2013年12月31日

「原本紛失」の対処方法

製薬協「治験119」
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http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/tiken119/
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質問番号:2013-42 SAE報告書原本の紛失(373頁目)

当院で重篤な有害事象(SAE)が発生し、治験責任医師が作成したSAE報告書原本を、IRB審議資料準備過程で紛失しました。

紛失した旨を治験責任医師に報告し、原本を再度作成し、再度作成したものが、原本と相違がないことを保証する旨を治験責任医師が記載・署名し、顛末書とともに保存することとしました。

しかし、SAE報告書原本は、実施医療機関の長、治験依頼者宛てに2部作成されています。

今回紛失した原本は、実施医療機関の長宛のものであり、治験依頼者宛て原本は既に治験依頼者に提出されています。

また、実施医療機関の長宛て原本を紛失する前にコピーも取ってありました。

上記より、原本を再度作成する必要はなく、コピーに原本と相違がないことを保証する旨を治験責任医師が、記載・署名し、顛末書とともに保存することが最善策ではなかったのかと改めて考えました。

実施医療機関および治験依頼者双方に原本、コピーいずれも存在しない場合のみ、再度原本を作成すべきなのではないかと考えました。

今後は、原本の取り扱いについて見直し、紛失を防ぐことが第一ですが、万が一このような事態が発生した場合、どのような対応が最も望ましいのかをご教授いただきたく存じます。

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【製薬協の見解】

SAE報告書の内容が正確であり、原本紛失と対応についての経緯を説明が可能であれば、ご質問にありましたいずれの方法でもよいと考えます。

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【上記を要約すると&その他の背景】

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●同じ「原本紛失」と言っても「同意書」の原本紛失と「SAE報告書」の原本紛失とではその重大性が異なる。

●その治験関連資料の重要性や存在意義を考えて、原本紛失した場合の対応をケースバイケースで考える。



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2013年12月30日

治験薬の温度管理を異なる温度計で測定する意義

製薬協「治験119」
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質問番号:2013-41 治験薬の温度管理方法(372頁目)

治験薬の温度管理について、質問させていただきます。

当院では、1つの冷蔵庫内に、複数社の治験薬を保管しており、温度管理については当院の温度計のほか、治験依頼者から提供を受けた温度計でも併せて毎日測定を行っています。

先日、B社提供の温度計において治験薬保管の温度逸脱が認められました。

ただ、A社提供の温度計、当院の温度計の測定値を見てみると、両者は正常範囲を示していたため、実際には計測上の不都合はなかったものと推察しています。

B社提供温度計のみ高温を示していましたが、(温度計メーカーの調査によると)B社提供温度計の温度計の機能に異常はなかったとの返事でした。

今後、このような事態を回避するために、実施医療機関も温度計の精度管理を徹底の上、1つに統一して計測するとともに、治験依頼者側もそれぞれが温度計を提供するのはなく、実施医療機関の温度計を用いて冷蔵庫の温度を確認すべきたと考えますが、この点について見解はいかがでしょうか。

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【製薬協の見解】

実施医療機関の温度計の精度管理が徹底され、保管庫内の温度を評価できる場所に設置され(保管庫内での温度差等を加味し)、適切に温度記録がなされるのであれば、各医療機関の温度計や記録類を利用することで問題ないと考えます。

ただし、治験実施計画書の内容や治験薬の特性により、個別の依頼(測定頻度、記録の出力様式、個別温度計の設置)がなされる場合もあります。

その際は、それらの理由及び必要性について治験依頼者と協議していただければと思います。

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【上記を要約すると&その他の背景】

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●治験薬保存に関連して温度を測定するなら、病院の温度計で測定することでよい。(ただし、その温度計、自動温度記録計の精度管理を確認しておく。)

●場合によっては、治験依頼者がより細かな温度計で温度管理したいならば、病院の温度計と自社が持ち込んだ温度計との間で不整合がでた場合を想定して、その対処を考えておく。


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2013年12月29日

治験参加を他院に知らせることを患者に拒否されたら?

製薬協「治験119」
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質問番号:2013-40 治験参加カードと他の医療機関への情報提供(371頁)

「治験参加カ−ド」に関する質問です。

被験者は、同意され現在治験参加中の方です。

治験参加カ−ドをCRCより、説明後お渡ししたところ次のようにおっしゃられました。

「併用禁止薬名を他の医療機関に見せるのは良いが、私が参加している治験の課題名や内容は、受診をする他の医療機関の誰かから情報が漏れることもあり得る。

プライバシ−の保護を同意書の中で述べてあるが矛盾するのではないか。」と、治験参加カ−ド提示を拒絶するようなご発言でした。

他の医療機関に治験参加カ−ドを提示することで、ご自分の疾患名、治療の内容、治験に参加していることが公表されることは、プライバシ−の保護になっていないのでないかとのことです。

仮に他の医療機関受診の際に治験参加カ−ドを提示しなければ、併用禁止薬を使用すること、健康被害が生じることも予想されます。

この場合の被験者さんへの対応方法と治験参加カ−ドを提示しなかった時の対応方法をご教示いただきたく存じます。

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【製薬協の見解】

未承認の医薬品を用いて実施する治験においては、被験者の安全性を確保できる十分な体制で実施することが大原則になります。

その点で、治験責任医師等は、GCP省令第45条第2項「被験者の同意の下に、被験者が治験に参加する旨を当該他の医師に通知しなければならない。」に基づき、治験薬との相互作用等による被験者の健康被害を防ぐために、併用禁止薬等の情報を伝える必要があります。

この情報開示の意義について被験者に十分説明し理解を得ることが重要ですが、被験者の同意を得られないのであれば、被験者の安全性確保とGCP遵守の観点で治験参加の取り止めも致し方ないと思われます。

上記を踏まえ、最終的には治験依頼者と協議のうえで対応方法をお決めいただく必要があると思われます。


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【上記を要約すると&その他の背景】

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●治験に参加していることを他院の医師に連絡することを被験者が拒否する場合は、安全性に問題があるので、その被験者には治験参加をやめてもらう。

●そもそも、治験参加を他院・他の医師に連絡することの目的は「治験薬と別の薬との思わぬ相互作用で副作用がでる可能性」を防ぐため。

●その昔、「ソリブジン」という帯状疱疹の薬と抗がん剤を併用したところ、抗がん剤が代謝されず、体内に残り、その毒性で患者が死亡した。

この時の経験を踏まえて、「治験参加を被験者の同意のもと、他の主治医に連絡する」ことになった。


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2013年12月27日

グローバル思考のできる人材の育成

今週は『日本版NIH(その3)』です。

詳細は下記のサイトをご覧ください。
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http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/

「平成25年12月5日第5回 健康・医療戦略参与会合 が開催されました。」を見ます。
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http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai5/gijisidai.html


医療分野の研究開発に関する総合戦略(たたき台)
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http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai5/siryou4.pdf
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6.国際的視点に基づく取組

(1)国際的視野でのテーマ設定

実用化に向けた研究開発テーマの設定や取組の検討に当たっては、国内のみならず、国際的な研究開発の現状や産業界における競争力等の国際動向や国際的な標準化の現状について正確な把握を行うことが必須である。

このため、テーマの設定に当たっては、国際的な視点も検討すべきであり、分野別専門家、課題解決型専門家に加え、グローバル思考のできる人材の育成と活用が必要である。

また課題の選考にあたっては、当該専門領域の科学者の意見を十分に聴取する。

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「グローバル思考のできる人材の育成」ですね。

これに尽きると思います。
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7.人材育成

医療分野の研究開発ポテンシャルの向上には、あらゆる観点から人材の育成、確保が重要であることは議論をまたない。

人材育成に関しては、臨床研究の観点からも大学の果たすべき役割が鍵である。

特に、卒前教育から臨床研究方法論、臨床疫学、生物統計学を組み込み、学生でも臨床研究に関する教育を実施することや、臨床試験については正当な評価をすることが期待される。

また、若手研究者を持続的に支援することで、基礎から臨床研究治験まで精通し、世界をリードする学術的な実績があり、かつ、強力なリーダーシップを発揮できる人材を育成することが可能となる。

また、リーダーとなる研究者の育成のみならず、研究支援者、具体的には、生物統計家、CRC(治験コーディネーター)、データマネージャー、知財、有効性・安全性の評価、規制、倫理、広報などの専門人材を育成・確保するとともに、キャリアトラックを確立する必要がある。

こうして育成された人材を橋渡し研究支援拠点や臨床研究中核拠点、早期・探索的臨床試験拠点に複数配置するよう配慮する必要がある。

さらに、革新的な医療技術等をより早く医療現場に届けるため分野横断的な研究を推進し、イノベーションの創出を行いうる人材の育成が重要である。

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「出る杭は打たれる」という社会を変える必要があります。

せっかくの若者が潰される可能性が、今のままならあります。

あなたは若者の成長を邪魔していませんか?


ところで、このブログの下書きは12月10日頃に書いていたのですが、12月16日に下記のように「たたき台」が「案」に格上げされました。

●医療分野の研究開発に関する総合戦略(案)平成25年12月16日
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http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai5/siryou2.pdf


「たたき台」と「案」で内容は変わりがありません。


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2013年12月26日

創薬支援ネットワークを活用

今週は『日本版NIH(その3)』です。

詳細は下記のサイトをご覧ください。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/

「平成25年12月5日第5回 健康・医療戦略参与会合 が開催されました。」を見ます。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai5/gijisidai.html


医療分野の研究開発に関する総合戦略(たたき台)
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http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai5/siryou4.pdf
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2.医薬品・医療機器開発の新たな仕組みの構築

シーズを見出し、それを実用化に結び付けるため、最終的なビジネスとしての発展も視野に入れつつ、基礎から臨床研究、実用化までの一気通貫の研究開発の推進、さらに臨床現場における検証と新たな課題を抽出できる体制の整備が必要である。

その際には、研究開発の出口を見据えた知財戦略と、基礎研究の成果の中から実用化に向けた可能性の高いニーズを見極めるスクリーニングや、臨床研究データの集積・活用を図り、しっかりと基礎から応用、臨床、実用化へと橋渡しがなされることが重要である。

また、日本発の革新的医薬品・医療機器の実用化を促進に向け、幅広い分野につき高度の知識・技術を有する人材の育成、医薬品・医療機器開発の効率化、迅速化、有効性・安全性の評価、開発・審査に関するガイドラインの整備等に関する研究(レギュラトリーサイエンス)、知財に関する法制度の整備を同時に推進する必要がある。

さらに、レジストリー研究のためのデータベース構築、ビッグデータ分析等のICTの活用による研究開発プロセスのスピードアップとコストダウンを図る必要がある。

新薬開発のためのFirst in Human 試験をはじめ、あらゆる治験の迅速な実施に向け、短期間で効率的な治験を行うため、ナショナルセンター、臨床中核病院等のネットワークを強化し、症例を集積しやすい環境を整備する必要がある。

なお、実用化へ向けた支援として、薬事戦略相談等に関するPMDAの体制強化と、PMDAと連携した有望シーズの出口戦略の策定・助言、企業への情報提供・マッチング等、企業連携・連携支援機能の強化が必要である。

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「出口戦略」ですね。

研究のための研究、自己満足の研究の時代は終焉します。



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(1)医薬品分野

我が国発の医薬品開発を実現するにあたっては、患者ニーズの把握等に努め戦略的なテーマを設定する必要がある。

アカデミアの優れたシーズからの創薬を加速させるため、平成25年5月に開始された創薬支援ネットワークを活用し、橋渡しを行うなど、アカデミア創薬が企業へとその成果が速やかに移転され、成長するように育成する必要がある。

そのためには目利き人材の確保・育成、既存シーズのライブラリー、知財及び適応外使用ライブラリーの整備を図ることにより、創薬に関わる全ての研究者等があらゆる創薬関連情報を利用しやすい環境の整備に向け、創薬支援ネットワーク等を活用し、関係機関が協力・連携して取組む。

具体的には、ドラッグ・リポジショニング(注:既存の薬剤の作用メカニズムを解明し、その薬の新たな効果を探し出し、別の疾患の治療薬として活用すること、育薬ともいう)に向けた新たな体制の構築等についても検討する必要がある。また品質、有効性、安全性を確保するレギュラトリーサイエンスの強化も重要である。

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『創薬支援ネットワーク』
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http://www.nibio.go.jp/iD3/



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