発の推進

○【厚労省】 革新的な医薬品等の研究開発等の一部 28億円<新独法18億円、インハウス10億円>
 
・臨床研究中核病院等で実施している研究をより加速するため、研究の実施に必要な設備整備等




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1.医薬品創出の基盤強化に向けて

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平成26年度新独法対象経費 198億円

●文科省、厚労省、経産省が連携して推進

【2015年度までの達成目標】(2015年度って、来年ですけど・・・・・・)

○相談・シーズ評価 400件

○有望シーズへの創薬支援 40件

○企業への導出(ライセンスアウト) 1件


【2020年頃までの達成目標】

○相談・シーズ評価 1500件

○有望シーズへの創薬支援 200件

○企業への導出(ライセンスアウト) 5件



こういう目標を立てると、僕なんか、「とりあえず、数字だ!」とか言っちゃって、たいしたモノでもないのに、無理やり企業へ導出して、「やった!1件、ライセンスアウト!無事に目標達成!!」なんてやるんですよね。(あくまでも、僕の場合は、ということで。)



■■■ <創薬支援ネットワーク等の支援基盤> ■■■

創薬支援ネットワーク : 創薬支援ネットワーク協議会・実務担当者会議による強固な連携・協力体制を形成

【理化学研究所の取組】(今、話題の、、、ですね。)

【医薬基盤研究所の取組】

【産業技術総合研究所の取組】

・・・・・ということで、上記の3つの組織が連携するみたいですよ。


●【理化学研究所の取組】
    ↓
http://www.riken.jp/


●【医薬基盤研究所の取組】
    ↓
http://www.nibio.go.jp/index.html


●【産業技術総合研究所の取組】
    ↓
http://www.aist.go.jp/



●創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業【創薬連携研究機関】平成26年度予算:38.9億円

我が国の大学等の優れた基礎研究の成果を医薬品等としての実用化につなげるために、創薬等のライフサイエンス研究に資する高度な技術や施設等を共用する創薬・医療技術支援基盤を構築して、大学・研究機関等による創薬等の研究を支援する。

●創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業
    ↓
http://pford.jp/




■■■ <創薬基盤技術開発>平成26年度予算 58.8億円 ■■■

●先端的基盤開発研究(創薬基盤推進事業)

●臨床応用基盤研究(医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・治験推進研究))

我が国の大学等の優れた基礎研究の成果を医薬品等としての実用化につなげるために、医師主導治験を始め、大学等によるコンパニオン診断薬及び既存薬と難病・希少疾病等を関連付けるためのエビデンス構築(ドラッグ・リポジショニング)に係る研究等を支援。


・創薬基盤推進研究経費
    ↓
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kenkyujigyou/hojokin-koubo-h24/gaiyo/05-01.html




■■■ <希少疾患治療薬等開発支援>平成26年度予算 28.5億円 ■■■

●先駆的医薬品・医療機器研究発掘支援事業

難病・希少疾患など企業の主体的な研究開発が進みにくい領域や革新的な技術・手法を用いる先駆的な研究を支援


・先駆的医薬品・医療機器研究発掘支援事業
    ↓
http://www.nibio.go.jp/part/promote/fundamental/doc/index.html



■■■ 革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発 平成26年度予算 11.0億円 ■■■

我が国のバイオ医薬品の国際競争力を強化するため、以下のような「次世代バイオ医薬品技術開発」を実施し、5年以内に世界初の次世代バイオ医薬品のシーズ設計・創出技術を企業等へ移転

・細胞内標的を創薬ターゲットとする技術、低分子化、特定の組織、細胞への送達技術、エピジェネティクス制御技術、核酸医薬の高活性化及び安定性向上等、糖鎖構造の制御技術等


・革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発
    ↓
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2013/12/05/1342054_4.pdf



■■■ 次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業 平成26年度予算 52.7億円 ■■■ 

●高品質なバイオ医薬品製造技術

●高効率医薬品シーズ探索技術

●低侵襲サンプリング診断技術



・次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業
    ↓
http://www.meti.go.jp/information/publicoffer/kobo/k140124001.html


■■■ 審査の迅速化、質の向上と安全対策の強化 平成26年度予算 8.6億円 ■■■ 

最先端技術を用いた革新的医薬品について、その適切な評価方法を開発し、実用化への道筋を明確化すること等に資する研究を推進


これ(↑)は、強く、強く、目標が達成されることを希望します。

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2014年04月25日

ヘルシンキ宣言を読む。「ヘルシンキ宣言は実践してなんぼじゃ!」

今週は「ヘルシンキ宣言」(2013年版:フォルタレザ総会(ブラジル)で修正)を見ていきます。
   ↓
http://dl.med.or.jp/dl-med/wma/helsinki2013j.pdf


2013年改訂版の焦点は、以下とおり。
   ↓
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20131030_21.pdf

なお、「フォルタレザ総会でのヘルシンキ宣言の見直しについて(パブリックコメントのための改訂草案)」は以下のところにあります。
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=145967&name=2r98520000032v61_1.pdf


ちなみに1つ前の「ソウル版」は下記のページの下のほうに保存してあります。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/herushinki


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今週は「ヘルシンキ宣言」を見てきました。

治験に関わっていると「GCP」の中に「ヘルシンキ宣言に従う」というような文言があるので、「ヘルシンキ宣言」という名称だけはご存じですよね。

でも、なかなか全文を読む時間がないので、「はしょったり」して・・・・・・・。

今回の改訂で、僕も久々に読みましたが(^^;)、やっぱり、読みにくいですよね。

英語のヘルシンキ宣言を無理矢理、日本語訳にしているところも読みにくい一因です。

英語のヘルシンキ宣言の原文を読んだ方が分かりやすい、というようなところもあります。
   ↓
http://dl.med.or.jp/dl-med/wma/helsinki2013e.pdf



●ヘルシンキ宣言のなかで重要な基本原則は以下のようなものですね。

1.患者・被験者福利の尊重。

2.本人の自発的・自由意思による参加。

3.インフォームド・コンセント取得の必要。

4.倫理審査委員会の存在。

5.プロトコルの作成


ヘルシンキ宣言も科学の発展等で、何度か改訂しています。

「ゲノム関係」とか「プラセボの使用」とか「バイオバンク」、「健康被害に対する補償」など等。

今後も科学、医学の発展、社会情勢や倫理観の時代的変化等により改訂があるでしょう。


ヘルシンキ宣言の中の「研究登録と結果の刊行および普及」等を読むと、昨今のデータの改ざん疑惑につい想いがいきます。

ヘルシンキ宣言は「名目」ではなく「実践」してこそ、その価値を発揮するものです。


ヘルシンキ宣言に関連するものとしては以下のものがあります。

●ニュルンベルク綱領
   ↓
http://med.kyushu-u.ac.jp/recnet_fukuoka/houki-rinri/nuremberg.html


●ジュネーブ宣言
   ↓
http://www.med.or.jp/wma/geneva.html


●リスボン宣言
   ↓
http://www.med.or.jp/wma/lisbon.html


1年に1回は「ヘルシンキ宣言」を読み、考え、自分の行動について振り返りたいと思います。

必要ですよね?

なお、こんなのも出ています。
     ↓
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●製薬企業による臨床研究支援の在り方に関する基本的考え方
     ↓
http://www.jpma.or.jp/event_media/release/pdf/20140422.pdf
     ↓
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     ↓
2014 年4 月22 日

製薬企業による臨床研究支援の在り方に関する基本的考え方

日本製薬工業協会


1. はじめに

昨年8 月厚生労働大臣のもとに「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」が設置され、問題事例の検証・真相究明とともに、再発防止に向け、我が国の臨床研究の在り方全般について検討が行われてきた。

昨年10 月8 日には検討委員会としての中間とりまとめが公表され、また本年4 月11 日には報告書「高血圧症治療薬の臨床研究事案を踏まえた対応及び再発防止策について」が取りまとめられたが、この検討の過程においては、製薬企業に対しても、今後の臨床研究支援の在り方に関し、指摘や要請が行われている。

今般、これらの論点について、当協会の考え方を「製薬企業による臨床研究支援の在り方に関する基本的考え方」として以下のとおり取りまとめた。

なお、この基本的考え方については、現在見直しが進められている「臨床研究に関する倫理指針」(厚生労働大臣告示)や、臨床研究に係る法制化の検討状況等も見極めながら、必要な場合には修正を加えるなど、柔軟かつ適切に対応していくこととする。



2. 臨床研究への支援の在り方に関する基本的考え方

(1)自社医薬品に関する臨床研究に対する資金提供や物品供与等の支援は、契約により実施すること。

また、契約の中で臨床研究に使用されなかった資金や物品は適切に企業に返還されるべき旨を明確にしておくこと。

なお、臨床研究に関わる労務提供については、データ解析業務等研究結果や研究の中立性に疑念を抱かせるような労務提供は行わないものとする。


(2)臨床研究における客観性と信頼性を確保するためには、研究者の独立性が極めて重要であることを認識し、利益相反関係に十分留意の上、支援を行うこと。


3. 奨学寄附金の提供の在り方

奨学寄附金は本来の趣旨に則り適切に提供することとし、今後自社医薬品に関する臨床研究に対する資金提供の支援方法としては用いないこと。

また、奨学寄附金提供に当たっては、社内の営業部門から独立した組織において利益相反を十分確認の上決定することとし、奨学寄附の経緯等の記録を作成し、適切に保管しておくこと。

なお、奨学寄附金により自社医薬品に関する臨床研究が行われていることを知った場合は、できる限り早期に契約に切り替えること。


以 上

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2014年04月24日

ヘルシンキ宣言を読む。「研究結果の倫理的責務にスポンサーも追加」

今週は「ヘルシンキ宣言」(2013年版:フォルタレザ総会(ブラジル)で修正)を見ていきます。
   ↓
http://dl.med.or.jp/dl-med/wma/helsinki2013j.pdf


2013年改訂版の焦点は、以下とおり。
   ↓
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20131030_21.pdf

なお、「フォルタレザ総会でのヘルシンキ宣言の見直しについて(パブリックコメントのための改訂草案)」は以下のところにあります。
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=145967&name=2r98520000032v61_1.pdf


ちなみに1つ前の「ソウル版」は下記のページの下のほうに保存してあります。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/herushinki


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今日は「プラセボの使用」、「研究終了後条項」、「研究登録と結果の刊行および普及」、「臨床診療における未実証の治療」を見ます。

なお、条文の数字のあとに「旧1項」等とあるのはソウル版の時のヘルシンキ宣言の項目番号を示しています。

ヘルシンキ宣言のソウル版とどこが違うのかが分かると思います。

ヘルシンキ宣言(ソウル版)と比較ができます。

旧項目番号の次にヘルシンキ宣言の改訂箇所も簡単に記載しています。



■■■ プラセボの使用 ■■■

33. (旧32項。下記の文章中の「」で括ったところが改訂箇所)

新しい治療の利益、リスク、負担および有効性は、以下の場合を除き、最善と証明されている治療と比較考量されなければならない:

証明された治療が存在しない場合、プラセボの使用または無治療が認められる;

あるいは、説得力があり科学的に健全な方法論的理由に基づき、「最善と証明されたものより効果が劣る治療」、プラセボの使用または「無治療」が、その治療の有効性あるいは安全性を決定するために必要な場合、そして、「最善と証明されたものより効果が劣る治療」、プラセボの使用または無治療の患者が、「最善と証明された治療を受けなかった結果として」重篤または回復不能な損害の「付加的リスク」を被ることがないと予想される場合。

この選択肢の乱用を避けるため徹底した配慮がなされなければならない。




■■■ 研究終了後条項 ■■■

34. (旧33項。試験後のアクセス問題の明記と補強。)

臨床試験の前に、スポンサー、研究者および主催国政府は、試験の中で有益であると証明された治療を未だ必要とするあらゆる研究参加者のために試験終了後のアクセスに関する条項を策定すべきである。

また、この情報はインフォームド・コンセントの手続きの間に研究参加者に開示されなければならない。




■■■ 研究登録と結果の刊行および普及 ■■■

35. (旧19項。修正なし。)

人間を対象とするすべての研究は、最初の被験者を募集する前に一般的にアクセス可能なデータベースに登録されなければならない。


36. (旧30項。倫理的責務を負う人に「研究者」と「スポンサー」を追加。)

すべての研究者、著者、スポンサー、編集者および発行者は、研究結果の刊行と普及に倫理的責務を負っている。

研究者は、人間を対象とする研究の結果を一般的に公表する義務を有し報告書の完全性と正確性に説明責任を負う。

すべての当事者は、倫理的報告に関する容認されたガイドラインを遵守すべきである。

否定的結果および結論に達しない結果も肯定的結果と同様に、刊行または他の方法で公表されなければならない。

資金源、組織との関わりおよび利益相反が、刊行物の中には明示されなければならない。

この宣言の原則に反する研究報告は、刊行のために受理されるべきではない。





■■■ 臨床診療における未実証の治療 ■■■


37. (旧35項。医学的措置を今後の研究対象とするための条件を強化。)

個々の患者の処置において証明された治療が存在しないかまたはその他の既知の治療が有効でなかった場合、患者または法的代理人からのインフォームド・コンセントがあり、専門家の助言を求めたうえ、医師の判断において、その治療で生命を救う、健康を回復するまたは苦痛を緩和する望みがあるのであれば、証明されていない治療を実施することができる。

この治療は、引き続き安全性と有効性を評価するために計画された研究の対象とされるべきである。

すべての事例において新しい情報は記録され、適切な場合には公表されなければならない。


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上記の中で大事なことは以下のとおりです。

二重かっこ(『』)で囲ったところが、特に重要です。


●33. プラセボの使用または無治療が、その治療の有効性あるいは安全性を決定するために必要な場合にはプラセボの使用が認められる

●34. 『試験終了後』のアクセスに関する条項を策定すべきである。

●36. すべての『研究者』、著者、『スポンサー』、編集者および発行者は、研究結果の刊行と普及に倫理的責務を負っている。←最近のデータ偽装疑惑を考えさせられますね。

●37. この治療は、『引き続き』安全性と有効性を評価するために計画された研究の対象とされるべきである。


posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ヘルシンキ宣言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする