2012年10月31日

モニターがやるべきこと(CRFを確認する)

自分が担当する治験のCRFはどのようなデータを集めるのか、まず、確認する。

被験者の基本データ(年齢、性別、体重、身長等)、既往歴、合併症、そして、当該疾患。

既往歴はどれくらい遡って調べるのか、あるいはどの程度の既往歴をCRFに記載するのかをチーム内で確認しておこう。

次にvisitごとに集めるデータはどのようなものがあるのか。

それらのデータは、どの原資料から集めるのか、場合によっては「患者日誌」から集める、なんていうのもあるから要注意。

「患者日誌」に記載されている情報をそのままCRFに記載するのか、それとも、その情報をもとに治験責任医師等が取捨選択して、なおかつ「医学用語」に書き直してCRFに記載するのか、再確認しよう。

もし、そういうことが決まってないなら、決めるように上司に進言すること。

ついでに、その「患者日誌」は治験依頼者が最終的に回収するのか、それとも医療機関で保存してもらうのかも確認しておく。


さて、visitごとに有効性のデータと安全性のデータを集めるのが一般的だけど、CRFの記載欄ごとに、この記載欄に書いてもらうデータは、どの原資料のどの原データを記載するのかも確認しておく。

「有害事象」のコメント欄には「因果関係が無い」時に医師からコメント記載してもらうのか、逆に「因果関係を否定できない」場合にコメントをもらうのか、そもそも、そういうコメントはもらわないのかにも注意しよう。

もし、有害事象が発生した場合、いつまで追跡するのかもチーム内で決めておく。

有害事象の程度もCRFに記載することが普通だ。

たとえば「軽度」「中等度」「高度」のように。

どういう場合が中等度なのか、等は通常、CRFに書かれているので、そこもしっかり確認しておく。


併用薬については、一般的に「市販名」で記載されると思うが、「規格」(20mg錠とか)まで記載するのか、有害事象に使われた薬は、併用薬欄に書かないで有害事象欄に記載するのかも確認しておく。

モニターは、これらのことを全て分かっていないとCRCの聞かれた時に困る。


まれにあるのだが、プロトコルで規定していないデータを記載する欄があることがある。

これは、DM等がCRFを作成する際に、他の治験で使ったモジュールをそのままコピペで使ってしまった場合に起こりうる。

そんなことがないように、CRFの全ての記載欄を逐一、確認しておこう。


・・・・・・ということで、モニターはCRFの全て、隅から隅まで目を通すように。

さらに、治験が開始されたら、データが記載済みのCRFを確認する時の「CRFのチェックリスト」というものが作成されるはずなので、それもしっかりと暗記しておこう。

このチェックリストは治験が進むに従って、改訂、追記がなされることが多いので、それもフォローしよう。


以上が終わったら、次は「同意説明文書」を確認する。




■■■ ホーライ製薬のfacebook ■■■
      ↓
なまいきにfacebookがあります。
      ↓
http://www.facebook.com/Horaiseiyaku


週刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

日刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

医薬品ができるまで(治験に関する話題)

●ホーライのツイッター
   ↓
https://twitter.com/horai_japan

●塚田 淳彦 (ホーライ) facebook
http://www.facebook.com/atsuhiko.tsukada



posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | スーパーモニターになる方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月30日

モニターがやるべきこと(治験薬概要書を読む)

「治験薬概要書」を毛嫌いするモニターがいるが、それではいけません。

この「治験薬概要書」に治験薬の全てが書かれているのですから。

プロトコルのところでも書いたけれど、そもそも、この治験薬の存在意義が書かれている。

じっくり読んで、自分がまず納得する。

「何故、この治験薬を開発する意義があるのか?」だ。

そのために「背景」をしっかり読む。

その背景を読んだら、次は、治験薬概要書の一番、最後の項目を読む。

普通、治験薬概要書の最後には「データの要約及び治験責任医師に対するガイダンス」が書かれているはず。

ここに治験薬の有効性と安全性の「まとめ」が(普通は)書かれています。

その治験薬概要書が作成された段階で得られているデータの概略が書かれているので、そこをしっかりと理解、暗記する。

ちなみに、ICH-GCPでは、この「データの要約及び治験責任医師に対するガイダンス」には「治験薬を過剰投与した場合の対処方法」も記載されることになっているんだけれど、知ってた?

下記のPDFの50ページの下から2行を見てみよう!
   ↓
http://www.jmacct.med.or.jp/report/files/ICH-GCP.pdf


このガイダンスを読んだら、治験薬概要書の最初に戻ります。

まず、治験薬の化学的、物理的性質が記載されているので、ここでは「安定性」を確認する。

室温で保存なのか、冷蔵保存なのか、さらに「使用期限」(有効期限)などはここに関連して記載されている。

水に溶けるのか、アルコールに溶けるのか、なども忘れずに読む。

このあたりを薬剤部の方に質問されることが多い。


治験薬概要書の次の箇所からはひたすら「非臨床試験」のデータが記載されている。

ここを飛ばさないように!

ここに「有効性」の根拠と予測される「危険性」がある。

「薬効薬理」と一般に呼ばれている試験に、この治験薬の有効性を確認した動物実験のデータがある。

どんな動物を使って、どのような試験を使って有効性を確認したのか、を確認します。

場合によっては、「薬効薬理」が無い場合もある。

たとえば「更年期障害」のように「人間の自覚症状」に対する治験薬などは動物実験では確かめられないね。


次に「一般薬理」と呼ばれている箇所に、薬効とは直接関係しないけれど、発現する生理作用が記載されている。

これは、人によっては「副作用」になるので、しっかりと読もう。

この治験薬を投与すると血圧は上がるのか、心拍数は増えるのか、行動は活発化されるのか、等。


そして、各種「毒性試験」が記載されている。

そもそも、この治験薬は蓄積性があるのか、急性毒性にはどのようなものがあるか、慢性毒性はどうか、がん原性はどうなのか、など等。

これれは直接、人間に対する毒性にも関連しているので、しっかりと読もう。


動物実験のデータが終わると、次が「臨床試験」。

もちろん、その治験がフェーズ1の単回試験なら、その前に行われた臨床試験は無いけれど、それ以外は全ての臨床試験のデータが簡潔にまとめられている。

このあたりは、治験責任医師等に治験の概略を説明するときに使えるので、全て、暗記する。(せめて、どのページに、どんなデータが記載されているかぐらいは最低限、覚えておく。)

海外での臨床試験を既に実施しているなら、その海外データも記載されているので、それも要注意。

日本人のデータと海外データとの間に差があるのか無いのかがポイントだ。



こうして、自分が担当する治験薬の全てを理解する。

そこには(繰り返すけれど)、治験薬の存在意義が記載されているので、そこを自分で納得しないと治験を担当するモチベーションが下がる。

しっかりと、存在意義を理解して、納得しよう。

自分が存在意義を感じていないのに、治験責任医師に治験を勧めることなんて、できっこない。


次はCRF(症例報告書)を確認しよう。




■■■ ホーライ製薬のfacebook ■■■
      ↓
なまいきにfacebookがあります。
      ↓
http://www.facebook.com/Horaiseiyaku


週刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

日刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

医薬品ができるまで(治験に関する話題)

●ホーライのツイッター
   ↓
https://twitter.com/horai_japan

●塚田 淳彦 (ホーライ) facebook
http://www.facebook.com/atsuhiko.tsukada

posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | スーパーモニターになる方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月27日

モニターがやるべきこと(プロトコルを読む)

初めて治験を担当するモニターになったらやることは?

モニターが新しい治験のプロジェクトに配属されたらやることは・・・・

(1)プロトコルを読む

(2)治験薬概要書を読む

(3)CRFを確認する

(4)同意説明文書を読む

(5)疾患の勉強会をやる



新しいプロトコルをもらったら、まずは「背景」(あるいは「諸言」というタイトルの箇所ね)をじっくり読もう。

普通はこの「背景」はあまり重視されていないけれど、この「背景」に治験薬の存在意義が書いてある。(治験薬概要書にはもっと詳しく書いてあるけれど。)

この治験薬がターゲットにしている疾患と、その疾患に対するこれまでの治療方法が書かれている。

そして、その治験薬が、これまでの治療薬のどんな不便なことを解決してくれるのか、ということが書かれているはず。

こはを本当はもう少し「じっくり」書いて欲しいところなんだけれどね。

ここに記載されている治験薬の存在意義を治験責任医師や治験分担医師やCRCに「説得材料」として使う。

これから開発しようとしている治験薬が既存の治療薬よりも有効性が高いのか、安全性が高いのか、それとも、そもそも治療薬が存在していない領域だったのか、というあたりだ。

ついでに、この治験薬がどこで発見されたのか、どこの会社がオリジナルなのか、海外ではどのような状態なのか(既に20か国で発売されているとか、アメリカでは申請済だとか、世界同時開発中だとか)も確認しておこう。


「背景」を把握したら、プロトコルには、次に「治験の概略」がたいてい2ページぐらいにまとめられているので、ここをザッと読んで治験を俯瞰する。

この「とりあえず、まず俯瞰する」という方法はプロトコルの理解だけでなく、「新しいことを学ぶ」いろんな所で応用できる。

たとえば、薬学出身ではない人が「薬理」を勉強する時も、いきなり「詳説薬理学」を読むよりは「シンプル薬理学」のような薄い本で、「薬理学」をザッと読んで俯瞰して、そのあとで「詳説」に入ったほうが理解しやすいし、スピードもあがる。

それはさておき、治験の概略を理解したら、今度は詳しく内容を見ていく。

対象疾患は?

疾患の程度は?

選択基準と除外基準は?

特に気をつけないといけないクライテリアは?


「選択基準」は治験薬の有効性に大きく影響する。

たとえば「軽度のうつ病」を対象疾患とした治験薬なら、選択基準に「軽度」をはかるための方法が書いてあるはずなので、そこを重点的に治験責任医師等に説明する。

ここを間違えると「重度のうつ病」の患者が治験に入ってしまい、治験が失敗することになる。


また、「除外基準」は治験薬の安全性に影響することなので、ここを間違えると患者の安全性に大きく影響するので要注意だ。

「2か月以内にワーファリンを使用している人」が除外基準に記載されていたら、何故、そういう基準が設けられているのか、モニターは説明できないといけない。


これらの選択基準と除外基準に関連する項目として「併用禁止薬」が設定されているので、これまた、何故、その薬が併用禁止なのかをモニターは理解しておこう。

ついでに、併用禁止薬としてどんな薬があるのか「販売名」で覚えておこう。

きっと併用禁止薬一覧表があると思うので、それらを確認しておく。


次にプロトコルで気をつけないといけないのが、「治験のスケジュール」だ。

どの検査を何週間おきに行うのか、暗記しておくこと。

特に、途中で1回だけ測定する、なんていう変則的な検査項目もあるので気をつけよう。


ちなみに、プロトコルをこれから作成する人は、臨床の現場を考えて、この治験スケジュールを設定してください。

「とんでもない」スケジュールを設定しているプロトコルがあって、それは結局、プロトコル逸脱につながってしまう。

本当に必要不可欠の検査なのかどうかもう一度、考えてみましょう。


モニターとしてはプロトコルを読んだら、どこが逸脱しやすいかを考えよう。

そして、その逸脱を未然に防ぐ方法を考える。


そして最後に、モニターは「目標登録数」と「治験期間」を確認する。

治験全体で何人の患者に入ってもらう必要があるのか、自分が担当する施設では何症例が必要なのか。

1ヶ月で何症例が必要か、1週間では? ということを確認し、その目標を達成するためにはどのような戦略が必要かを考えよう。

とは言っても、こういうことはモニターひとりで決められないので、チームで考える。

もし、チームに戦略が無かったら、自分で考えて、それをチームに提案する。

それが終わったら、次に「治験薬概要書」を読もう。


ついでに、「臨床試験 プロトコルの作成」で検索すると、結構な数がヒットし、「プロトコル作成要領」などもある。

たとえば「TRI 臨床研究情報センター のプロトコル作成要領」
   ↓
http://www.tri-kobe.org/support/download/protocol_summary.pdf


時代は確実に流れているんだなと、変なところで実感した。




■■■ ホーライ製薬のfacebook ■■■
      ↓
なまいきにfacebookがあります。
      ↓
http://www.facebook.com/Horaiseiyaku


週刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

日刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

医薬品ができるまで(治験に関する話題)

●ホーライのツイッター
   ↓
https://twitter.com/horai_japan

●塚田 淳彦 (ホーライ) facebook
http://www.facebook.com/atsuhiko.tsukada

posted by ホーライ at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | スーパーモニターになる方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月26日

治験に貢献する方法

●今週は治験にまつわる「あれこれ」です。

今日は(5)治験に貢献する方法 です。

あなたが治験に貢献する方法を考えよう。

モニターとして、CRCとして、治験責任医師として、治験事務局として、IRBとして、QCとして、QMとして、QAとして、DMとして、統計解析家として、教育担当者として、行政機関として、研究機関として、製薬協として、日本QA研究会として、モニタリング2.0として、治験ナビとして、ホーライとして・・・・・・。

僕の場合、この場ではホーライなので、強引に治験に貢献できる。

「ホーライ」の名前だと会社を離れて、多少、「やんちゃ」なことができる。

メルマガ、ツイッター、ミクシィ、facebook、ブログ、サイト、掲示板、なんでもありだ。

誰の許可も、誰の指示もいらない。

その代わり、組織を離れていると、組織に所属していないと出来ないことが見えてくる。

例えば・・・・・

例えば?

あら?

そんなの無いか?

チームワークを発揮することぐらいかな・・・・・。

僕がこっちやっている間に、きみは、あっちをやっておいて、ぐらいか?

う〜〜ん、あとは「大きな仕事をする」かな?


それはさておき、あなたが治験に貢献する方法を考えてみましょう。

一般の方なら「治験に参加する」かな。

業界の人なら「自分の業務」で貢献することを考えてみましょう。

どうやったら、自分の業務で治験に貢献できるかを考えるために、どうしたら「治験で成果」を出せるかを考えてみましょう。

モニターなら質も確保しつつ1日でも早く治験を終わらせる。

CRCなら治験をスムーズに進行させる。

教育担当者ならひとりでも多く、優秀なモニター、CRCを育成する。



大事なことは「成果を出す」ことを日常の仕事をやる時に意識することです。

昨日やったことを漫然と今日もやる、という態度は捨てて、いつも仕事の効率化、生産性向上を目指しましょう。

それが自分の成長にも繋がります。


僕たちの仕事は「仕事に貢献する」=「治験に貢献する」=「社会に貢献する」という図式で示せるとおり、社会に貢献できることが実感しやすい仕事です。

是非、みなさん、仕事で成果を出しましょう!

それがボーナスにも繋がります。^^v



■■■ ホーライ製薬のfacebook ■■■
      ↓
なまいきにfacebookがあります。
      ↓
http://www.facebook.com/Horaiseiyaku


週刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

日刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

医薬品ができるまで(治験に関する話題)

●塚田 淳彦 (ホーライ) facebook
http://www.facebook.com/atsuhiko.tsukada

posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 新薬の開発という仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月25日

治験の問題点、治験の課題

●今週は治験にまつわる「あれこれ」です。

今日は(4)治験の問題点、治験の課題 です。

問題点や課題をシステマチックに考える方法として「MECEで考える」という方法があります。

MECEは「ミーシーもしくはミッシー、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略」です。

「重複なく・漏れなく」という意味です。

どういうことかと言うと、例えば、今の日本の治験の問題点を考える、という時に、闇雲に考えるのではなく、ある一定の枠にはめて考える、というもの。

どう考えるかというと、次の3つの観点で考える、とします。

(1)能力

(2)しくみ

(3)風土

この3つの観点で治験の問題点を考えます。

ほかにもMECEで考える方法として、次の定番があります。MECEのフレームワーク(定番)。

●3C/4C : 顧客・市場(Customer),競合(Competitor),自社(Company),そしてチャネル(Channel)の観点で考える。

●マーケティングの4P : 商品(Product),価格(Price),チャネル(Place),訴求方法(Promotion)の4つの観点で考える。

●7S : 戦略(Strategy)、人材(Staff)、制度・システム(System)、経営風土(Style)、組織の構造(Structure)、スキル(Skill)、ビジョン・価値(Shared Value)

●「質」と「量」の2つの観点で考える。

●QCD(Quality, Cost, Delivery):プロジェクト管理のフレームワーク の3観点で考える。

●ライフサイクル(企画、設計、製造、運用、廃棄):製品ライフサイクルのフレームワークの5つの観点で考える。

●ハード3S:戦略(Strategy)、組織構造(Structure)、組織運営(Systems)

●ソフト4S:企業文化(Style)、価値観(Shared value)、人材(Staff)、スキル(Skill)

●Political(政治・法律)、Economic(経済)、Social(社会)、Technological(科学技術)

●SWOT:Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)

●ヒト、モノ、カネ、情報、時間

●ERRC:Eliminate(取り除く)、Reduce(減らす)、Raise(増やす)、Create(付け加える)

●短期、中期、長期

などなど。

もともとはマッキンゼーが考案した論理思考のための概念。


ロジカルシンキングの2本柱として、「MECE」と「ロジックツリー」があります。

興味のある方は、下記をお読みください。

「ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル」



さて、では、今の日本の治験の問題点を上記の(1)能力 (2)しくみ (3)風土 で考えてみましょう。

まず、能力について。

ここで、すぐに思いつくのは「モニターの能力」とか「CRCの能力」あるいは「治験責任医師の能力」等。

モニターの能力で言うと、医学的知識が低い、GCPをきちんと知らない、とか、SDVを効率に行う能力が低い(これには複数の要因がある)というようなことが考えられます。

これは製薬会社やCROの中で検討して、教育担当部署が、きちんと、その能力をつけるように教育する、という解決方法があります。



次に(2)しくみ という観点で考えると「IRB」という仕組みがある。

あるいは「治験ネットワーク」という仕組みがある。

それ以外にも「治験依頼者、CRO、医療機関、SMO」という仕組みがある。

これらの仕組みにそれぞれ、どのような問題、課題があるかを考える。

たとえば「IRB」で考えると「審査するプロトコル数に対して慢性的に人手不足」とか「専門的な審査に耐えられない」とかね。

ほかにも「必ず医療機関の長」が関わってくる。



では、今度は(3)風土 で考えてみよう。

すると、「製薬業界の風土」というのがあり、「日本人は細かすぎる」とか「当局頼り」だとか「マニュアル・チェックリストを尊重しすぎる」とか「保守的」とかね。

あるいは「臭いものにはフタをしろ的な解決策を取る傾向にある」、「責任をあやふやにする」などなど。


というように、「(1)能力(2)しくみ(3)風土」といフレームワークで考えると上記のようにとなるが、この観点(フレームワーク)を、今度は「QCD(Quality, Cost, Delivery):プロジェクト管理のフレームワーク の3観点」で考えると、これまた、別の問題点、課題が見つかる。

面白いよね、こういうの。

こういう感じで「治験の問題点」を考えたら、次に「何故?」を5回、繰り返し、問題の解決策を考え、実行に移します。

何が、何でも「なぜ?」を5回、繰り返すのがコツです。

「モニターはSDVの能力が低い」→なぜ?(1)→「SDVのための知識が低いから」→なぜ?(2)→「知識を植えつける仕組みがないから」→なぜ?(3)→「教える講師がいないから」→なぜ?(4)→「今まで、必要性を感じていないから講師が気づいていないから」→なぜ?(5)→「講師がSDVの現場をしらないから」となったとしましょう。

だったら、解決策として「講師をSDVにつき合わせる」となる。


こういう手法を自分たちの組織で使って考えると参考になるよ。



■■■ ホーライ製薬のfacebook ■■■
      ↓
なまいきにfacebookがあります。
      ↓
http://www.facebook.com/Horaiseiyaku


週刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

日刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」

医薬品ができるまで(治験に関する話題)

●塚田 淳彦 (ホーライ) facebook
http://www.facebook.com/atsuhiko.tsukada

posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の課題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする