2013年07月17日

データ固定までの期間は「紙のCRF」と「EDC」で差がない

今週は製薬協の「国内治験環境の分析並びに改善点の検討」を見ていきます。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/allotment/pdf/tf4.pdf


製薬協の「考察」が66ページ目からあります。


●依頼〜IRB の期間を中央値でみると、2週間でほぼ一定となっているようです。(67ページ目)

IRB委員の方たちが資料を読む期間も考えると、ほぼ、目一杯、短縮されているということでしょうね。



●契約からFPI まで1ヶ月以上を要しているので、今後も改善が必要ですかね。(68ページ目)



●データ固定までの期間は「紙のCRF」と「EDC」で差がない。(69ページ目)

なるほど、EDCのほうがデータ固定までの期間が短くなるかと予想されましたが、そんなに差がないようですね。

何故でしょう?



●実施率及び治験の質(有効性解析対象採用率)は特に継時的変化はないようです。(69ページ目)

今は治験の契約書に「目標症例数」は必須でなくなりましたので、今後は「実施率」な調査できなくなりますね。



●0症例施設へ支払った費用が紹介されています。(70ページ目)

今後も「出来高払い」が期待されます。



●モニター1人あたりの担当施設数は3、4施設というあたりです。(70ページ目)

このあたり、欧米との比較が見たいですね。




●国際共同治験ではほとんどが「EDC」。(71ページ目)



●「新たな治験活性化5カ年計画」の効果も見ています。(55〜59及び72ページ目)

治験のスピードの点から見ると「新たな治験活性化5カ年計画」の効果があったと製薬協では考えているようです。

ただ「中核病院等には希少疾患等の実施が困難な治験を円滑に実施することが期待され、一方、症例組入れのしやすい治験は一般病院で実施されるケースが増えている」点もいろんなことに影響しているので、一概には言えないというのも注意点です。(72ページ目)




●Central IRBの利用数は増えています。(72ページ目)

Central IRBは私立病院と診療所が多いようですね。

その場合、SMOが関与しています。

今後もCentral IRBの利用が増えることが予想されます。

Central IRBのメリットを考えた改善が望まれます。

でもなぁ、昔の「必ず1病院に1つのIRBが必要」という時代から考えると、随分と進みましたよね。



明日へ続く

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2013年07月13日

治験手続きのスピードは速くなっています

今週は製薬協の「国内治験環境の分析並びに改善点の検討」を見ていきます。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/allotment/pdf/tf4.pdf

この報告書は2012年に製薬協の会員に対してアンケートの実施と、10年間の継時的変化を見ているものです。

10年前か・・・・・・・

2003年だね。

あなたは何をしていました?

僕は某国内製薬会社で教育を担当していました。

さて、そんなことはどうでもいい。


まず、驚くのは年間に動いている治験実施医療機関の数です。

上記の報告書の6ページにグラフがありますが、たとえば、2008年には2744施での治験が動いています!!

しかも、この数値は製薬協加盟会社が実施している治験の数ですから、実際にはもっと多い・・・・・。


どひゃ〜〜!です。


さて、その経営形態ですが、たとえば、2010年では、「診療所」が一番多く、次に私立病院です。(9ページ目)

派遣CRCの関与を見ると、診療所ではかなり浸透しています。(11ページ目)

大学病院クラスではほとんどが院内CRCだけですね。


●EDCの利用率は増加傾向にあります。ただ、最近では増加傾向に歯止めがかかってきましたね。(16ページ目)


●国際共同治験は2009年をピークに、その後、減っています。(17ページ目)


●治験手続きのスピードは速くなっています。(18、19ページ目)


●被験者の組み入れまでの期間も短くなっています。(23ページ目)

ちなみにFPIとはFirst Patient In の略で、施設で最初の被験者の同意取得日を指しています。

会社によっては、FPIはそのプロトコル全体で最初の被験者の登録日(例えば同意取得日)を指したりします。

LPOとはLast Patient Outの略で、施設で最後の被験者の最終観察終了日。です


●LPOからデータの固定日も速くなっていますね。(27ページ目)


う〜〜ん、日本の治験は遅いとよく言われますが、この10年を見ると、治験のスピードは飛躍的に速くなっているんですね。


●ゼロ症例の施設数も調べています。(34ページ目)・・・・・面白い項目を調査してるなぁ。


●1症例の単価も調べています。(36ページ目)

費用的にはどうなんだろう?

多少は、下がっているのかな。

2011年度で言うと、全体の平均は1症例あたり126万円です。(n=100)


●プロトコール疾患領域別モニター担当医療機関数。(38ページ目)

同じ領域で言うと、そんなに継時的変化がないね。


●国際共同治験におけるプロトコール領域別治験数の割合。(51ページ目)

国際共同治験をやっている領域を見ると、・癌領域  ・内分泌・代謝領域  ・精神神経系疾患領域   ・循環器領域   ・呼吸器領域 が多いですね。

症例の単価で言うと、国際共同治験のほうが若干、高いですね。(54ページ目)



●セントラルIRBを利用している施設数は増加傾向にありますね。(60ページ目)

セントラルIRBを利用しているのは診療所タイプが多いですね。(61ページ目)


いかがです?

10年の継時的変化をご覧になっての感想は?


僕の感想は、国際的に見ると、色々と問題が山積みですが、国内だけで考えると、かなり改善されていると思います。

特に治験のスピードの面で、ですね。


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2013年07月12日

治験関連文書における電磁的記録の活用(3)

今週は下記の「事務連絡」等を見ていきます。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/

●リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)

●治験における臨床検査等の精度管理に関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)

●治験関連文書における電磁的記録の活用に関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)


今日は「治験関連文書における電磁的記録の活用に関する基本的考え方について」を見ます。(その3)


さて、「署名」についてです。
   ↓
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署名等の必要性

治験関連文書は、署名等の必要性から、以下の3つに分類され、これらの文書を電磁的記録として交付する場合には、その署名等の位置づけを理解して行う必要がある。

@)GCP省令等で署名等が求められている文書
・症例報告書
・監査証明書・監査報告書
・同意文書
・治験実施計画書の合意を証するための記録
・契約書


A)GCP省令等で規定されていないが、署名等を求められることがある文書
・緊急の逸脱の通知文書
・治験の変更に関する報告書
・治験薬割付コードの開封記録
・治験責任医師からの重篤な有害事象報告等


B)署名等が必要と考えにくい文書
上記@)及びA)に該当しない文書



@)は作成者による署名等が必要である(パブリックコメント回答109)が、その他の文書では、その他の記録からその真正性が客観的に確保されれば、医療機関内に保存されるその他の記録の有無も踏まえて、署名等の必要性を判断できる。

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・・・・・・・ということで、CRF、契約書等は「署名」が必要ですが、それら以外は、署名が無くても、その他の記録の有無を踏まえれば、無くても大丈夫ということ。

CRF等は「電子署名」が普及しつつありますね。

では、「GCP省令等で規定されていないが、署名等を求められることがある文書」はどうするか?
   ↓
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@)紙記録に署名等したものをスキャンし電磁的記録として交付する場合

以下の手順を明確に規定し、作業が実施されたことを検証できるように記録する。

・作業責任者及び作業者の役割と責務

・スキャンするための業務の流れ(作業の実施時期や対象文書等)

・記録するファイルの形式、名称の付け方等の規定

・署名等された文書の保管方法



A)電磁的記録に電子署名を付して交付する場合

文書ごとに電子署名を付す場合及び文書管理システム等自体に署名機能を組み込む場合が考えられるが、いずれの場合であってもER/ES指針の電子署名利用のための要件を満たすことが重要であり、また、電磁的記録の変更や不正な修正が行われた場合等に検出・検証できるようにしておく必要がある。

なお、電子署名の実施に当たっては、電子署名を利用するためのID・パスワード等の発行及び管理等を適切に行い、電子署名の実施者を限定し、それが検証できるように記録することが必要である。


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繰り返しますが、これら(↑)のことをSOPで手順を規定しておくことですね。



ちなみに、こんな興味深いことも事務連絡に記載されています。(8ページ目)
   ↓
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(電子書類あるいは紙の書類の)受領業務が治験協力者等に分担され、かつ、治験協力者等から本来受領すべき者に届く手順が明確に確立されている場合には、治験協力者等を介して交付することも可能である。

また、このような方法で交付する場合には、治験関連文書を受領した治験協力者等から実施医療機関の長や治験責任医師等に交付されていることが検証できるような記録を保存する必要がある。

なお「交付先の設定を誤ることで情報が届かなくなる」、「受領担当者を単独で登録し、長期休暇等で情報が届かなくなる」といった事例が発生しないよう留意する必要がある。

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CRCの方が電子書類あるいは紙の書類の受領窓口になっていたら、その方から、ちゃんと治験責任医師や医療機関の長へ書類が渡されたことが検証できるようにしてくださいね、ということですね。

さらに、その方が(例えば、産休等で)長期休暇に入ってしまい、重要な書類が治験責任医師等に届いていなかった、なんて事態が発生しないように注意しましょう、ということ。


その他にも下記の項目が重要だと思いますので、みなさん、読んでおきましょう!

●ファイル形式に関する留意事項(8ページ目)

●ファイル名等に関する留意事項(8ページ目)

●治験関連文書を電磁的記録として保存する場合の方法及び留意事項(10ページ目)



以上

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2013年07月11日

治験関連文書における電磁的記録の活用(2)

今週は下記の「事務連絡」等を見ていきます。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/

●リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)

●治験における臨床検査等の精度管理に関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)

●治験関連文書における電磁的記録の活用に関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)


今日は「治験関連文書における電磁的記録の活用に関する基本的考え方について」を見ます。(その2)

「ER/ES指針について」も外せない規制です。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/er-esgaidorain
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「医薬品等の承認又は許可等に係る申請等における電磁的記録及び電子署名の利用について」(平成17年4月1日付け薬食発第0401022号厚生労働省医薬食品局長通知)の別添(以下「ER/ES指針」という。)は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の承認又は許可等並びに適合性認証機関の登録等に係る申請、届出又は報告等に関する資料及び当該資料の根拠となる資料について、電磁的記録として提出又は保存する場合の留意事項をまとめたものである。

治験関連文書を電磁的記録として保存等する場合にもER/ES指針を遵守する必要がある。

しかし、ER/ES指針の適用範囲は広く、GCP省令で規定される文書に限っても、様々な位置づけの文書(例えば、原資料、関係者間で授受される文書、治験依頼者等のみで保存される文書。)が対象となっている。

また、電磁的記録及び電子署名利用のための一般的な要件等は示されているが、当該文書の作成者等が信頼性の確保を十分に考慮し妥当性や正当性を判断した上で対応することを基本としているため、具体的な要件は示されていない。

(中略)

結果的に電磁的記録の活用が進んでいないのが現状である。


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色々と難しいことが書いてありますが、要は下記のことに集約されます。(5頁目)
   ↓
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治験関連文書を交付する場合の必要十分な要件は、紙記録であっても電磁的記録であっても、「必要な情報が適切な相手に迅速に届けられ、評価されていること」、「事実経過が検証できるよう記録されていること」、「事実経過の記録と交付された文書が交付側及び受領側で適切に保存されていること」である。

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キーは「事実経過が検証できるよう記録されていること」です。(後述)

あとで検証できるようなプロセスを予め、SOPで規定しておくといいですね。



さらに大事なことは次のことです。
   ↓
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・ 受領側から電磁的記録の交付について承諾を得ること。

また、受領側から承諾が得られない場合には利用できない。(そりゃそうだ・・・・・・)

なお、交付側及び受領側で承諾書や確認書の作成を求めるものではない。


・ 受領側が電磁的記録の出力による書面を作成できること。


・ 交付側及び受領側が授受された治験関連文書を保存していること。


・ 交付側及び受領側が授受された事実経過を検証できるように記録し、その記録(以下「事実経過を検証するための記録」という。)を保存していること。


・ GCP省令、薬事法、その他関連法規及び関連通知(以下「GCP省令等」という。)で署名又は記名押印(以下「署名等」という。)が求められている場合、当該治験関連文書に署名等がされていること。

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なんだか「ややこしい」ね。

でも、実際に行動に移すと、実はそんなに無理難題が要求されていないことが分かります。

まずは、どこからか手を付けてみましょう。

すると、この事務連絡の意図が具体的に分かってきます。


基本ですね、「交付側及び受領側が授受された治験関連文書を保存していること。」がキーです。

これがあれば(両者に当該文書が保存されていれば)、捺印なんかも不要でいいわけですね。

そもそも「捺印」というのは、「これが最終版で、これを提出したものです」という印なわけですが、この捺印がなくても、交付側と受領側で「同じもの」が保存されていれば、「あぁ、それを提供したわけね」と分かりますから。



さて、「事実経過を検証するための記録」です。
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

GCP省令では、事実経過を検証するための記録について具体例が示されていないため、個々の事例において適切な方法を検討されたい。例として以下に示したようなものが考えられる。


@)メールによる交付の場合

【交付側】

・送信メール及び受領返信メールを保存する。

・送信簿を作成し、送信者、送信日時、送信内容を記録する。

・電話等で、受領されていることを確認しモニタリング報告書等に記録する。


【受領側】

・受信メール及び受領返信メールを保存する。

・受信簿を作成し、受信者、受信日時、受信内容を記録する。

・代理受信を行う場合、本来の受領者へ交付されていることを検証できるように記録する。




A)DVD−R等による交付の場合

【交付側】

・交付資料に添付する鑑の複写及び送付した記録(送付伝票等)を保存する。

・受領票等に受領者の署名等を受ける。又は、受領されていることを確認しモニタリング報告書等に記録する。

・送付簿を作成し、送付者、送付日時、送付内容を記録する。


【受領側】

・DVD−R等に添付された鑑に受領印を押し保存する。

・受領簿を作成し、受領者、受領日時、受領内容を記録する。


B)クラウド等システムによる交付の場合

・クラウド等システムにログを残す。

・受領後速やかに保存し、その保存ログで受領されたことを記録させる。

・受領簿を作成し、受領者、受領日時、受領内容を記録する。

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・・・・・・・というような記録が残るようにSOPで手順を決めておきましょう。





最近は「クラウド」技術を使うことが多くなってきたと思いますが、その際の最大の留意点は以下のとおりです。
   ↓
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交付側がクラウド等システムにアップロードするだけでは法令上の交付が成立していないことに留意する必要がある。

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そりゃそうだよね。

こっちがアップロードしても、受領側がきちんと確認していないと「交付が成立していない」。当たり前と言えば当たり前。


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2013年07月10日

治験関連文書における電磁的記録の活用(1)

今週は下記の「事務連絡」等を見ていきます。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/

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●治験関連文書における電磁的記録の活用に関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)


今日は「治験関連文書における電磁的記録の活用に関する基本的考え方について」を見ます。(その1)

この事務連絡のカバー範囲は次のように記載されています。
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■

本文書においては、GCP省令に基づき治験依頼者等と実施医療機関の長及び治験責任医師との間、実施医療機関の長と治験審査委員会との間で授受される治験関連文書(以下「治験関連文書」という。)を電磁的記録として保存等する場合を対象とした。

■■■■■■■■■■■■■■

つまり、治験依頼者が自社の中で電磁的に保存しているようなものはカバーしていません、ということで。


さて、「治験関連文書を電磁的記録として扱うことに関する法令上の整理」ですが、まず、「「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」(平成16年12月1日法律第149号。以下「e-文書法」という。)」が関係してきます。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/e-wen-shu-fa


へ〜〜!平成16年ですから、今から9年も前に出た法律なんですね。

きっと、今なら、もっと違う法律になっていたでしょうね。


さらに関連する法律ですが、「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」(平成17年3月25日厚生労働省令第44号。以下「省令第44号」という。)」があります。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/44


この「省令第44号」には次のように規定されているんですね。たまにはしっかりと読んでみましょう。
   ↓
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省令第44号では、電磁的記録として作成するための方法(第6条)、電磁的記録として交付するための方法(第11条第1項)、電磁的記録として保存するための方法(第4条第1項)及び電磁的記録として保存等できる文書の範囲(別表)が規定されている。

さらに別表第1の表2、表4又は表3に掲げる文書(医師法・歯科医師法に基づく診療録、薬剤師法に基づく処方せん等を含む。)を電磁的記録として保存する場合には、第4条第4項で規定される@機器上への表示及び書面の作成ができること(見読性)、A保存期間中の改変、消去について確認でき、責任の所在が明らかであること(真正性)、B復元可能な状態で保存する措置を講じておくこと(保存性)が求められており、別表第1の表1に掲げる文書(GCP省令に基づき交付される治験関連文書を含む。)を電磁的記録として保存する場合には、第4条第3項で規定される機器上への表示及び書面の作成ができること(見読性)が、別表第4に掲げる治験関連文書を電磁的記録として交付する場合には、第11条第2項で規定されるように当該記録が書面を作成することができるものであることが求められている。

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ほ? ほっほ〜〜!

治験に関連する文書は「見読性」だけなんだ。(違う?僕の理解不足?)

でも、そうは言っても、やっぱり、「真正性」も「保存性」も確保しましょうとは書いてあります。


で、治験に関連する文書は、全部、電磁的に保存できるのでしょうか?
   ↓
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治験関連文書は、GCP省令において規定されている交付形態から、@書面による交付が求められている治験関連文書、A電磁的記録として交付することも可能とされる治験関連文書(GCP省令第10条又は第15条の7に基づき提出される事前提出資料等)、B交付形態に関する規定はなく、利便性の問題から書面で交付される治験関連文書(GCP省令第20条又は第26条の6に基づき通知される副作用情報等)に分類されているが、全て電磁的記録として交付することが可能である。


また、治験関連文書は省令第44号の別表第1の表1において、電磁的記録として保存できる文書としても規定されていることから、全て電磁的記録として保存することが可能である。

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要は、全部、電磁的に保存が可能ということですね。





さて、事務連絡の3頁目に重要なことが記載されています。
   ↓
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留意点を十分理解せずに利用した場合には、電磁的記録の消失等が頻繁に生じる等、紙記録と比較した欠点が問題となる可能性がある。

例えば、消失した文書が再現できない場合には、保存義務のある文書を保存していなかっただけではなく、実施義務のある業務自体を実施していなかったと扱われる可能性があるので留意する必要がある。

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「記録が無いということは、やっていないということです」という「決まり文句」が出てきますね。

気をつけましょうね。

うっかり、削除しないように。(僕はよくやるけれど^^;)


さらにもっと注意しないといけないことが書かれています。
   ↓
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・ 電磁的記録はそれ自体を人の知覚で認識することはできず、その閲覧にはソフトウェアや専用のシステムが必要である。

そのため、開発会社独自のファイル形式や特定の環境でしか確認できないファイル形式で交付された電磁的記録は、将来的にソフトウェア等のバージョンアップ及び開発中止等によって、閲覧できなくなる危険性がある。



・ 電磁的記録を保存するためのDVD−R等の記録媒体は、特定の読取装置が必要である。そのため、その読取装置が使用できず代替手段もない場合には、閲覧できなくなる危険性がある。


・ 記録媒体の劣化や損壊により、保存している電磁的記録が滅失又は棄損してしまう危険性がある。

電磁的記録の場合、一部分の劣化であっても全て判読できなくなる危険性が高く、紙記録に比べてより留意する必要がある。


・ 電磁的記録や関連情報(システム時刻、ログの内容等)は、ユーザーの過失や意図的な改ざん、コンピュータウイルスの感染、第三者の不正なアクセス等により書換えられる危険性があり、セキュリティ管理が不十分な場合に、より増大する。

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「紙の資料」だったら、「1頁だけやぶけた」ということで済むけれど、電磁的な場合、1部が破壊されると、全部を見ることができなくなりますからね。

バックアップをしっかりと取っておきましょう。(SOPで規定して。)

あとは不正アクセスによる破壊工作ですね。

今や国内だけではなく、国外からも攻撃がありますからね。

下手したら、ライバルの製薬会社からやられたりして(冗談ですよ!!)


さらに「マイナー」なソフトを使ってしまうと、そのソフトの開発中止で、将来、閲覧できない、なんてことも。(その昔、「ワープロ専用機」なんていうのがあり、「ルポ」とか「書院」なんていうので、文書を作成したことがあります。今では、それれは読めません^^;)

なので、基本、PDFで保存ですね。



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