●アサーティブとは?
自分の気持ち・考えを「攻撃的になることなく」「委縮することなく」適切に伝える態度・ふるまいを「アサーティブ」といいます。
事例:
チームで利用するSDVチェックリストの作成を頼まれ、2週間かかって、ようやく完成した。
この間の自分の仕事ができなかったので、ほっとしていたところ、同僚から(あるいは上司から「悪いけれど、OJTのマニュアルを作成してくれないか?」と言われました。
あなたなら、どう答えますか?
【タイプ1】自分の考えを抑えこんでしまう人
「困ったなぁ。やっと自分の仕事に取り掛かれると思ったんだけれど、仕方がないなぁ、明日から手伝うよ」と答えてしまう人。
【タイプ2】怒りを爆発させる人
「君はこちらから手伝うことを一切しないで、頼むときだけ都合がいいんだ!
君の仕事ははかどるかもしれないけれど、僕の仕事が手につかないじゃないか。
人手が足らないことくらい想定できただろうから、他をあたってくれよ!」と怒りを爆発させる人。
【タイプ3】自分の気持ちを素直に表現する人
「君が困っていることはよく理解できるんだけれど、僕も本来取り組む仕事が2週間ほど遅れているんだ。
やっとここ数日で取り戻せると意気込んでいたところなんだ。
だから、今回は全ては手伝えないんだ。
どうだろう、午前中だけなら手伝えるんだけどそれでどうにかならない?
もし、マニュアルの作成が終わったら、こちらの仕事も2日ほど手伝ってもらえると嬉しいんだけれど。」と自分の事情を率直に伝える人。
タイプ1とタイプ2では思っていることをストレートに伝えていないのに対して、タイプ3のような発言は、率直に、そして素直に自分の想いを語り、しかも、相手の想いを語るスペースを残しています。
これを「アサーティブ(Assertive)」な言動と言います。
●「アサーティブ」は自分も相手も尊重します。
自分の権利をはっきり伝えながら、相手の権利も侵さないという「相互尊重」のコミュニケーションです。
アサーティブな立場とは、「自分と同様、相手にも感情や考えがあるのだから、葛藤は当然、起こりうる」と考えます。
そして、お互いを大切にして歩みよる姿勢をとり、葛藤解決の方法を探ろうとすることです。
「アサーティブ」(Assertive. 名詞はアサーション:Assertion)とは英和辞典で調べると「断定的な」「自己主張の強い」という意味が書かれています。
この意味通りに「自己主張」とか「断定的な自己表現」と表現してしまうと、「どんなことをしても、自分の欲求を通すことだ」と誤解されがちですが、決して、そのようなことを意味するものではありません。
アサーティブになるということは、自分自身のことを素直に、率直に、そして適切に表現することで、自分の思っていることを大切にする、ひいては自分自身を大切にすることなのです。
「素直な自己表現」と言ってもいいでしょう。
明日へ続く
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