下記のテーマです。
●「iPS細胞」と「ダウン症の出生前検査」と「倫理は幻想か?」
●「臨床研究・治験の活性化2012」と「医療イノベーション5か年戦略」
●「IT革命」と「SNS」
●「スーパーコンピュータ『京』」と「ITの活用方法」
●「GCPの改訂」
今日は「iPS細胞」と「ダウン症の出生前検査」と「倫理は幻想か?」です。
今年の後半は何と言っても「iPS細胞」でしたね。
マスコミもネットも「iPS細胞」で大賑わい。
途中で「誤報」もあったりして。
どうして、こんなに話題になったんでしょ?
まぁ、分かりやすいですし、暮らしに役立ちそうですからね。
そりゃ、2008年のノーベル物理学賞の「小林誠」さんと「益川敏英」さんの「CP対称性の破れ」なんて、我々には「???????」ですものね。
でも、本当は「CP対称性の破れ」って、この宇宙の存在そのものに関する学説なので、本当はこっちのほうが、「身近」なんだけれど。
「iPS細胞」については、日本国家も「オールジャパン」で応援することになりましたし、予算もたくさん出て、早く応用されそうで、期待できます。
アマゾンで「iPS細胞」を検索すると・・・・・・なんと!291件もあります。(既に、これだけの「経済効果」が出ています^^;)
↓
●「アマゾンで検索したiPS細胞に関する本」
ただ、「iPS細胞」には倫理的な問題も含んでいます。(ES細胞ほどではないにしろ。)
↓
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/091211_1.htm
さて、今年、もうひとつ話題になったのが、「ダウン症の出生前検査」。
今までの検査とは、けた違いに「精度が高い」検査ができたわけです。
これまた、「倫理的な問題」を含んでいます。
↓
●「どんなDNAなら生まれてきていいのか」ダウン症協会理事長
↓
http://kenko100.jp/news/2012/11/27/01
●波紋呼ぶ新出生前遺伝子検査、日本産科婦人科学会が見解取りまとめへ。
↓
http://www.excite.co.jp/News/column_g/20121127/Narinari_20121127_19729.html
科学が発展してきて「神の領域」に入ってきたわけですね。
でも、「体外受精」も昔は「倫理的にどうなんだ?」と言われていました。
また、「脳死」による「移植」も、今では200例を超えました。
↓
http://www.jotnw.or.jp/datafile/offer_brain.html
「脳死」は「人間の死」なのか? という問題も、かつては話題になりました。
こういう「倫理的な問題」が発生すると「まだ十分に国民の間で検討されていない。コンセンサスを得られていない」ということがよく言われます。
ということは、今では「体外受精」も「脳死」も「国民の間で十分に検討され、コンセンサスを得た」ということになります。
でも、国民と言っても、現実問題として、「全国民」が検討に加わったわけではないですよね。
少なくとも僕は「脳死についてどう思いますか?」と聞かれた覚えがありません。
まぁ、それなりの専門の「有識者」の皆さんが集まり、「民意」を代表する国会議員の中で検討されたから、「良し」ということです。
そして、既成事実として体外受精も脳死による移植も積み重ねられ、私たちは普通に受け止めているわけです。
今では多くの方が「体外受精」や「脳死による臓器移植」で幸せになっています。
こう考えると「倫理」というのは人間の世界とは独立して「絶対的な真理」として存在するわけではなく、「社会的背景」とか「国民性」とか「科学」や「時代」によって変わってくるんだということが分かります。
私たちは治験で「倫理」を強調していますが、なんだか「倫理」という「幻想」を追いかけているような気がしてきました。
「倫理」って「幻想」なのでしょうか?
「倫理」を真剣に考えるのは自分に突き付けられた時だけかな、なんて思ったりします。
たとえば、「ダウン症の出生前検査」を実施したら、80%の確率ですが、どうしますか? と言われた時に。
本当、難しい・・・・・・。
ちなみに、ノーベル賞をもらった「山中伸弥」さんは、見習いの臨床医の頃、不器用で「じゃまなか」と呼ばれたエピソードとか、山中博士と一緒にノーベル賞を受賞した「ジョン・ガードン」博士も、15歳の通信簿では、担任から「生物学分野への進学を考えているならば、それは全く時間の無駄だ。そんな考えは直ちに全て放棄すること。」と忠告されたエピソードは私たちを勇気づけてくれます。
ただ、その後の本人の努力はもちろん不可欠ですが。
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