2013年11月02日

「日本版NIH」に求めるもの(2)

今週は「日本版NIH」について見ていきます。

今週は量が多いので、土曜日の本日も更新します。



他にもたくさんの資料がありますので、あとは、各自でお読みください。(今週は手抜きだな。)・・・・・・・

●「第2回 医療分野の研究開発に関する専門調査会」が今年(H25年10月21日)に」開催されました。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/gijisidai.html


【がん研究について】

●「我が国の今後のがん研究のありかた」愛知医科大学腫瘍免疫寄附講座 上田 龍三
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou06-1.pdf

【上記資料の概説】

・今後のがん研究のあり方について

基礎・基盤研究により世界をリードする優れた知の創出を継続して実現することは最も重要であり、エビデンスに基づいた対がん戦略を基本とした新たな知の創出が不可欠である。

また、広範な基礎研究の知見を臨床応用研究へ橋渡しする取組を促進し、社会に貢献する成果を生み出すことが必須であり、世界の科学やがん研究における新しい展開や動向を正しく把握し、政策に反映できる統合的で持続的に検討する組織の構築が必須である。

このため、基礎研究の更なる推進に向けて、がんの本態解明に向けた取組を一層強化すると共に、若手研究者の育成・研究支援を含めた持続的・発展的研究体制を構築する必要がある。

同時に、基礎研究及びその基盤整備と共に、有望なシーズをシームレスに創薬につなげる等、臨床応用を実現するための体制整備が不可欠である。

また、これらの取組をより加速するためには、有望シーズに重点化した取組や基礎・臨床研究の一体化した体制整備等、臨床に向けた橋渡し研究の強化が重要である。



●「政府によるがん研究推進の主なあゆみ」上田 龍三
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou06-2.pdf

【上記資料の概説】

対がん10カ年総合戦略(昭和59年)⇒がん克服新10か年戦略(平成6年)⇒第3次対がん10か年総合戦略(平成16年)

・今後のがん研究のあり方について(報告書)の概要

平成26年度からの新たな「がん研究戦略」は、「基本法」、「基本計画」及び「第3次対がん10か年総合戦略」の成果と課題を踏まえ、わが国全体で進めるがん研究の今後のあるべき方向性と具体的な研究事項等を明らかにし、がん対策の推進を一層加速させることにより、「基本計画」で掲げられた全体目標の達成に資する必要がある。

・キャッチフレーズ :「根治・予防・共生 〜患者・社会と協働するがん研究〜」




【感染症について】

●「感染症分野における課題及びとるべき方策」国立感染症研究所長 渡邉治雄
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou07-1.pdf

【上記資料の概説】

1)グローバル化の中での国際的課題

a)新興・再興感染症

b)エイズ、マラリア、結核

c)薬剤耐性

今後とるべき方策

1)国際的なサーベイランス(発生動向調査)の構築

2)感染症分野の具体的な研究開発課題の促進



●「感染症の発生とその対策等の主な推移」 渡邉治雄
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou07-2.pdf

【上記資料の概説】

日本においてカルバペネム耐性の腸内細菌科の菌は、現在のところ少なくとも米国ほど拡散はしていないが 対策を取らないと、米国のように今後増大する可能性はある。

感染症制御に必要な主な対応と研究



【神経系について】

●「脳・神経・筋疾患克服に向けた研究推進の課題と方策」京都大学医学研究科臨床神経学・高橋良輔
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou08-1.pdf

【上記資料の概説】

・病態解明から治療法開発を一気通貫で行う時代に突入した

1.共通に必要な研究リソース、高度技術の拠点形成で多施設共同研究を支援

2.多施設連携による疾患研究拠点の形成による研究の集中・効率・加速化

3.トップダウン型で基礎から病態解明・治療法開発まで世界を先導する研究の展開

4.アカデミアの体力をつけ、企業との連携でサイエンスを創薬に生かす

重点項目1.先制医療と神経機能「再生」治療の実現

重点項目2.遺伝子治療の推進



●「脳・神経・筋疾患克服に向けた研究推進の課題と方策」(2)高橋良輔
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou08-2.pdf

【上記資料の概説】

脳・神経・筋疾患克服のロードマップ

「孤発性・common diseaseの克服」(2013−2023)⇒「認知症・神経障害なき健康寿命100歳を達成」(2023−2033)



●「精神疾患克服に向けた研究推進」国立精神・神経医療研究センター総長 樋口輝彦
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou09-1.pdf

【上記資料の概説】

・精神疾患研究の重要性

・精神疾患の社会的影響は大きい

★精神疾患解明の必要性

・既存薬の効果には限界、副作用(糖尿病等)→病態に基づく治療法の開発が必須

・原因解明、診断法、根本的治療法、予防法開発→社会負担削減、新産業創出

・客観的評価法 →円滑な産業精神保健管理 →企業活動の活性化

★精神疾患克服に向けた研究推進

全体の戦略

・まれなゲノム変異の同定 → 疾患モデル動物・疾患モデル細胞作製 → 創薬研究、診断法開発 → 特定の原因を持つ一群で臨床試験 → 幅広い患者層への展開

★臨床試験拠点・臨床試験ネットワーク

各研究拠点で開発されたバイオマーカーを用いて客観的な指標を用いた臨床試験を全国臨床試験ネットワークの活用により展開





●「精神疾患克服に向けて」樋口輝彦
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou09-2.pdf

【上記資料の概説】

精神疾患の革新的予防・診断・治療法開発の工程表 :目標を達成するための具体的アクションプラン

精神疾患克服に向けた研究推進体制



【医療情報・IT関係】

●「医療分野の研究開発促進のための情報基盤の整備の必要性」医療情報システム開発センター理事長 山本 隆一
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou10-1.pdf

【上記資料の概説】

Translational research におけるDeath Valleyの克服と臨床情報基盤

医学・医療における研究開発はその原始部においては、画期的なアイデアや天啓のようなひらめきが重要であるが、その先のTranslational phase では地味で膨大な探索と確認の繰り返しが必要で、そこに膨大な時間的並びに経済的コストが消費される。そのコストに投資が均衡しない時にDeath Valleyに落ちると考えられる。

医学・医療においてイノベーションを持続させるためには、コスト自体を下げる努力が必要と考えられる。探索と確認のサイクルのコストを下げるためには、各段階におけるバンクと研究基盤の整備が必須と考えられる。

治験遂行者の労力を軽減する意味も含めて対象患者の選択を容易にするためには患者のデータベース化が必要である。

医療機関によっては目的別データベースを整備しているところはあるが、効率的に治験を進めるためには広域で、むしろ可能であれば全国規模でデータベースの整備を進めなければならない

我が国の医療に関わる情報の IT化の比率は諸外国に比べて高い。

問題は医学・医療の研究開発にも有用なように適切に電子化されているか、ということで、現状は標準化や精度の面で十分ではない。

しかし、これらは非電子化情報を電子化することに比べれば容易に改善できる。

医療分野で持続的にイノベーションを誘発するための情報基盤の整備が行われれば、医療分野の研究開発促進における情報の利活用という点で世界最先端に十分になりうると考える。




●「診療のための生涯型健康・診療データ管理バンク@および施策活用のための匿名化診療要約データ管理システムA」山本 隆一
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou10-2.pdf

【上記資料の概説】

i-Japan 戦略 2015

(1) 三大重点分野

@電子政府・電子自治体分野

A医療・健康分野

B教育・人財分野

● 地域の医師不足等の問題への対応

・ 遠隔医療技術 の活用

・ 医師等の技術の維持・向上

・ 地域医療連携 の実現


●日本版EHR ※)(仮称)の実現

・ 医療過誤の減少、個人の生涯を通 じた継続的な医療の実現

・ 処方せん・調剤情報の電子化

・ 匿名化された健康情報の疫学的 活用


※)Electronic Health Record




【生活習慣病】

●「生活習慣病に関する研究開発環境整備の重要性」東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 門脇 孝
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou11-1.pdf

【上記資料の概説】

1. 生活習慣病は国民の健康に直結する大部分の疾患群の中核に位置している

2. 「先制医療」は国民の健康長寿実現と医療資源の有効利用を同時にかなえる

3. 生活習慣病克服をめざす新しい医療実現の基盤となる先進的研究技術開発により、医学の進歩がもたらされ産業の促進につながる


●「今後の生活習慣病に対する研究開発のあり方」門脇 孝
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou11-2.pdf

【上記資料の概説】

・糖尿病・生活習慣病に対する総合的な対策は国家的な急務

・増え続ける医療費

・人材・疫学データの不足

・エネルギー過剰の生活習慣は内臓脂肪蓄積・インスリン抵抗性を介し糖尿病・生活習慣病の原因となる

・我が国における糖尿病・生活習慣病の病態

・糖尿病・生活習慣病における代謝制御機構とその破綻

急激な環境因子の変化により糖尿病・肥満が急増する背景には、SNPなど遺伝因子に加えて、エピゲノム変化の関与が示唆される。


●エピゲノムとは

DNAの塩基配列情報をゲノムと呼ぶのに対し、そのゲノムに施されたそれ以外の情報をエピゲノムと呼びます。

DNAはヒストンというタンパクに巻きつけられて圧縮されて核内に収納されていますが、そのDNAやヒストンにメチル化・アセチル化という修飾が入り、これによりDNA上のどの遺伝子が動き出すかの制御が行われます。

こうした修飾は外部の環境変化が細胞にシグナルとして伝わり、特定の酵素群が行います。

ヒトの体は60兆個の細胞からなり、そのすべてが同じDNAをもっているのに、カラダの部位によって全然違う細胞になるのは、エピゲノムによりゲノムDNAの情報が的確に使われるからです。

●新たな創薬アプローチとして期待される「エピゲノム創薬」
   ↓
http://www.dir.co.jp/consulting/insight/management/101013.html




【医師主導の治験・臨床研究について】

●「医師主導の治験・臨床研究の課題と対応策」門脇 孝
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou12-1.pdf

これ(↑)は、とっても参考になります。

たとえば・・・・・・・・

医師主導治験や臨床研究の課題を次の3項目に大分類して説明しています。
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

(1)研究者の育成と研究基盤の整備の必要性」

(2)臨床研究の実施上の課題と対応策

(3)日本版NIH、国立大学附属病院長会議、中核拠点との連携

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

   ↓
さらに細かく見ると・・・・・・
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

(1)研究者の育成と研究基盤の整備の必要性」

@研究者の育成が不十分

A強固な臨床研究の基盤の整備が不十分

(2)臨床研究の実施上の課題と対応策

B産官学連携が不十分

Cトランスレーショナルリサーチ:制度上のハードル

D公的研究資金が不十分

E企業の体制不備

(3)日本版NIH、国立大学附属病院長会議、中核拠点との連携

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




●「医師主導の治験・臨床研究の課題と対応策」(2)門脇 孝
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou12-2.pdf

【上記資料の概説】

@研究者の育成が不十分

A強固な基盤の整備が不十分(人材雇用、財務、基金)

@卒前・卒後の教育・研修体制

A大学病院の研究基盤として恒久化

日本版NIHと国大学附属病院との組織及び運営体制



【その他】

●「最新の医療技術を迅速に実用化させるための国の対策」慶應義塾大学名誉教授 猿田 享男
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou13.pdf

【上記資料の概説】

橋渡し研究事業の進捗状況と成果

今後の課題

・支援シーズが急増していることから、シーズ育成に関する専門人材が大幅に不足

プロジェクトマネジャー、知財専門家、生物統計家、薬事専門家、CRC、データマネジャー、モニター等

・シーズ育成のための研究費も絶対的に不足

・専門人材、研究費の拡充により、拠点のシーズ育成機能が強化され、革新的な医薬品、医療機器創出等の成果が大幅に増加することが期待

*今後の国立高度専門医療研究センター(NC)のあり方

・国はNCが担うべき具体的な課題を提示し、NCは国の意向、要請を踏まえて、年度計画に反映し、確実に実施していくような仕組みを構築。

・求められている「異次元のスピード」で新規治療薬創出を実現するためには、臨床研究中核病院及び早期・探索的臨床試験拠点だけでなく、特定の疾患の症例が収集しやすいNCに限られた資金を投入し、その治験・臨床研究体制の充実。




●「臨床及び臨床研究・治験現場が抱える課題及びとるべき方策」国立がん研究センター 理事長 堀田知光
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou14-1.pdf
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

<現状と課題>

臨床研究現場が具体的に抱える問題として、生物統計家や知財、法務などの専門的な人材の確保や育成、安定した財源(雇用)の確保、医師主導治験の労務負担などの課題がある。


<とるべき方策>

1) 臨床上の課題や臨床への出口を見据えた、疾患の本態解明にかかる基礎研究を重視する。

2) 承認審査において、PMDA は希少がんや再発がんの治験に安易にランダム化比較試験を求めるのではなく、厚生労働省は少数例で有効性・安全性を評価する単アーム臨床試験の結果をもとに仮承認を行い、その後施設を限定し承認期間を区切った拡大臨床研究を行わせ本承認に至る「条件付き承認制度」(再生医療以外の領域への拡大)、超稀少疾患については「例外的承認制度」を導入すべきである。

3) 医師主導治験において、保険外併用療法制度の弾力的な運用が必要である(同効薬の使用を保険外併用療養費支給対象外経費としない)

4) 臨床開発のための公的研究費は、5 年間を通常の研究期間とするとともに基金化(文部科研費では学術振興会法を改正して措置済み)を推進する

5) 個別化医療(ゲノム情報等にもとづき個人に最適化した治療を行う未来型医療)の実現に向けてコンパニオン診断薬が重要である。

(中略)

9) 生物統計学講座は大学医学系研究科に設置することを原則とし、生物統計家の養成を推進する。

一方で、臨床研究中核病院・早期探索的臨床試験拠点には生物統計家を複数配置し、臨床研究に積極的に関与できる体制を整備する。

10)臨床研究中核病院、早期・探索的臨床試験拠点を医療法に位置づけた上で、臨床研究支援職(CRC、データマネージャー、モニター、監査担当者等)の持続的雇用を実現する診療報酬上の仕組みを整備する。

・・・・・・等など

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

●「臨床及び臨床研究・治験現場が抱える課題及びとるべき方策(補足資料)」堀田知光
     ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou14-2.pdf

【上記資料の概説】

・条件付き承認等の仕組みもEUにならい導入必要

・条件付承認を進化させた形の“Adaptive Licensing” という概念も出現

*医師主導治験における課題

・保険外併用療養費制度における「支給対象外経費」の医師主導治験での取扱いに隘路:

通常診療では保険適用される、同効薬が、医師主導治験で未承認・適応外の治験薬と併用すると、下記の黄色欄とみなされ、保険適用からはずれてしまい、現場は混乱。

・「医師主導治験の趣旨を考えると、同効薬には保険給付するべき」

*薬事承認・保険償還の新しい枠組み:提言

*最先端技術と外科治療の融合を目指す「新世代医療技術開発センター」:Institute of New Surgical and Endoscopic Development for Exploratory Technology:NEXT





・・・・・・・・という事で、今週は日本版NIHに関連する資料を見てきました。

本当に、真剣に、日本版NIHができてほしいです。

今後も、この分野は大注目です。

なお、本家のアメリカのNIHについては、下記が面白くて参考になります。
   ↓
●アメリカNIHの生命科学戦略―全世界の研究の方向を左右する頭脳集団の素顔(アマゾン)
   ↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062574411/horaihonoyomu-22/ref=nosim/


●アメリカNIHの生命科学戦略―全世界の研究の方向を左右する頭脳集団の素顔(楽天)
   ↓
http://tinyurl.com/l9ukqqw


以上



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2013年11月01日

「日本版NIH」に求めるもの(1)

今週は「日本版NIH」について見ていきます。

他にもたくさんの資料がありますので、あとは、各自でお読みください。(今週は手抜きだな。)・・・・・・・

●「第2回 医療分野の研究開発に関する専門調査会」が今年(H25年10月21日)に」開催されました。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/gijisidai.html


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

上記の会議では「ディオバン問題」が報告されています。

●高血圧症治療薬ディオバン(一般名:バルサルタン)の臨床研究事案
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou02.pdf

●研究に関する不正への対応方針について
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou03.pdf

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



●「第2回 医療分野の研究開発に関する専門調査会」が今年(H25年10月21日)に」開催されました。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/gijisidai.html


上記のページに「医療分野の研究開発に関する専門調査会コメント」という資料があります。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/sankou01.pdf
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

医療分野の研究開発のために(1)

1. 開発の源泉

・個人の自由な発想(interest-driven )は研究の多様性の源泉。

ボトムアップ的基礎研究支援の飛躍的拡充が大前提

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

私も上記にある「個人の自由な発想(interest-driven )は研究の多様性の源泉」は大賛成です!

画一的な教育と「なかよしこよし」からは生まれない驚異的な発想を期待しています。





●●●●●●外部有識者提出資料として以下のものが掲載されています。●●●●●●

【医療機器関係】

●「我が国の医療機器産業の展望、課題と取るべき方策」日本医療機器産業連合会会長 中尾浩治
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou01-1.pdf

【上記資料の概説】

1.日本版 NIH に、米国にないユニークな「イノベーション人財の育成」の指令塔を設置してほしい。



●「我が国の医療機器産業の展望、課題と取るべき方策」(2)中尾浩治
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou01-2.pdf

【上記資料の概説】

・イノベーション人財の育成

・医療健康分野就業者数は自動車産業より多い

・医療機器は日本でこそ育成すべき産業

・大学に医療機器イノベーション講座を開設する

開発と普及の間には有名な「死の谷」がある。

死の谷を作らない「イノベーション人財」を育成。



●「我が国の医療機器産業の展望、課題と取るべき方策」(3)中尾浩治
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou01-3.pdf

【上記資料の概説】

イノベーションは学べる



●「我が国の医療機器開発の振興に向けた論点」東京大学大学院工学系研究科教授 松本洋一郎
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou02-1.pdf

【上記資料の概説】

我が国の医療機器分野の研究開発基盤を底上げし、産業の活性化を促すためには、現状の課題や論点を十分に精査したうえで、適切な目標値を設定して産学官が一体となってその実現に取り組んでいく必要がある。


●「我が国の医療機器開発の振興に向けた論点」(2)松本洋一郎
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou02-2.pdf

【上記資料の概説】

医薬品と医療機器は特性が全く異なる

薬事法の改正と合理的な運用

医療機器の“仕分け”を行なうべき





【ゲノム関係】

●「個別化ゲノム医療・予防の実現の方策」宮野 悟(東京大学医科学研究所)
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou03-1.pdf

【上記資料の概説】

■ 研究環境の整備

・個別化ゲノム医療のセンターの整備

・基礎研究基盤の強化(バイオバンク・コホート研究)

■インフォマティクス環境の整備

・メディカルインフォマティクスセンターの整備

・ナショナル・メディカルクラウドの整備

日本版 NIH が国民の信頼をえられるよう、少ない予算から始め「社会メッセージの出る事業」(研究者の基礎論文作成に終わらないよう)を展開し、さらに日本版 NIH に予算をつける合理性をわかりやすくすることが、すべてのことを始める上でのトッププライオリティだと考える。





●「個別化ゲノム医療・予防実現の方策」(2)宮野 悟
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou03-2.pdf

【上記資料の概説】

・ゲノムシークエンス技術の革新的発展による患者さんにぴったりの医療・予防と医療費の劇的削減

・だれもが自分のゲノム情報を利用できる時代が到来

・「学術研究」から「医療実践」へ

・米国での個別化ゲノム医療の事例(臨床シークエンスは始まっている)

・我が国の強みを活かした個別化ゲノム医療・予防実現の背景と方策

・未来はとっくにはじまっている。




●「我が国からの個別化医療発信に向けた提言」東京大学大学院医学系研究科細胞情報学分野 間野博行
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou04.pdf

【上記資料の概説】

ゲノム・エピゲノム情報あるいはバイオマーカーに基づく個別化医療はこれからの世界の医療において主流となることは間違いなく、今後の医療産業に与える影響も極めて大きい。

またこの様な潮流はまずがん治療からはじまるが、それだけでなく、疾患に関する知見の増加に伴って遺伝性疾患、生活習慣病、変性疾患あるいは膠原病など様々な疾患群の医療に深く関わると予想される。

現在の医療費による我が国予算の圧迫を改善するだけでなく、医学研究の拡大、新薬の速やかな導入、さらには日本医療産業の発展のためには、上記潮流における重要な発見・知財・製剤を我が国が可能な限り多く保有することが最も重要な課題と言える。





【NIHについて】

●「HIV-1 感染症とAIDS の治療薬の研究・開発の経験からみたNIH」満屋裕明(熊本大学大学院生命科学研究部)
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou05-1.pdf

【上記資料の概説】

AIDS の治療に関して、最初の標的は逆転写酵素と決めた。

HIV-1 は NCI 内部から供与を受けた。

最初は手がかり等何もなかった。

やがて、同僚の医師が NIH のカフェテリアで昼食中に他の研究者との雑談で私が一人で AIDS の治療薬開発の実験を始めたと話したらしい。

そうすると、suramin というトリパノソーマ治療薬に逆転写酵素阻害効果があるという事を聞いてきた。

私の上司は直ぐに suramin を入手した。

この辺りは NIH が巨大バイオメディカルコンプレックスであるから色々な情報や物が直ぐに手に入るという、NIHのNIHたる所以であると思って、呆れる程感心した。

・日本に医学・生物学の発展に寄与する「知的クラスター」の創設を

一定の施設を核として、科学的知見、技術的ノウハウなどの知的な価値が蓄積され、同時に周辺産業・機関が糾合、相互補完・強化されてイノベーションの連鎖が発生、人材・企業等の求心力が高まり、知識・技術の集積が加速化・高度化する、そのような「知的クラスター」の創設が望まれる。



●「Discovery & Developmentof AZT, ddI, ddC, DRV @ NCI」満屋裕明
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai2/siryou05-2.pdf

【上記資料の概説】

NCI/NIHは知的クラスター

クラスターとはブドウの房(ふさ)の意味であったが、密度高く相互に緊密に連携して集積している様子を形容する言葉。

中心となる研究開発組織などを核として、周辺産業・諸機関・諸制度を相互補完・強化してイノベーションの連鎖が発生、人材と企業などの求心力が高まり、知識・技術の集積の加速化・高度化が起きる状態。




今週は量が多いので、引き続き、明日の土曜日(11月2日)に続きます。



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