2012年09月28日

治験・臨床試験の活性化、厚生労働省の取組み

今週は「第8回(平成24年度第1回)臨床研究・治験活性化に関する検討会」の資料を見ていきましょう。
     ↓
「第8回(平成24年度第1回)臨床研究・治験活性化に関する検討会」



今日は「厚生労働省における臨床研究・治験活性化への取組み」です。
    ↓
「厚生労働省における臨床研究・治験活性化への取組み」


上記をご覧頂くと分かるのですが、パワーポイントで作成されているので、ベタ打ちしてみます。




■□■ 以下引用 ■□■


●厚生労働省における臨床研究・治験活性化への取組み(厚生労働省医政局・研究開発振興課)

●臨床研究・治験の推進について(1)

(1)臨床研究・治験の推進のための取組みについて

平成24年3月30日、「臨床研究・治験活性化に関する検討会」において、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」(文部科学省・厚生労働省)が策定された。

検討会では、日本がリーダーシップを発揮できる国際共同臨床研究体制の確立やICH-GCP水準の臨床研究の実施などについて議論が行われ、平成24年度予算案においても関連する事業に必要な経費を計上している。


(2)臨床研究・治験活性化に係る施設整備等

(「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」より抜粋)

○ 早期・探索的臨床試験拠点の整備(平成23年度〜)

日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出を目的に、世界に先駆けてヒトに初めて新規薬物・機器を投与・使用する臨床試験の拠点を整備する。


○ 臨床研究中核病院の整備(平成24年度〜)

我が国で実施される臨床研究の質を薬事承認申請データとして活用可能な水準まで向上させることを目的として、早期・探索的臨床試験や市販後の大規模臨床研究等も含めた国際水準(ICH-GCPやISO14155:2011準拠)の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担うとともに、他の医療機関に対する支援機能も有する病院を整備する。


○ 日本主導型グローバル臨床研究体制の整備(平成24年度〜)

国内の医療機関と海外の医療機関が共同で臨床研究を実施する体制を我が国が主導して構築し、かつ円滑に運営することを目的として、グローバル臨床研究を企画・立案するとともに、研究を実施する医療機関に対し、研究開始から終了までの過程を支援する体制等を整備する。


■□■□■□■□■□■


上記のポイントは・・・・

●早期・探索的臨床試験拠点を整備する

●臨床研究中核病院を整備する

●日本主導型グローバル臨床研究体制を整備する

以上の3点に集約される。

●●●早期・探索的臨床試験拠点●●●

●早期・探索的臨床試験拠点整備事業

「世界に先駆けて臨床試験を実施し、日本発の革新的な医薬品・医療機器を創出する」

◎ヒトに初めての臨床試験を可能とするインフラを整備

(重点分野の例)

・がん
・神経・精神疾患
・脳心血管領域

●国立がん研究センター
(医薬品/がん分野)

●大阪大学医学部附属病院
(医薬品/脳・心血管分野)

●国立循環器病研究センター
(医療機器/脳・心血管分野)

●東京大学医学部附属病院
(医薬品/精神・神経分野)

●慶應義塾大学病院
(医薬品/免疫難病分野)



●●●臨床研究中核病院●●●

さらに、「臨床研究中核病院を平成23年度から3年間で15か所程度創設する」とのこと。

○ 我が国で実施される臨床研究の質を薬事承認申請データとして活用可能な水準まで向上させることを目的として、国際水準(ICH-GCP準拠)の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う臨床研究中核病院(仮称)を5か所(平成24年度)整備する(体制整備に必要な人件費、設備整備費等を支援する)。

※ 社会保障・税一体改革成案において、臨床研究中核病院を平成23年度から3年間で15か所程度創設することを明記。


○ 臨床研究中核病院で実施する、大学等発シーズ(開発を引き受ける企業がまだ決まっていないもの)を用いた国際水準の臨床研究や、患者数の少ない小児・難病等の医師主導治験、医療の質向上(治療ガイドラインの作成等)に資するエビデンス創出のための臨床研究を支援する。

●大学等の研究機関の臨床試験・・・課題:研究を支援するインフラがないため国際水準を満たせず、臨床研究で得られた成果を有効活用できない。

●医師主導治験・・・課題:小児疾患や難病など、患者数が少なく企業が開発し難い治験を実施できていない

●有望な成果が出れば、企業治験へのスムーズな移行と薬事承認申請データとしての利用が可能

現在、決まっているのは・・・・・

● 北海道大学病院

●千葉大学医学部附属病院

●名古屋大学医学部附属病院

●京都大学医学部附属病院

●九州大学病院



●●●治験中核病院●●●

ちなみにさ、「治験中核病院」というのもあって、紛らわしいよね。

治験中核病院は下記の病院。


「治験中核病院」

●独立行政法人国立がん研究センター中央病院

●独立行政法人国立循環器病研究センター

●独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

●独立行政法人国立国際医療研究センター

●独立行政法人国立成育医療研究センター

●千葉大学医学部附属病院

●大分大学医学部附属病院

●北里大学医学部

●慶應義塾大学医学部

●国立病院機構本部





●●●日本主導型グローバル臨床研究拠点●●●

そいでもって、さらに「日本主導型グローバル臨床研究拠点」というのがあります。

●日本主導のグローバル臨床研究拠点の整備(平成24年度より開始)

●現在のグローバル臨床研究→ 欧米のニーズに応じた疾患が中心

●今後のグローバル臨床研究→ 日本・アジアに特有な疾患のエビデンス確立へ

●グローバル臨床研究における日本のリーダーシップ〜 メンバーからリーダーへ〜

●臨床研究成果の世界的権威のある医学系雑誌への論文発表→ 診療ガイドラインの根拠

●学校法人北里研究所北里大学病院

●公益財団法人先端医療振興財団





う〜〜む、それぞれの拠点病院で何をやるのかよく分からないのですが、丹念に資料を読むと書かれています。

分かりやすい表にしてもらえると助かるんだけどね。


一体、誰が、これだけの「拠点」をコントロール、あるいはマネジメントするんだろう?

僕には絶対にできないね。(誰も、おまえにやれ、とは言わない。)


ちなみに、●「厚生労働省における臨床研究・治験活性化への取組み」の2ページの右下にこっそり書かれているのが下記のこと。

◎医師主導治験を実施する場合

以下の費用を補助

・治験薬の製造(GMP対応)
・プロトコール作成
・データ管理業務
・治験相談費用  等


へ〜〜!「治験薬の製造」についても補助がでるんだ。

さらに同じページに「●整備費(クルマ)と研究費(ガソリン)を連動し開発促進」とある。

こういう比喩は単純だけど、分かりやすくて、結構、効果的なんだよね、プレゼンの時には。





■□■ 以下引用 ■□■


臨床研究・治験の推進について(2)

(3)その他

○ 特定領域治験等連携基盤の整備(小児ネットワーク)(平成22年度〜)

○ 臨床研究(試験)情報検索(国立保健医療科学院)(平成19年度〜)

○ 倫理審査委員会報告システム(平成22年度〜)


■□■□■□■□■□■


「小児の治験や臨床試験」って、なかなか進まない。

いろんな理由があるんだろうけれど。(例えば、製薬会社は成人で新薬の承認を取れば、とりあえず、それでしばらくは「潤う」。で、小児の治験では、なかなか親の同意が得られない、とかね。)

そんな中、「小児ネットワーク」は重要です。


●●●小児治験ネットワーク●●●

●国立成育医療研究センターを中心に

●特定の疾患や患者集団における複数の医療機関の連携が必要な治験等において、

○治験依頼者との連絡、窓口機能の一元化

○中央治験審査委員会(IRB)機能

○実施中の治験等の進捗管理等の機能を果たす病院を整備









■□■ 以下引用 ■□■

●●●臨床研究登録情報検索ポータルサイト●●●

●近年、臨床研究情報の登録・公開が世界的に求められている。

現在日本では・・・

*大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)

*財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)

*日本医師会治験促進センター(JMACCT)

・・・の3機関があり、それぞれ臨床研究、企業治験、医師主導治験を中心に登録。

●国立保健医療科学院臨床研究登録情報検索ポータルサイト

3機関を横串に検索

●わかりやすく結果を閲覧


■□■□■□■□■□■



本当にさ、いろんな所で臨床研究やら治験の登録サイトがあって、研究者も患者も、どこを見たらいいのか、さっぱり分からない。

それを丁寧に解説しているサイトもない。

今後は「国立保健医療科学院臨床研究登録情報検索ポータルサイト」に期待したいです。
   ↓
http://rctportal.niph.go.jp/

ただね、言えることは、どれも「患者さん向け」ではないということ。

患者はいつでも「置いてけぼり」です。




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僕に必要なのは「カンフル剤」

今週は『製薬会社』らしく医薬品に関わる話題です。

特に「植物由来」の薬について見ていきたいと思います。


「エフェドリン」

エフェドリン (英: ephedrine) は、鬱血除去薬(特に気管支拡張剤)、または局部麻酔時の低血圧に対処するために使われる交感神経興奮剤で、漢方医学で生薬として用いられる裸子植物のマオウ(麻黄)に由来するアルカロイドである。

1885年(明治18年)、長井長義がマオウから単離抽出した。

ちなみに、この「長井長義」さんは薬学者で日本薬学会初代会頭。

日本の近代薬学の開祖とも呼ばれている。

無茶苦茶、偉い人で、詳細は「こちら(長井長義)」をどうぞ。


で、そのエフェドリンですが、現在では、主に感冒薬(風邪薬)を中心として、薬効をよりマイルドとした誘導体である dl-塩酸メチルエフェドリンが、気管支拡張剤として使用されている。

エフェドリンはカフェインよりも勉強の効率を高めるということが示唆された。

一部の学生とホワイトカラーはこの効果を期待し、また一部のプロスポーツ選手や重量挙げ選手と同様にエフェドリン(または麻黄を含むハーブ補助食品)を使った。

アメリカの水泳選手・リック・デモントは、1972年のミュンヘンオリンピック400メートル自由形で金メダルを獲得したが、ドーピング検査でエフェドリンが検出され、メダルを剥奪された。

デモントのチームドクターらは「デモントは幼少期から喘息を患っており、その対処にエフェドリンは必須」と訴えたが、IOCは例外を認めなかった。


フェニルエチルアミンとして、エフェドリンはアンフェタミンに類似した化学構造を持つ。

違法ドラッグ製造者がメタンフェタミンを生成する際には、エフェドリンを前駆物質として使用する。




「ニコチン」

ニコチン (nicotine) はアルカロイドの一種であり毒物および劇物取締法に毒物として指定された物質である。

主にタバコの葉に含まれる。

天然由来の物質であり、即効性の非常に強い神経毒性を持つ。

半数致死量は人で0.5mg〜1.0mg/kgと猛毒で、その毒性は青酸カリの倍以上に匹敵する。

人体に対して神経毒としての有害性は持つが、ニコチン自体に発癌性はない。

ほぼ全ての生物に対して毒性を発揮する為、殺虫などの用途で使用されている。

「ニコチン」の名前は1550年にタバコ種をパリに持ち帰ったフランスの駐ポルトガル大使ジャン・ニコ(Jean Nicot, 1530年 – 1600年)に由来する。


ニコチンは主に中枢神経および末梢に存在するニコチン性アセチルコリン受容体 (nAChR) に作用することで薬理作用を表すと考えられている。

中枢神経において nAChR は広範囲に分布しているため、ニコチンは脳の広い範囲に影響を与える。

そのうち、特に依存性の形成に関与する部位として中脳辺縁系のドーパミン神経系が挙げられる。

中脳の腹側被蓋野、側座核などの nAChR にニコチンが結合すると、直接的あるいはグルタミン酸の放出を介してドーパミン系神経の脱抑制を起こす。

このドーパミン神経系は「報酬系回路」として知られており、快の感覚を個体に与えるため、強化行動をひき起こす。

この中脳辺縁系のドーパミン神経の興奮を介した依存性の形成メカニズムは他の依存性薬物(コカイン、ヘロイン、アンフェタミンなど)と同じとされるが半数致死量の低さと他細胞系への薬理作用の点から、麻薬とはされておらず、毒物に指定されている。

僕はニコチン依存症・・・・・・。




「カフェイン」

カフェインは、アルカロイドの一種。

プリン環を持つプリンアルカロイドの一種で、コーヒー類に含まれることからこの名がある。

また、安息香酸ナトリウムカフェイン剤などは強心・興奮作用を期待して使われる。

OTCのいわゆる「滋養強壮剤」には無水カフェインが欠かせない。

1819年(一説には1820年)にドイツのフリードリープ・フェルディナント・ルンゲによってコーヒーから世界で初めて単離された。

分析化学者であったルンゲに、コーヒーの薬理活性成分の分離を勧めたのはゲーテであったと伝えられている。

主な作用は覚醒作用、脳細動脈収縮作用、利尿作用。

医薬品にも使われ、眠気、倦怠感に効果があるが、副作用として不眠、めまいがあらわれることもある。

カフェインを習慣的に摂取する人が半日から1日カフェインを摂取しなかった時に現れる症状として最も顕著であるものは頭痛であり、その他、不安、疲労感、集中力の欠如、抑うつが現れることがある

カフェインはアデノシン受容体に拮抗することによって、覚醒作用を示す。

また、メチルキサンチン誘導体に共通の活性として、ホスホジエステラーゼの非選択的な阻害作用があり、細胞内cAMP濃度の上昇を引き起こす。

これにより、心筋収縮力の増大、気管支平滑筋の弛緩、脳細動脈の収縮のような交感神経興奮様作用を示す。

これらの作用の結果、腎血管拡張により糸球体濾過量(GFR)が増大し、さらに尿細管での水分の再吸収の抑制により利尿作用を現わす。


僕はカフェイン依存症・・・・・・。



「カンフル」樟脳(しょうのう)

クスノキの葉や枝などのチップを水蒸気蒸留すると結晶として得ることができる。

二環性モノテルペンケトンの一種。

他の植物の精油から得られた結晶性テルペノイド化合物を植物名+camphorで命名することもしばしば行われた(この場合の camphor は「脳」と訳される)。

代表的なものにmint camphor 薄荷脳(メントール)やborneo camphor 龍脳(ボルネオール)などがある。


血行促進作用や鎮痛作用、消炎作用などがあるために主に外用医薬品の成分として使用されている。

かつては強心剤としても使用されていたため、それらの用途としてはほとんど用いられなくなった現在でも、「駄目になりかけた物事を復活させるために使用される手段」を比喩的に"カンフル剤"と例えて呼ぶことがある。

ちなみに瀕死状態の人にカンフルを打つと効果があるのは「あまりにも痛いため」という説もある。(僕にはカンフルが必要かも・・・・・。)


また人形や衣服の防虫剤、また防腐剤、花火の添加剤としても使用されている。

樟脳を小さくカットして船尾に付けた木製もしくはセルロイド製の小船を水面に浮かべると、後方の水面に樟脳の成分が拡がり、表面張力の差によって前方に引っ張られ船が進む。

時としてカオス的な予測できない動きをする。

1960年代位までは縁日の露店等でよく売られていたシンプルで安価な玩具であった。

僕も小さい頃、お祭りに行くと必ず、この「樟脳舟」を買ってもらった。

でも、家でやると、なかなかうまく走らないんだよね。何かコツがあったのかな?



・・・・・・ということで、今週は「植物由来の薬」の話でした。

これからも、まだまだ植物から新薬が出てくることでしょう。

それはそれとして、植物はそばに置いておくだけで、人間の心に安らぎを与えてくれます。

そういう意味では「植物」というだけで、人間には薬かも。



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2012年09月27日

アルカロイドは薬の源

今週は『製薬会社』らしく医薬品に関わる話題です。

特に「植物由来」の薬について見ていきたいと思います。


「ベルベリン」

ベルベリン(berberine)とはキハダ(ミカン科)やオウレン(キンポウゲ科)などの植物に含まれるベンジルイソキノリンアルカロイドの1種。

ベルベリンという名前は、メギ科メギ属の属名(Berberis)に由来する。

対アニオンの種類の違いにより、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、タンニン酸ベルベリンなどが知られる。

いずれも抗菌・抗炎症・中枢抑制・血圧降下などの作用があり、止瀉薬として下痢の症状に処方されるほか、目薬にも配合される。タンニン酸ベルベリンを除いて強い苦味がある。

僕がOTCメーカーで働いていた頃、「タンニン酸ベルベリン」を配合した「止瀉剤」(下痢止め)を作っていた。

僕は胃腸が弱かったので、よく「下痢」をして、この「タンニン酸ベルベリン」を配合した「止瀉剤」(販売名:ネオゲドミン)を愛用していた。
   ↓
http://www.yoshidapharma.com/product.htm



「止瀉剤」の逆の「瀉下薬(しゃげやく)」(所謂、下剤)として使われる「センノサイド」。

センノサイドは「センナ」の成分。

センナとは、マメ科ジャケツイバラ亜科の植物である。

生薬名としては本種の小葉を指す(日本薬局方での基原植物の定義による)。

生薬としての「センナ」は瀉下剤である。

薬理成分のセンノシド (sennoside) が腸内で分解され、瀉下効果を示す。

このセンノシドを成分としたソルダナ、プルゼニドといった多数の医薬品(いずれも商品名)もあり、胃のレントゲン検査後のバリウム(正確には硫酸バリウム)排泄の目的や便秘症に用いられる。

僕も毎年、健康診断でバリウムを飲んだあと、必ず、プルゼニドを飲まされています。



「ジギトキシン」も植物由来の薬としては外せない薬だよね。

ジギタリス (Digitalis) は、オオバコ科の属の一つ。

地中海沿岸を中心に中央アジアから北アフリカ、ヨーロッパに20種あまりが分布する。

一・二年草、多年草のほか、低木もある。

園芸用に数種が栽培されているが、一般にジギタリスとして薬用または観賞用に栽培されているのは、D. purpurea種である。

ジギタリスには全草に猛毒があり観賞用に栽培する際には取り扱いに注意が必要である。

ジギタリスの葉を温風乾燥したものを原料としてジギトキシン、ジゴキシン、ラナトシドCなどの強心配糖体を抽出していたが、今日では化学的に合成される。

古代から切り傷や打ち身に対して薬として使われていた。

1776年、英国のウィリアム・ウィザリングが強心剤としての薬効を発表して以来、うっ血性心不全の特効薬として不動の座を得るに至っている。

ただし猛毒があるため、素人が処方すべきではない。

日本薬局方ではジギタリスの一種 Digitalis purpurea が医薬品として収録されている。

これはハトを使って効力を定量した「ジギタリス単位」という単位で効力を表示する。

詳細な定量方法は、日本薬局方を参照のこと。

「ジギタリスを使いこなせてこそ漢方医」という話もある。



「ノスカルピン」

ノスカピン(Noscapine)はモルヒネと同じくけしの液汁(アヘン)に含まれる植物アルカロイド性の成分。

ケシの未熟果実に傷をつけて滲出する乳液を乾燥したものをアヘンと言い、その主成分は麻薬のモルヒネです。

アヘンにはモルヒネ以外にも多くのアルカロイドが含まれています。

アヘンから単離された成分としてもっとも古いのがノスカピンで、1803年に単離されています。

当時は、アヘンの麻酔・鎮痛作用の成分と考えられて、麻酔睡眠薬を意味するnarcoticからナルコチン(Narcotine)と命名されました。

しかし、この成分には麻酔作用や鎮痛作用は無いことが明らかになり、ナルコチンの名称は不適当として、ノスカピンと改称されました。

アヘンに含まれるアルカロイドでは、ノスカピンはモルヒネについで2番目に多く含まれています。

薬としてはノスカピンには麻酔・鎮痛作用や依存性は無く、強い鎮咳作用があります。

ノスカピンは脳の咳中枢を抑制することによって鎮咳作用を示しますが、麻薬系の咳止め薬と異なり、呼吸を抑制することなく、また習慣性も無いので、『非麻薬性中枢性鎮咳剤』に分類されている医薬品です。

咳止め(鎮咳薬)としては1950年代から多くの国で使用されています。




次に「ガランタミン」。

ガランタミン (ニバリン、ラザダイン、レミニール、リコレミン)は軽-中度のアルツハイマー病や様々な記憶障害の治療に用いられる薬剤である。

特に脳血管障害を原因とするものに有効。

Galanthus属-スノードロップや他のヒガンバナ科植物(Narcissus属スイセン, Leucojum属-スノーフレーク、Lycoris属-ヒガンバナ)の球根や花から得られるアルカロイドである。

人工的に合成することもできる。

現代医学での利用は1951年に始まり、ソ連の薬学者MashkovskyとKruglikova-Lvovaによって行われた。

この2人によってガランタミンのアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害作用が証明された。

東欧、ソ連では長い間、重症筋無力症、ミオパチー、中枢神経疾患に関連する感覚・運動機能障害などの治療に用いられている。

米国でもアルツハイマー治療薬としてFDAに承認されている。


精製されたガランタミンは白い粉末状物質である。

可逆的なコリンエステラーゼ阻害剤であり、競合的拮抗薬である。

つまり、AChEの活性を低下させることで脳内アセチルコリン濃度を増加させ、アルツハイマーの症状を改善させると考えられている。




「コルヒチン」

コルヒチン(colchicine)とはユリ科のイヌサフランの種子や球根に含まれるアルカロイドである。

リウマチや痛風の治療に用いられてきたが、毒性も強く下痢や嘔吐などの副作用を伴う。

現在は主に痛風に用いられる。

また種なしスイカの作出にも用いられる。

ちなみに種なしぶどうの作出には「ジベレリン」を用いる。(ジベレリンは植物ホルモン。日本人が発見し構造決定した。)


イヌサフランはシチリア出身のローマ帝国の医者ペダニウス・ディオスコリデスの『デ・マテリア・メディカ』(『薬物誌』)において痛風に効くと記載されている。

その有効成分であるコルヒチンは1820年にフランスの化学者ピエール=ジョセフ・ペルティエとジョセフ・カヴェントゥによって初めて分離され、のちにアルカロイドとしての構造が明らかにされた。

微小管の主要蛋白質であるチューブリンに結合して重合を阻害し微小管の形成を妨げる。

細胞分裂を阻害するほかに、好中球の活動を阻害し抗炎症作用をもたらす。

痛風における疼痛抑制と抗炎症効果はこれによると考えられている。


コルヒチンは植物の細胞分裂時に染色体の倍加(染色体異常)を誘発する作用がある。

これを利用して種なしスイカ、あるいはその他の育種のための四倍体や倍化半数体の作出にも用いられる。

また、細胞分裂を阻害し、細胞分裂中期で分裂を停止させる性質を利用して核型の診断にも用いる。




「キニーネ」

キナ(機那)の樹皮に含まれるアルカロイド。

マラリア原虫に特異的に毒性を示すため、マラリアの特効薬として第二次世界大戦頃までは極めて重要な位置づけにあった。

その後、キニーネの構造を元にクロロキンやメフロキンなどの抗マラリア薬が開発され、キニーネは副作用が強いため代替されてあまり用いられなくなった。

しかし、熱帯熱マラリアにクロロキンやメフロキンに対して耐性を持つものが多くみられるようになったため、現在ではその治療に利用される。

また強い苦味を持つ物質として知られている。そのため、トニックウォーターに苦味剤として添加される。

日本では、劇薬に指定されている。

キナ属の植物は南米のアンデス山脈に自生する植物であり、原住民のインディオはキナの樹皮を解熱剤として用いていた。

マラリアはアメリカ大陸にはもともと存在しなかったが、後にヨーロッパ人の渡来とともに拡散したと推定されている。

その後偶然にキナ皮にマラリアを治療する効果が発見され、1640年頃にヨーロッパに医薬品として輸入されるようになったと思われる。


最近、「顧みられない熱帯病」に対する新薬の開発が流行で、たとえばアステラスでは次のプレスリリースを発表している。
   ↓
http://www.astellas.com/jp/corporate/news/pdf/120920_jp.pdf

いいことです。



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2012年09月26日

妖しげな植物から怪しげなドラッグ

今週は『製薬会社』らしく医薬品に関わる話題です。

特に「植物由来」の薬について見ていきたいと思います。

今日は「妖しげな植物」です。



まずは軽く「麻」(アサ)です。

この麻の花冠、葉を乾燥または樹脂化、液体化させたものが「大麻」又は「マリファナ」です。

これに含有される化学物質カンナビノイド(特にテトラヒドロカンナビノール (THC) )には様々な薬理作用があり、「嗜好品」や「医薬品」として用いられる。

日本においては、大麻取締法により、大麻の所持、栽培、譲渡等に関して規制がある。

(日本では、無許可所持は最高刑が懲役5年、営利目的の栽培は最高刑が懲役10年の犯罪である。産業用のアサは、陶酔成分が生成されないよう改良された品種が用いられる。)

大麻の薬や嗜好品としての歴史は長く、中国で2700年前にシャーマンが薬理作用を目的としたとされる大麻が発見されている。

後漢の頃に成立したとされる中国最古の薬物学書「神農本草経」には薬草として使われていたことが記されている。

歴史の父と呼ばれるヘロドトスは、『歴史』において、紀元前450年のスキタイ人やトラキア人は大麻を吸っていたと伝え、70年にはローマの医学治療として大麻の使用が言及された。

1886年に印度大麻草として日本薬局方に記載され、1951年の第5改正日本薬局方まで収載されており、庶民の間でも痛み止めや食用として戦後に規制されるまで使用されていた。

相対的には「タバコ」よりも「人体に対する悪影響は低い」という報告もあるが、絶対にダメ! だからね。




次に「モルヒネ」(これは立派な医薬品)です。

モルヒネは、アヘンに含まれるアルカロイドで、チロシンから生合成される麻薬のひとつ。

「アヘン」は「ケシ(芥子)の実から生産されるもの」ですね。

モルヒネはベンジルイソキノリン型アルカロイドの一種。

この「アルカロイド」がまた薬の宝庫だ。

それは置いといて。

モルヒネからは依存性のきわめて強い麻薬、ヘロイン(塩酸ジアセチルモルヒネ)がつくられる。

医療においては、癌性疼痛をはじめとした強い疼痛を緩和する目的で使用される。

モルヒネ硫酸塩水和物徐放錠の「MSコンチン」(塩野義製薬)は「癌の激しい疼痛の鎮痛」に使われる「医薬品」。

モルヒネはオピオイド神経を興奮させ、下降性疼痛制御により、侵害受容器(痛みを感じる受容器)で発生した興奮の伝達を遮断し上行性疼痛伝達をとめることにより中枢鎮痛作用を示す。

(僕も癌の末期状態になったら、この「MSコンチン」で中毒になって死にたいなどと戯言を言っていますが、でも、本当に癌の疼痛を和らげるのは人間の最後の最後までQOLを向上させるのに大きく寄与していると思います。

モルヒネの歴史は1804年、ドイツの薬剤師フリードリヒ・ゼルチュルナー (Friedrich Sertürner) により、初めて分離される(この物質は、史上初めて薬用植物から分離されたアルカロイドとなった)。


ヘロインは塩酸モルヒネを無水酢酸で処理し、生成する。

ロンドン・セントメアリー病院医学校のアルダー・ライトによって1874年に調合され、ドイツのバイエル社から鎮咳薬として1898年に発売された。



次に「コデイン」です。

このコデインもまた「アヘン」(ケシ(芥子)の実)から発見された。

コデインはアヘン中のアルカロイドとして0.7から2.5%の濃度で含まれる。

コデインはアヘンから得られるにもかかわらず、合衆国内で使用されているコデインはモルヒネをO-メチル化して合成されている。



コデインの誘導体である「リン酸ジヒドロコデイン」は「咳止め」(鎮咳薬)として、今でも、立派に使われています。

僕が大学を卒業して最初に勤めたOTCのメーカーでも「コデスミン」という「鎮咳薬」を製造していましたが、この中に「リン酸ジヒドロコデイン」が配合されていた。

リン酸ジヒドロコデインはある特定の製薬会社(某大手製薬会社)しか製造が許可されていなくて、そこから購入すると、すぐに会社で一番丈夫で重たい金庫の中に僕がしまっていた。

そして3か月おきに「関東信越厚生局 麻薬取締部」に「リン酸ジヒドロコデイン」を1g単位で報告していた。

ちなみにリン酸ジヒドロコデインを澱粉等で100倍(100倍散)に希釈すると「麻薬」ではなくなる。

100倍散=リン酸ジヒドロコデイン1gを999gの澱粉等に混ぜる、ということ。

鎮咳薬にはこのリン酸ジヒドロコデインの他に「覚せい剤原料」の「エフェドリン」が一緒に配合されることが多くて、深夜の「クラブ」あたりで「鎮咳薬シロップ」の「一気飲み」が流行ったことがあった。

また、ある時、新聞で読んだけれど、暴力団のひとりが麻薬取締法で逮捕されたのだけれど、彼の部屋の押し入れには「分液ロート」とか「エバポレーター」が隠してあり、「化学」の教科書もあったという。

彼は鎮咳薬からジヒドロコデインを抽出して濃縮してさばいていたらしい。

人間、その気になると(悪い例だけど)、何でもやってしまうものです。



「コカイン」はコカノキに含まれるアルカロイド。トロパン骨格を持ちオルニチンより生合成される。

粘膜の麻酔に効力があり、局所麻酔薬として用いられる。

コカインを摂取した場合、中枢神経興奮作用によって快感を得て、一時的に爽快な気分になることがある。また、コカインは薬物依存症の原因になる。

日本では麻薬及び向精神薬取締法で規制対象になっている麻薬である。



「麦角アルカロイド」から作られるのが「LSD(lysergic acid diethylamide)」。

LSDはインドール核を有し、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンによく似た構造を持つ(LSDの4つの環のうち2つはセロトニン分子の環系であり、セロトニンにつく側鎖はLSDの構造の一部に類似している)。

そのためLSDはセロトニン受容体に結合し、5-HT2のアンタゴニストとして、5-HT1Aと5-HT1Cのアゴニストとして働き、セロトニンの作用を阻害するために幻覚が起こると考えられている。

日本では1970年に麻薬に指定された。

ちなみにザ・ビートルズのアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の3曲目に「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」という曲がある。

作詞はジョン・レノンだけれど、この「Lucy in the Sky with Diamonds」の頭文字を取ると「LSD」となり、これはジョン・レノンが薬物の「LSD」を使った時に見えた幻影を曲にしたのではないかという噂がある(真偽は定かではない)。


「麦角アルカロイド」も薬の宝庫で、リゼルグ酸,エルゴタミン,エルゴメトリン,エルゴクリスチンなどがある。

「麦角アルカロイド」とは小麦・ライ麦などに寄生する麦角菌(Claviceps purpureaなど)により産生されるアルカロイドのこと。

エルゴタミンは血管収縮作用をもち片頭痛治療薬として使われた。

エルゴメトリンは子宮の平滑筋を収縮させ、陣痛促進や分娩後の子宮出血抑制に用いられた。



次に「メスカリン」。

メスカリン はフェネチラミン(フェネチルアミン、フェニレチルアミン)系のサイケデリック麻薬(幻覚剤)である。

硫酸メスカリンとして化学的に合成することもでき、サボテンの一種であるペヨーテ等の成分として得ることもできる。

名称はメスカレロ・アパッチが儀式の際に使用したことに由来する。日本では麻薬に指定されている。

サボテンの「ペヨーテ」(和名はウバタマ)はちゃんと育てれば、ちゃんと花が咲く。

ウバタマサボテン属の植物は生長がきわめて遅く、野生では地上部分の大きさがゴルフボール大になって、花をつけるようになるまでに約30年もかかることがある。

栽培株はかなり生長が早いが、それでも発芽してから花をつけるまでには6年から10年が必要である。

サボテンは水をやり過ぎると腐ります。(僕はいつもこれでサボテンの育成に失敗している。)

この「ウバタマ」を辛抱強く育て、花がついたという写真を津村ゆかりさんがfacebookに載せられたことから、今週のホーライ製薬のテーマが決まったというわけだ。



ここで「ボトックス」(グラクソ・スミスクライン)を唐突に思い出したので書きます。(植物とはちょっと違うけれど。)

ボトックスはボツリヌストキシンを希釈した薬で「日本国内においてはA型ボツリヌス毒素製剤(商品名:ボトックス注用50単位・100単位)が注射剤として、1996年に眼瞼痙攣、2000年に片側顔面痙攣、2001年に痙性斜頸、2009年に2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足、2010年に上肢痙縮・下肢痙縮の適応で承認されている。」

そもそも「ボツリヌストキシン」とはボツリヌス菌が産生する毒素である。ボツリヌス毒素とも呼ばれる。

ボツリヌス菌食中毒の原因となり、極めて毒性が強い(致死量:ヒトに対しA型毒素を経口投与した場合、体重1kgあたりの致死量が1μgと推定されている。

「毒」は「人間に強い生理作用」を持っているので、それを何らかの方法で(たとえば誘導体を作り)毒性を弱くすると、それがそのまま薬になったりするわけです。


「毒」が「薬」になる例として「ツボクラリン」がある。

ツボクラリンは南米の先住民が古くから狩猟などに用いてきたクラーレ (curare) と呼ばれる矢毒のうち、ツヅラフジ科コンドデンドロン属の植物が材料のツボクラーレと呼ばれるものから1935年にハロルド・キングにより単離された。

ツボクラリンは少量でも傷口から体内に入ると末梢神経と筋の接続部のニコチン受容体においてアセチルコリンと拮抗、興奮伝達を阻害して目・耳・足指(短筋)→四肢の筋→頚筋→呼吸筋の順に骨格筋を麻痺させることにより、呼吸困難を起させて窒息死させる。

逆に経口摂取しても排泄がすみやかで毒性を発揮しないため、これを含む矢毒を用いて倒した動物を食べても害が無く、狩猟に用いるには都合が良い。

今日では単離されたものが筋弛緩剤として医療現場で用いられている。

また、薬理学の実験には欠くことができないものである。


妖しい薬の話はここまで。



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2012年09月25日

「美くしいマドンナ」から生まれた薬

今週は『製薬会社』らしく医薬品に関わる話題です。

特に「植物由来」の薬について見ていきたいと思います。



柳から発見された「サリチル酸」の話は有名だよね。

ヤナギの薬理作用については、ヒポクラテスの書物に登場するほかにシュメール、レバノン、アッシリアの文書にも登場する。

また、チェロキー族などのアメリカ原住民もヤナギの仲間を解熱・鎮痛に用いていた。

日本でも「歯痛には柳楊枝」として知られていた。

1763年、イギリスの司祭エドマンド・ストーンが柳の解熱作用を再発見。

その後、1830年にフランスの薬剤師アンリ・ルルー (Henri Leroux) とイタリアの科学者ラファエレ・ピリア (Raffaele Piria) が解熱成分(サリチル酸の配糖体)を分離してサリシン(ラテン語: salix 「柳」から)と命名。

その後ピリアはサリシンを分解して新物質を発見、サリチル酸と命名した。

このサリチル酸からアスピリンが誘導体として合成され、今に至っているというわけです。




次にイタリア語で「美くしいマドンナ」という名前の「ベラドンナ」。

「ベラドンナ」はナス科オオカミナスビ属の草本。

和名は、オオカミナスビ、オオハシリドコロ、セイヨウハシリドコロ。

何故、「美くしいマドンナ」という名前がついたのかというと、昔から女性が瞳孔を散瞳にさせるための点眼薬として、この実のエキスを使用したことに由来する。

今でも「瞳」を大きく見せるコンタクトレンズがあるものね。

(「瞳」が大きいと「美しい」というわけでもないと僕は個人的には思うけれど。)


なぜ、ベラドンナの抽出物が瞳を開くのか?

そんな疑問から発見されたのが「アトロピン」。

アトロピンは抗コリン作用を有しているので散瞳するわけです。

ちなみにアトロピンは「サリン事件」の時に治療薬としても使われた。

アトロピンは天然ではl-ヒヨスチアミンとして存在する。

他の抗コリンアルカロイド同様、主にナス科の植物に含まれる。

たとえば、「ハシリドコロ」 「ベラドンナ」 「チョウセンアサガオ」など等、


ベラドンナの花が過ぎた後に緑色の実をつけ、1 cm ほどに膨らんで、黒色に熟していく。

この実は甘いといわれるが、猛毒を含んでいるため絶対に食べないように!

「ベラドンナ」の「花ことば」は「沈黙」だ。




植物からちょっと外れるけれど、「ヒルジン」を思い出したので書きます。

「ヒル」っていますよね?

都会育ちの方は知らないかな?

ミミズみたいな奴で、川の中や山の雑草の中にいて、そっと人間の足などに吸い付いて血を吸う奴です。

その「ヒル」って治療にも使って時代が長い。(これを「医用ヒル」という。)

ヒルは「瀉血(しゃけつ)*」として使われていたらしい。

で、そのヒルジン(またはヒルディン:Hirudin)はヒル(医用ヒルHirudo medicalisなど)の唾液腺から分泌されるポリペプチドで、トロンビンを阻害することにより血液凝固を妨害する。

これによりヒルは吸血を続けることができ、またヒルに噛まれた痕は止血しにくい。

抗凝固剤として用いることもある。

*瀉血(しゃけつ)とは、人体の血液を外部に排出させることで症状の改善を求める治療法の一つである。古く中世ヨーロッパで広く行われたが、医学的根拠はほとんどの場合は無く、迷信による治療であった。





次に甘草(かんぞう)です。

新潟大学医学部の教授(法医学)で俳人でもあった「高野素十」の俳句に「甘草の芽のとびとびのひとならび」という名作がある。高野素十は写実主義の俳人だ。

甘草は漢方薬に広範囲にわたって用いられる生薬であり、日本国内で発売されている漢方薬の約7割に用いられている。

で、その甘草から発見されたのが「グリチルリチン」。

グリチルリチンはスクロース(砂糖)の30から50倍の甘みを持つといわれる。

特に消化性潰瘍や去痰薬としての効果がある。

グリチルリチンのアグリコンであるグリチルレチン酸は、消化性潰瘍の治療に効果がある。

「強力ミノファーゲン」(ミノファーゲン製薬)は「グリチルリチン酸モノアンモニウム」が主成分で「強力ミノファーゲン」は肝炎の治療薬として以前より広く使用されてきた。

長期使用が可能で、適応範囲が広く、且つ副作用が少ないことから、今でもインターフェロンのすぐ次の選択となっています。




さて、お次は「レセルピン」です。

レセルピンは1952年にチバ社(現在のノバルティス)で「インドジャボク」から発見され、1954年に精神分裂病(現・統合失調症)の治療薬として実用化された。

レセルピンの発見は、ほぼ同時に発見されたクロルプロマジンと共に精神科病院の「閉鎖病棟」を開放する大きな要因となった。

だが、パーキンソン症候群という副作用が大きいため、現在では血圧降下剤としての用途が中心である。

レセルピンはアドレナリン作動性ニューロン遮断薬の一つ。

シナプス小胞へのカテコールアミンやセロトニンの取り込みを抑制し、その結果、これらがシナプス小胞内において枯渇することによって作用する。


インドジャボク(印度蛇木)とは、キョウチクトウ科の植物の一種。別名は、ラウオルフィア。

インド周辺に自生し、根の形がヘビのようであるからインドジャボクという。また、ヘビの咬傷に用いるからという説もある。

さらにインドジャボクからは「アジマリン」という化合物も発見されており、『発作性心房細動や発作性頻脈の予防・期外収縮(上室性および心室性)・新鮮心房細動』に効果があります。


本当に植物は薬の宝庫だね。




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