2013年07月24日

医薬品産業の現状と課題

今週は「医薬品産業ビジョン2013」を見ています。
  ↓
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shinkou/dl/vision_2013a.pdf


●第2章 医薬品産業の現状と課題

1.医薬品産業の現状(PDF11ページ目)
   ↓
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国内市場、海外市場ともに拡大しているが、国内市場の割合には、あまり変化が見られない。

その背景には日米欧の三大市場はこれまでと同様に市場拡大しているものの、アジア新興国や BRICs 諸国がそれ以上にシェアを伸ばしてきていることが要因となっている。

2007 年と 2011 年を比較すると、日米欧の市場の世界市場の割合の伸びは鈍い一方で、新興国の割合は、18.4%から 24.4%に大きく上昇していることからも、明らかである。

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内資系製薬会社で成長している会社はほとんどが、この新興国などに進出して成功していますよね。

国によっては他の国で既に承認されていれば「治験」が不要の国もあります。(ミャンマーとか。)

お金にするには手っ取り早い。

でも、そういうことで売り上げが上がったからと言って安穏としているとすぐに「玉」が尽きますから注意が必要です。



さて、「ドラッグラグ」の分析です。(PDFの11ページ目)
   ↓
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また、世界の売上上位 150 品目において、他国では上市されているが日本では未上市の医薬品の割合は、2005 年の 25%(37 品目)から 2011 年の18%(26 品目)へと減少したものの、いまだに上市順位については遅れをとっている。(資料6・7)。

このような状況は、各企業の開発戦略による影響による面もあるにせよ、世界第 2 位の市場規模の魅力が世界に劣るとは言い難いことから、研究開発の基盤を含む創薬全体の日本の環境に問題があると考えざるを得ない。

実際に、外資系企業を中心に日本の研究開発拠点は閉鎖され、シンガポールや上海などに新たに開設する動きが見られる(資料8)。

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『研究開発の基盤を含む創薬全体の日本の環境に問題があると考えざるを得ない。』ですって。なるほどね。

まぁ、そう持ってくるのが「国の政策を正当化」する常套手段です。



●(2)市場構造(PDFの11ページ目)
   ↓
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これまでの医薬品開発は低分子医薬品を中心としたブロックバスターを主軸としていたが、創薬アプローチの変化・高度化もあり、近年では、世界売上の上位品目には抗体医薬を中心としたバイオ医薬品の占める比率が増加している(資料 16・17)。

疾患領域や治療目的によって低分子医薬品の比率が高いものもあるが、今後もバイオ医薬品の比率が拡大する可能性は高いものと考えられる。

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そう言えば、こんなニュースを見ました。
    ↓
「ダウン症iPS、修正成功=余分な染色体の働き止める―将来は治療応用も・米大学」
    ↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130718-00000010-jij-sctch
    ↓
「長期的にはダウン症患者の『染色体治療』ができる可能性がある」

『染色体治療』ですよ!

こんな言葉が出てくること自体がすごいな・・・・・・。

10年後が楽しみです!!



●(4)企業規模(PDFの14ページ目)
   ↓
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・ 企業の競争力は必ずしも売上高のような規模のみによって決まるものではないが、製薬企業に照らして考えると、多額の研究開発投資を継続して、また世界各国で並行して事業展開を行っていくためには、ある程度の売上高や企業規模が必要なことも事実である。

・ 近年、武田薬品工業とナイコメッド、第一三共とランバクシーの例のように、日本企業による海外企業のM&Aも多く見られるが、これには、バイオベンチャー買収に代わるパイプライン獲得の手段と、新興国への販路拡大という、主に2つの目的がある。

そうした取組の結果、日本の大手製薬企業は、ブロックバスターの特許切れの影響があるものの、売上高を伸ばしてきているが、世界の各大手製薬企業も同様に売上高を伸ばしている。

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内資系製薬会社にとっては、海外のどの企業を買収するかが『勝負の分かれ目』です。(CROも^^;)




製薬会社の底力はどうでしょう?(PDFの15頁目
   ↓
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1社当たりの研究開発費の絶対額は、日本はアメリカと比べると小さく、ここ数年、日本の製薬企業も研究開発費を増加させてきたが、その差は拡大傾向にある(資料 30)。

また、アメリカのNIHによる研究開発関連の支出は、前回ビジョン策定時以降も微増傾向にあった一方、日本の公的機関・非営利団体によるライフサイエンス分野の研究開発費は、横ばい推移となっている。(資料 31・32)。

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結果が出ないとすぐに予算が削減される近視眼的な政策(官民とも)では、やっていけない。

でも、それを踏まえてでも、製薬会社や国の研究機関(大学も含めて)は、もっと「成果」に執着しないといけません。


僕もある会社で「モニター教育に対する成果は何だ?!」と質問されて「PMDAから指摘事項の減少と承認までの時間短縮です」と答えた覚えがありますが。

だから、必ず数値で提示できる「成果」が必要。

3年でいくつの新薬(それも年間100億円以上の売り上げを達成する)を市場に出せるか、というのが「成果」の考え方です。

「出口戦略」です。



では、現状を打破するにはどうしたらいいのか?(PDFの15頁目)
   ↓
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このような企業による創薬に係る研究開発費の高止まりの状況の一方で、今後さらに創薬のパイプラインが先細る危惧がある。

製薬企業にとっては、さらなるパイプラインの獲得のために、自社独自のシーズだけでなく、シーズを提供するアカデミアやバイオベンチャーを含む外部企業への投資、提携・連携、M&A等により外部シーズを取り込む戦略の重要性が増している状況にある(資料 35)。

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要は「模索しろ」ということ。(これ自体は悪くない。後述)

もう「自力」では限界まできていますから。

iPS細胞関係に期待したい。

この資料にも75頁目に「iPS細胞」関係のことが書かれています。
   ↓
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・ iPS細胞を含む幹細胞を用いた再生医療、さらには再生医療の技術を応用した創薬(例えばiPS細胞を用いた創薬)をいち早く実現するために、関係府省が協働して切れ目なくシーズを発掘し、基礎から臨床まで一貫した支援を実施する。具体的には以下の事項に取り組む。

@ 短期、中長期で臨床研究への到達を目指す再生医療の基礎研究を推進する。

A 疾患・組織別にそれぞれの機関が、臨床研究・再生医療の実現化まで責任を持って移行できる体制を整備する。

B 国内外の研究機関等で作成・保存されているヒト幹細胞に関する情報を、国内外の研究者、患者等に提供するための「ヒト幹細胞データベース」を構築し、運用する。

C ヒト幹細胞の臨床応用を加速するために必要な研究情報の共有システム等の研究基盤の開発及び細胞の採取、樹立から臨床応用までの効果的、効率的な手順等を確立する。また、再生医療の安全性を確保するため、造腫瘍性、免疫拒絶、体内動態及び使用されるヒト幹細胞の保存等を目
的とする研究事業を実施する。

D 再生医療やその他幹細胞関連産業の実現化及び将来の再生医療の実現化のため、iPS細胞等幹細胞を安定的に大量供給可能とする基盤技術や高度培養技術等を開発する。

E 臨床応用に近い段階にあるヒト幹細胞研究を重点的に支援する。

 
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iPS細胞を使った世界最初の臨床試験がもうすぐ日本で始まりますが、是非、成功してほしいものです。
  ↓
「理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの高橋政代先生のチームが、iPS細胞を用いた加齢黄斑変性の治療理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの高橋政代先生のチームが、iPS細胞を用いた加齢黄斑変性の治療について、安全性の確認を主目的として臨床研究を開始」


明日へ続く



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2013年07月23日

創薬環境の変化に対する国家レベルでの対応

今週は「医薬品産業ビジョン2013」を見ています。

●第1章 医薬品産業ビジョン 2013 策定の目的


昨日は厚生労働副大臣の話を見ましたが、今日からは本格的に「医薬品産業ビジョン2013」を見ていきます。

まずは本文から。
  ↓
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shinkou/dl/vision_2013a.pdf


●創薬環境の変化(PDFの7ページ目)
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■

ミレニアム・プロジェクトでのナノテクノロジー重視政策への転換の影響もあり、一時はバイオベンチャーブームが起こったものの、日本ではバイオベンチャー振興は成功しなかった。この時期は、研究開発のオープン化の進行に対応すべく、いかに産学連携を進めていくのかが課題であった。

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おお!「ミレニアム・プロジェクト」←これありましたね、そんなのが。21世紀になった頃ですね。懐かしい!!

ここに詳しいです。
  ↓
「ミレニアム・プロジェクトについて」
  ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/mille/


こんな議事録もあるぞ!
  ↓
「ミレニアム・ゲノム・プロジェクト:最終評価・助言会議第一日目 議事概要」
  ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/mille/genomu/saisyu/dai1gaiyou.pdf


「ミレニアム・ゲノム・プロジェクト」もこれで終わり?って感じですね。



「医薬品産業ビジョン2013」に戻ります。(PDFの7ページ目)
   ↓
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我が国の医薬品産業を見ると、この 10 年間でグローバルに流通する大型医薬品を開発する力を付け、国内大手企業には海外売上比率が 50%を超える企業も現れてきているが、世界的なプレゼンスをみると、日本のトップ企業も世界の 10 番手に届かず、国際競争力という点では、道半ばという状
況にある。

(中略)

我が国では、外資系企業の国内研究拠点の閉鎖、国内企業の研究・開発拠点の海外移転など、国内の研究拠点の閉鎖を招く状況になっている。

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今のうちに言っておきますと、これから新薬の開発を志す人は、どんどん海外に出ていくべきです。

それも外資系の本社に就職してしまいましょう。

そこで、いろんなノウハウを学んだら、日本に戻ってきて、内資系の製薬会社に転職するといいでしょう。

それも数百人単位で「集団転職」してもらうと助かります。



そして、今の製薬業界を「医薬品産業ビジョン2013」では次のように分析しています。(PDFの8ページ目)
   ↓
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現在は、どのビジネスモデルが勝ちパターンであるかが見えずに混沌としており、世界中の製薬企業が方向性を模索しているという状況である。

少なくとも、これまでのクローズ手法での新薬開発では遅れをとってしまうため、製薬企業は研究開発のオープン化を進行させ、外部の技術とパイプライン獲得を目指すことが不可欠となっている。

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「勝ちパターン」が分からないというのは何も製薬業界だけではなく、自動車業界だろうとIT業界だろうと同じですよね。

大事なのは「アップル社」みたいに自分で「勝ちパターン」になるように業界を動かすことです。




●創薬環境の変化に対する国家レベルでの対応(PDFの8ページ目)
   ↓
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具体的な取組としては、研究開発費に対する税制支援の拡充や、新薬創出・適応外薬解消等促進加算(以下「新薬創出等加算」という。)の試行的導入による薬価面での評価など、企業の研究開発に対する支援を充実させ
てきた。

ドラッグ・ラグについても、(独)医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)での審査員の増員、治験相談の質・量の向上、基準の明確化をはじめとする審査体制の充実・強化が寄与し、我が国の創薬環境は、以前に比べて大きく改善してきている。

このように、我が国でも様々な取組を進めてきているが、医薬品産業を取り巻く創薬環境の国家間競争に十分に対応できているとは言えない。

創薬環境の整備は国家レベルの動きであり、国家間競争の動きには、製薬企業だけでは対応することが出来ないため、国としても、あらゆる施策を総動員し、我が国が「世界中の優秀な人材と企業が国境を越えて集結する真に魅力ある創薬の場」となり、世界一の創薬国となるよう、さらなる支援を行うことが必要である。

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ところで「世界一の創薬国」になるための「条件」って何でしょう?




明日へ続く




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2013年07月20日

「医薬品産業ビジョン2013」を見る

今週は厚生労働省が発表した「医薬品産業ビジョン2013」を見ていきます。

なお、このビジョンに対して厚生労働省副大臣も記者会見していますので、(ついでに)それも見ます。

上記の内容は下記のページ合わせて保存してあります。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/bijyon2013


まず、最初に副大臣の記者会見です。
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■

「日本再興戦略」でも、健康長寿産業は戦略的分野の一つに位置付けられており、その中心である医薬品・医療機器産業は、まさに「1丁目1番地」である。

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上記のようにお馴染みの「1丁目1番地」とありますが、製薬業界はこの言葉に安住していてはいけないですよね。

「IT分野」だって同じ言葉を使っているかもしれません。

国の予算を得るためには何よりも「実績」が大事です。(違う?)

あるいは、国の助けが無くても基本的に「成長し続ける業界」である工夫が必要です。




さて、今回の「医薬品産業ビジョン2013」と「医療機器産業ビジョン2013」の目的は?
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■

二つの産業ビジョンは、厚生労働省の立場から、中長期的な視点で「産業の将来像」と「その実現のための取組」を示したものである。

まず、「医薬品産業ビジョン2013」は、創薬環境の国家間競争が高まっている中、世界中の優秀な人材と企業が国境を越えて我が国に集結するという、真に魅力ある創薬の場にすることを目指している。

具体的に、新薬メーカーの将来あるべき姿を次の通り例示する。

新薬メーカーには、[1]革新的な医薬品の開発、[2]医薬品の安定供給、[3]経済成長への貢献、[4]日本初のイノベーションの発信、という大きく4つの役割が求められる。

そして、これらの役割を果たすために、「患者ニーズへの対応」、「海外市場への展開」、「事業・人材への投資の充実」という三つの機能を今後強化すべきと考える。

三つの機能のどれを強化するかは、それぞれの企業が経営判断で決めるべきものであるが、厚生労働省としては、研究段階から保険適用段階に至るまでの、企業が創薬を行う環境の整備に取り組むことで、支援していきたい。

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上記の「世界中の優秀な人材と企業が国境を越えて我が国に集結する」ですが、もし、これが実現したら、あなたはこの業界に、あるいは会社、病院に生き残れる自信がありますか?

あるいは、あなたの会社は生き残れると思いますか?

これを考えるだけでも、結構、震撼とするものがあります。(もし、本当に実現するならば。そして、もし、今回、実現できなければ、今後、永遠にチャンスはないでしょう。)



ところで、あなたが経営者ならば、次の3つのうち、どれを最優先しますか?


(1)「患者ニーズへの対応」

(2)「海外市場への展開」

(3)「事業・人材への投資の充実」


(2)の「海外市場への展開」は別枠として(1)「患者ニーズへの対応」と(3)「事業・人材への投資の充実」はリンクしていてい、「にわとりと卵」的です。

もし、僕が社長ならば、もちろん!(3)「事業・人材への投資の充実」



さて、行政は何をやってくれるのでしょうか?(と、あまり期待しすぎない)
   ↓
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このような医薬品・医療機器業界の将来あるべき姿に向けて、厚生労働省としては、基礎研究から保険適用に至るまでの、各ステージへの切れ目のない支援施策を検討・実行するとともに、薬事法改正法案や再生医療等安全性確保法案などといった法律による環境整備、さらには企業の国際展開を積極的に支援していきたい。

そして、以上のような、これまでとは次元の違う取組を進めることにより、2030年までに「日本を世界一の創薬国にする」、「世界のトップ企業を輩出する」、「医薬品・医療機器の貿易収支を改善する」、「医療機器の輸出金額を2倍にする(2011年度比)」、「医療機器の海外依存度を30%以下にする」という目標の達成を目指す。

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今年の「流行語」としては「次元の違う」ですね。^^

ところで、「2030年までに・・・・・・」ということですから、あと17年もあとの話です。

まぁ、当局としてはこれだけの長いスパンの視野が必要でしょうが、いち企業としては「この5年が勝負!」ですよね。

17年後と言えば、僕はちょうど「70歳」(!!)、笑っちゃいます^^;。。。。。

僕の子どもや孫たちのために是非、達成して欲しいものです。




記者と副大臣との質疑応答の中にはこんなやりとりも。
   ↓
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(記者)

今後経産省とはどのようなすみ分けといいますか、協力態勢を取られるんでしょうか。


(副大臣の答えの抜粋)

例えば治験の短縮化にしてもですね、あるいはPMDA等の整備状況にしても、やはりルールの面で十分我が省としての取組がなされてこなかったということを反省しております。

9月からの臨時国会には医療法の改正案も提案をしたいと思っておりまして、そうした医療法の改正の中にも、こうした医薬品・医療機器の開発促進につながるような内容を盛り込ませていただきたいと思っております

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「医療法」の改正に期待したいです。




さらに「ドラッグラグ」についても簡単に言及しています・・・・・・
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■

(記者)

 そういえば、こちらにドラッグラグの話は特には出てきていないんですが、サマリーの方の中には盛り込まれているでしょうか。

(副大臣の答えの抜粋)

まさにドラッグラグの解消のためにあらゆる政策を動員していくつもりで取り組んでいくことが大事なんだろうと思っております。

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また、こんな「厳しい」質問もあります。
   ↓
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(記者)

結論として企業のあるべき姿、適者生存というふうになっているですけれども、ある意味経済原則からすれば当たり前の話で、逆に言えば、過去2回いろいろな特徴付けをして将来像を指し示してきたのを捨てたようにも見えるんですけれども、その点どうなんでしょうか。


(事務方の答えの抜粋)

御指摘のとおりでございます。

過去2回、メガファーマとか、グローバルニッチというカテゴリーを示し、そこを目指してはどうかと方向性を示してきました。

その当時から萌芽が出ていて、今はそれは顕著になって来ていることとして、創薬の仕方が化学物質を探求することから現場のニーズを踏まえて行うことに変わってきている。

例えば、病態を解明し、どういうタンパクが関係しているかが見つかるというような研究アプローチに変わり、そしてそれをバイオという技術を使って作るとなると、企業の研究、創薬アプローチが変わり、そしていわゆる市場規模も、低分子の化合物のように1千億円を超えるようなものではなくて、数百億になる。

そうなれば、そういったメガファーマとか、グローバルニッチという姿が、以前は階層のようになってたんですけれども、今後は階層でないかもしれない。

すべての疾病領域での創薬ができないかもしれず、規模も小さくなるかもしれない。

つまり、自分たちはこの領域で創薬を目指すという判断の影響が大きいという意味で適者生存ということにいたしました。

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う〜〜〜ん・・・・・・・・。(みなさんは、どう思いますか?)




明日へ続く



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2013年07月19日

「開発着手ラグ」だけです

今週は製薬協の「国内治験環境の分析並びに改善点の検討」を見てきました。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/allotment/pdf/tf4.pdf


●治験のスピードは改善されつつあります。

●依頼〜IRB の期間を中央値でみると、2週間でほぼ一定

●契約からFPI まで1ヶ月以上を要している

●EDCの利用率は増加傾向にあります。

●データ固定までの期間は「紙のCRF」と「EDC」で差がない。

●国際共同治験ではほとんどが「EDC」。

●治験の費用は10年前から、ほとんど変化がありません。(増加傾向にあるかと思いきや・・・・・)

●セントラルIRBを利用している施設数は増加傾向にあります。

●実施率及び治験の質(有効性解析対象採用率)は特に継時的変化はない

●国際共同治験は2009年をピークに、その後、減っています。

●全体の平均は1症例あたり126万円

●モニター1人あたりの担当施設数は3、4施設

●実施率及び治験の質(有効性解析対象採用率)は特に継時的変化はない

●治験を実施している医療機関は10年前に比べると圧倒的に「診療所」が増えている



今回の製薬協の報告書の特徴は何と言っても10年前から蓄積していたアンケートデータを利用できたことでした。

僕の感覚では治験のスピードは10年前から変化が無いように感じていたのですが、こうしてデータを見せられると、納得します。


ところで、治験のスピードは速くなっているし、PMDAの審査業務も速くなっていると、「ドラッグ・ラグ」はどこで発生しているのでしょうか?

そうです!

「開発着手ラグ」だけですね。


国内の内資系製薬会社が自社で開発した治験薬のフェーズ1をアメリカでやるぐらいですから。



以上

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2013年07月18日

プロトコール疾患領域別治験数

今週は製薬協の「国内治験環境の分析並びに改善点の検討」を見ていきます。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/allotment/pdf/tf4.pdf


「まとめ」が73ページ目にあります。

今の課題としてはFPIまでに時間がかかりすぎている(全体で言うと1ヶ月)ので、ここが改善点ということです。

10年分のデータを見ることができたというのが、一番良かった点ですね。

特に治験のスピードは飛躍的に改善されていました。


ところで、話は全然、治験とは関係ないですが、今、「ビックデータ」の活用がいろんなところでやられていますよね。

ビックデータとは尋常じゃないぐらいのデータ量のことで、たとえば、3.11の震災直後のツイッターで発信された情報の分析とか、震災発生時の人間の動きとか。

最近では「参議院選」とか。


治験についても、そんなビッグデータの活用が考えられんじゃないでしょうか?


さて、上記の報告書の82ページ目に治験を実施した経営体別医療機関数があります。

10年前に比べると圧倒的に「診療所」が増えているのが分かりますね。

まぁ、「国公立大学」などは、数が決まっているので、飛躍的に増加するということはあり得ませんが、診療所クラスについては、まだまだ、増加することも考えられます。

診療所クラスもネットワークに入れば、十分、治験が実施できますからね。

さらにSMOの力も当然、助けになります。

CROとSMOも10年前に誕生した組織です。

今や、実はモニターの人数は製薬会社所属よりもCRO所属のほうが多いとのこと。


新しいビジネスモデルが治験の姿を変えつつあります。




●プロトコール疾患領域別治験数・・・87ページ目

癌領域のプロトコル数は2007年をピークに減少していますね。

循環器領域のプロトコル数は増加傾向にあります。


●経営母体別の1症例の単価・・・113ページ目

診療所クラスで178万円、私立大で242万円。

このあたりも欧米と比較してほしいですね。

いずれにしても、10症例で1千万円を超えるわけで、まぁ、この業界で働いていると、それが当然の金額だと思いますが、一般市民の感覚で考えると「ドヒャー!!」というぐらい高いですよね。

しょうがないんでしょうけれど。



●プロトコール領域別症例単価・・・114ページ目

やっぱり、癌領域が単価が高いですね。



●プロトコール疾患領域別モニター担当症例数・・・118ページ目

だいたいモニター1人あたり、30症例〜40症例を担当しているようですね。

これまた、やっぱりという感じですが、癌領域は担当している症例数は少ない。

癌の治験は特殊ですからね。

そのデータ量も他の領域に比べて多いですし、副作用は必発ですし、SAEもざらですからね。


●プロトコール疾患領域別実施症例数・・・128ページ目

やっぱり、癌領域は症例数が少ないですね。


CROに勤めている僕としては抗がん剤の治験ができるモニターを育成しないといけないということが分かります。


明日へ続く

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